ドラえもん のび太の転生ロックマンX   作:赤バンブル

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登場させるキャラで色々悩みましたが無事投稿です。


電子頭脳強奪

21XX年 シティ・アーベル

 

ここはシティ・アーベル構内にあるファーストフード店の一つ。

 

この店はかつて人間の利用客が多く、賑わっていたがシグマの反乱を始めとする度重なる大戦により、多くの市民が安全な地下都市へ疎開。そして、復興が進んだ今も戻ってきたのはごく一部で現在はレプリロイドの利用客が圧倒的に多い。当然、店員もレプリロイドがほとんどである。

 

「おはようございます。」

 

ハンターベースで密かに行われている巨大ロボットの性能試験当日の朝。

 

そんな店の厨房でシフト交代で一人の少女が店員服に着替えて入って来た。先に作業をしていた民間レプリロイドたちは、彼女を見るなりいつものやり取りで答えた。

 

「おはよう、リルル。今日も早いね。」

 

そこには店員姿のリルルの姿があった。

 

何故、ここに彼女がいるのか?

 

それは、ここがハンターベースから比較的近いところにあるからだ。あの通信の後、彼女は可能な限りイレギュラーハンターの情報を調べ、このシティ・アーベルに本拠地があることを突き止めた。だが、肝心のジュドの電子頭脳の反応がなく、更にボディパーツもどこに格納されているか不明のため迂闊に手を出すことができず、応援が来るまでここでハンターたちの会話を盗み聞ぎしながら情報収集をすることにしたのだ。幸い、同僚たちからの反応は好評で既に来客に来るハンターの数人と親しげに会話をするなど成果は着々と出ている。

 

しかし、同時に疑問に気づき始めていた。

 

「なあ、ケイン氏が近頃地球に戻ってくるって聞いたんだが本当なのか?」

 

「あぁ。どうやらそうらしい。チャモチャ星の復興に一区切りがついたから大使に任命されたガリオン侯爵の来訪に合わせて戻ってくるそうだ。」

 

店の一席で他愛のない会話をしている一般ハンターたちは注文したハンバーガーを食べる。当然、彼女はそんな会話も聞き逃さない。

 

「けどよ、あんなご老体で戻ってきて大丈夫なのかな?こっちの環境って大分マシになったけど向こうと比べてやっぱり悪い方だろ?」

 

「さあな、だけど今回の侯爵の訪問はその件も含めてなんじゃないかな。」

 

「地球人類の疎開ってやつか?でも、向こうのお偉いさんがそんなこと許可してくれるもんかね?」

 

「今、人間たちのほとんどが未だに地下都市生活を強いられている。いくら地上が再建進んでると言ってもまたイレギュラー騒ぎが起こるんじゃないかって不安でほとんど出られずじまいだろう?」

 

「確かにな。けど、俺たちだってエックス隊長やゼロ隊長たちほどじゃないけど精一杯やっているんだぜ。少しは信用してくれてもいいんじゃないか。」

 

「そればっかりはしょうがねえよ。現にイレギュラーは出て来るんだからな。人間たちだって事件で身内を亡くしている者もいる。信用できないのも仕方ないさ。」

 

彼らの会話を盗聴しながらリルルは、黙々と今日の業務を行う。

 

本部からの連絡によれば応援が到着するのは今日の夕方。到着次第合流し、自分が得た情報を基にジュドの電子頭脳並びにボディの奪還計画を練って行動するつもりだ。

 

(少なくともジュドの電子頭脳があの施設にあるのは間違いない。パーツの行方は分からないけど彼を救出すれば何かしらの情報を得られる。・・・・でも、この星のロボットたちって変わっているわね。何故、人間たちのために動いているのかしら?地下に籠って命令だけしかしない存在なのに・・・・)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

22世紀 イレギュラーハンター指定のホテルの一室

 

「グゥウ・・。」

 

セワシを訪ねた日の夜、エックスは自分の部屋のベッドでいびきをかきながら熟睡していた。

 

「・・・・」

 

