ドラえもん のび太の転生ロックマンX   作:赤バンブル

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X7もいよいよ終盤か。


それぞれの最終決戦

クリムゾンパレス

 

しばらく泣き続けたアクセルは、落ち着きを取り戻してエックスたちと共にアジトの奥へと足を進めた。

 

「アクセル、もう大丈夫なのか?」

 

落ち着いたとはいえ万全とは言えない彼に対し、エックスは心配そうに声をかける。

 

「うん。いつまでもクヨクヨしていたらそれこそレッドに笑われちゃうからね。」

 

アクセルは、そう言いながら歩く。

 

「・・・・・あのさ、レッドが落ちたのって多分地上だよね?」

 

「恐らくな、底は見えなかったが少なくとも『デビルズ・ポッド』のように溶岩ではないだろう。」

 

「そっか。・・・じゃあ、探してあげないとね。」

 

「「えっ?」」

 

アクセルの発言にゼロとエックスは、驚きの声を上げる。

 

「地上に落ちているなら助からなくても体は残っているからね。だから、探してあげなくちゃ。責めて・・・・墓ぐらいは作ってあげたいんだ。」

 

「アクセル・・・・・」

 

アイリスは、彼の顔を見ながら最初の頃と比べて精神的に成長していると感じた。

 

「・・・そうね。この戦いが終わったら探しましょう。」

 

「いいの?」

 

「兄さんの友達だもの。フクロウル将軍に頼めば、レプリフォース墓地に埋葬を許可してくれるはずよ。きっと。」

 

「ありがとう。ゼロとエックスも手伝ってくれる?」

 

アクセルは、二人の方を見ながら聞く。

 

「俺は構わないよ。自分の世界に戻れるまでの間だけど。」

 

「・・・・そうだな、仕事の合間だったら俺も付き合おう。やらないとまたホーネックに怒られちまうからな。最近、書類関連アイツに任せっぱなしだし。」

 

「ありがとう!」

 

やがて一行は、アジトの最深部に設置された転送装置の前に到着する。

 

「ご丁寧に起動してある。余裕のつもりか?」

 

「行こう。」

 

四人は、転送装置の上に乗る。すると別の空間へと転送され、邪悪な気配がより近くにいることを感じられた。

 

(ここに奴が・・・・)

 

エックスがそう感じている中、アクセルは、バレットを握ったまま周囲を見回す。

 

「出てきなよ、いるのは分かっているんだよ。『センセイ』。」

 

『ファ~ハハハハハッ!!』

 

高笑いと同時に四人の目の前に馴染みの黒幕が姿を現す。その姿はかつてのレプリフォース対戦時のことを思い出させるがショルダーアーマーには小型のレーザー砲のようなものが搭載され、背中に大型ライフルを背負うなど過去と比べてより機械的な容姿だった。

 

「ご苦労だったな。揃ってここまで来てくれるとは、こちらから出向く手間が省けた。役立たず共は全てやられたようだしな。」

 

「シグマ・・・・やはり、お前の仕業だったのか!!」

 

エックスは、シグマを見ながら険しい表情をする。対するシグマは、彼を見て嬉しそうだった。

 

「エックス、やっと戻って来たか。私は、嬉しいぞ。また、お前の面を拝むことができたのだからな。ん?」

 

久しぶりの宿敵との再会に満面の笑みを浮かべる彼だったが何か違和感を感じたのか眉間に皺を寄せる。

 

「全く懲りない奴だ。どんなに切り刻んでやっても石の下のミミズのように湧いてきやがる!!」

 

ゼロは、セイバーを引き抜くと威嚇するように空を斬る。

 

「フン、何とでも言え!エックス、ゼロ!貴様らの命を私とドクターの物にするまで何度でも、何度でも!な・ん・ど・で・も!蘇ってやる!!」

 

シグマは、笑みを浮かべながら高らかに宣言する。

 

「何が何度でも蘇ってやるだ!蘇るのは勝手だが人に迷惑かけるな!!」

 

