アチモフロボ 通路
「みんな、避けるんだ!!」
ドラえもんの合図と同時にドラえもんズは、光弾を避けつつイナリーを取り囲むように散開する。
「プラズマチャージショット!!」
「スペシャルドッカーンッ!!」
ドラえもんとキッドは同時に発砲する。
「フン!!」
それに対してイナリーはサーベルを取り出して双方の弾を容易く切り捨てる。
「やっぱり一筋縄じゃいかないか。」
「この程度の攻撃では俺は倒せん!ハッ!!」
イナリーは勢いよく両手を広げると凄まじい衝撃波が発生する。
「「「「わぁぁあ~~~!?」」」」
一同は衝撃で吹き飛ばされるが着地するとすぐに体勢を立て直し、続いてはヌンチャクを持った王ドラ、牙を剥き出しにして一時的に狼状態になったドラニコフが飛び掛かる。
「アチャ!アチャチャチャチャチャチャ!!!」
「ワオ~ンッ!!」
王ドラは、ヌンチャクでピンポイントになりそうなところを攻撃しているのに対してドラニコフはイナリーの頭部にかぶりつく。
「行くぜ~!!」
「ぬおぉお~~~!!!」
更にそこへエル・マタドーラとドラメッドが加勢し、怪力と巨大化させた拳で攻撃する。イナリーは、攻撃に気を取られている隙にドラえもんはキッドとアイリスの二人でバスターを構える。
「二人ともタイミングを合わせて!!」
「よし!」
ドラえもんとアイリスはバスターをチャージし、キッドは空気砲のリミッターを外して限界まで出力を最大にする。
「そうはさせるか!」
イナリーは、四人の攻撃を振り解くと三人の方へ光弾を撃ち出そうと右手を翳そうとする。
「シュートッ!!」
「ん!?」
ところが背後に回っていたドラリーニョは彼の後頭部に向かって必殺シュートを命中させた。
「ちょこまかと・・・・!?」
振り向いて攻撃しようとした瞬間、上から複数の巨大なリングが落ち、彼の身体をきつく拘束する。上を見上げるとリングマンがリングブーメランを投げていたのが分かった。
「貴様・・・・・」
「今だキッド!奴に向かって一発お見舞いしてやれ!!」
リングマンが叫んでイナリーの背後から下がったと同時にチャージが完了した。
「「「トリプルショット!!」」」
銃口三つから同時に放たれた弾は、光弾二発が交差する上に空気の弾がコーティングされることによって格段と威力が向上する。巨大なメカニロイドでもこの攻撃を受ければおそらく強固な装甲であろうとも大きく削り取られるのは間違いだろう。
「初めてとは思えんコンビネーション・・・・・・だが!!」
イナリーは、体を赤く発光させると拘束していたリングブーメランを一瞬にして砕く。同時に右腕にビームサーベルを取り、三人が放った弾に向かって振り下ろす。
「いくら良かろうとこの俺の前では無力!!」
サーベルが振り下ろされるのと同時に強力な斬撃波は放たれ、トリプルショットを真っ二つにし無力化してしまった。
「「あっ!?」」
「そんな・・・・」
「バッ!!」
イナリーが目を光らせると同時に衝撃波を発生させる。
「「うわぁあっ!?」」
「わあっ!?」
「アオッ!?」
「くっ!」
「「わあっ!?」」
「キャッ!?」
その衝撃波に呑まれて全員勢いよく吹き飛ばされる。しかし、イナリーの攻撃はこれだけではなかった。
「ハッ!!」
「「「「「「「わあっ!?」」」」」」
吹き飛んだかと思いきや今度は床に叩きつけられるように重力が重くなる。
「か、体が動きません・・・・・・」
「ど、どうなっていやがんだ!?」
「どうやら吾輩たちは強力な重力波で圧し潰されているようである!?」
「アウアウ・・・・・」
ドラえもんズ一同は、かかってくる圧力に押されながらももがこうとする。
「ヌヌヌゥ・・・・・・て、テキオー灯・・・・・」
ドラえもんは必死の思いで道具を取り出し、光を全員に浴びせる。
「た、助かったぜ・・・・・」
「うわぁ・・・・お餅みたいに潰れるところだった~。」
