トンネルベース
協力者としてゼロたちと行動をすることになったアクセルが最初に向かったのは『トンネルベース』。採掘し尽され、役目を終えた廃鉱山を要塞化し、至る所にトラップやメカニロイドが配置されている。
「向こうも結構な数出してきているな。」
ゼロは破壊したメカニロイドの陰に隠れながら様子を窺う。向こうでは爆弾を抱えたイレギュラーたちが三人がいつ出てくるのかを見計らいながらいつでも爆弾を投げられるように待機している。
「アースクラッシュを放って一掃したいところだがここは元々脆い坑道だけにいつ崩れるかわからないからな。」
「だったら、爆弾を投げられる前に倒せばいいじゃないか。」
様子を窺ってから随分経って苛立っているのかアクセルは、速く動くべきだと言い始める。
「焦るな、アクセル。いくらイレギュラーハントをやって来たとはいえ、こんなところで戦った経験はほとんどないだろ?」
「けどさ・・・・」
『こら、アクセル!ゼロさんに口答えしない!!』
「口答えしてるわけじゃないよ!!でも、このままだとジリ貧じゃん。」
通信越しでパレットに注意されながらもアクセルは、不満をぶつける。ゼロの言う通り、自分がこれまでイレギュラーを倒してきたのは主に市街地がメインでこのような特殊な地形の場所で動くのは初めてだった。本来、こういう慣れない地形での活動は、経験を積んだ者の指導に従うのが道理だが精神面が未熟なこともあって早く活躍したいという感情が行動をせかしていた。
「まずは、作戦を考える。俺とアイリスが表に出てイレギュラーたちの注意を引く。その間にアクセルは背後から奴らを狙撃して無力化させる。」
「じれったいな・・・・」
「自分のことを認めてもらいたい気持ちはわかるけど、身勝手な行動が時に仲間を危ない目に遭わせるのよ。ちゃんとゼロの指示通りに従って。」
「はぁい・・・・」
アイリスに言われてアクセルはしぶしぶ返事をする。
(そう言えば、レッドにも以前に多様なこと言われてたな・・・・『焦って行動すると今度スクラップになるのはお前の方だぞ』って。)
彼は、残骸からひょっこりと顔を出してゼロとアイリスの様子を見る。二人は残骸の陰から出るやバスターを展開し、威嚇射撃でイレギュラーたちの注意を逸らす。
(すごい・・・アイツら一斉に爆弾投げているのに二人とも掠りもしない。僕でも多少は当たりそうになるのに。)
「アクセル、今だ!早く撃て!!」
ゼロの言葉を聞いてアクセルはバレットを構えて狙撃をする。若干誤差はあったもののイレギュラーの急所を次々と撃ち抜き、彼らの爆弾攻撃は数分も経たないうちに幕を閉じた。
「うわぁ・・・・・・」
「何ボーっとしているんだ?ここから先はまだまだ長いぞ。」
「う、うん!!」
先に歩いていく二人を彼は、慌てて追いかける。
ハンターベース 尋問室
「・・・・・・」
エックスは上の空になって呆然としていた。
自分は今までできる限りのことを全力でやって来た。にもかかわらず、この世界の自分はそれ以上のことを成し遂げている。あまりにも差が激しすぎて、自分を無力に思えてしまう。
「・・・・俺は一体何で戦ってきたんだろう?救えたかもしれない者を救うことすらできず・・・・・」
特に自分を憎んで死んだビートブードがこちらの世界で生きているというのは信じられなかった。自分の知っている彼は、兄であるクワンガーを処分されたことへの復讐のためにドップラー軍に入り、説得をしたものの報われず、結局和解することもできずに倒してしまった。しかし、この世界の彼は裏切ることなく戦線で活躍している。
それだけにこの世界の自分が羨ましくもあり、妬ましくも感じた。
「・・・・・」
そんな落ち込んでいる彼を他所に部屋のドアからノック音が聞こえてくる。
「?」
シグナスが戻って来たのだろうか。エックスは、暗い顔をしながらドアノブに手をかける。
「・・・・・えっ?」
エックスはドアの先にいる人物を見て、目を丸くした。そこには人間の少女・・・・否、人間に限りなく容姿が近いレプリロイドの少女が来ていた。頭髪は、よくサポートをしてくれているエイリアと同じ金髪でどことなく何か懐かしさを感じさせられた。