「そう固いことを言うな、ゼロ。さあ、今回も熱い戦いを期待しているぞぉ。行くぞぉぉぉぉ!!」

 

シグマは、ライフルを引き抜いたかと思うと一瞬体が青く発光し、姿を消す。

 

「消えた?瞬間移動か!?」

 

エックスは、バスターを展開しながら周囲に警戒する。すると彼の背後にシグマが現れる。

 

「エックス、伏せろ!後ろだ!!」

 

「ハッ!?」

 

ゼロの声でエックスはしゃがむ。同時にバスターから近距離のスナイプミサイルを放つがシグマは再び姿を消す。

 

「なっ、また!?」

 

「この力を知らないということはやはりお前は私の知っているエックスではないようだな。」

 

シグマは、四人から離れた場所に姿を現す。ゼロはシグマの戦い方を見てある確信が持てた。

 

「あの青い光・・・・どうやら、ジジイにダブルギアを付けてもらったようだな、シグマ。」

 

「ご名答。しかし、質問に質問で返すとは感心できんなゼロ。改めて聞くが今、お前たちと共にいるこのエックスは何者だ?」

 

シグマは、自分のよく知る敵と同じ姿でありながら全く別の存在であるエックスに指を指しながら聞く。その表情は失望ではなく、好奇心でにやけているようだった。

 

「確かにここにいるエックスは、俺たちがよく知っているエックスじゃない。別世界から来た存在だ。」

 

「ほう。」

 

「だが、それがどうした?別世界のエックスじゃ相手をしたくないとでも言いたいのか?」

 

ゼロは、バスターをチャージしながら言う。それに対し、シグマが不敵な笑みを浮かべて答えた。

 

「クッククク・・・・その逆だよ。むしろ興味が湧いた。」

 

「興味?」

 

「元々私はそこの小僧とエックスのDNAデータ・・・・そして、欲を言えばお前をドクターの元へ連れ戻せればそれで良かったのだ。だが、別世界のエックスが目の前に居るとなると話は別だ。」

 

「何が言いたい?」

 

ゼロは、顔を顰めて言う。また、今回の戦いを引き起こしたこともそうだがレッドやレッドアラートのメンバーを犠牲にしてまで自分たちに執着してくるのに怒りを抑えられなかった。

 

「私は、エックスに秘められている『レプリロイドの可能性』を見たいばかりにイレギュラーの身に堕ちた。別世界とはいえ、その本質が同じなのかどうか・・・・試したいとは思えんか?」

 

「ふざけたことを!」

 

ゼロは、前に飛び出して疾風牙を繰り出す。

 

「おっと、危ない危ない。」

 

シグマは、ひらりと避けた。

 

「お前のために、アクセルは大事なものを失った!自分の居場所を!仲間を!!たかがお前のために!!」

 

「私はただきっかけを与えただけに過ぎん。かつて、ドップラーがウィルスワクチンを作ろうとしてイレギュラーになったようにな。DNAデータを利用し、自ら滅びの道を選んだのはレッドアラート自身なのだ。」

 

「誰がそうさせた!!」

 

ゼロは、バスターを展開して撃とうとするがその直後彼の頭上から筒状のカプセルが被さってきた。

 

「なっ!?」

 

「ゼロ!!」

 

突然の出来事にアクセルが駆けつけようとするが今度は左右から半分の状態で現れ、アイリスと共に閉じ込められてしまった。

 

「これは・・・・」

 

「こんな機会早々訪れるものではない。悪いが、お前たちには別の舞台へと行ってもらおう。」

 

シグマがそう言うと三人を閉じ込めたカプセルはどこかへ転送されてしまった。

 

「ゼロ!アクセル!アイリス!」

 

エックスは、三人が消されてしまったことで動揺する。

 

「心配することはない。三人は、別の場所へ転送しただけだ。条件を満たせば戻ってこられるだろう。尤も出来たらの話だがな。」

 

「シグマ・・・・」

 