全員テキオー灯の効果でなんとか立ち上がることができたものの、イナリーを完全に無効化にできたわけではない。
「ムン!!」
イナリーは背中の輪から雷を発して全体攻撃を開始する。隙もなく降り注ぐ雷撃はドラえもんズたちを逃がすことなく全員の身体に電流を走らせた。
「「「「「「「「わあああああああああ!!」」」」」」」
ダメージと共に電撃による痺れを受けドラえもんズは次々と膝を付いた。
「ビビデ・・・・・・」
「バビビ・・・・」
「し・・・痺れた・・・・」
「ビビビ・・・・」
「フッフフフフ、どうだ?これだけの高電圧の電流を受けてしまえば子守用の貴様らはまともに動けまい。」
イナリーは、ズシンズシンと足音を立てながら倒れている一同に向かってくる。
「さて・・・・まずは、どいつから踏みつぶしてやろうか?」
イナリーは、周囲を見回しながら一番ダメージを受けたと思われるリングマンに目を付ける。
「フム、では手始めにこの旧式ロボットの方からスクラップにするか。」
イナリーは、巨大な足と振り上げ、倒れているリングマンに向かって振り落とそうとする。
「やめろ!先輩になにしやがんだ!!」
キッドは思うように動けない体に鞭を打って空気砲を構えながらイナリーに向かって行く。
「キッド!」
「キッドさん!」
止めに行こうとするキッドを制止しようとするエル・マタドーラと王ドラであったがその前にイナリーの右腕が飛び、彼を捕らえて壁に打ち付けた。
「ガハッ!?」
「雑魚は大人しくしていろ。後でゆっくり遊んでやるからな。」
「くうぅ・・・・・・ブロックドロッパー!!」
ドラえもんも何とか起き上がるとイナリーの頭上に向かって複数の特殊ブロックを落とす。しかし、攻撃と共に防御まで向上しているイナリーにはダメージらしいものは見受けられなかった。
「フン!」
「うわっ~!!」
イナリーは残っている左手で張り手を突き出すようにすると小規模な衝撃波を放ちドラえもんを吹き飛ばした。
「ドラえもんさん!」
アイリスはセイバーを杖代わりにして起き上がろうとするが思うように動けない。
「こ、こんな時に・・・・・」
「ここまでのようだな。」
邪魔をする者がいないと判断するとイナリーは、再びリングマンの方に向き直って足を振り下ろす。
「「リングマンさん!!」」
「先輩!!」
「クッ!」
リングマンは、振り下ろされる足を目の前にしながら死を覚悟したのか走馬灯が走った。
亡くなった自分の兄弟たち。
自分を慕ってくれたタイムパトロール長官や部下たち。
生みの親であるコサックとカリンカ。
最後に今の家族であるエリカとリングの姿が見えた。
「・・・・ここまでか・・・・・」
一方、メインコントロールルームでは
「ニョホホ~、ヴァジュリーラめ。まさか、まだテストもしていないにもかかわらずあの姿になるとは。だが、これでこちらの勝ちは確定っしょ!!」
アチモフはモニターを確認しながらマシンの最終調整を進める。少し前まではシグマウィルスの活性化で一時遅れが生じたがどういうわけか活性化が治まっていた。そんな作業を進めている中、撤収してきたダイナモが戻って来た。
「あら、ダイちゃんお帰り。」
「何がお帰りだよ・・・・システムの調整まで時間稼ぎするって言ったけどさ・・・・・俺をあの連中に殺させる気かよぉ。」
「ごめんなさいね、ウィルスの活性化で抑制するのに時間が取られちゃったのよ。」
不機嫌そうな顔をしているダイナモに対してベルカナは、手を動かしながら謝る。
「ハア・・・・・っで、どこまでできたんだよ?」
「もうすぐよ。あっちの方はVAVAが行ってから随分大人しくなったし、こっちの方もヴァジュリーラが時間を稼いでくれているからもう安心できるわ。」
「そんなもんかね・・・・」
腹の虫がおさまらなかったもののダイナモは壁に寄りかかる。
