ハンターベース 個室
「ドラ!」
隊長室から連れられたミニドラは、エックスの部屋でロールが用意してくれたどら焼きを含めた料理の数々を喜びながら頬張っていた。体が小さい上にメカニロイド(ロボット)でありながら嬉しそうに食べている彼を見てエックスは動揺を隠しきれないで眺めていた。
「・・・・まさか、本当に食べるなんて。」
「毎回見ているけど相変わらずの食欲ね。この子の動力炉、一体どれだけの大きさなのかしら?」
食事を終えるとミニドラは満足そうな笑みを浮かべながら腹をさすり、その場で横になる。
「ドラララ~」
(表情豊かでとてもメカニロイドには見えない。でも、しゃべることはできないのは不思議だな。)
「ドラ・・・・・」
満腹になって眠くなったのかミニドラは二人が見ていることも気にせずそのまま眠ってしまう。
「あらあら、お腹一杯になったかと思ったらもう寝ちゃってる。」
そんなミニドラを見てロールは、あきれたように言う。目を覚ましてそんなに長くないが自分の知っているラッシュやビート、タンゴすらエネルギー補給をした後すぐに寝るといった行動は見たことがない。
「変わっているな・・・・・ケイン博士が生きていたら喜んでいたかも。」
「あれ?そっちの世界のケイン博士は亡くなっているの?」
「レプリフォース大戦後に体調を崩してね。元々そんなに長くはないって本人もわかっていたようなんだけど・・・・・・」
エックスは、眠っているミニドラを自分のベッドに寝かしつけながら感慨深い顔で語り始める。
時はレプリフォース大戦終結から僅か数か月後。
それまでイレギュラーハンターのサポートをしていたレプリロイド工学の権威であるDr.ケインは前総監の退任と同時に新しく就任したシグナスによる組織の再建を見届けた直後、自宅で倒れていたところを発見される。
病院で医師が診断したところ末期癌だと診断され、実はイレイズ事件解決時には既に全身に転移していたらしくもう助からないと理解した本人の意思で公表されていなかったことが明かされた。
エックスはケインが亡くなる数日前に業務の合間を縫って彼の病室を訪れた。
「ケイン博士、失礼します。」
エックスは、見舞いの花束を持って病室へと入る。部屋の奥では口元に呼吸器が当てられ、ベッドに寝かされているケインの姿があった。
「・・・・エックスか。」
ケインは笑顔を見せながらも力のない声で話す。エックスは持ってきた花を花瓶に差すと彼の傍に行く。
「ご気分はいかがですか?」
そう言いながらも容体がよくないことは明白だった。身体は癌があちこちに転移したことでやせ細り、顔色も悪い。先ほど担当の医師に確認してみたが後持って数週間だという。
「フッ・・・・この病院の先生のおかげでだいぶ気分は楽になったわい。美人の看護師のお姉ちゃんが毎日来てくれるしのう。」
「そうですか。」
エックスは、その後現在の復興の作業情報、ハンターベースの様子、そして、ここ最近一緒にいることが多くなったゼロとアイリスのことについて色々と話した。それをケインは、『うんうん』と言いながら楽しそうに聞く。
「だいぶこの街の方もよくなってきているようじゃのう。」
「はい、レプリフォース大戦の被害は地上の方はすでにほとんど終わって次はスペースコロニー群の復興に移る予定です。」
「そうか・・・」
ケインは、そう返事をした後に真剣な顔になる。
「・・・エックス、今思えばお前には本当にすまないことをしたのう。」
「えっ?」
彼の突然の言葉にエックスは、思わず驚く。
「戦いたくないお前に何度も戦ってもらって・・・本来なら数々の事件は創造主である儂たちが解決しなくてはいけないものじゃった。だが・・・・レプリロイドが普及した現在、その本来の役割すらレプリロイドに押し付けてしまった。」
「そんなことありませんよ。博士だって俺たちのためにいろいろやってくれたじゃありませんか。」
悲しげに話すケインに対してエックスは否定するが次の言葉が彼の胸を突き刺した。