エックスは、バスターを構える。対するシグマはライフルを持ち直す。

 

「さて、別世界のエックスよ。改めて見させてもらうぞ、お前の実力を。」

 

シグマは、そう言うと瞬間移動をして背後に回り込んでライフルを発砲する。

 

「ガイアシールド!」

 

エックスは、瞬時に盾を展開して攻撃を防ぐと同時にウィンドカッターで反撃する。

 

「おっ!?」

 

シグマは、ライフルでいくつか弾き返すが逃したカッターが体を掠っていく。

 

「狙いは正確といったところか。そうでなくては面白くない。」

 

彼は、何を考えたのかライフルを連射モードへと切り替えて発砲する。エックスは、再度ガイアシールドで防御するが弾き飛ばされた弾は壁に反射され、背後に回って命中した。

 

「うわぁ!?」

 

「フッフフフ、反射するバウンド弾では対応しきれまい。」

 

シグマは再び瞬間移動し、ライフルを二丁構えると体を青く発光させる。

 

「この力は、貴様の知らない力だ!」

 

彼は、体を回転させながらライフルを乱射する。

 

気が付くとエックスの目の前に無数の弾丸が飛んでくる。

 

「エクスプロージョンッ!!」

 

自分へのダメージを最小限にしようとエックスは、目の前に衝撃波を発生させるが壁に衝突して反射したバウンド弾は次々と彼の体を傷つけていった。

 

「フッハハハハ、このままではハチの巣になるのも時間の問題だぞエックス!!」

 

「クウゥ・・・・・チャージボルトルネード!!」

 

エックスは、周囲にバリアを発生させてバウンドダウンを防ぐ。

 

「スナイプミサイル!!」

 

尽かさずホーミングミサイルで回転を終えたシグマに反撃する。体の発光が終わったシグマは反応が遅れて直撃する。

 

「ヌウウ・・」

 

シグマは、煙を噴かせながら消える。

 

「どこだ!?シグマ!!」

 

エックスは、チャージを行いながら周囲を警戒する。

 

「私はここだ!」

 

「!?」

 

振り向くと大型のレーザー砲にボディを接続させてエネルギー供給を行っているシグマの姿があった。先ほどのバウンド弾とは違い、威力は桁違いに高そうだ。

 

「フッフフフ、この空間は限られたスペースしかない。この高出力レーザーをどうやって避けるかな?」

 

「クッ!」

 

既にチャージは完了しつつあった。しかし、逃げる場所もなければしゃがんで避けられるものでもない。

 

(行くしかないか!)

 

彼は、再度ボルトルネードバリアを展開して突っ込んでくる。

 

「馬鹿め、その程度のバリアではこのレーザーは防ぎきれんぞ!!」

 

シグマは、叫ぶと同時にレーザー砲を発射する。レーザーは空間一帯を呑み込むとエックスの体をも呑み込んだ。

 

「クウウゥウ!!」

 

バリアが次々と剥がれ、ボディにレーザーが直撃する。各部に亀裂が走り、全身に激痛が伴う。

 

「まだまだ終わらんぞ、パワーギア!!」

 

シグマのボディが赤く発光するとレーザーの出力が上がっていく。

 

「クゥウウウウウウウウ、ウワアアアアアアア!!」

 

エックスは、腕を組みながらレーザーを耐えるがその姿は徐々に見えなくなっていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???

 

カプセルに閉じ込められたゼロたちは、別の場所へと転送された。

 

「ウゥウ・・・・大丈夫か二人とも?」

 

ゼロは、頭を押さえながら一緒に転送されてきた二人の安否を確認する。

 

「大丈夫よ。」

 

「僕も・・・・・って、ここどこ?」

 

アクセルは、周囲を見回しながら辺りを確認する。どうやら自分たちの足場は浮いているようで下を見ると青く巨大な球体が見えていた。

 

「ここって・・・・もしかして宇宙?」

 

「宇宙?宇宙って何?」

 

アイリスの言葉に対してアクセルは不思議そうに聞く。

 