「そんで、あとどのくらい時間がかかるんだよ?」
「もうそんなにかからないわ。向こうで赤の坊や加わったとしてもここに来ることは不可能よ。」
「だといいけどね~俺はなんか嫌な予感がするよ。」
ワイリーアイアンゴーレム メインコントロールルーム
VAVAと別れてから少し経った後、エックスはワイリーが残して行った転送装置を確認していた。
「エネルギーに関しては問題ないようだ。」
「座標も向こうのロボットで間違いないみたいね。でも、なんでゼロの反応のある位置からこんなに離れているのかしら?」
マーティは、まだ機能が生きている探知機を使ってゼロたちの反応を確認していた。ワイリーが指定している座標ポイントはどういうわけか彼からかなり離れた場所になっていたのだ。エックスは最初ワイリーが自ら回収に行くことを前提にわざと離れた場所にしたのではと考えたがワイリーは既に逃げ出したものの例のロボットから離れて行っていた。
「ワイリーがどういう理由でこの座標を登録したかはわからないけど、とりあえずこの転送装置を使って向こうのロボットに行こう。」
「そうね、ドラえもんたちと一緒にいるとはいえ無事かどうかも心配だし。」
二人は転送装置を起動させ、装置の上に乗る。
「待っててくれ、ゼロ。ドラえもん。今、助けに行くから。」
転送先がどうなっているのか心配しながらもエックスは、親友たちの安否を気遣うのだった。
アチモフロボ 通路
「電刃零!!」
「んっ!?」
イナリーの足は、リングマンを踏みつぶす前に飛んできた斬撃波によって斬り飛ばされた。
「この技は・・・・・・」
「・・・・・?」
踏みつぶされていないと気づいたリングマンは何とか上半身を起こして様子を見る。自分を踏みつぶすはずだった足は、イナリーの背後へと落下している。
「これは・・・・・」
「いつまでボーっとしてんだ。」
そこへスカルバリアーを展開したスカルマンが来る。スカルマンは動けないリングマンを担ぐと急いでイナリーから離れる。
「スカルマン、大丈夫だったのか?」
「自分の事より人のことが大事か。それだから嫁に心配されるんだぞ。」
イナリーは、斬撃波が飛んできた方を見るとそこにはセイバーを持ったゼロとイレギュラーハンターたちと共に駆けつけていた。
「・・・・・ゼロか。」
「電子エネルギー研究所以来だな、ヴァジュリーラ。また、そんな化け物みたいな姿になり果てて・・・・・そこまでしてエックスを倒したいのか?」
ゼロは倒れているアイリスを回収しながらイナリーを睨みつける。
「ゼロか、その様子だとどうやらフォルテを倒したようだな。イレギュラーハンター共と合流していたのは予想外だったが。」
イナリーは、手を翳すと斬り飛ばされた足は念力で動かされているのか宙に浮き、切断面にくっ付く。
「だが、束になってかかろうが今の俺には敵わない。そこのタヌキ共同様・・・いや、スクラップにしてエックスの目の前にさらしてやろう。」
イナリーの挑発に一般ハンターたちは震えるがゼロは動じることなく返事を返す。
「ほう、ずいぶん強気でくるな。悪いがそうも言っていられないんじゃないのか?」
「なんだと?」
ゼロの言葉にイナリーは一瞬イラっと来る。
「忘れたのか?お前はその姿でエックスに敗れたんだ。また、負けた姿で挑んで本当に俺たちのことを倒せると思っているのか?」
「あの時と一緒にするんじゃない!!」
イナリーは怒りに任せて光弾を放つ。光弾は、ゼロに目掛けて飛んで行くが命中する寸前でセイバーで斬られてしまった。
「!?」
「一つ教えてやる。お前がその姿になった時は普段の冷静さが欠け、正確な判断が下せなくなる。」
「どういうことだ!?」
「あの時もそうだったんじゃないのか?相方をやられてエックスのことに執着し、アイツ以外のものを物ともしなかった。」
「あぁ、そうだ!!敗れたとはいえ、マンダレーラは兄弟同然の存在!!破壊されたからには報いを受けさせる!!」
