リハビリも兼ねてドラえもんズ編第二弾?です。
アチモフ脱走!
レッドアラートとの戦いから数年。
イレギュラーによる小規模な事件は続いているものの、イレギュラーハンターとレプリフォースの尽力によりかつての地上に戻りつつあった。
悪の天才科学者Dr.ワイリーの動きに警戒する一方、人類は復興しつつある地球の再生をレプリロイドに任せ、次のフロンティアとなる宇宙への再進出を目指し、完成間近の軌道エレベーター『ヤコブ』を主軸とする『ヤコブ計画』を本格的に始動しようとしていた。
しかし、その一方でドラえもんの故郷である22世紀である事件が起ころうとしていた。
22世紀 ロボット刑務所
犯罪を犯したロボットの多くが収監されているここロボット刑務所では、この日の夜も厳重に警備されていた。
「どうだ?地下収容エリアの様子は?」
「今晩も相変わらずさ。ボディチェックは毎日やっているし、どの部屋の囚人にも特殊手錠で性能を制限している。見回りもロボット警官とチームで行っているからおかしな行動をすればすぐに警報がなる。外部からも情報統制で漏れないようにしているから俺達がいる必要があるのかと問いたくなるぐらいだよ。」
事務室で休息を取っていた刑務官たちは眠気覚ましのコーヒーを飲みながらいつもと変わらぬ会話をしている。配属されて2年ぐらいの若手は、変わらぬ毎日にあくびが出るほど暇を持て余しているような態度を取るが一緒に寛いでいる年配の先輩の考えは違っていた。
「そうは言っても気を抜くなんてできんよ。特に地下収容エリアにぶち込まれている変な髪型の爺さんとロボット2人はな。」
「例のDr.アチモフって人ですか?この間のロボット暴走事件の主犯の。」
「あぁ、話によれば奴さんが作ったロボットの一体が未だに捕まっていないらしい。自分だけで動いているのか、生みの親を取り戻すために準備をしてんのか・・・噂によるとタイムパトロール本部で一人暴れまわって隊員を全員ボコしたらしいぞ?」
「本当ですか?」
「まあ、噂だけどな。だが、このロボット刑務所に殴り込むなんざ早々できることじゃない。正面は最新の警備ロボットが守っているし、ID確認が取れなければ通れないようになっている。変身ドリンクを飲もうが誤魔化しきれない。」
「じゃあ、ここは大丈夫ってことですよね!?良かったぁ・・・怖がるようなこと言わないでくださいよ。」
「ハハハッ、そんじゃあ今夜も頑張るとするか。」
そう言うと二人は、夜間の業務へと戻る。
今日もまた平凡な自分たちの夜の仕事が続く。
朝になれば交代の職員が出勤し、自分たちは退勤して久しぶりの我が家へと帰ることができる。それまでのもう少しの辛抱だ。
そうなるはずだった。
彼らが業務に戻って間もなく、新しい囚人を乗せた護送車が刑務所の入口へと到着した。
車が停車すると警備ロボットが近づき運転手のID確認を行う。
「ID確認をお願いします。」
「どうぞ、こんな夜中までご苦労さまです。」
深く帽子を被った運転手は、IDカードを差し出して確認が終わるのを待つ。IDが本物だとわかると警備ロボットは、カードを返した。
「お手数おかけしました。しかし、この時間の護送はなかったはずでは?」
「あぁ、凶悪犯のロボットが留置所から脱走しかけましてね。急遽、こちらに収監することが決まったんですよ。」
若干警戒する警備ロボットに対して彼は、物腰柔らかい対応をする。
「万が一の事もありますので中の囚人の確認もさせていただきます。」
「構いませんよ。」
警備ロボットたちは早速、後方のドアを開けて中を確認しようとする。同時に中から棘のついた球体が飛び出し、後頭部に刺さると同時に彼らは倒れて動かなくなった。
「開けた瞬間、気づく間もなく相手を機能停止させる・・・・相変わらずの腕前ですね、ヒャクレッガー。」
運転席から降りたクワンガーは、倒れた警備ロボットたちからIDカードを抜き取ると入口のそばに寝かせておく。護送車の中から出てきたヒャクレッガーは、入口に近づくやセキュリティへアクセスしてハッキングを開始する。
