地上 タイムパトロール本部
「大気圏外へ移動していた敵本拠地並びにタイムホールから出現した巨大戦艦の消滅を確認。しかし、最後に現れた大型タイムマシンは、地上への降下を開始しています。」
タイムパトロール本部では、先に地上に戻って来たドラミたちを加えて重苦しい空気に包まれていた。
「拠点ってドラミちゃんたちが少し前までいた場所だよね?」
セワシは恐る恐るドラミに声をかける。当のドラミ本人もかなり不安そうだった。
「もしかして、お兄ちゃんたち負けちゃったんじゃ・・・・・・」
不安な雰囲気の中、通信音が部屋に響く。
「長官、例の巨大タイムマシンから通信が入っています!」
「・・・・繋げてくれたまえ。」
「はっ!」
隊員は緊張した表情で通信を取る。
「こちらタイムパトロール本部、貴艦の所属を・・・・・」
『私だ。』
「その声は・・・・・・リング警部!?」
その声を聞いてその場は一善と騒然する。所属不明のタイムマシンから自分たちの上司が連絡を入れてきたのだから、無理もないが。
「私が変わろう。」
長官は、通信機を受け取る。連絡を取り合う。
「リング君、私だ。君たちの方は無事なのだな?」
『はい、全員無事です。現在、救出したドラえもんズたちと共に地上に向けて降下しています。』
「そうか。その船は我々の味方という見方でいいのかな?」
『えぇ、この船は元々私の世界のものです。そして、彼らも仲間を救うためにこの世界に来ました。』
「了解した。着陸ポイントはこちらで指定する。君たちはこちらの誘導にそって降下し、着陸してくれ。」
『わかりました。』
「後、奥さんと娘さん、弟君が君の帰りを待っている。早く戻ってきて安心させてあげなさい。」
『は、はい・・・・』
そう言うと長官は連絡を切る。そして、心配しているエリカたちの方へと行き、安心させるように声をかけた。
「皆さん、彼らが間もなく地上に降りてきます。こちらで座標を指定したのでまもなく会えます。では・・・・」
「長官。」
「ん?」
隊員がまた何かを受け取ったのか長官の話を遮る。
「今度は何事かね?」
「はっ!それが今回の事件の黒幕である首謀者の逃亡先の情報提供が・・・・・」
「何!?一体誰からだ?」
信じられない言葉を聞き、長官は思わず声を上げてしまうがすぐに冷静になる。
「オホン・・・・・で、一体誰からなんだ?」
「それが匿名での提供で身元を確認しようとしたのですが情報が遮断されてわからないのです。」
「ふむ・・・・・しかし、この期に及んで嘘の情報をこちらに渡すとは思えんな。時間指定は?」
「はい、推定時間が詳しく書かれています。」
長官は、しばらく腕を組んで考えるとすぐに行動を移した。
「現在、復旧している巡視艇三隻をポイントに向かわせてくれ。」
「よろしいのですか?巡視艇を三隻も。」
「向こうの意図が何なのかはわからないが今回の事件の首謀者をこのまま取り逃がすわけにはいかんからな。念には念を入れるのがいいだろう。」
「了解しました。」
大気圏突入中のビッグエディー
「長官からの着陸ポイントの座標を受け取った。このポイントに向かって軌道を変えてくれ。」
リングマンは通信を終えると、受け取った座標データを手渡す。ビッグエディーは、早速大気圏に突入している中、軌道をゆっくりと変えていく。
「ありがとう、リングマン。」
「礼には及ばないさ。君たちにはお嬢様を助けてもらったからな。このくらいのことは当然だ。」
「でも、私たちの世界ではロボットポリスの警部でこっちの世界でも警部だなんてすごい偶然よね。」
礼を言うエックスとは反対にロールの自覚のない毒舌がリングマンの表情を歪まさせる。
「姉さん、彼に失礼だよ。」
「でも、ほぼ同じ職に就くなんてロボットでも早々できることじゃないと思うけど。」
「こっちの世界に流れ着いたとき、一時的に記憶喪失になっててな。俺に目を付けてくれたのがタイムパトロールの長官だったんだ。偶然と言えば本当に偶然なんだけどな。」