「じゃが、元はといえば儂自身が撒いてしまった種なんじゃ。お前を発見し、その一部のデータを基にレプリロイドを作り出したことで・・・・この世界を戦いの渦に巻き込んでしまったのじゃ。」
「博士・・・・」
「世間は儂のことを天才と言っておるがお前を完全に解析することができなかった時点でそうとは言えん。ロボット工学の父ともいわれた伝説の科学者『トーマス・ライト』・・・彼の言う理想の社会を夢見て儂は動いてきたが・・・・この有様じゃ。彼にも申し訳ない。」
ケインは、泣きながら言う。その様子を見てエックスは、彼がどれほど感情を押し殺していたのかが痛いほど感じる。
「許してくれエックス!儂が・・・儂のせいでお前を戦いの中へと引きずり込み・・・・・この世界を混乱へと陥れてしまったのじゃ!!すまない!本当にすまない・・・・・ゲホゲホッ!!」
「博士!!」
エックスは、咳込んでいるケインの背中を擦りながら落ち着かせようとする。
その後、異変を感じた看護婦の要請で医療スタッフたちが部屋に駆け付け、鎮静剤などを投与することによってようやく落ち着いた。
この件が響いたのかケインはこの僅か数日後にこの世を去った。
葬儀は独り身であった彼のこともあり、イレギュラーハンター一同が執り行い、特に彼と喧嘩する仲でもあったゼロはアイリスと共に彼の死を悲しんだ。
「ジジイ、今まで大変だっただろうな。ゆっくり休んでくれ。後は俺たちが何とかする。」
エックスは、葬儀の中で彼の最後の言葉を思い出し、自分という存在の罪深さを感じた。
翌日 ディープフォレスト
エックスが22世紀に送られた次の日ゼロたち三人は、次のバウンティハンターが潜伏しているディープフォレストへ来ていた。
「まさにジャングルといったところか。」
朝日が差し、三人は一呼吸置きながらジャングルの中を移動し始める。
「このジャングルで待ち構えているのは間違いなくストンコングだね。罠の配置が明らかにわかるように設置されてある。メンバーのほとんどが自分のパワーアップのことだけしか考えないようになっていたけど彼は、やり方自体は変わっていないみたいだ。」
アクセルはバレットでトラップを破壊しながらいう。トンネルベースもサーキットも明らかに嵌めるために設置されていたがこちらはどういうわけかわかりやすいところにしか設置されていなかった。
「これは俺たちを舐めているのか、それとも自分の実力に絶対的な実力を持っているのか。どっちかはわからんが何か企んでいるのは間違いなさそうだな。」
ゼロはイレギュラーをセイバーで倒していく。設置されているトラップはアクセルのホバリングで通り抜けていく。
「アクセル、一応聞いておくがレッドアラートが一般レプリロイドまで襲いだした理由はDNAデータが目的だったのか?」
「えっ?どうしたの急に?」
ゼロの唐突な質問にアクセルは足を止める。
「先日、ゲイトにイノブスキーとガンガルンのコアを調べてもらって分かったことなんだが奴らから大量のDNAデータが使われていたことが分かったんだ。それも誤ればイレギュラー・廃人化するほどのな。」
「・・・・そんなに使っていたんだ。」
その言葉にアクセルは、罪悪感を感じたのか顔を暗くする。
「やっぱり、何か身に覚えがあるの?」
「うん。まだ、みんなには明かしていなかったんだけど僕は、相手のDNAデータからレプリロイドの姿や能力を、そっくりそのままコピー出来る能力を持っているんだ。」
アクセルは、先ほど破壊したイレギュラーに変身して見せながら説明する。
「・・・・確か、相手から取ったDNAデータでコピーできるんだったな。」
「あくまで作戦中しか使わないんだけどね。そして、ある日、レッドにコピーしたDNAデータを渡した日を境にみんな急にパワーアップをし始めたんだ。レッドは何も教えてくれなかったんだけど・・・・・多分。」
アクセルは、喉を詰まらせたかのように言葉が途切れる。後悔しているのは顔の表情から見て明らかだった。