「中は厳重だが、電力を遮断すれば一瞬で無力化できるな。俺が管制室のシステムに細工している間に博士たちの救出を頼む。今、管理パスコードをコピーした。これで行けるはずだ。」
彼は、端末カードをブラックゼロに手渡す。
「よし、俺とアルマージでオヤジたちを迎えに行く。万が一ここに近づく奴が居たら地上はビストレオ、水中はアリゲイツとクラブロスで蹴散らせ。ヒャクレッガーとクワンガーはここで待機だ。仲違いしないようにな。」
「何ッ!?なんでワシがこのバカガニと組まなきゃならんのじゃ」
アリゲイツは、不満そうに文句を言うが彼に睨み返されたことで口を慎む。
「今回の救出計画は、コイツが警備員の一部を買収して得たデータで実行可能になったんだ。強襲して力ずくでやることもできるがあのクソジジイに妨害される危険性がある。警備ロボット程度ならどうにでもなるがワイリーナンバーズが束で襲ってくることになれば話は別だ。向こうにはシグマもいるしな。面倒事にするぐらいならこのぐらい静かにやる方が良い。」
「ぬ・・・・し、シグマがいるんじゃ確かにめんどいのう・・・・」
「アイツ相手じゃ買収も無理だしな。むしろ洗脳されて駒にされるのがオチだ。俺も組むのは嫌だけど・・・今回は勘弁してくれよな、脳筋ワニ。」
「脳筋は余計じゃい!このダルマガ二!!」
普通に喧嘩へ発展しかけたため、ブラックゼロは右腕をバスターに変形させて足元に威嚇射撃をする。綺麗に抉られた地面を見て二人は、目を大きく見開いて彼の方を見た。
「二度は言わないぞ。警備を怠るなよ。」
「「りょ、了解しました。」」
「行くぞ、アルマージ。」
「心得た。守備は自分に任せろ。」
ヒャクレッガーがハッキングした影響もあり、二人は警報を鳴らすことなく地下行きのエレベーターに乗る。
最深部に到着するとブラックゼロは、突然の侵入に動揺する警備ロボットたちに向けてセイバーの斬撃破を飛ばして蹴散らしていく。
「そう言えば、ゼロ。同時進行で行っている郊外のパワーセンターの襲撃だが・・・あの2人組に任せて良かったのか?再生して間もないし、我々を裏切る可能性もあるが?」
飛んでくる弾丸を両腕のシールドで防御しながらアルマージは、気にするように彼に聞く。
「あぁ、あのクソジジイの作った奴らだからと言うことか?その件に関しては心配ない。あの2人もシグマのことを根に持っているからな。態々腹心として作られたのにやられてそれっきりじゃ不満もあるだろう。」
22世紀 都市郊外 パワーセンター
「ぐおぉあっ!?」
同じ頃、都市部のすべての電力を賄っているパワーセンターでは突然乗り込んできた2人組のロボットによって発電室のエネルギーカプセルが盗まれようとしていた。
警備員たちと共に現場に駆けつけたヒューズマンだったが2人組の戦闘能力は極めて高く、斬撃を避けている一瞬の隙を突かれて、巨大な鉄球ごと壁に叩きつけられた。
「なんだ、もう終わりかよ?まだ、そこらのハンターの方がまだ手応えがあるぜ。」
バイオレンは、その場に力なく倒れた彼を掴み上げながらつまらなそうに愚痴る。
「弱いものいじめはそのぐらいにしておきなさい、バイオレン。私達の本命は、このエネルギーカプセルですよ。」
近くに居た警備ロボットたちを無慈悲にビームサーベルで切り裂いたアジールは、目的の品である『エネルギーカプセル』を慎重に取り外す。外すと警報は鳴り止まないものの、照明は一斉に消えて非常灯が暗闇に僅かに灯った。
「ほう、これがエネルゲン水晶をも上回るエネルギーのカプセルですか。思っていたよりも小さいですね。たった、これだけで各地の膨大な電力を賄ってしまうのですから恐れ入りますね。」
彼は、カプセルを保存容器に丁寧に収容するとバイオレンと共に脱出口へと向かう。
「しっかし、生き返って早々楽な仕事だったぜ!まさか、こんなハンター共よりも弱ぇ奴らから物を奪い取ってこいとはよ。」
そう言いながら止めていたサイドカータイプに換装したハーネットに乗り込むとアジールは、思い出したとばかりに懐から起爆スイッチを取り出す。
「おっと、大事なものを奪っても予備を残していては元も子もありませんからね。」