少女の方もエックスを見て一瞬ビビったがすぐに落ち着いて声をかける。
「貴方がエックス君ね?」
「えっ、あ、あぁ・・・・・。」
「本当にシグナスさんが教えた通り、全く姿は同じなのね。てっきり、ワイリーがまたロックの時のようにコピーを作ったんじゃないかと思ってビビったわ。」
「ワイリー?」
聞き覚えのある単語を聞いてエックスは、疑問に感じる。
「あの・・・・・君は?」
「あっ、そう言えば貴方の世界だと私は居ないんだっけ?自己紹介するわ、私はロール。ライト博士が作ったお手伝いロボットで貴方のお姉さんみたいなものよ。」
「姉さん!?この世界の俺のっ!?」
まだアーカイブスを全部見ていないこともあるがエックスは目の前のロールを見て驚きを隠せない。
確かに自分を作ったのはライト博士だというのは理解している。しかし、自分以外のロボットの存在については何も知られていなかった。知られているのは100年前にいたであろう『RockMan』ぐらいで自分の世界ではおそらく全滅してしまっていることが示唆されている。
「・・・・・」
「もしかしてビックリしちゃった?シグナスさんがそろそろある程度落ち着いてるだろうと思って面倒を見るように頼まれてきたんだけど・・・・・大丈夫?」
ロールは心配そうにエックスを見る。しばらく呆気に取られていたエックスであったが我に返ると無意識に目から涙が溢れ出し、その場で膝を付いて泣き出してしまった。
「えっ!?ちょ、ちょっと本当に大丈夫!?」
泣き出すエックスに対してロールは慌てて駆けよる。エックスは、泣いていることに気づきながらもこれまでの辛さとこの世界の自分と比べての惨めさが頭をよぎり、余計に泣けてきてしまった。
「何故だ・・・・・何故、俺はここまで無力なんだ・・・・・・・今まで必死に戦ってきたのに・・・・・こんなに報われないなんて・・・・・」
「えっ?」
エックスの口から出た言葉にロールは、ずっと彼が何かを抱えていたことに気づく。
「戦いたくないのに仕方なく戦い続けて・・・・・・仲間だった者を傷つけて・・・・・・」
「・・・・・・・・」
「いくら平和を掴んでもすぐに消えてしまう・・・・・・どんなに戦っても・・・・何人イレギュラーを倒しても・・・・・仲間が何人消えても・・・・・また、戦いが始まる・・・・・・」
「エックス・・・・・」
泣いているエックスの姿を見てロールは、シグナスから聞いた話を思い出す。
彼は、自分の知っているエックスと違って仲間を多く犠牲にしてきた。最初の戦いからずっと・・・・・仲間だと信じていた者に裏切られ、戦いを止めることができず・・・・自分たちのように心境を打ち明けられる存在がほとんどいない中で自分のことを棚上げにすることで感情を押し殺し・・・・おそらく、それだけの抱え続けていたのだろう。
「なのにどうしてこの世界の俺はこんなにも恵まれているんだ?仲間を助けることができて・・・・・多くの犠牲を出さないで・・・・・俺はそんなに無力なのか?」
彼の顔からでも辛かったことが伝わる。ロールは、子供をあやすかのように彼の頭を撫でながら優しく抱きしめてあげた。
「あぁあ・・・・・どうしてなんだ・・・・・なんで、俺は・・・・・・・」
「大変だったのね。正直に言えなくて、ずっと一人で抱え続けて。」
今の彼の姿はどことなく自分が以前見たロックの姿に重なった。
ロックも元々自分と同じお手伝いロボットで戦いをあまり好まない性格だった。
それがワイリーの野望を阻止するため、そして、操られた兄弟を助けるために「RockMan」となって戦いに身を投じる道を選んだ。無論、製作者であるライトの反対を押し切って自分の意思でだ。そんな彼にも戦いの中で悩みを感じる様子はあったが周囲の兄弟たちの支えもあって乗り越えていた。
しかし、目の前にいるエックスは飽くまで一人だ。周りに仲間はいるものの飽くまで自分の言葉を真摯に受け止めてくれる輩がおらず、悩みを打ち明けようにも打ち明けられない。結果的に自分の中へ抱え込むしかなかった。どんなに辛くても。