リングマンはそう言うとホッとしたような顔でしまっていた家族写真を取り出して眺める。
(やっと帰れるか・・・・・・今回はエリカにかなり心配させたな。お嬢様を連れていた時はなんといわれるのやら・・・・)
「帰れるのはいいけど、ワイリーもアチモフもどっちにも逃げられちゃったね。」
ドラえもんは、アーマーを解除して休んでいる傍ら残念そうな顔をする。
「仕方ないさ、ここまで接戦になるとは思わなかったしね。」
そんな彼に対してエックスは、エネルギーを補充しながら言う。
「そう言えば、のび太くんとマーティさんは、ワイリーの方へ行ったんだよね?やっぱり、向こうも強い敵がいて戦っている間に逃げられちゃったの?」
「・・・・・・・」
「のび太くん?」
ドラえもんは、急に黙ってしまったエックスを不思議そうに見る。その様子を見てマーティは、心配する。
「・・・・・・・・」
『守るため?確かにお前の周りの者は感謝しておるじゃろうな。だが、他に何処の、誰が、お前に感謝しておる?それ以外の者共はまた「道具」同士の喧嘩で平穏な日常を壊されたとしか思っておらん連中がお前たちのことをありがたかってくれるか!喜んでくれるか!?』
『社会全体から見ればお前たちがいくら足搔こうと所詮は「道具」にしか扱われんのじゃ。だから、100年前のロボット狩りも平然と行われた。ワシが行った世界征服の事ばかりで自分たちの誤った考えを正そうとしない愚かな馬鹿どもによってな。そして、歴史は繰り返される!!』
ワイリーの言葉を思い出しながら、エックスは、周りの様子を見る。かけがえのない仲間と今も昔も変わらない親友たち。
これが本当に偽りの関係なのだろうか?
「・・・・・・」
「エックス・・・・・・」
マーティは、不安になって声を掛けようとする。しかし、エックスは、我に返ってすぐに返事を返した。
「うん?あぁ、ごめん!体力を使い過ぎでうっかり、ボーっとしちゃったよ。実は、ワイリーの方にシグマがついていたんだ。」
「えっ?シグマが?」
「それで奴と乱入してきたVAVAと戦うことになっちゃって。その間に逃げる準備を進められて着いた頃には逃げられたんだ。」
エックスは、頭を押さえながら言う。その様子にゼロは、一瞬何かがあったのだと悟ったが敢えて黙っておくことにした。
「そっか・・・・のび太くんも大変だったんだね。」
「まぁね。」
そう言うとエックスは、立ち上がり、部屋を出ようとする。
「え、エックス!?どこへ行くの?」
「少し、外の景色を見てくるよ。地上に着いた後はまた忙しくなるからね。」
心配するマーティに対して、笑って答えるとエックスはその場から離れて行く。
「・・・・・・・確かに俺たちは、都合のいい『道具』なのかもしれない。」
一人通路を歩くエックスは、拳を握り締めながら独り言を言う。自分は確かに認識が甘いのかもしれない。ライト博士がかつて望んだ「ロボットと人間の共存する世界」。そして、ワイリーが考えていた「人間とロボットが対等である世界」との大きな溝。
「・・・・・けど、俺はそうとは思っていない。今までだってそう信じて戦ってきたから。それにワイリー、お前が俺たちのやり方が間違えていると言ってもお前とシグマが同じことを繰り返す以上、止まるわけにはいかない。」
展望室について外の様子を見ると既に大気圏を突破し、青々とした海が見えていた。
(おそらく、ワイリーもシグマも再び俺たちの目の前に現れる。俺たちに負けるたび何度でも。俺は果たしてその中で耐えられるのだろうか?この終わりの見えないマラソンに。どちらかが倒れるまで続く道に。)
そう思いながら、エックスは目を閉じる。
この戦いに終わりの日は来るのだろうか?
どちらかが完全に滅びるまで続くのか。
それとも自分自身が消えるまでこの因縁は消えることはないのか?