そこへネグリジェ姿のマーティが忍び込んできた。彼女はエックスの寝顔をそっと見ると机の方へと向かい、上に置いてある青いヘッドパーツを盗人のように持ち去っていく。

 

部屋の戸を静かに閉め、忍び足で自分の部屋に戻るとマーティは、ほっと息をする。

 

「ふう、エックスが眠りが深いタイプでよかったぁ~。」

 

彼女は、そう言うとヘルメットをテーブルの上に置く。

 

「後は・・・・これね。」

 

続いて鞄の中からスペアポケットを取り出す。一体何をするつもりなのだろうか。

 

「エックスからじゃ、お茶濁して全然話してくれないもんねぇ。えっと・・・・・これね。」

 

ポケットの中から昼間セワシから紹介された道具の一つである『アンケーター』を取り出す。

 

この道具は、特定の人物の体の一部や、髪の毛をセットし、その人の遺伝情報を読み取ることで擬似人格が形成され、質問されたことを何でも答えてくれるという代物だ。

 

レプリロイドの場合、DNAデータが必要となるが幸いエックスのヘッドパーツには様々な機能を発揮するために本体と同じものが組み込まれている。

 

「でも、前世のことなんか教えてくれるのかしら?」

 

やや不安なものの彼女は、ヘッドパーツを機器の中へと入れる。すると備え付けのスクリーンにエックスの顔が映し出された。

 

取り合えず、第一段階は成功だ。

 

「最初に確認しておきたいんだけど、人間だった時のことも話せる?」

 

『別に構わないけど。』

 

スクリーンの疑似エックスは、彼女の問いに答える。

 

「じゃあ、聞きたいんだけど昼間途中でやめた話の内容を聞かせてくれない?」

 

『・・・・・』

 

「何故、貴方があんな悲しい顔をしたのか知りたいの。一体、過去に何があったの?」

 

マーティは、気になって質問する。疑似エックスは、しばらく黙ってしまうがアンケーターは、絶対に嘘や隠し事はできないシステムとなっている。

 

『・・・・正直、思い出したくないことなんだけど。俺は・・・俺たちは地球を守るためにある星の歴史を書き換えてしまったんだ。』

 

「歴史を書き換えた?」

 

思わぬ発言にマーティは、少し驚く。疑似エックスは、引き続き話を続けた。

 

『あれはそう、暑い夏の日だったよ。俺は、ドラえもんを追って南極に・・・・・』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

21XX年 

 

時間は夕方になり、ほとんどのハンターがベースや現場に戻ったことで店の中は少し静かになった。

 

「あっ、もうこんな時間。そろそろ上がらないと。」

 

リルルは、時計を見ながら言う。後、1時間後に応援の仲間が郊外の山にやってくる予定だ。彼女は、そう思うと厨房の方にいる同僚たちに声をかけて身支度をしようとした。

 

「はあ~~。」

 

そんな店の入り口にアクセルが入って来た。どういうわけなのか元気があまりない。

 

「あら、アクセル!」

 

リルルは、彼が来たことに気づくなり近づいて行く。行きつけで面識があるのかアクセルも彼女を見るなり、軽く手を振って挨拶をした。

 

「やあ、リルル。今日も頑張っているねぇ。」

 

彼は、そう言うとしょぼんとしながら席に座った。

 

「どうしたの?顔色良くないけど。」

 

彼女は、水を出しながら聞く。アクセルは、メニュー表を見ながら一言言った。

 

「今日の性能テストで色々あってね。」

 

「テスト?ハンター試験ってまだ先ってこの間話していなかった?」

 

「うんうん、違うんだ。」

 

取り合えず注文をしながらアクセルは、独り言のように言う。

 

「今日、ある巨大メカニロイドの性能試験が行われたんだ。」

 

「性能試験?」

 

惚けたような顔をしながらリルルは、内心ジュドのボディパーツのことではないかと感ずく。

 

オフの時間帯にハンターベースの敷地を監視していたことは何度かあったがあの巨体が表に出てきたところは見たことない。もしかすれば、地下に巨大な試験場が建設されているかもしれない。