「本当に辛かったのね、今は泣いてもいいわよ。気分が晴れるまで思いっきり。」
「うわああぁぁあ・・・・・・」
今のエックスは、まるで子供のように泣いていた。ひたすら泣き続けていた。
(それにしても向こうのライト博士は一体何をしていたのかしら?エックスがここまで追いつめられるほど辛い思いをしていたのに・・・・もし会えるんだったら注意してあげたいわ。『エックスをこんなに放置してどういうつもりなんですか!?』って。)
ロールは、泣いているエックスをただ受け止めてあげるのであった。
トンネルベース 最深部
「ここまでライドアーマーを揃えるとは、レッドアラートも随分裏で取引していたようだな。」
ゼロは、山積みにされているライドアーマーの残骸を背にセイバーを戻す。奥まで進んで三人を待ち構えていたのは何処から入手したのか不明だが最新型のライドアーマー『ゴウデン』の試作機である『プロトライド』の集団だった。ゴウデンでは採用していた腕部装備を外したぐらいしか差はないがライデンにも劣らぬ機動力とキャノン砲、胸部ミサイルなど高い火力を誇っている。試作で生産されたこともあって装甲は脆いが集団で攻撃された場合はその火力とパワーでひとたまりもない。
そんなプロトライドの集団であるが相手が仮にも歴戦を戦い抜いたゼロとパートナーであるアイリスだったのが運の尽きだった。高い機動力も二人の前では赤子同然で砲撃をしている間に背後に回り込まれで撃墜され、反撃を試みて応戦して逆に味方を攻撃して自滅する始末。援護を行っていたアクセルは、たった二人のハンターの手で蹂躙されていくライドアーマーの軍団の末路を恐ろしげに眺めていた。
「すごいな・・・・・あれだけたくさんいたライドアーマーが跡形もなく片付けられちゃった。」
『ゼロさんとアイリスさんのコンビネーションは抜群だからね!だから、アクセルもああいう風になりたいんだったら今からちゃんとチームプレイとか覚えないとね!』
「・・・・・ちぇ、パレットは厳しいな。別にそんなこと言わなくたっていいじゃないか。まあ、確かにレッドと一緒に動いていた時も基本的に仕事は一人が多かったけど。」
通信越しで聞こえてくるパレットの言葉に対してアクセルは不満を持つ。と言うよりはなぜか自分に対して冷たいように感じられる。
(なんか僕悪いことしたかな?最初に会った時からなんかぎこちなかったし。もしかして、信用されてない?だとすればショックだな・・・・・)
そう思っていると三人の目の前に桃色のカンガルー型ライドアーマーが堂々と着陸してきた。
「お出ましのようね。」
アイリスはバスターを構えながら言う。ライドアーマーの腹の袋の部分にある操縦席には、メットールよりも少し大きいぐらいのカンガルー型レプリロイドが乗っている。
「金髪にセイバー・・・・お前がゼロだなぁ!!」
「・・・・おい、アクセル。このガキはなんだ?」
「が、ガキッ!?」
会って早々ゼロに『ガキ』呼ばわりされてレプリロイドは、ショックを受ける。
「いきなりストレートに言うのはひどすぎるよ・・・・・・コイツは、バニシング・ガンガルン。レッドアラートの中では一番の小柄でライドアーマーの操作技術は・・・・・まあ、ボチボチ。でも、本人は小柄なこともあってものすごく速く動くことができて結構強いよ。『子供』呼ばわりされるとすごく嫌がるけど・・・・大目に見てね。」
「なんかものすごく僕が気にしていることを全部言っているぞ、アクセル!!」
自分のことを紹介してもらいながらもガンガルンは、顔を真っ赤にしながら言う。
「やれやれ・・・・まさか、こんなガキまで使っているとはな。これなら、ヘチマールとかマシュラームのように更生施設に連れて行ってやったほうがよかったんじゃないか?将来悪ガキになるぞ?」
「そこはなんとも・・・・」
「ガキガキガキ言うな!!僕はうんと強くなったんだぞ!!揃いに揃ってバカにしやがって!許さないぞ!!」
ガンガルンはライドアーマーの腕を組み合わせてガシガシ音を立てながら叫ぶ。しかし、それが逆に子供らしく見えたのかアイリスは少し吹き出してしまった。