「それがお前の見落とした落とし穴だ。お前はエックスに屈辱を味合わせようと剛田たちをアイツの目の前で攻撃した。」
「・・・・・何が言いたい?」
「お前は他のものを利用しなければアイツに勝てないと思っていることだ。その姿だってそうだ。奴の影を借りなければ倒す自信もないのか?その辺はVAVAの方がまだ利口だぞ。」
「貴様・・・・・・・」
イナリーは、ゼロに向かってロケットパンチを放つ。ゼロはジャンプして回避するとアイリスを後方で待機していたビートブードたちに任せ、バスターを撃ちながら向かって行く。
「何故だ・・・・何故、ゼロはわざと奴を挑発させるようなことを言っているんだ?」
リングマンは、スカルマンに担がれながら疑問に感じる。一方のスカルマンは何かを察したようだった。
「・・・・なるほどな、アイツが言うのも尤もなことだ。」
周りのハンターたちが秘かに散開している様子を見ながら、彼はゼロとイナリーの戦闘を観戦する。イナリーの攻撃は、ゼロに集中している。
「小癪なっ!!」
イナリーは斬撃波と光弾を見境なく放つがゼロは、上手く避けながら懐に潜り込む。
「電刃!!」
セイバーに電気を纏わせ、跳び上がりながら斬りつけ、イナリーの装甲を切り裂く。
「くっ!」
イナリーは着地したタイミングを狙って雷撃を放つ。
「アースクラッシュ!!」
ゼロは床に拳を打ち付け、衝撃波で発生した瓦礫を盾にする。
「それだけでは防げんぞ!!」
イナリーの言う通り雷撃は、瓦礫では遮断しきれなかった。
「そんなことはわかっている!」
ゼロは、もう一方の拳にエネルギーを纏わせ床に打ち付ける。
「滅閃光!!」
打ちつけられると同時にエネルギー弾が拡散され、雷撃を打ち消してイナリーに命中していく。
「くうぅ!下らん小細工を!!」
イナリーの怒りは更に高まり、手を掲げてエネルギー弾を生成しようとする。
「今だ!撃て!」
一般ハンターたちがタイミングを見計らってイナリーに向かってワイヤーを発射する。
「ナニッ!?」
各方面から発射されたワイヤーはイナリーの全身を拘束するように纏わりつく。
「この程度!」
イナリーはパワーギアを作動させて、強引に引き千切ろうとする。
「「「うわっ!?」」」
「踏ん張れっ!エックス隊長とマーティ副隊長に任されたからには俺たちでゼロ隊長をサポートするんだ!!」
敵わないと分かりながらも一般ハンターたちは石にかじりつくような根性で踏ん張る。
「いい加減に・・・・!」
イナリーはサーベルを展開して斬撃波を飛ばそうとすると背後から何かが迫ってくることに気が付く。
「まさか!?」
振り向くとそこには天井を伝って移動していたのか右腕をドリルに変形させたマンドリラーが突っ込んできていた。
「ブラアアアアアアア!!」
「いつの間に!?」
ドリルが胴体に食い込み、危うく装甲を削り取られかける。
「失せろ!!」
イナリーは、右腕をマンダレーラの物に変化させてマンドリラーを突き飛ばす。
「のおっ~!?」
マンドリラーは壁に激突しながらも踏ん張りながら立ち上がる。
「どいつもこいつもちょこまかと!!」
イナリーは、ワイヤーを強く引っ張ることで一般ハンターたちを自分の真上へと釣り上げる。
「「「「「わあっ~!?」」」」」
「まずは、雑魚の貴様らからだ!!」
上から落ちてくる彼らをイナリーは容赦なく、サーベルで切り裂こうと待ち構える。
「させるか!」
ゼロはゼロバスターを展開してダブルチャージを放つが光弾はイナリーはそれを容易く跳ね飛ばしてしまう。
「ちっ!」
「待っていろゼロ。コイツ等を片付けたら次はお前をっ!?」
だが、安心したのも束の間、ゼロが放ったものとは違う光弾がイナリーに直撃する。気が逸れたことで攻撃が中断し、一般ハンターたちは落下すると急いでイナリーから離れて行く。