 

彼女は、アクセルの様子を見ながら情報を探ろうと考える。

 

「それでなにがあったの?」

 

「仲間が作った巨大メカニロイドと格闘戦をやったんだよ。」

 

「えっ!?土木作業用を!?」

 

「土木作業用?」

 

アクセルは、生気がない目でリルルを見る。彼女は慌てて話を誤魔化そうとする。

 

「あっ、少し前に来ていた人がライドアーマー担当の人で時々賭け事で試合するとか言っていたのよ!てっきり、そっちじゃないかって!!」

 

「・・・・・」

 

「・・・・・」

 

二人の間にしばしの沈黙が続く。リルルは、自分がこの星のロボットではないことがバレたのではとドキドキする。

 

「・・・はあ、そんな生易しいものじゃないよ。」

 

「そ、そうなんだ・・・(バレてないみたい、よかった)。」

 

うまく誤魔化せたことに彼女は内心ほっとする。

 

改めて情報収集を再開する。

 

「でも、そんなに大きなメカニロイドどこで動かしたの?ハンターベースで動いているなんて聞いたことがないけど。」

 

「あぁ、表では極秘事項になっているからね。分からないように『鏡面世界』で組み立てて行ったんだ。」

 

「『鏡面世界』?」

 

「この世界と瓜二つで人も生き物も誰もいないんだ。だから、何をしても問題ないから試験場には最適だったんだ。」

 

「ふ~ん~。」

 

本来、鏡面世界のことについては極秘事項なのだがあの光景を見て精神的に参ってしまっているのかアクセルは、ペラペラと話してしまう。リルルは彼の話を聞き、鏡面世界なら前線基地が気づかれないように建設できるのではないかと興味を持つ。

 

「それで、その世界にはどうやって行ったの?」

 

「あぁ、『おざしきつり堀』って言うポスターみたいな道具で行き来していたんだ。」

 

「へぇえ・・・・」

 

「何?なんか行ってみたいって思っちゃった?」

 

流石に話過ぎたと思ったのかアクセルは、彼女の方を見る。

 

「う~ん~、こっちの世界と瓜二つって言うのには興味持ったかな。」

 

「やめといた方がいいよ。あんな光景見たら恐ろしくなるよ。」

 

「でも、メカニロイドが暴走して街を壊すなんて前からあったことでしょ?そんな・・・」

 

「そんなレベルじゃないよ!!」

 

アクセルは、思わずテーブルを叩く。その様子にリルルは思わず引き下がってしまう。

 

「あれは・・・あれは、メカニロイドとかそんなものじゃない!あれは兵器だ!宇宙からこの星を占拠するために誰かが送り込んできた破壊兵器なんだ!!あんなもの・・・・・・」

 

途中で熱が冷めたのかアクセルは、動揺しているリルルの顔を見てしまったとばかりに申し訳ない顔をする。

 

「ご、ごめん・・・・仲間が一人死ぬかもしれない事態になったもんだからつい・・・」

 

「う、うん!大丈夫!私も変なこと聞いちゃったから。ごめんね!」

 

彼女は、笑って誤魔化さすが厨房の方では彼の怒鳴り声が聞こえたこともあって何事かと同僚たちが心配そうに見ている。もう、この場にいるわけにはいかないと思い、アクセルは店を出る。

 

「・・・アクセル。」

 

リルルは、心配そうに彼の後姿を見るが時計を見て既に時間が迫っていることに気づく。

 

「いけない!もう上がらなくちゃ!!」

 

彼女は、急いで着替えて店を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

22世紀 

 

早朝。

 

目覚ましの音と共にエックスは目を覚ました。

 

「ふあぁ・・・・もう、こんな時間か。」

 

時計の時間帯を見ると彼は、身支度を整え始める。この今日はシグナスたちの護衛任務のため、マーティとは一緒に食事を取らずにそのまま本部へ向かう予定だ。

 