「本当に子供みたい・・・・・可愛い。」
彼の癪に障ったのかライドアーマーの拳は最初に彼女に向けて放たれる。彼女はそれをひらりと避けるとバスターで右足の関節を撃つ。
「わあっ!?」
「こういう悪ガキは、早く大人しくさせるのが一番だな。」
「奇遇だね、僕もそう思ったよ。」
ゼロとアクセルも射撃を開始する。ガンガルンの乗る専用ライドアーマーは、過去のVAVAが乗っていたタイプ同様なのか、それとも射撃戦を考慮していないのか射撃武器が弾速が遅い光弾しか装備されていない。いくら機動力並びにジャンプ力が高いとはいえ、それ以上に早く動ける三人を相手にするには分が悪すぎた。
「こら、避けるな!」
「そんなことで苛立つということはまだまだガキだな。お前よりもVAVAの操縦の方がもっとうまかったぞ。」
「また、ガキって言ったな!!」
ガンガルンはライドアーマーの右足でゼロを蹴り飛ばそうとする。
「ジャンプキック!」
「アースクラッシュ!!」
それに対してゼロは、本来地面に打ち付けて攻撃するアースクラッシュを放つ。するとライドアーマーの右足はゴンっと鈍い音を立て、内部が破壊されてしまったのか動かなくなる。
「あれ?う、動かない!?」
頑丈に作ったにもかかわらず突然動かなくなったことでガンガルンは慌て始める。
「よし、アクセル。奴のコックピットに向かって撃て!」
「うん!」
アクセルは、バレットを構えながらガンガルンが乗り込むコックピット部を狙って連射する。動きが鈍くなってしまったライドアーマーは腕で防御をしようと試みるがアクセルが動き回っているため防ぎきれない。
「うわぁ~~~!!やめろ、アクセル!?ここはそんなに頑丈にできていないんだぞ!!もし当たったら・・・・・」
ガンガルは身構えながら攻撃を受け続けている直後、操縦系の回路がショートしたのかライドアーマーはコックピット部から盛大に爆発した。
「あっ、変なところに当たっちゃったみたい。」
爆発の勢いでガンガルンは、外に放り出される。
「アイタタ・・・・・僕のライドアーマーが・・・・」
自信作だったのか彼は後ろで燃えているライドアーマーを見ながら涙目になる。
「よくもやってくれたなアクセル!!レッドには連れ戻して来いって言われたけどお前なんかバラバラのミンチにしてやる!!」
ガンガルンは、動き始めたかと思いきや一瞬でアクセルの目の前にまで迫り、彼に向かってアッパーを仕掛ける。
「ブッ!?」
抵抗する暇もなく、アクセルは上に着き飛ばされる。ガンガルンは更に着地する寸前にキックを放ち、無抵抗になったアクセルを殴り始める。
「コノヤロコノヤロコノヤロー!!」
子供同士の喧嘩ならまだ可愛いものだがガンガルンのパンチの威力は高い。このままでは、アクセルが危ない。
「大変、早く止めないと!」
アイリスは、バスターでガンガルンを撃とうとするがその前にゼロが先に二人の下へと向かい始めた。
「ゼロ?」
ゼロは、二人の目の前に来ると怒りが収まらないガンガルンを軽く掴み上げた。
「な、何をする!?」
ガンガルンは拳を振るいながら抵抗をするがゼロには全く当たっていない。
「全く、これだからガキは苦手なんだよな。」
必死に抵抗する彼の姿がどういうわけか自分によく悪戯するミニドラたちに似ているような気がする。最近は、赤いミニドラしかいないため以前ほど悪戯されることはないが集団で悪戯された時のことは昨日のことのように覚えている。
「ガキにはお仕置きをしないとな。」
「お、お仕置き!?」
ゼロに睨まれてガンガルンは背筋をゾッとさせる。ゼロは、彼を離す。
「な、何の真似だ!?」
「無抵抗のガキに手を出すほど俺もできていないからな。全力で抵抗してみるんだな、俺を倒せばお前の勝ちだ。」
ゼロはそう言うと腕を組みながら立ちはだかる。セイバーは愚かバスターすら展開していない。
「ま、丸腰で僕を挑発するなんて・・・・・何処まで馬鹿にすれば気が済むんだ!!」
ガンガルンは、一気にゼロの近くにまで接近してラッシュを仕掛ける。
「・・・・・・」
無数の拳が飛び掛かって来るもののゼロは、掠ることもなければ焦る様子もなく避けきる。