「・・・・・」
イナリーは光弾が飛んできた方を見ると後方に下がっていたドラえもんとアイリス、キッドの銃口から煙が上がっていた。
「・・・・貴様らか。ゼロたちに甘えて引き下がっていればいいものを。」
イナリーは、平静を装って話していたが既に怒りが限界突破しているのは見ているからに明らかだった。
「力も無いものがノコノコと集まってきやがって・・・・本当に怒らせるのがうまい連中だ・・・・・」
そして、ひと呼吸したかと思いきや怒声を上げる。
「もうここまでだ!!ドクターの野望など最早知ったことではない!!貴様ら全員、この要塞諸共ゴミにしてやる!!!」
イナリーは、両手を上に構えて今までとは比べ物にならないほど巨大な光弾を作り始める。
「何をする気なんだアイツ!?」
「・・・・おそらくアチモフの要塞諸共我々を消す気なんだ。」
「「「「「えぇっ!?」」」」
キッドの疑問に答えたリングマンの言葉に一同が驚きの声を上げる。イナリーの作り出している光弾の大きさが徐々に大きくなる。
「ゼロ隊長、速くここから脱出しましょう!」
一般ハンターたちは急いで後退するべくゼロの声をかけるがゼロは腕を組んだままだった。
「ゼロ隊長、何やってんですか!?急がないと俺たち・・・・」
「慌てるなよ、ビートブード。もう、勝負はついている。」
「何言ってんですか、貴方は。そう言うこと言うからホーネックに・・・・・」
ビートブードは、呆れたようにゼロの手を引こうとするが再度イナリーの姿を見た際に異変に気付いた。
体のあちこちから凄まじい蒸気を発しているのだ。その量は半端なく、イナリーの姿が危うく見えなくなりそうになっている。
「これは一体・・・・・・」
「ダブルギアを多用しすぎた結果だ。ドラえもんたちが交戦しているときからかは分からないが奴は今までの連中と違ってダブルギアの機能を切る様子を見せなかった。ダブルギアはロボットの性能を飛躍的に高める代償として体に大きな負担を与える。それは奴とて例外じゃない。」
ゼロの言う通り、イナリーは巨大な光弾を作り出しながらもこちらに向けて攻撃する様子はなく、全身から火花が飛び散る。
「ギ、ギギギィ・・・・・貴様・・・・」
「冷静さを失ったことで自分の身体のことに気づいていなかったようだな。以前のお前ならいち早く気づいて対処していたぞ。」
「ぐ、グググ・・・・」
身体から急速に力が抜け、イナリーは自ら作り出した光弾に押しつぶされ始める。
「こ、こんなもの!!」
イナリーはすぐに光弾を押し上げてゼロたちに向けて飛ばそうとするがパワーダウンの影響で思うように動けない。
「こんなもの・・・・こんなもの!!!」
「全員、奴の近くから離れろ!!巻き込まれるぞ!!」
ゼロの声を聞いて一般ハンターたちは急いでイナリーから離れて行く。
「こんなもの・・・・こんなもの・・・・・」
イナリーは体をギシギシ鳴らしながら持ちこたえようとする。
「こ、こんな・・・・・こんな・・・・・・」
押さえていた両腕が溶解し始め、ついに限界を迎える。
「こんなも・・・うわあああああああああああああ!!?」
イナリーが光弾に飲み込まれるのと同時に周囲は光に包まれ、爆風で一帯を吹き飛ばした。
アチモフロボ 中央ホール
「何の揺れだ?」
イレギュラーたちと交戦していたサードナンバーズ、セブンスナンバーズは突然の揺れに戦闘を中断する。
「外で何が起こったんだ?」
「ヌオォオオッ!!隙ありじゃい!!」
よそ見をしたマグネットマンに対し、アリゲイツは喰らいつく。マグネットマンは回避をしようとするが寸でのところで右腕を喰いちぎられる。
「グッ!!」
「なんじゃい、右腕だけかい。」
アリゲイツはマグネットマンの右腕を噛み砕きながら残念そうに言う。
(数はこちらが多いとはいえ、やはりダブルギアの強化でやや押され始めているな。ここは何とか・・・・?)