様々な考えが頭の中を駆け回り、答えを出すことを躊躇っている。
「こうやって、上から海を見るというのは新鮮に感じるな。」
「!」
後ろからかけられた声にエックスは後ろを振り向く。そこにはゼロが来ていた。
「ゼロ・・・・・」
「こんなところで何一人で黄昏れている?」
「・・・・・・」
ゼロに聞かれてエックスは黙ってしまうが彼には何が原因なのかわかっているようだった。
「・・・・フウ、その顔からすれば大方、ジジイの奴に何か吹き込まれたようだな。」
「わかるのか?」
「認めたくはないがアイツは俺の生みの親だからな。お前に何か吹き込んで攻撃を躊躇わせるなんてことは十分あり得ることだ。」
ゼロはそう言いながら隣に立つ。
「・・・・ワイリーに言われたよ。俺たちは人間に都合のいい『道具』に過ぎないって。」
「道具・・・か。それが奴がダブルギアを開発した理由か。」
「ダブルギア?もしかして、ヴァジュリーラたちが使っていたあの妙な力の事か?」
「アチモフがベルカナたちを通じて俺たちの世界から持ち込んだものらしい。尤もジジイが作ったのは俺たちが作られる以前よりももっと昔のことだ。奴も奴なりにロボットの立場をよくしようとした末で作ったらしい。」
「そうか。ワイリーの言っていたことはやっぱり事実なのか。」
「ジジイは自分の作ったロボットに対しては強い愛着を持っているからな。それ故に俺の兄弟には人間に手を出すことを躊躇う奴らは居ない。俺もその一人だがな。」
「・・・・・・」
二人は黙って外を眺める。本来はどちらかが滅びるまで戦い合うはずだった存在同士。今は、仲間であり戦友でもあるがいつの日か・・・・
「だがな、エックス。俺は、自分の意思でジジイの考え方を否定した。何故かわかるか?」
「どういうことだ?」
「奴は確かにロボットの立場を良くしようとしたのは間違いない。だが、強すぎる力はやがて世間の脅威となり、関係のないものまで傷つける。レプリフォース大戦の時のようにな。力づくで自分の正しさを証明するなんていうのは暴君のやるようなことだ。そんなこと認めてたまるか。」
「ゼロ・・・・・」
「俺たちがやってきたことは全てがすべて命令とか使命だとかでやったわけじゃない。俺たちの意思でやってきたことだ。俺たちが正しいと思った道だ。その結果、今がある。」
「・・・・そうだな。」
ゼロの言葉を聞いて迷いがある程度晴れたのかエックスの表情は明るくなったように見えた。
「ゼロの言う通りだよ。俺たちは今まで自分が正しいと思って戦ってきた。時には間違ったこともあったのかもしれない。でも、俺たちのおかげで守れた命もある。それを今になって間違っていたと感じるなんて俺らしくなかったよ。」
「お前とは長い付き合いだからな。それぐらいお見通しだ・・・・・!おっと、今の一言は余計だったな。」
「えっ?一体どういう・・・・・・・あっ。」
後ろの方を見てエックスは気まずくなる。いつから聞いていたのか後ろにはドラえもんが魂が抜けたような顔で悲しそうに二人のことを見ていた。
「ど、ドラえもん!?」
「・・・・・ゴメン、君が悩んでいることに気づいてあげられなくて・・・・」
ドラえもんは、後ろを向いて体育座りして落ち込む。
「ご、誤解だよっ!?俺は気を使って隠そうとしてたから!だから、ドラえもんは悪くないよ!?」
「でも、親友である君の悩みに気づいてあげられないなんて・・・・・僕はなんと愚かな・・・・」
「だから、違うってば!!今回はあんな戦いの後なんだから、気づかないのは当たり前だよ!!」
「そうかな?」
「そうだって!!」
「でもな・・・・・」
こんなくだらないやり取りは地上に到着するまで続いたそうな。
一方、先に地上へと降りたアチモフ一味。
「おのれ・・・・・ドラえもんズ、イレギュラーハンター。私の長年の歳月をかけて建てた世界征服計画をあんなにもあっさりと・・・・・」
アチモフは、操縦桿を握りながら悔しそうに言う。すぐ後ろでは寝込んだベルカナとダイナモが大人しくしている。
