22世紀 ロボット学校 発電室
その日、寺尾台校長の招集によりドラえもんを始めとするドラえもんズ全員が母校であるロボット学校へと集まっていた。校長と共に待っていたリングマンから話を聞こうとしたものの施設が停電になっており、ドラえもんズは発電用のローラーシステムを走りながら聞くことになった。
「君たち、ドラえもんズにわざわざ集まってきてもらったのは他でもない。実は、イレギュラーハンターと共にある秘密の任務を行ってもらうためなのじゃ。」
「「「秘密の任務?」」」
「こりゃ、止まっちゃいかん。」
話を聞こうと全員が足を止めたことで発電が止まり、点いていた照明が消えてしまう。ドラえもんたちは慌てて走り出すと明かりが戻り、校長は改めて話を続ける。
「オホン。知っての通り、私達が住んでいるこの街の機能は郊外にあるパワーセンターの超高エネルギーカプセル1つで賄われておる。」
「ところがそのパワーセンターが先日、かつてエックスに破壊されたはずのアジール、バイオレンのカウンターハンター2人組に強奪された。カプセルを取り返そうと動いたヒューズマンを含めた職員は、負傷。おかげでセンターからの電力供給がストップし、街の交通は愚か、電気もコンピューターを始めとするライフラインが止まってしまっている。」
リングマンは、頭を押さえながら話す。
数日前、アチモフたちを収監していたロボット刑務所をブラックゼロを含める少数精鋭で侵入。ハッキングなどで妨害されて厳重に閉じ込めていた彼らを回収していってしまった。
更に同時進行でかつてエックスに倒されたカウンターハンター アジールとバイオレンが発電所を強襲してエネルギーカプセルを奪っていくという最悪の事態となった。更に念入りとばかりに他のカプセルも破壊していくという始末だ。
「しかし、治療中のヒューズマンからの証言で偶然にも抽出したばかりのエネルギーカプセルが一つだけ残っていた事がわかったのじゃ。しかし、アチモフも当然のカプセルが残されている可能性を考えているはず。そこでイレギュラーハンターに陽動をかけてもらい、敵がそれに引きつけられている間にカプセルをセンターへ運ぶ任務を君たちにやってもらいたいというわけなのじゃ。」
「話は、終わったか?」
そこへどういう訳か、ワイリーが部屋に入ってきた。ドラえもんは、思わず足を止めそうになるが走り続ける。
「システムの方は?」
「あぁ、そこのタヌキ共が稼働用のサブジェネレーター分を発電してくれたから動き始めたわい。もう、走るのやめていいぞ。」
ローラーが止められ、ドラえもんズ一同は彼らの部屋へと戻っていく。
「校長先生。こ、この男をここに入れて大丈夫なんですか!?リングマンさんも・・・」
「何をいうか?この間エックスと一緒に助けてやったではないか。」
この場にいることに不満を言うドラえもんに対してワイリーは、詰め寄るように言う。
「今回、各家庭に簡易自家発電装置を滞りなく提供できたのは、Dr.ワイリーのおかげなのじゃ。彼とワイリーナンバーズの協力で想定より被害を最小限に留めることができた。」
「認めたくはないが、寺尾台校長の言う通りだ。最悪、医療現場では、患者たちを危険に晒すのを回避することができた。」
「なんじゃい、リングマン。誰のおかげで愛娘の誕生祝をできたと思っておるんじゃ。もっとワシに感謝しろ。」
「・・・・感謝する。」
いまいち認めたくないのかリングマンは、彼から目を逸らして礼を言う。
「ったく、心が籠もっとらんな〜。コサックに何を教わっていたのやら。まあ、いいわい。とまあ、一時凌ぎにはなったが残念ながらそれでもパワーセンターの半分以下の微量のエネルギーじゃ。節電したとて以て、2週間ぐらいしか持たん。じゃから、一刻も早くセンターの復旧を急がねばならん。それにだ。」
彼は、スクリーンに世界地図を展開し、各ポイントを表示させる。
「この反応は?」
「シャドーマンに確認させたアチモフの拠点だ。定期的に偵察に行かせておったが、あのクワガタジジイが脱獄した後、急速に各拠点の防衛レベルが上った。同時に各時間犯罪者たちの出入りも確認できておる。」
「えっと・・・つまり、どういう事?」
「大方カプセルから得られるエネルギーを売っておるんじゃろう。要はエネルギースタンドとしてビジネスを始めると同時に各勢力とのコネを構築しようとしておるんじゃ。奴らがこれ以上徒党を組むようなことになれば厄介になりかねん。」
かつてロックマンと幾度もなく交戦して世界征服を阻止された彼だからこそ、今回の事態の深刻さを理解しているのかワイリーは、顔を顰めながら話す。その表情を見てドラえもんたちも事の重大さを理解する。