シャドーマンは、そう思いながら次のプランを考えようとした直後、通信が入る。相手はワイリーだ。
「ドクター、何か。」
『全部隊を撤収させい。この場から離脱し、地上で合流する。』
「なっ!?それはどういうことで!?」
ワイリーの突然の撤退命令にシャドーマンは愕然とする。
『エックスたちのおかげでアイアンゴーレムを放棄することになったわい。幸い事前に別行動をとっていたバブルが地上の合流ポイントを割り出してくれた。お前たちに組み込んでおいた簡易転送装置に座標をインストールしておいたから負傷したものも含めてそこから離脱せよ。』
「しかし、それではDr.アチモフの思う壺では?それにゼロの回収もまだ・・・・」
ここで撤退をしてしまえばアチモフマシンの完成を許してしまう。更に本来の目的であるゼロの回収もまだ完了していない。
『ゼロの回収については腑に落ちんが今回は諦める。エックスたちにこれ以上絡まれるとこの世界から引き上げることも面倒になるからな。それにあのクワガタジジイの方には既に手は打ってある。とっておきの嫌がらせをな。』
「とっておきの嫌がらせ?」
『まあ、とにかく損傷が激しいセカンズを中心に撤退させよ。・・・・おっと、そう言えばフォルテの奴も回収せねばならんかった。すまないがお前はあのバカを回収してから引き上げてくれ。』
「・・・・御意(フォルテが?また、ゼロに挑んで今度は返り討ちにされたというわけか)。」
ワイリーとの通信を終えるとシャドーマンは他のナンバーズに撤退の合図を送るべく、閃光弾を投げる。閃光弾は上に投げられると眩い光を発し、イレギュラーたちの視界を一時的に麻痺させる。
「グオッ!?な、なんなんじゃこれは!?」
「眩しいっ!?」
イレギュラーたちが怯んでいる隙にシャドーマンは各ナンバーズに聞こえる声で叫ぶ。
「ドクターからの命令だ!全ナンバーズ、転送装置を使って撤収せよ!繰り返す!撤収する!!」
シャドーマンの声は各ナンバーズに聞こえ、次々と転送装置を使って離脱する。
「あ!?こら、待たんかい!!」
「逃げるなっ!?」
離脱していくワイリーナンバーズを見ながらイレギュラーたちは、不満の声を上げるがクワンガーの身は何が起こっているのか察したようだった。
「・・・・・・また、Dr.ワイリーが何かを仕掛けたようですね。」
彼はすぐに、アチモフロボ内のマップを展開し状況を把握し始める。
「この反応は・・・・・・なるほど、これは私たちも引き上げた方が賢明かもしれませんね。」
「クワンガー、お前さっきから何独り言言っているクワッ?」
ブツブツ独り言を言っているクワンガーに対してペンギーゴは、言うが彼はすぐに他のメンバーたちにも声をかける。
「ここから離脱しますよ。全員、地上基地に座標を合わせて転送装置を作動させてください。」
「何っ!?」
「なんでだよ?まだ、計画は遂行中のはずだぞ?それに途中で離脱したら博士からの報酬が減らされるじゃねえか。」
クラブロスは、自分がもらう予定の報酬を気にして言うがクワンガーは答えることなく、ロボ各所の量産タイプ、治療中のものも含めて自動的に転送されるように遠隔操作を行う。
「残念ですが作戦は失敗のようです。」
「ナヌッ!?どういうことじゃい!?」
「そのままの意味ですよ。では、私ももう一仕事してきますかね。」
そう言うとクワンガーは高速移動をして離脱して行ってしまう。
「あっ!お、おい!?」
慌てて止めようとした一同だったが彼が細工したのか全員転送が開始され、その場は物抜けの空となった。
アチモフロボ 通路
「・・・・・・みんな無事か?」
イナリーの自滅ともいえる爆発が終息した頃、ゼロは体を起こしながら辺りを確認する。
「な、なんとか。」
「伏せていなかったら爆風で上半身が吹き飛んでいたかもしれない。」
「危なかった・・・・・」
全員は恐る恐る爆心地を見る。
「ゼロ隊長、奴は・・・・・・ヴァジュリーラは・・・・・自滅したんでしょうか?」
ビートブードは目を細めながらゼロに聞く。
「どうだろうな。少なくともかなりの痛手を負ったのは確実だろうが。」
「だが、アイツは我々を消すつもりで作ったエネルギーを自分で受けたんだぞ。それでも死なないというのか?」
ゼロの言葉を聞いてリングマンは生きているとは思えないと言うが煙が晴れていくにつれて何かが立っているのに全員が唖然とした。
「「「「うわっ!?」」」」
「嘘っ!?」
爆心地には完全に消滅したと思われたヴァジュリーラが立っていたのだ。装甲の歪み具合を見る限り、かなりのダメージを負ってしまったようだがそれでも機能停止にまでは至らず、溶解して変形してしまった左腕を押さえながら辛うじて立っていた。