彼は、不敵な笑みを浮かべるとスイッチを押す。同時に発電所の倉庫が凄まじい音を立てて爆発した。
「任務完了。では、帰りましょうか。」
ハーネットのエンジンをかけると彼らは、一目散に逃げ出していく。
外までの通路を走らせていると彼らからカプセルを奪還しようと発電所の警備部隊が急いで追いかけてきた。
「思ったよりも早く着いてきやがったな。」
「ふむ、中途半端に追ってこられても面倒ですね。」
アジールは、わざとスピードを落として警備部隊との距離を縮める。
「お任せしますよ、バイオレン。」
「へっへへ、そうこなくちゃな。」
バイオレンは、側車の席から飛び降りると一番先頭の車両のボンネットの上に着地する。
「な、なんだっ!?」
「ふん!」
彼は、拳を叩きつけて中のエンジンを破壊。爆発する瞬間にまた勢いよくジャンプをして後方の部隊に向かって鉄球を振り回す。
「わっ!?」
「ひゃぁあ〜!?」
ぶつかった鉄球の勢いで他の車両も壁に打ち付けられたり、横並びに衝突させられたりと警備部隊は、呆気なく全滅してしまった。
「ざっと、こんなもんよ。」
満足したのか、放り出されて伸びている警備員たちに目もくれず、バイオレンは、アジールと共にパワーセンターから脱出したのであった。
同時刻 ロボット刑務所 重犯罪者用地下収容エリア
「なにゅ?何が起こったっしょ?」
脱走する手段が浮かばず、3人で暇つぶしのトランプをしていたアチモフは、突然照明が消えたことにポカーンとする。同時に強固な特殊合金でできた扉が溶断され始め、近くに座っていたダイナモが飛び上がった。
「ウオッ!?」
「ダイちゃん、大丈夫!?」
『ブモブモ〜!?』
ベルカナは、彼を後ろに下げると斬られていく扉を眺める。立ち上がるまで彼女に膝に座っていたミニイエローデビルは、パニクってコロコロ転がっている。
扉が溶断され、部屋の中に倒れると3人は入口にいる人影を見ながら怯える。
「な、何者っしょ!?」
「俺だ、親父。迎えに来た。」
Zセイバーの出力を微調整して懐中電灯代わりにするとブラックゼロとアルマージの顔が露わになる。
「ぜ、ゼロ!?」
「兄貴!」
「お兄様!!」
『ブモモ〜!!』
助けが来たと知り、アチモフたちはホッと胸を撫で下ろす。ブラックゼロは、セイバーで彼らの拘束具を切り捨てると誘導し始める。
「お前、よく助けに来てくれたっしょねぇ。」
「アンタがいないと組織が回らないんでな。本当は、もう少し早く計画を実行したかったがあのクソジジイに気づかれるリスクを考えてずらさざるを得なかった。待たせて済まなかったな。」
「ぬう、Dr.ワイリーめ。奴も何か動いているのかっしょ?」
「いや、今のところ拠点にしているラーメン屋の近くの公園でガキ共に自作の秘密道具を披露しているぐらいだ。後のことはシグマに任せているらしい。」
「何か引っかかるような気がするけど・・・まあ、いいっしょ。ところでこの停電は?」
「親父が中途半端にしていたカウンターハンターたちを再生させて発電所を襲わせた。」
「っと、言うことは・・・・今は世界中大混乱。ここから逃げ出して早々またとないチャンスが来たっしょ!ナハハハハッ!!」
入口まで来ると既にクワンガーたちがいつでも出れるように待っていた。
「お帰りなさいませ、アチモフ博士。では、引き上げますよ。」
彼らを乗せた護送車は、何事もないように混乱している市街地へと消えていく。
発電所からの送電が途絶えたことにより、都市の機能はすべて麻痺状態に。
更に予備のパワーカプセルがアジールの手によって破壊されてしまったことで復帰の目処が立たず、タイムパトロールすら頭を抱える事態に陥る。
ちなみに何故、彼らが事前に阻止できなかったのか?
それは、作戦実行に合わせてVAVAがライドアーマーの大隊を率いて本部を襲撃してきてその対応に追われてしまったからだ。ちなみにアチモフの脱走が成功したことを知るや彼はあっさりと部隊を撤収していった。
アチモフによる世界征服を阻止するため、タイムパトロールはイレギュラーハンターに応援を求め、密かにドラえもんズの緊急招集を行うのであった。
久しぶりすぎで色々書き方忘れている(汗)