「秘密任務実行の当日、奴らの各拠点に我がワイリーロボたちを襲撃させて撹乱を行う。本拠地にはフォルテを送り込むから一番面倒であろうブラックゼロを釘付けにすることはできるはずじゃ。そして、輸送を襲撃してくる方に関しては・・・・」
21XX年 ハンターベース
「えっ、護衛任務?」
一方、ハンターベースではアクセルがパレットと共に司令室へ招集され、シグナスから話を聞いていた。A級へ昇格するべく、彼女から勉強を教わりながらハンター業務を全うしていたが今回の任務に驚いていた。
「そうだ。22世紀でパワーセンターへ搬送するエネルギーカプセルの護衛任務だ。今も話したが脱獄したDr.アチモフによって向こうは主要都市の機能が麻痺している。幸いDr.ワイリーの協力で持ち堪えているがそれでも長くは持たない。我々は表で各方面から輸送列車を発進させて奴らの目を引く。その間、お前たちは本命に乗り込んでカプセルを守ってもらう。」
シグナスは、地形図を見せながら作戦を伝える。揺動を駆ける部隊にはエックスとゼロも入っており、今回はアクセル初の単独での任務となる。
「今回の任務は、ハンターランクA級への昇格試験も兼ねている。いつものイレギュラー討伐とは訳が違うぞ。」
「じゃあ、パレットが一緒に行くのは試験官ってこと?」
「いや、彼女にはサポートとして同行してもらう。ドラえもんズもいるとはいえ、相手がアチモフ一味だ。おそらく、我々の陽動にも気づくだろう。アクセル、向こうの世界はお前の腕にかかっていると言っても変わらん。頼んだぞ。」
彼は、真剣な眼差しで言う。アクセルは、自分に向かない任務だと感じながらも敬礼をする。
「本当はエックスたちの方がいいんだけどね・・・・・でも、わかったよ。パレット、サポートよろしくね。」
「了解。じゃあ、早速準備始めましょう。」
二人が部屋を後にすると、シグナスはため息を付きながら窓の外を眺める。
「確かにエックスとゼロのほうが彼らとの交流が深い故に連携も取りやすいだろう。しかし、それはアチモフ側も把握している。下手に一緒に行動することになればカプセルを危険に晒しかねない。アクセルには荷が重いが・・・ヤコブ計画の件でこちらの動かせる戦力が限られている以上ここは乗り越えてもらうしかない。」
彼は、独り言を言うとまもなく開始されるヤコブ計画の資料に目を通すのであった。
数日後、護衛任務のため集結したドラえもんズは、出発点であるパワーセンターへと通じる駅に行くとそこには寺尾台校長たちと共にエックスが待っていた。思わぬ親友が待っていたことにドラえもんは思わず、任務の緊張感を忘れて笑顔になった。
「のび太くん!」
「やあ、ドラえもん久しぶりだね。」
「ここにいるってことはのび太くんも一緒に来てくれるんだね?いやぁ、僕達だけじゃアチモフたちからカプセルを守りきれるかどうか・・・・」
「・・・・」
「のび太くん?」
エックスの困った表情にドラえもんは、首を傾げる。
「ごめんドラえもん。今回、俺は君たちとじゃなくて陽動する部隊で行動することになっているんだ。」
「えっ!?」
「俺やゼロが一緒にいたらアチモフが戦力を集中させてカプセルを危険に晒させてしまうことになる。だから、うまく、敵の目を惹きつける必要があるんだ。」
「そんな〜。」
せっかく一緒に行動できると期待していたこともあってドラえもんは、残念そうな顔を浮かべる。
「仕方ありませんよ、任務なんですから。」
そんな彼に対して王ドラが肩に手を置きながら言う。
「ただ、万が一のことも考えてアクセルとパレットが君たちドラえもんズと行動することになってるよ。腕前は俺とゼロも認めているから安心してくれ。アクセル、パレット。彼らのことをよろしく頼むよ。」
エックスに言われるとアクセルとパレットは、彼の前に出て短い挨拶をする。
「えっと・・・初めまして。僕はアクセル、日は浅いけどエックスと同じイレギュラーハンターだよ。よろしく。」
「オペレーターのパレットでーす!皆さんのサポートをさせていただきまーす!!」
ぎこちなく行うアクセルに反して、パレットはフレンドリーにドラえもんズ一人一人に握手をしながら挨拶を交わす。
「キッドさん、今回もよろしくお願いします。」
「おう!」
「エル・マタドーラさんもよろしく。」
「俺達がいれば心配ご無用だぜ、セニョリータ。」
「王ドラさんも。」
「あっ、い、いや・・・・私、女の子は苦手なので握手はご遠慮しますぅ・・・・。」
王ドラ以外のメンバーとの挨拶が終わると寺尾台校長は、アタッシュケースを持ってきて一同に中身のカプセルを見せる。
「へえ、これがエネルギーカプセルか。結構大きいんだね。」