「・・・・それでレッドアラートにはDNAデータを使ってレプリロイドをパワーアップさせることができる技術を持った奴はいるのか?」
「うんうん。そこは僕もおかしいと思ったんだ。レッドアラートは飽くまでバウンティハンターとしての集まりだから技術力を持った奴は誰もいないんだ。」
「他にそれらしい知り合いとかはいなかったの?」
アイリスの質問で困ったように腕を組んで考えるアクセルだったが何かを思い出したかのように両手をポンっと叩く。
「もしかして・・・レッドが『センセイ』って呼んでいる奴のことかな?」
「センセイ?」
「どんな人なの?」
「他のメンバーどころか僕も会ったことがないんだ。会うのはいつもレッドが一人の時だけ。ただ、そいつと会うようになってからおかしくなったのは確かなんだ。」
アクセルの話を聞いてゼロは組織の背後に何者かが暗躍していると分かったもののその正体についてまた謎が増えた。
「・・・・まさかだとは思うが。」
「何か知ってるの?」
「いや、まだ確信はできない。この件についてはまた次の機会に考えよう。今はここのバウンティハンターを止めるのが先決だ。」
ゼロは、脳裏に浮かぶ黒幕だと思われる輩を一旦消し、移動を再開する。
しばらく進み、敵の攻撃を回避するべく木の上に飛び乗る。
「ん?」
大木だったこともあるがその先にはいつもの如くカプセルが設置されていた。
「どうしたの、ゼロ?」
アクセルが不思議そうに聞くのを他所にゼロは、カプセルの前まで歩いていく。すると彼が接近することを察知してカプセルが開き、ライトが姿を現す。
「貴方か、Dr.ライト。」
『久しぶりじゃのう、ゼロ。』
「えっ?ゼロの知り合い?」
「あの人はライト博士。エックスを作った人よ。」
ライトとは初対面であるアクセルのためにアイリスは、簡単ながら紹介をする。
「ここに貴方がいるということは、エックスに新たなアーマーを?」
『うむ。・・・・・だが』
「やっぱり把握していたか。エックスは、ドラえもんたちの世界で治療を受けている。今までエックスへの協力を惜しまなかった貴方がどうして今回は手を出さなかったんだ?貴方の手でならエックスも・・・」
気難しい顔をしているライトに対してゼロは自分の疑問をぶつける。思えば、過去の戦いで何度もパーツを託したり、重傷を負った際には緊急で修理をしてくれていた彼が今回に限ってエックスに何もしなかった。
ゼロの問いにライトは、素直に答えた。
『無論、わしもエックスが倒れたことに関しては知っていた。』
「なら、何故」
『それは、わしにも原因がわからないからなんじゃ。』
ライトの言葉に一同は唖然とする。
生みの親であるはずの彼が把握しながらも原因を知らないというのは今回が初めてだ。
『体の方も頭部の損傷もそこまで致命的なものでもなく、ゲイト君たちの修理で再起動すれば意識を取り戻すはずなんじゃ。だが、どういうわけか再起動をしてもエックスの意識は戻らない。』
「では、貴方でもどうにもできないというのか!?」
『・・・・ゼロ、君たちもすでにエックスから聞いただろうがエックスは、わしの予想を超えたイレギュラーな存在だというのは知っているだろう。』
「あ、あぁ。」
ライトの言うイレギュラーな存在。
それはエックスの前世である『野比のび太』としての人格だ。これはライトもエックスを製作していた当初予想していなかったもので体のどこにも異常がないということはもしや本来の人格に何か起こったのではないかと考えられる。
人間の精神については、同じ元人間であるライトでもすべて理解できているわけではない。こればかりは本人の意思の強さを信じるほかないのだ。
『わしもできるならエックスを助けてやりたい。だが、こればかりはどうすることもできないのじゃ。せめて・・・あっちの世界でなんとかできればいいのだが・・・・』
彼は、息子であるエックスに何もしてやれないことを悔やむ。その様子はゼロたちにも十分理解できる。
「貴方の気持ちはよくわかる。俺たちも祈ってやることぐらいしかできないんだからな。」