「宇宙っていうのは俺たちが普段暮らしている地上から見える空よりももっと高い場所だ。下を見ろ、青いのが見えるだろ?あれが海だ。」

 

「ってことは・・・・・僕たちとんでもないところへ飛ばされちゃった!?」

 

ゼロの説明に彼は、目を丸くしながら驚く。クリムゾンパレスからここまで転送されてきたのだから無理もない。そこへ巨大な何かが迫ってきた。

 

『クッククククク・・・・・この壮大な宇宙を舞台にした決戦の舞台の出来栄えはいかがかな?』

 

巨大シグマは、鬼を意識した面を被って現れる。

 

「シグマ!?」

 

「えっ、エックスと一緒にいたはずなのにどうして・・・・」

 

『私は、ウィルスを媒介にして複数のボディを動かすことができる。つまり、メインの私がエックスの所にいても貴様らの相手をすることなど造作もないのだ!』

 

10メートルぐらいであろう巨体で彼は、答えると腹部のレーザー砲を発射する。

 

「避けろ!!」

 

ゼロたちは、急いで別の足場へと飛び移る。先ほどまでいた足場は、レーザー砲で粉々に消し飛ばされ、跡形もなくなる。

 

「・・・・・ここでやられて地球に堕ちたりなんかしたら・・・・・レッドを探すどころじゃなくなるぞ。」

 

「う、うん・・・。」

 

足場があったところを見ながらアクセルは、返事をする。

 

『ファーハッハッハッハッ!!まだまだこんなものではないぞ!』

 

シグマは両手から、赤い光弾を作り出して三人に向かって飛ばす。

 

「固まっていると返って狙われやすくなる。別れて離れたところから反撃するぞ!」

 

「うん!」

 

ゼロの指示の下、アクセルとアイリスは別々の足場へと飛び移り、バスターとバレットでシグマに攻撃を仕掛ける。

 

『クッククク、そんな攻撃では痛くも痒くもないわ!!』

 

「ダメだ、装甲が厚すぎてダメージが通らない!」

 

アクセルは、レイガンからダブルバレットに持ち替えて、特殊武器を交互に撃つ。

 

『フッフフフ、効かん効かん!』

 

シグマは、背後から撃ってくるアクセルの方に向き直って彼を足場ごと拳で殴り飛ばす。

 

「うわあっ!?」

 

「「アクセル!!」」

 

アクセルはホバリング飛行で何とか宇宙空間にとどまることはできたものの目の前にはシグマの顔がある。

 

「えぇっ!?」

 

『喰らえ!!』

 

シグマは、ダメ押しとばかりに目から光弾を発射する。アクセルは避ける間もなく、直撃して吹き飛ばされた。

 

「アクセル!」

 

ゼロは足場を急いで飛び移って、彼をキャッチする。近距離で命中したこともあってかなりのダメージを受けてしまったようだ。

 

「大丈夫か?」

 

「な、何とかまだ動けるよ・・・痛、結構効いたな。」

 

別の足場で合流した三人は、迫ってくるシグマを見ながら対策を立てようとする。

 

「こんな時にGランチャーがあれば・・・まだ効いていたかもしれないんだけどね。」

 

「ないものを求めても仕方ないことだ。」

 

その時ゼロの脳裏にふとある疑問が浮かんだ。

 

これまでのシグマの第二形態の戦闘能力はどれも強力で直撃すれば致命傷になりかねないものばかりだった。しかし、アクセルの傷は思っていた以上に浅い。あんな近距離で撃たれたにもかかわらずだ。

 

(奴は手からも光弾を放っていた・・・・あっちは足場も壊せるほどの威力だったが・・・・いや、待てよ?)