「後は・・・・あれ?ここに置いておいたはずなのに。」

 

いつもの青いアーマーを身に着けて机を見た瞬間、彼は昨日まであったはずのヘッドパーツがないことに気が付く。近くを探し回っても見つからないため、仕方なくスペアポケットから探す道具を出そうとするがポケットも見当たらなかった。

 

「おかしいな・・・・もしかして、マーティが持っているのかな?」

 

この時間帯だとまだ個室で眠っているはずだ。出来れば起こさないようにしたかったが見つからないため、彼は、彼女が眠っている部屋へと向かう。部屋の前に立つと彼はドアを軽くノックする。

 

「マーティ、起こして悪いんだけど開けてくれないかい?」

 

『・・・・・・』

 

「マーティ?」

 

普段なら不機嫌そうな顔をして開けてくれるのだが、今回に限っては返事すら返ってこない。エックスは、もう一度ノックしてみるがやはり返事はなく、不安になってきた。

 

「・・・・まさか、誰かに襲われたんじゃ?」

 

22世紀は自分たちの世界と違ってイレギュラーが大きな事故を起こすことはないが未来犯罪者やDr.アチモフの残党など警戒すべき勢力が存在する。恨まれて襲われる可能性は十分あり、現に鍵はかかったままだ。

 

「クウ!仕方ない、窓から侵入者が入って来て応戦したら壊してしまったと言っておこう!」

 

エックスは構えを取ると右腕を変形させないままエネルギーを収束させ、ドアに向かって撃ち込んだ。エネルギーで発熱した右手はドアを溶解、あっという間に崩れ落ちていく。

 

「マーティ!?」

 

エックスは、部屋に中に入ると彼女の安否を確認する。すると部屋の奥の方で椅子に座って泣いている寝間着姿の彼女を見つける。

 

「よかった!てっきり誰かに襲われたか思っ・・・・」

 

無事なことにホッとしたのも束の間、エックスの視線は彼女の前に行く。そこにはタイムテレビと自分のヘッドパーツが置いてあり、すぐ傍にはスペアポケットもあった。

 

「・・・・・・」

 

「え、エックス・・・・そ、その・・・・」

 

急に無言になった彼の反応を見てマーティは、気まずそうに答えようとする。

 

「・・・・・・」

 

エックスは、無言でタイムテレビをしまうとヘッドパーツを被る。そして、バスターを展開すると部屋の窓を撃ってわざと割った。

 

「え・・・・・」

 

「シグナスか?実は出ようとした時マーティがイレギュラーに襲われた。・・・・あぁ、彼女に怪我はなかったよ。ただ、相手がアチモフ一味と絡んでいる可能性があるから今日は傍にいてあげたいんだけど・・・・うん、ありがとう。じゃあ、ゼロによろしく伝えといてくれ。」

 

通信を終えると彼は、再度彼女の方を振り向く。その表情は特に怒っているわけではなく、見てはいけないものを見たとでも言いたいばかりに無表情だった。

 

「あの・・・」

 

「何を見たの?」

 

彼は、表情を変えずに彼女に迫るように問う。

 

「・・・・えっと・・・・」

 

「俺のヘッドパーツなんて持ってきてどうするつもりだったの?タイムテレビで昔の俺のことを見ていたようだけど。」

 

「・・・・・」

 

「ねえ、黙っていたんじゃ分からないよ?」

 

淡々と詰め寄ってくるエックスに対してとんでもないことをしたと理解しているのか、マーティはその場に膝をついて頭を床に押し付けて土下座をした。

 

「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」

 

「別に謝ってなんて頼んでいないよ。何を見ていたのか聞いているんだ。」

 

エックスは、今の自分の態度が彼女を怖がらせていることに気づいたのかいつもの落ち着いた口調へ戻す。彼は頭を下げて震えている彼女を起こす。

 

「一体、何を見てたんだい?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

21XX年 シティ・アーベル郊外の山

 

仕事を終えたリルルは、その足で郊外の人気のない山の中へと来ていた。彼女は辺りを確認しながら発信信号を発し、応援に来る仲間への合図を送る。

 