「い、今のは・・・・・・流石に危なかった・・・・・・装甲を全て解除して盾にしたとはいえ・・・・今回ばかりは本当に死ぬかと思った・・・・・・」
ボロボロの姿になりながらもヴァジュリーラは、サーベルを構え戦闘を続行しようとする。
「そんなボロボロの身体でまだ俺たちと戦うつもりか?」
「ダメージを負ったとはいえ、お前たち全員を細切れにするのはわけでもない・・・・・貴様ら全員、鉄屑にしてやる・・・・・鉄屑に・・・・・」
ヴァジュリーラは、ぎごちない足取りでゼロたちに向かおうとする。一般ハンターたちはここまでダメージを受けながらも動き続ける彼に恐怖を感じながらもバスターを構える。
「「「・・・・・・」」」
「「「「・・・・・ゴクッ」」」」
しかし、そんな彼の足元に何かが突き刺さった。
「!?」
「あれは・・・・」
「残念ですが、今回はそこまでです。」
一般ハンターたちは何事かと一瞬動揺していたが何かが通り過ぎると同時に構えていたバスターの銃口がきれいにそぎ落とされ、愕然とする。
「この切れ味と動き・・・・まさか!?」
ビートブードは驚いて前を見るとヴァジュリーラのすぐ隣にクワンガーが立っていた。
「クワンガー!」
「あ、兄貴!?」
「お久しぶりですね、ゼロ。それにビートブードも。」
軽い挨拶を交わせながらクワンガーは、ほぼ瀕死状態のヴァジュリーラに肩を貸す。
「貴様・・・・何のつもりだ・・・・・・」
「今回の作戦、どうやら終わりのようです。我々がこれ以上ここにとどまって戦うのは無意味、だから、引き揚げるのですよ。」
「そんなことが!!」
ヴァジュリーラは、クワンガーの言葉に対して反抗しようとするもののダメージの影響で動けない。
「貴方はダメージを受けすぎた。私が計算してもこれ以上の戦闘の続行は不可能でしょう。地上基地に行き、再度治療しなくてはいけませんね。」
「クッ・・・・・・」
ヴァジュリーラは、力なくぐったりとその場で崩れてしまう。
「クワンガー・・・お前・・・・」
「ゼロ、今回は貴方たちの勝ちを認めましょう。あのフォルテも倒したようですしね。強化された彼を精神誘導させて自滅させるのもお見事でしたよ。」
クワンガーは、先にヴァジュリーラを転送させると自分も転送しようとする。
「ま、待ってくれ兄貴!!」
ビートブードは、慌てて彼を止める。
「なんですか、ビートブード。」
「その・・・・・・・俺が言うのもなんだけどもうこれ以上罪を重ねず、投降してくれ。得体の知れない奴について何になるんだよ?今は、レプリロイドの数がかなり減っているんだ。罪を償えば、兄貴だって・・・・」
「ほう、つまり数合わせのために私を抱き込もうという算段ですか?」
「いや、そんなつもりじゃないけど・・・・・」
別の解釈でとらえてしまうクワンガーに対してビートブードは困惑する。
「お生憎ですが、私は自分の興味で彼についているのでしてね。イレギュラーハンターに戻るつもりはありませんよ。」
「兄貴!!」
「貴方もエックスと共に数々の戦線を潜り抜けてきたのでしょ?ならば、遠慮はいりません。気に入らないのならば、この場で私をイレギュラーとして処分してごらんなさい。」
クワンガーは防御する姿勢もなく、ビートブードを挑発する。それに対してビートブードは、攻撃をしようとしたもののすぐに手を引いてしまう。
「・・・・・俺は、アンタを撃ちたくない。」
「・・・・・・フウ、成長したかと思いましたが・・・・どうやら、まだまだ甘いですね。」
ビートブードの態度に呆れた様子を見せるとクワンガーは頭部のブーメランカッターを外し、彼の目の前に急接近して彼に斬りつけようとする。
「ビートブード!?」
「ウッ!」
一同はあまりの早業で止められないと諦めたがクワンガーは、ほんの数ミリの所で攻撃を止めていた。
「・・・・・えっ?」
「この一瞬がいずれ、命取りになります。憶えておくことですね。」
そう言って彼はカッターを頭部に戻して下がっていく。
「あ、兄貴・・・・・」
「私もそろそろお暇させていただきます。では。」
クワンガーは転送装置を使ってそのまま離脱して行ってしまった。急展開のあまり、その場は少しばかりの沈黙が訪れた。
「・・・・・・はっ!?こんなことをしている場合じゃない!早くアチモフの所へ・・・・・・」
ゼロは、バスターを展開して先を急ごうとするがそこへ何処からともなくスピーカーを通じてアチモフの声が聞こえた。