『ゼロ・・・・』
「ただ・・・最後に一つ、教えておきたいことがある。実は・・・・数日前、俺たちの世界とは異なる並行世界からもう一人のエックスがこちらの世界に飛ばされてきた。」
『何っ!?』
ゼロの報告を聞いてライトは驚きの表情をする。どうやら、まだそちらの件については知っていなかったようだ。
「貴方でもそこはまだ知らなかったのか?」
『並行世界は似ているとはいえ、すべて同じというわけではないからな。それで、そっちのエックスは?』
「戦いにひどく消極的になっている。あっちの世界で何があったのかはわからないがかなり心労していたようだ。現に俺が会った時も戦うことを拒んでバスターすら使えなかった。」
『・・・・そうか。』
「一応、アイツのためにパーツは預かっておきます。ただ、使うかどうかは・・・・」
『いや、気持ちだけでもありがたい。君たちにパーツを託そう。このカプセルには新たなアーマー「グライドアーマー」のフットパーツが入っておる。これはかつてのフォースのホバリング機能とファルコンのフリームーブ機能を発展させたもので長時間のグライド飛行をすることができる。敵の攻撃を受けると落下してしまうがそれは別の機会に渡すボディパーツで克服することができる。』
ライトはそういうとカプセルに足のパーツを出す。ゼロはそれを受け取ると改めてライトと向き直った。
『ゼロ、わしはエックスにこの世界で幸せに暮らせることを願い続けておる。争いのない世界で・・・・人間とレプリロイドが共存する世界こそがわしが望んでやまない理想郷なのじゃ。』
「あぁ、俺もそうなる日が来るように願っている。ドラえもんたちの世界のようにな。」
その答えを聞くとライトは安心した表情をして姿を消す。
「アイリス、簡易転送装置の予備があったよな?」
「えぇ。」
簡易転送装置でグライドアーマーのフットパーツをハンターベースに送ると三人はジャングルの奥へと踏み込んでいく。
最深部までたどり着くとそこには巨体を誇る戦士が待ち構えていた。
「・・・・できるな。」
ゼロは着くなりその背中から感じる強い気に相手がただのバウンティハンターではないことを見抜く。
「ゼロと言ったか、よくぞここまで来た。この世で最も優雅に舞う武神よ。我が名はストンコング。戦いの中にしか己を見出だせぬ者、貴様と同じだ。」
ストンコングは、三人の方へと向き直りながら言う。その目つきはガンガルン、イノブスキーとは違って純粋に闘志を宿らせたものだった。
「一緒にしないでもらいたいものだな、俺は戦いがすべてだとは思っていない。」
ゼロは、セイバーを展開しながら否定する。
「否っ!!我は、貴様ほど純粋な戦闘型レプリロイドを見たことはない。・・・ここからは、戦いの為の戦い!参られよっ!!」
ストンコングはそういうと剣を抜き、三人に向かって突進をしてくる。
「思っていた以上に速い!」
ゼロは、アクセルとアイリスを横に突き飛ばし、セイバーで大剣を受け止める。その凄まじい重量は、彼の立っている地面に足を食い込ませるほどに強烈だった。
「グッ!!」
「ゼロ!」
アイリスは、バスターを展開し、最大までチャージをして大剣に向かって放つ。チャージショットによる攻撃でストンコングの腕が大きく揺れる。ゼロは、その隙に埋もれかけた足を抜いて離脱することができたが大剣自体には傷一つついていなかった。
「効いていない!?もしかして、あの剣は特殊加工した超硬度岩石を使って作られているというの?」
アイリスのバスターは、若干出力が劣るとはいえ、最大までチャージしたゼロバスターとほぼ同じ破壊力を持つ代物。攻撃を受ければ、大型レプリロイドの強固な装甲とて容易に抉り取ることができる。
「・・・・流石は、カーネル殿の妹。今の攻撃でこの剣のことを見抜くとは見事なり。」
「!?」
「貴様、何故カーネルのことを!?」
思わぬ発言にゼロとアイリスは驚く。
「えっと・・・・カーネルって誰?」
「・・・元レプリフォース陸軍士官。・・・アイリスの兄であり俺の友だ。」