既に制限時間らしきタイマーが動いていることもあってアクセルは、早速とばかりに受け取ろうとするが、校長は慌てて制する。
「これこれ、このカプセルは非常にデリケートなのじゃ。ちゃんと、説明を聞いて受け取るんじゃ。」
「あっ、ごめんなさい。」
「コホン、今も言ったがこのカプセルは非常にデリケートにできておる。どこでもドアやタイムマシンを使うと次元の歪みの影響で壊れてしまう。なんとしても二時間以内にパワーセンターに届けておくれ。」
アクセルのことをせっかちだと思ったのか、彼はカプセルをドラえもんに託す。
「事態は一刻を争う。頼んだぞ、ドラえもんズ諸君。」
「「「「「「はい!」」」」」
「アウッ!」
「アクセル君、パレット君もよろしく頼む。」
「OK!」
「任せてください!」
「おっと、出発前にもう一人紹介しなくてはな。ロビン、こっちへ来なさい。」
最後とばかりに校長は、帽子を深く被った子供を紹介する。
「この子はわしの幼馴染のお孫さんでな。君たちをセンターまで送り届ける事になっておる。ロビン、彼らは無事パワーセンターまで送り届けておくれ。」
「はい。」
ロビンが凛々しく答えると彼は、ポケットから首飾りを取り出して首にかけた。
「これはお守りじゃ。」
「これから作戦に入る。俺達は囮の車両で同時に出発する。ドラえもんとアクセルたちは、遅れてセンターに向かってくれ。」
エックスは、そう言うとグライドアーマーを装備して自分たちの乗る武装列車へと向かっていく。
「それじゃあ、私達も行きますか。ロビンさん、よろしくお願いします。」
「うん。じゃあ、みんな着いてきて。」
ロビンに着いて行くとそこには、出発していく武装列車の半分もない大きさの可愛らしい蒸気機関車が待機していた。そのあまりの小ささにアクセルは、思わず声を上げてしまう。
「えっ!?こ、こんなちっちゃいので行くの!?」
「アチモフ博士、イレギュラーハンターたちがカプセルを護送した列車で出発を開始いたしました。」
一方、アチモフ一味の方では、エックスたちの動きを掴んでいた。突然、フォルテが本拠地に攻め込んできたことに違和感を感じ、アチモフは基地の防衛を任せて別拠点に移動。調べると予備のカプセルが運ばれることが判明し、フォルテが囮であることに気づいたのだ。
「にゅ〜〜よりによって、ゼロが使えないときに。あのエックス達がいるとなると戦力を割くことは避けられないっしょ。・・・・うん?VAVAは、どこ行ったっしょ?」
チーム分けをしようとした矢先に既にVAVAの姿がないことにいつもの単独行動に出たことを察する。
「まあ、彼のことです。エックスの方は彼に任せましょう。既に送るメンバーを出発させました。私達は、別の武装列車を襲撃します。博士たちは、残りのこの小さな反応を追ってください。」
クワンガーは、駅から出た3つの反応に指を指しながら言う。
「ぬう、しかしこの小さなものにカプセルが入っているとは思えんが・・・」
「いいえ、スパイカメラで確認しましたが2台の武装列車にドラえもんズの姿は確認されませんでした。っとなるとこの小さな反応が本命の可能性が高いです。ダイナモさんとベルカナさんたちだけでは心もとないでしょうから万が一のためにカウンターハンターのお二人さんを護衛にお着けします。ロボット馬の準備もできていますのでご心配なく。」
そう言って外に案内されると既に武装列車を襲撃するための武装艇が次々と離陸を始めており、陸路から行くロボット馬たちが彼が来るのを待っていた。
「もう、パパったら。もうみんな出発し始めているわよ。」
「わかってるっしょ。今行くから少し静かにするっしょベルカナ。」
ベルカナに言われながらもアチモフは、初対面であるアジールとバイオレンに向き直る。
「お前達がカウンターハンターか。カプセルの強奪はよくやってくれたっしょ。」
「いえ、滅相もございません。一つだけ取りこぼしてしまうとは私達も不覚でした。」
「いいっしょ、いいっしょ。今回の物を奪ってしまえばすべて解決するのだからな。2人とも期待してるっしょ。」
謝罪するアジールに対して彼は、あっさりと水に流す。ロボット馬に乗り込むと彼らは、ドラえもんズたちが移動しているであろう進路へと走り始めるのであった。
「このままセンターを停止させ、エネルギーを全てこの手に掌握させれば、世界征服は間違いないっしょ!!そのためにも残ったカプセルをなんとしても奪い取ってやるっしょ!!ナハハハハ〜!!」
「親父、走りながら笑うとひっくり返るぜ。」
傍で走っているダイナモに呆れられながらもアチモフは、野望のために動き出すのだった。
ファンメイドゲーム「MEGAMANX REGENESIS」、面白いけどあの世界線だと続編は厳しいだろうな。