『ニョホホ~!もうすでに手遅れっしょ!!』
「「「「「「「アチモフ!?」」」」」」」
アチモフの笑い声にドラえもんズ一同は唖然とする。
『ヴァジュリーラが自滅したのは驚いたがおかげでアチモフマシンの再構築の時間稼ぎに成功したっしょ。後は、マシンを作動させて・・・・・お前たちを私の手駒にするだけっしょ!!』
「くっ!手遅れだったか。」
ドラパンはその言葉を聞いて悔しそうに言う。
「おいおい、まさかここで万事休すとでもいうのかよ!?」
「そんな・・・・・」
メインコントロールルーム
「ナ~ハッハッハッハッハ~!!悔しいっしょ?ねえ、どんな気持ち?どんな気持ち?ニュフッフッフッフ・・・・」
アチモフは、モニターを通じてドラえもんズの動揺っぷりを見物しながら楽しんでいた。
「Dr.ワイリーの邪魔で支障が出て遅れるに遅れてしまったがこれでようやく正常に作動するっしょ。」
アチモフは仕上げとばかりに、マシンに組み込まれた親友テレカにエネルギーを送り出す。
「出力安定、何時でも行けるわ。」
「ニョホホ~!これで世界は私のものっしょ!!」
「どうでもいいけど、早くしてくれよ。誤作動なんて言ったらマジで危ないんだからさ。」
「わかってるっしょ。では、ポチっとな!」
ダイナモにせかされながらもアチモフは、高らかにマシンの起動スイッチを押す。マシンのパワーは充電され始め、アチモフマシンは全世界に向けて洗脳ウィルスプログラムを拡散させようとする。
「世界よ!これからの世界を支配するのはこのDr.アチモフとその精鋭であるロボットたちっしょ!!ナッハハハハハ~~~~!!!」
・・・・・・・・・・ところがパワーが最大になると同時にマシンが急に止まってしまった。
「ナニュゥ!?」
アチモフは故障したのではと機器を確認するが異常は見られない。シグマウィルスの活性化がまた再開したのではとも思ったがやはり正常でその兆候は見られない。
「何故、マシンが止まったっしょ!?」
アチモフは原因が何なのかを探り始める。ベルカナも動力炉に何かあったのではと確認してみるがこちらも壊されておらず動いている。
「機器に異常はない。ウィルスも活性化の兆候は見られないし、後は・・・・・」
アチモフは、マシンの上に乗っているミニイエローデビルをじっと見る。
『ブモッ!?ブモ、ブモ、ブモモモモモッ!!』
ミニイエローデビルは自分のせいでマシンが止まったと思われているのではないかと思い全力で否定する。
「お前が乗ったぐらいでマシンが壊れるように設計した覚えはないっしょ!!」
「じゃあ、一体何が・・・・・・・あら?」
ベルカナは、システムの反応を見て何事かと調べる。
「どうしたんだよ、姉ちゃん。」
「こんな時に転送装置の反応!?でも、ワイリーのロボットの方から!?」
「なっ!?また、アイツの仕業かっしょ!?」
またもやワイリーの仕業かとアチモフは焦るが転送先を特定したベルカナは顔を真っ青にして二人の方を見る。
「転送先は・・・・・・・ここ?」
「こ、ここだとっ!?でっ、ここのどこに!?」
ベルカナは、ゆっくりと指を差す。
「ア、ア、ア・・・・・・・・アチモフマシンの中?」
ベルカナが冷や汗をかきながら言うのと同時にマシンは光を発して大爆発を起こす。
しばらくして、煙が晴れるとそこには黒焦げになったアチモフ一味、そして、ワイリーの所から転送されてきたエックスとマーティの姿があった。
「こ、ここは・・・・・・」
「あらら・・・・・・・よりによってアンタかよ。エックス。」
ダイナモは自分の嫌な予感が的中したと嫌でも実感した。
多分あと二回ぐらいで終わるはず・・・・・最後は爆発落ちで締めました。
本作でロックマンX7をやった場合で最も生存しそうなキャラは?(枠足りないので二つに分けます)
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フレイム・ハイエナード
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バニシング・ガンガルン
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トルネード・デボニオン
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スナイプ・アリクイック
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ソルジャー・ストンコング