「親父、なんで事前に脱出カプセルに服積んどかなかったんだよ?このままだと風邪引いちまうぜ。」
「そもそも丸焦げになって逃げるなんて誰も想像しないっしょ!これも全部、Dr.ワイリーの乱入さえなければ・・・・・」
思わず叫びそうになった瞬間、前方からサイレンの音が聞こえてきた。
「何事っしょ!?」
アチモフは慌てて前を確認するとそこにはなんとタイムパトロールの巡査艇が三隻待ち構えていた。
「ギョギョッ!?た、タイムパトロール!?なんでここに!?」
この飛行ルートは本来あまり交通機関でも利用されることが少ないエリアのため、発見の危険性が極めて低いはずだ。更に巡査艇のほとんどは作戦実行前にブラックゼロがほとんど破壊したこともあり、この辺りを巡査するはずはないと予測していた。
『そこの移動用カプセル!止まりなさい!!』
「ニュ、ニュニュ・・・・・・・何でここが分かったんしょっ?」
巡査艇の砲台を向けられながらアチモフは、困惑する。
『ブモ・・・』
「あ~あ~、こりゃ刑務所行きを覚悟しなきゃダメみたいだな。尤も刑務所に入れればの話だけど。」
包囲され、銃口を向けられたダイナモは武装を解除し、引き攣った表情で両手を上に挙げた。
「ガ~~~~ハッハッハッハッハッハッ~~~~!!ざまあぁ!!あのクワガタジジイめ、いい気味じゃわい!!」
少し離れた場所の岩山の陰でモニターを見ながらワイリーはゲラゲラと笑っていた。
「ドクターも人が悪いですな。自分の巨大ロボットを壊された腹いせに匿名でアチモフの逃走ルートをこの世界の警察に教えるとは。」
シグマは操縦桿の脇をプロペラで飛行しながら言う。後ろでは、シェードマンが他に地上へ降下したワイリーナンバーズの反応を確認している。
「宇宙で待機していたバブルさんのおかげで全ナンバーズが無事迷うことなく、合流したようです。」
「ほう、そうかそうか。では、ワシらも早いとこ合流するとしようかのう。」
ワイリーは、逮捕されるアチモフの情けない姿を記念に撮っておくとワイリーカプセルを発進させて、その場を後にする。
「しかし、博士。これからこの世界でどうするつもりですか?肝心のタイムマシンはあの博士のおかげでおじゃんになってしまいましたが。」
「なぁに、心配無用じゃ。この世界はタイムマシンの技術がワシ等の世界と比べ物にならんぐらい進歩しておるからな。一から作るより、その辺で購入して改造した方が早いわ。」
「ですが、このまま我々の存在が見過ごされるのですかな?現にゼロがこちらの世界と接触している以上、我々も警戒されている危険性がありますが。」
シグマは、不安そうに言う。
「シグマ、お前は何か勘違いをしておらんか?」
「ん?」
「飽くまでゼロから知った情報はワシらの世界での話じゃ。この世界ではワシはまだ何も犯罪を犯しておらん。」
「と言いますと?」
「この世界の警察は、ワシに手を出すことができんと言うことじゃ。こっちの世界では、まだ何にもしておらんのじゃからな。むしろ、クワガタジジイの野望を妨害してやったんじゃから勲章をもらってもいいくらいじゃわい!!」
「ただの揚げ足にしか聞こえませんがね・・・・・・」
シェードマンは、何か楽しそうに話すワイリーを呆れた様子で見る。よく考えてみれば、ここまでワイリーが楽しそうにするのはずいぶん久しぶりだったように感じる。
「さてと、まずはこの世界の臨時拠点を決めんといかんな。」
数時間後
タイムパトロール本部 近くの広場
「なあ、2号。」
「何ですか4号様?」
「今日は空から
「いいえ、今日は一日晴れる予報です。」
突然の退去命令で止む得ず移動屋台を移動させていたダークマン四人衆は、空から飛んできたビッグエディーを見ながら言う。
「うむ・・・じゃあ、今日は異星人襲来の日だったのか?」
「まさか、でもなんか懐かしいデザインですね。」
「2号もそう思ったか。実は俺と三号も。」
「エイプリールフールもまだ早いしな。もしかして、映画撮影のワンシーンか?」