 

そこで何か思いついたのか彼は、バスターを戻して二人に向き直る。

 

「ゼロ?」

 

「アクセル、お前はアイリスと行動しろ。俺は、奴に接近する。」

 

ゼロの発言に二人は驚く。

 

「無茶言わないでよ!?もし落っこちたらゼロが地上へ真っ逆さまだよ!?」

 

「わかっているさ。だが、どうしてもこのままだと不利になっていくのは俺たちの方だ。それなら、試してみるのも悪くない。」

 

「けれど、もし失敗したら・・・・・・・」

 

アイリスは、不安そうに彼を見る。そんな彼女にゼロは、肩を叩きながら言う。

 

「心配性だな、アイリスは。流石にお前の前で急にいなくなったりはしないさ。」

 

「・・・・本当ね?」

 

彼女は、釘を刺すように聞く。その言葉にゼロは首を縦に振った。

 

「あぁ。お前はアクセルと一緒に攻撃して奴の目を引かせてくれ。その間に俺が奴に近づく。」

 

「・・・・わかったわ。もし大怪我するようなことしたらしばらく口聞いてあげないんだから。」

 

そう答えるとアイリスは、バスターを展開してシグマに向かって攻撃を開始する。

 

「アクセルは、火力の高いもので攻撃して。」

 

「OK!!」

 

彼女の指示でアクセルは、スナイプミサイルとガイアシールドをうまく掛け合わせて攻撃を行う。シールドでうまく光弾を防ぎながら二人はシグマの目を引かせる。

 

『ヌウゥウ・・・・小癪な!』

 

シグマは、回転しながら光弾を連続で発車する。それを察知した二人は、急いで別の足場へと移って集中攻撃を再開する。

 

『おのれ!』

 

いくら強固な装甲とはいえ、集中攻撃をし続ければダメージが蓄積していく。このまま持久戦へもっていく気だと判断したシグマは、次の攻撃へと移ろうとする。

 

『ドクターにはまだ使用するなと言われていたが仕方あるまい。しばらく動けない状態になってもらうぞ・・・・・ダブルギア!!』

 

シグマの体が発光する。同時に服部のレーザー砲、両手にエネルギー光弾が生成され、この場を一気に吹き飛ばそうとしていた。

 

「「・・・・」」

 

『悪いがしばらく宇宙を漂流してもらうぞ。なに、心配する必要はない。後で機能停止したところで回収してやるからな。』

 

「さあ、それはどっちなんだろうな?シグマ。」

 

『ムッ!?』

 

頭上の声にシグマは、ギョッとする。よく見ると自分の頭の上にゼロが腕を組みながら立っているのがわかった。

 

『ゼロ!?いつの間に私の上に!?』

 

「お前がアクセルたちの攻撃に目が行っている隙にな!」

 

ゼロは、拳をシグマのヘルメットに向かって打ち込む。

 

「アースクラッシュ!!」

 

『ヌオッ!?』

 

ヘルメットに亀裂が走ると同時に右肩が誘爆する。その様子を見てシグマはまさかとばかりに焦りを見せた。

 

『貴様・・・何故わかった!?』

 

「答えは簡単だ。いくらデカいとはいえ、ダブルギアを使うには相当のリスクが伴う。それにこれだけの巨体を制御するなら制御系がここに往きがちになるのがお前やジジイの悪いところだ!!」

 

答えると彼は、またアースクラッシュを打ち込む。今度は左足が爆発して脛部分が吹き飛んでいく。

 

『ま、待てゼロ!!』

 

「悪いが聞く耳は持たん!!」

 

更に一発。

 

今度はチャージ中だった腹部レーザー砲が爆発し、機能停止する。

 

『このまま私を攻撃し続けて見ろ!?貴様も無事では済まないぞ!?』

 

「そいつはどうかな?」

 

もう一発。左腕が吹き飛び、もしまた一撃を放てば本体が爆発しかねない。

 

『や、や、やめるんだ!?これではドクターに合わせる顔が無くなってしまうではないか!!貴様と言う最高傑作を消してしまっては!!』

 

「心配するな、今回は保険を持ってきておいた。だから安心して吹き飛べ!!」

 

ゼロは、それだけを言うと懐から何かを取り出して口に咥える。同時に両腕をバスターに変形させてチャージを始めた。

 