「あ、当たらない!?」
自分の拳は、レッドのおかげで威力は愚か速さも桁違いに上がっているはずだ。にもかかわらず、この男はまるで何でも見透かしているように避けきった。
「この野郎!!」
ガンガルンは、正面では当たらないと判断して背後に回って攻撃を掛けようとする。
「くら・・・・フゴッ!?」
近距離まで接近して拳を振りかざそうとした直後、ゼロの拳が彼の顔面にめり込む。そのまま尻餅をついて自分の顔に触れてみると鼻の部分から液体エネルギーが鼻血のように出ていた。
「う、うぅ・・・・」
「背後からなら倒せると思っていたのか?その様子から見るとレッドアラートの連中は不意打ちが好きなようだな。」
「く、クソ~~~!!!」
ガンガルンは、やけくそになってゼロに飛び掛かる。
しかし、何度やっても一緒。
外れてはゼロの拳が命中し、その場で倒れる。次も避けられればまたやられ、その次も外れれば拳がめり込む。
その様子は、アイリスに介抱されて起き上がったアクセルから見ても明らかでゼロは全くと言っていいほど本気で相手をしていない。
そうこうしているうちにガンガルンの顔はボロボロになり、拳を動かす力がなくなってしまったのかその場で膝を付いてしまう。
「つ、強い・・・・・・・」
「どうした?もう終わりか?」
目の前には仁王像の如く睨みつけるゼロが待ち構えている。
「ひっ!?」
その目を見てガンガルンは、後ずさりながら怯え始める。そんな彼を見逃すことなく、ゼロは、ゆっくりと歩いてくる。
「何で強くなったかは知らないがその力を関係なく使って周りに迷惑をかけたのが運の尽きだったな。」
「ひ、ひいぃいい!!」
拳を鳴らしながら迫ってくるゼロを見てガンガルンは、先ほどの威勢は既になく、泣き顔になって身を縮こませていた。
「さて・・・・これからどんなお仕置きをしてやろうか?」
「うわぁあ~~~!!!助けて!!」
彼の目からは余程鬼に見えたのか、とうとう泣き始めた。
流石にやり過ぎだと思ったのか、アイリスはゼロの方へ駆け寄る。
「ゼロ、流石にやり過ぎだわ。本当に怖がっているわよ。」
「うわぁああ~~~~怖いよ~~~!!赤い悪魔に殺される~~~~~!!」
「・・・・・少しいじり過ぎたな。おい、殺しはしないからもう泣くのはやめろ。」
泣きくじゃっているガンガルンに駆け寄り、ゼロはしゃがみながら言う。その後ろでアクセルは、冷や汗をかきながら様子を見ていた。
「・・・・・・ねえ、パレット。」
『・・・・・・何?』
向こうからも見えていたのかパレットも若干震えた声で返事をする。
「ゼロってあんなに怖いの?」
『いや・・・・・私もゼロさんがあそこまでするのは初めて見たから・・・・・』
「・・・・・僕、ゼロへの態度少し改めた方がいいよね?」
『そうね、あんなゼロさんアイリスさんぐらいしか止められなさそうだし。』
お互いの意見が初めて合ったような気がする。パレットの方もアクセルへの対応について言われそうな気がしたので少しは仲良くしようと考えた。
???
「あらら、やっぱりお子様じゃ。相手になりませんでしたね。」
その様子は、現場近くに隠れているスナイパージョーを通じて何者かに見られていた。
『うむ・・・・・流石はゼロと言ったところか。エックスが未だに前線に出てこないのが疑問に残るが。』
「しかし、本当にあなたも懲りませんね。うちの博士は、向こうの世界でエンジョイしているというのに。」
『ヌフフフ・・・・・それだけ私がこの世界に固執しているというわけなのだよ。』
モニターを見ながら懲りないスキンヘッドは、ニヤリと笑みを浮かべながら言う。
「では、私は博士に報告しますから。貴方は好きなようにやっててください。」
そう言うともう一方の影は、部屋を後にする。
『・・・・・さて、私はまたしばらくレッドたちの動きを見ながらここで高みの見物をさせてもらうとするかな。さあ、エックス。お前はどう動く?』
ガンガルンを最初に選んだのはアクセルの武装強化も兼ねて。
Gランチャー・・・・ガンダムの武装っぽいネーミングだけど本当に火力が高い。