現場では既にタイムパトロール本部から長官を含めるメンバーたちが着陸するビッグエディーを見守っている。
ビッグエディーはゆっくりと着地するとハッチが下ろされ、その中からエックスたちが下りてきた。
「お兄ちゃん!」
「兄さん!」
ドラミとツンドラマンは思わず駆け寄ろうとしたがまだ現場が緊張しているため、気持ちを抑える。エックスは全員に隊列を組ませるとタイムパトロールの長官の方へと向かい、彼と対峙する。
「・・・・」
「イレギュラーハンター第17精鋭部隊、隊長エックスです。」
エックスは、敬礼をしながら初対面である長官に対して自己紹介をする。
「・・・・・君が今回の事件の解決に協力してくれたのかね?」
「えぇ、残念ながらアチモフは取り逃がしてしまいましたが。申し訳ありません。」
「いや、君たちの協力がなければ今頃この世界は奴に支配されてしまっていた。謝る必要はない。」
そう言うと長官は部下たちと共に敬礼をする。
「君たちイレギュラーハンターの協力に感謝する。我らタイムパトロール一同は諸君らに会えたことを光栄に思う!」
その後、二人は固く握手をする。そして、緊張がほぐれたのかタイムパトロール一同とハンター一同は互いに握手を交えながら交友を始める。
「フウ、これで昔の事にケリを付けられたな。」
リングマンは、自分のエンブレムを取り外して感慨深い表情をする。
「お疲れだったな、兄弟。」
「スカルマン。」
「お前の活躍もあったからこの世界は救われたんだ。なんでそんな疲れ切った面してんだよ?もっと素直に喜べよ。」
「そうだな・・・・。」
「パパ~!!」
「「ん?」」
お互い認め合うかのように話していると今まで心配していたのかリングが彼の下へと走ってきて飛びついてきた。
「おっ!?」
「お帰りなさい!!」
リングマンは、飛びついてきた彼女を抱き上げると笑いながら返事をした。
「ただいま、リング。」
その光景を見てロールとカリンカが愕然とした表情をする。
「「パパッ!?」」
(あっ、そう言えばお嬢様たちに家族の事、話していなかった・・・・・)
リングマンは、思い出すと気まずそうに二人の方を見る。
「リ、リングマン・・・・・その子は・・・・・・」
「もしかして、アンタ。寂しさのあまりに妹ロボットのつもりを間違えて娘ロボットを作ったんじゃ・・・・・」
「ご、誤解だ!?寂しかったのは事実だがそんな考えで作ったんじゃない!リングは私と・・・・・」
リングマンが誤解を解こうと話しかけた直後、遅れてきたエリカが彼に抱きついた。
「「えっ!?」」
「エ・・・・エリカ・・・・・・・」
「もう、貴方ったら!リングにばっかり庇って私のこと無視して!!」
心配していたこともあって泣き顔になりながらエリカは、不満そうに言う。
「私もこの子もツンドラさんもみんな心配してたんだからね!」
「いや、エリカ。そのことに関しては悪かった。その前に二人に誤解されるから離れ・・・・・・」
「もう離しませんからね!!離したらまたどっかに言っちゃうんだから!!」
「えっと・・・・・」
「もし死んじゃったらどうしようかと・・・・・グス・・・・あぁあ~~もう、バカバカバカバカバカ~~!!!」
本音を次々とはいた暁にはエリカは泣き出してしまう始末。これにはもう二人の誤解を解くどころではないという顔でリングマンは呟く。
「だめだこりゃ。」
「あのお嬢様、僕のことも気づいてください。」
後ろでツンドラマンが寂しそうにつぶやく。
一方、同じように駆け付けたミミミは、ドラパンを探していたがどういうわけか、彼の姿は見当たらなかった。
「ドラパンさん・・・・何処へ行っちゃったのかしら?」
困ったように見回すとリングマンの所から離れたスカルマンが彼女の下へときた。
「よう、ミミミお嬢さん。ドラパンのことをお探しかい?」
「スカルマンさん。」
「アイツだったら、大気圏を突破した後別れを言って飛んで行っちまったよ。」
「えっ?そうなんですか?」