『き、貴様・・・・・』

 

「ダブルチャージショット!!」

 

ゼロの両腕から放たれた光弾がシグマの頭部を貫通して下半身まで貫く。すると全身誘爆を始め、今にも大爆発しそうになる。

 

「さて、急いで退くか。」

 

彼は、そう言うと口に咥えたストローのようなものに息を吹く。すると噴出したエネルギーで凄まじいスピードでシグマから離れ、足場で待機していたアイリスたちにキャッチされた。

 

「「おっと!?」」

 

同時にシグマは、勢いよく大爆発した。三人は、その断末魔を眺めるがもし離れていなければ爆発の勢いで自分たちも吹き飛ばされているところだった。

 

「危なかった~~~ゼロの指示通りに離れていてよかったよ。」

 

アクセルは、彼を起こしながら言う。

 

「まさか、この間リングがプレゼントしてくれた道具がこんな形で役に立つとは思わなかったぜ。」

 

ゼロが口に咥えていたストローのような物の正体。

 

それはドラえもんの世界の秘密道具の一つである「ロケットストロー」で息を吹き込むとものすごい勢いで噴出され、その力はロケットエンジンに匹敵する。

 

本来、この道具は22世紀の子供の遊び用として売られている商品なのだが交流があるリングマン一家の一人娘であるリングは、少し前にプレゼントとして送ってくれたのだ。使い方自体は教えてもらっていたがまさか戦線離脱の手段として使うとは思いもよらなかっただろう。

 

彼は、ストローをしまうとアイリスの前に行く。

 

「約束通り、無事に戻って来たぞ。」

 

「うん。お帰り。」

 

アイリスは、笑いながら答えた。

 

互いの安否を確認し終えるとシグマが倒れたことで三人は再びクリムゾンパレスへと転送される。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

クリムゾンパレス(原作エックスの世界)

 

「クッ!」

 

「どうした?まだまだこんなもんじゃないだろう?」

 

VAVAは、倒れたゼロの頭を掴みながら言う。

 

戦いが既に30分以上の時間が経過していた。

 

ゼロの恐れていた通り、VAVAの実力は自分たちの知っている過去の彼を遥かに凌駕していた。

 

戦闘経験の少ないエイリアは勿論、アクセルも既に戦闘不能状態に陥っていた。ちなみに余波でレッドも気絶している。

 

そして、彼もまた重い一撃を受けてその場に倒れてしまったのだ。

 

「おいおい、折角シグマの奴を片付けてまで待ってたんだ。もう少し楽しませてくれよ、ゼロ?」

 

VAVAは、軽く彼の頭を揺さぶる。

 

「VAVA・・・・・」

 

「あの老いぼれの力がなければこの程度しか実力を出せないのか?だとすれば弱すぎるぞ。」

 

「・・・・黙れ・・・・」

 

「フン。」

 

VAVAは、呆れたのか手を放して彼を瓦礫に寄りかからせた。

 

「俺の知っているゼロも甘くなったが、こっちも例外じゃねえな。」

 

「・・・・・」

 

「なら、仕方ねえ。本気を出させるためにお前の最も大事なものを奪うか。」

 

「大事なもの・・・・?」

 

「こっちの世界にはいないのか?元レプリフォースのオペレーターは。」

 

「!?」

 

彼の言葉にゼロは思わず反応する。

 

「まさか・・・・アイリスのことか!?」

 

「ほう、やっぱりこの世界にもあの女がいたか。」

 

VAVAは、ライドアーマーを呼び戻しながらゼロの方を見続ける。

 

「彼女を・・・・彼女をどうするつもりだ!?」

 

「決まっているだろ、お前を本気にさせるためにあの女を始末する。イレギュラーハンターの連中も一緒にな。」

 

「なんだと・・・・・」

 