「えっ?でも、パレットから教えてもらった話だとレプリフォースの士官って一番偉い人を含めて過去の大戦でエックスとゼロと戦ってほとんどが戦死したんだよね?それを何でストンコングが・・・・・」
動揺を隠せない三人に対してストンコングは感慨深い顔をする。
「・・・・我は、元レプリフォース陸軍の一人。彼のことはジェネラル将軍と同じように戦士として尊敬していた。」
初めて語られた事実に一番驚いていたのはアイリスだった。
彼女がオペレーター訓練生としてレプリフォースに配属された時に彼はレプリフォースにいなかった。となるとおそらく自分が正式に配属される前に除隊したのだろう。しかし、彼の戦士としての心構えを見る限り、二人と衝突して辞めたとは考えづらい。
「・・・一つ教えて。辞めたとはいえレプリフォースにいた貴方が何故こんなことをしたの?形は違くても人間を守ってきた貴方たちが。」
「我らは・・・我は既に道を違えてしまった。かつてのレプリフォースのように・・・・ならば、後は己の信念に従い、突き進むまで。」
「馬鹿な!その先に待っているのが『破滅』だとしてもか!?」
「無論!偽りの策謀家の為ではない!!我が戦いは忠義のため!!最早言葉はいらぬっ!信念の剣をかざし、刃をもって語るがいい!どのみち勝利の上にしか、歴史は正当性をあたえぬ!」
ストンコングは、そう叫ぶと大剣を振り下ろす。三人は分散して避けると集中攻撃を仕掛けるが彼は背中に背負っていた盾を展開し、防ぎきってしまう。
「盾も超硬度岩石製というわけか。」
「我が盾にこの程度の攻撃は通じん!カーネル殿が認めた汝の力はその程度か!!」
ストンコングは、ゼロに向かって攻撃を加えようとする。しかし、背後が開いたことを見計らいアクセルは、武装をGランチャーに切り替え、エクスプロージョンを浴びせる。
「ぬっ!?」
「ゼロに気を取られているようだけど僕のことも忘れないでよ!今だよ、二人とも!!」
ストンコングは前に向き直るとゼロとアイリスが同時に拳をぶつけようとする。
「「ダブルアースクラッシュ!!」」
「グオォオオッ!!!」
ストンコングは、二人の攻撃を受けて後方へと下がる。
「アースクラッシュを直に受けても耐えきったか。だが、流石に効いてはいるようだな。」
アースクラッシュの衝撃で盾が砕け散る。
「盾を砕くとは・・・・・だがしかし!我が手の内はこれだけではない!!」
ストンコングは、剣を収めると中央の大きな柱に飛びつく。そして、ドラミングをしながら咆哮を上げたかと思うと複数の巨大な岩が召喚された。
「これは!?」
「そんな・・・ストンコングは確かに強かったけどこんな力は持っていなかったはず。」
「我は力を手に入れた。戦いの為の力を!!その力を出し尽くし、強者を討ち取るのが我が生きる証!!ゼロ、貴様と同じく!!」
「さっきも言ったはずだ。俺は、戦いのために戦っているのではない。仲間と平和な、新しい明日を創るために戦っているんだ。例え俺自身が戦うために造られた存在だとしてもだ!!」
ゼロはそう言うとセイバーの出力を最大にする。するとセイバーの刃は倍以上になる。
「ムッ!?この出力は・・・・」
「幻夢零!!」
巨大なビームの衝撃波が放たれる。ストンコングは直ぐに召喚した岩石で防ごうとするが衝撃波は容易に砕く。
「クッ!」
ストンコングは、剣を引き抜いて衝撃波を受け止める。だが、その威力のあまりに柱から吹き飛ばされる。
「これほどのものとは・・・・・・ハッ!?」
ふと背後を見るとそこにはGランチャーを構えたアクセルとバスターのチャージを完了したアイリスが待ち構えている。
「ダブルショット!!」
攻撃を先ほどにように剣で受け止めようとするがさらに上空に気配を感じる。ストンコングが向き直ると地上にいたはずのゼロが両腕にエネルギーを蓄えて自分に撃ち込もうとしていた。
「ダブルチャージウェーブ!!」
前後からの攻撃に対して防ぐ手段はなく、ストンコングは同時に攻撃を受ける。