別れを言う前に去ってしまったということを告げられ、彼女は悲しそうな表情をするがスカルマンは胸のカバーを開いて一枚のカードを手渡した。
「これは?」
「アイツからの伝言だ。渡しておいてくれってな。」
受けとると反応し、ドラパンの姿が映し出された。
『ミミミ、本来なら君に直接会ってお別れしたかったがタイムパトロール本部の前では流石に捕まってしまうため、誠に残念ではあるがこのメッセージカードを置いて行く。今回は、アチモフの罠とはいえ、友人である君を巻き込んでしまって本当にすまなかった。私と関わらなければ君まで危害を加えることはなかったというのに。本当にすまない。この埋め合わせはいずれさせてもらう。だが、悪いことばかりじゃない。怪盗ゆえに常に一匹狼ともいえる私に友と呼べるものができたのだからな。君と友人にならなければ私も彼らとの「友情」を育むことはできなかっただろう。君のおかげだ、ありがとう。』
「まあ、ドラパンさんったら。」
『今度はいつになるかわからないがまた会おう。アディオス!』
そこでメッセージは終わる。如何にも彼らしいとミミミは、ホッとした表情でメッセージカードを大切に扱う。
「アイツとはまた会えると思うか?」
「えぇ。きっと。」
スカルマンの言葉に対して彼女は笑いながら答えた。
21XX年 ハンターベース 集中治療室
「・・・・・・・・」
エックスたちがドラえもんたちの22世紀へ旅立ってから5日以上が経過したハンターベースでは今日もエイリアが集中治療室へと足を運んでいた。部屋に入るとそこには、治療を終え寝かされているゲイトの姿があった。ドップラーの懸命な修理もあってどうにか助かったのだが、ナイトメアと同化したことにより、メインメモリーの一部にバグが生じたらしく、目を覚ます可能性は低いのだという。彼の寝かされているベッドのすぐ傍の机には生き残った調査員たちが彼のために作ったのか千羽鶴が置かれている。
「今日も目を覚まさないのね。」
エイリアは、持ってきた花を花瓶に差して机の上に飾る。
今回の事件に関しては、ゲイトは今まで死んだとされていたDr.ワイリーの暗躍によって操られていたということにされ、生き残ったナイトメア調査員諸共処分はかろうじて免れることになった。自分たちはいいからゲイトだけは生かしてほしいと懇願していたヤンマークたちはシグナスからその話を聞いて安心したがゲイトの意識が戻る様子は未だにない。バグを修正した場合は、同時に記憶も初期化する恐れがあるためドップラーの判断で様子を見るということになり、今日に至る。
エイリアは、椅子に座り彼の手をそっと握る。
「・・・・ヤンマークたちのことだけど、今回の事件の調査でDr.ワイリーが貴方を利用したという報告のおかげでイレギュラーとして処分されることはなくなったわ。しばらく、監視付きで厳しい生活になるでしょうけど。その期間が終われば配属先への移動も決まっているからこれでやっと彼らも胸を張って生きていけるわ。それともう一つ、政府がようやくあなたの能力を評価してくれたわ。目が覚めたらすぐに現場に復帰してもらいたいって。研究所時代は危険人物としてしか見てもらえなかったのに・・・・・今になって認めてくれるなんて皮肉ね・・・・・・」
「・・・・・・・・」
返事をしないゲイトの寝顔を見ながらエイリアは優しく声をかける。
「貴方がいつ目を覚ますかはわからないけど・・・・今度は逃げたりしないから。目が覚める時まで・・・・傍にいてあげるからね。」
寂しそうな表情をしながらエイリアは彼の額をそっと撫でた。いつ目を覚ますかは誰にもわからない。でも、いつかきっと目を覚ますときが来る。その時は、昔のようにはできないながらもまた一から関係を築いていこう。また、あの時のように後悔しないためにも。
そんな時、部屋にシグナスとドップラーが入ってきた。
「エイリア、またここに来ていたのか。」
「えぇ、わかってはいるんだけど・・・・」
シグナスの言葉に対してエイリアは、力のない声で答える。
「やることはすべてやったんだ。今は、彼の精神力を信じよう。」