「どうせあの甘ちゃんが姿を見せないということはまともに戦える奴らはここにいるお前たちだけって事だろう?向こうに残っているのは戦闘経験の乏しい口だけのトーシロ、俺にとってはただの的に撃ってくるようなもんだ。お前たちが休んでいる間に皆殺しにするのも訳ねえ。」

 

「や、やめろ・・・・」

 

ゼロは、ボロボロになった体を起こしながら立ち上がろうとするがダメージのせいで思うように動かない。

 

「可哀そうな女だな、お前の帰りを待っていたのにイレギュラーに殺されるなんて・・・・・」

 

「やめろ・・・・」

 

VAVAの挑発に対してゼロは、自分の中に激しい憎悪のような感情が芽生え始める。

 

「やめてほしければ俺を止めればいいだろう。かかって来いよ?特A級ハンターさんよ。それとも彼女の亡骸を抱きながら泣き喚くか?」

 

「・・・・・」

 

レプリフォース大戦のトラウマがフラッシュバックする。同時に込み上げてくる怒りが徐々にゼロを支配しようとしていた。

 

「俺はもう行くぜ。せいぜい、帰ってきたときの己の無力さを・・・・おっと。」

 

乗り込もうとしたVAVAは、飛んでくる何かをライフルを盾にして防ぐ。よく見るとそれはゼロが先ほどまで持っていたDグレイブだった。

 

「・・・クックククク、やっと本気になったか。」

 

目の前のゼロは、目を赤く発光させながら立ち上がっていた。それはかつてこの地上に大打撃を与えた『ユーラシアコロニー事件』の時のウィルス汚染で目覚めかけた『真の力』。

 

二度と目覚めさせてはならない『本当の自分』。

 

大切なものを失うかもしれない事態に対し、ゼロは目の前に立ちはだかる敵を自分を犠牲にしてでも倒そうとなりかけていた。

 

「・・・・・許さんぞ・・・・イレギュラー・・・・・」

 

「ハッハハハハ、コイツは嬉しい誤算だ。シグマが恐れていた“イレギュラーとしてのお前”・・・・・存分に見せてくれ!!」

 

VAVAは、ライフルを捨てて挑もうとする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『残念ですがお時間です。』

 

「「!?」」

 

その直後、ここにいるメンバーの物ではない声に両者は硬直する。同時にゼロの体に注射器のようなものが突き刺さった。

 

「なっ・・・・・」

 

ゼロは、急速に力が消耗して膝をついた。彼は、何が起こったのかと注射器が飛んできた方を見るとそこにはまたもや死んだはずの同僚がピストルを構えながら立っていた。

 

「く、クワンガー・・・・・」

 

ゼロは、そのまま倒れてしまう。その姿を見てVAVAは、不機嫌になったのかクワンガーの方を睨む。

 

「クワンガー・・・てめえ、何のつもりだ!?俺の楽しみを邪魔しやがって!!」

 

怒るVAVAに対し、クワンガーは特に動揺する様子もなく答えた。

 

「何のつもりとは私の台詞ですよ、VAVA。作戦時間は既に過ぎています。時間を無視するだけではなく、この世界に過剰に干渉するのはよろしくないことだと思いますが?」

 

「ちっ。」

 

「尤もこの世界のシグマ隊長との連戦で時間がかかってしまったのが大きな理由なのですがね。必要なデータは手に入りました。そろそろ引き上げますよ。」

 

「ケッ!」

 

VAVAは、ライドアーマーに乗るとそのままどこかへと転送されていった。

 

クリムゾンパレスは、黒幕であるシグマの死亡と戦いの余波により崩壊し始めている。

 

「さて、本当なら自分の足で帰っていただくのが一番いいのですがこの状態では帰れませんね。」

 

クワンガーは四人の体に簡易転送装置を取り付ける。

 

「しかし、VAVAを止めるのが遅かった私にも非があります。今回は特別にこちらからお届けしましょう。」

 

同時に四人の頭にディスクを投げる。

 

「但し、一部の記憶は消させてもらいますがね。」

 




多分あと数本でX7も終了予定。
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