「見事だぁあああああああああああああ!!!」
22世紀 ロボット病院
一方、ここはドラえもんの故郷である22世紀のロボット病院。
その大きな病院の中の通路を見覚えのあるメンバーが花束を抱えながら歩いている。
ドラえもんたちだ。
「のび太くん、大丈夫かな。」
のび太ことエックスがこの病院に入院したというのを知ったを聞いたのは先日、ドラミを通じてのことだった。最初は、自分だけで見舞いに行こうと考えていたが一緒に聞いていた玉美がその日のうちにジャイアン達に知らせてしまったため、全員で見舞いに行くことになったのだ。
「ドラえもんも人が悪いじゃねえか。のび太が入院したっていうんならみんなで行くのが当然だろ?」
「うん。でも、あんまり心配かけたくなかったんだ。」
四人はそんな会話をしながらエックスが寝かされている病室へと足を運ぶ。
「のび太くん、見舞いに来たよ・・・・あぁっ!?」
21XX年 ディープフォレスト
「・・・・・」
激戦を終え、再び沈黙が戻ったディープフォレスト。
ゼロたちの連携によって敗北したストンコングは、ゆっくりと目を開け自分がまだ辛うじて生きていることを確認する。目の前を見るとそこには先ほどまで戦っていたゼロたちが自分を見下ろしていた。
「・・・・見事だ。亡きカーネル殿が認めただけのことはある。」
「俺はそんな褒められる輩じゃない。現にお前を処分してしまったのだからな。」
「悔やむことではない。我等は信念の剣を翳し、刃を持って語ったのだ。強き者達と剣交えたこの戦いに我は一片の悔いもない。」
「ストンコング・・・・・」
機能停止になりかけなのも承知でストンコングはその場で起き上がる。胸部は三人の連携攻撃により大穴が開いており、痛々しく感じる。しかし、当人は苦しい様子は見せず、戦士として満足したようにも見えた。
「汝らならレッドを止められるやもしれん。だがレッドの実力は我ら以上、気を緩まぬことだな。」
落ちている大剣を握り、杖の代わりにする。動力炉を失っている以上いつ止まってもおかしくない。
「ストンコング、お前に最後に一つだけ聞きたい。レプリフォースにいながらお前は何故辞めたんだ?道を違えたと聞いたが様子を見る限り、お前がジェネラルやカーネルと衝突したとは考えにくい。何故なんだ?」
「全ては、我が命を救ったレッドへの忠義・・・・・その忠義のためなら・・・我が命も惜しくない・・・・」
「どういうこと?」
何かを察し始めたのかアイリスは不安になりながらも聞く。彼の容態を見る限り、聞けるのはおそらくこれが最後だ。
「レッドは・・・・レッド殿は・・・・・元・・・レプリフォース陸軍・・・・ゲリラ部隊・・・・隊長・・・・かつて、カーネル殿と競い合い・・・・互いの実力を認め合った・・・・・盟友・・・・」
「レッドがレプリフォース出身だと!?」
ゼロは、突き付けられた現実に思わず叫んでしまうが同時にストンコングは完全に沈黙してしまう。
「ストンコング!」
「・・・・・・」
「逝っちまいやがったか・・・・でも、信じられん。レッドが元レプリフォース出身だと?なら、俺がカーネルと知り合う以前に奴はいたというのか?」
三人は、明かされたレッドの衝撃の過去に驚かされながらもそれ以上の情報も手に入らず、その場を後にした。
22世紀 ロボット病院
ドラえもんたちは、病室へ入るなり思わず口を開けて驚いていた。
病室には確かにエックスが寝かされていたがその前では病院内にもかかわらず、槍を構えているマーティ。そして、自分たちの目の前では見覚えのある男が先客として訪れていた。
「なんじゃい、なんじゃい!?部屋に入るなり、いきなり武器を向けおって!?」
「アンタが来ればするのも当たり前でしょうがこの変態ジジイ!!」
「誰が変態じゃ!この変態マーメイドが!!」
そう。
何故かワイリーが病室にいたのだ。
レッドってレプリフォースにいてもおかしくなさそうなキャラだと自分は思うんですけどそう考えているのは自分だけですかね?