「博士・・・・私たち、レプリロイドにそんな概念・・・・・本当に存在しているのでしょうか?」
気遣いで言ってくれたドップラーに対して彼女は失礼なことを承知の上で聞く。
「それは、私もハッキリとは分からない。だが、それは人間も同じようなことだ。彼らも同じようなことを言うが実際にそう言う物が存在するのかどうかはわかっていない。ただ、それを信じることも大事なことだと私は考えているよ。」
「信じることが大事・・・・ですか?」
「うむ。かつてエックスが自らイレギュラーとなる覚悟でシグマとの決戦に赴いた際、マーティは彼の事を信じ続けた。その結果、彼は、完全にイレギュラーとならずにシグマを倒して戻って来た。それにゼロも己の宿命と戦う覚悟、仲間を信じたからこそDr.ワイリーが望んだ『破壊者』ではなく、我々の『仲間』として戦ってこられたのだ。飽くまでも私の推測の域に過ぎないがね。」
ドップラーは、気恥ずかしそうに答える。無論、自分の言っていることに確証はない。だが、どうもそう思えるのだ。彼らの戦いを見ると。
「エイリア、ここで言うのは悪いと思うがすぐにブリッジに来てくれ。エックスたちの連絡が来た。」
「それは本当なの!?」
「ついさっきメッセージが送られてきた。無事にゼロと合流できたそうだ。Dr.ワイリーを取り逃がしてしまったそうだが。」
その話を聞くとエイリアは、彼らと共に部屋を後にする。
部屋の出口から出る際、彼女は再度ゲイトの方を見た。
「・・・・・・また、来るわね。ゲイト。」
二人に聞こえない声で言うとエイリアはそのままブリッジの方へと向かって行った。
22世紀 商店街
「いや~まさか、あのでっかい炊飯器が昔俺たちも入ったビッグエディーだったとはな~。」
移動式屋台を動かしながらダークマン四人衆は、感慨深そうに話をしていた。
「しかし、ロックマンそっくりの弟がいたのは驚きでしたね。
「俺も。中からコサックの娘とロールと
四人は店の後ろの倉庫に屋台をしまうと見せの暖簾を上げて夜の店の準備を始めようと見せの中へ入る。
「さて、今夜も酔っ払いの客どもが締めのラーメンを食いに来るだろうから仕込みの準備でもするか。」
「リングマンの奴、今度は大家族で来るかもしれませんね。」
「そうだな・・・・・・。」
彼らはそう言いながら店の中の照明をつける。
「よっ、邪魔してるぞい。」
「「「「・・・・・・・・・・」」」」
目の前にいる
「この四人もドクターが作られたロボットたちですかな?」
「そうですよ。回収する際に反応がなかったものだからてっきり破壊されたかと思いましたけど。」
更にそのすぐ隣には、
「「「「・・・・・・・」」」」
「ん?どうした?ワシの顔に何かついておるか?」
老人の言葉に対して四人は無言となり、照明を消すと店の鍵をかけ直した。
「・・・・・・・なあ、1号、2号、3号。」
「「「なんですか、4号様?」」」
「我々は最近変なウィルスで視覚回路がおかしくなったのだろうか?懐かしいものを見過ぎたせいかさっき、店の中に博士に似た泥棒がいたぞ?」
「4号様にも見えましたか?実は俺もです。」
「俺も。」
「俺も。」
「うん、今日は店じまいにしてロボット病院で検査してもらってタイムパトロールに通報するか?っで、帰りに回転寿司食いに行こう。」
「「「賛成!」」」
「誰が似た泥棒じゃ!?ワシは本物じゃ!!」
「「「「ファッ!?」」」」
ワイリーの怒鳴り声で四人は思わずその場で跳び上がった。
キャラが多すぎて整理が大変(-_-;)。
X7からもアクセル出てくるから更に大変なことに・・・・・
本作でロックマンX7をやった場合で最も生存しそうなキャラは?(枠足りないので二つに分けます)
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フレイム・ハイエナード
-
バニシング・ガンガルン
-
トルネード・デボニオン
-
スナイプ・アリクイック
-
ソルジャー・ストンコング