「これで来てくれればいいんだけど・・・・あっ!」

 

少し経つと上空から球体状の収納ポッドが急接近して目の前に落ちる。しばらくすると蓋が開き、二つの人影が現れた。

 

「おぉうぅ・・・このポッド狭すぎっだろ!ったく、上層部のクソったれ共め。オレらが下層出身とはいえ舐めやがって!!」

 

「プ、プク・・・グランドの兄貴、早く出てほしいプー!僕も中が熱すぎて茹でロボになっちゃうプクよ!!」

 

中から出てきたのは頭部と両肩が鋭いドリルになっている戦車型ロボットと背中に酸素ボンベを背負った魚人をデフォルメしたようなロボットだった。リルルは彼らを見るなり、驚く。

 

「グランドマン!それにバブルマンも!!」

 

「よぉ、リルル。久しぶりだな!工場から引き抜かれて以降か!」

 

グランドマンは、彼女の顔を見るや嬉しそうな顔をする。

 

「しっかし、お前さんとジュドだけをこの星に送るなんて総統閣下も人が悪いな。もっと増援送ればいいのによぉ~。」

 

「兄貴、そんなこと言っちゃダメプクよ。」

 

頭のドリルを掻きながら言う彼に対し、バブルマンは冷や汗を掻きながら言う。

 

「二人とも、確か兄さんの部隊で戦地に行ってたんじゃ・・」

 

「おう、それがな。終わったんだよ。ネロたちは今メンテナンスで休息中だから今一番動けるオレたちが派遣されたんだ。」

 

「そう、兄さんたちが。」

 

その話を聞いてリルルは、少し気まずい顔になる。

 

兄は確実に祖国に貢献しているのに対し、自分は来て早々仲間と逸れて基地建設に手こずっているのだ。そう考えると恥をかかせているようにも見える。

 

「リルル、僕たちが来たからにはもう大丈夫プクよ!グランドの兄貴も一緒にいるし。」

 

「バブルマン・・・」

 

「でも、ジュドもジュドでリルルに心配させるのは情けないプー!アイツ、あんなでっかい体動かしているのに・・・・」

 

「戦地でいつも逃げ回っていたおめえが言うことじゃないだろ。」

 

「プクッ!?」

 

彼女を元気づけようとするついでに同僚に対しての文句を言っているバブルマンに対し、グランドマンは容赦ないツッコミを入れる。

 

「さて、早速だが作戦について教えてもらおうか。オレのドリルでどこへでも侵入してやるぜ!」

 

「そのことについてなんだけどすぐに動いてもらうわ。敵は既にジュドのボディを組み立てたみたいなの。」

 

「プクッ!?っということは、僕たちがこの星の来た目的が分かっちゃったってことでプクか!?」

 

「いいえ、どうやらそこまでは進んでいないみたい。でも、ジュドの頭脳を解析し始めるのも時間の問題かも。」

 

リルルは、深刻な顔で言う。彼女は二人に今まで集めたデータを渡し、作戦内容を伝える。

 

まずはハンターベースの敷地内まで地中を掘って進む。

 

そして、研究施設の内部から地上に出て最優先に『ジュドの電子頭脳』、更にアクセルから聞いた『おざしきつり堀』なる道具を回収する。

 

もし敵に発見された場合は、グランドマンが表に出て撹乱。その間にバブルマンが各所に爆弾を設置して撤収と同時に爆破させることで追跡を妨害させる。

 

 

「思っていたよりも簡単そうな仕事だな。これなら、すぐに基地建設へ持っていけそうだな。」

 

「でも、油断しないで。ここは敵地なんだから。」

 

「おうよ!んじゃ、早速行くぜ!タンクモード!!」

 

ドリルマンは、身体を縮こませることで巨大なドリル戦車に変形して地中に潜り始める。

 

「いざ敵地へ!ドルルルルルルル!!」

 

「兄貴、もうちょっと静かにやってほしいプー。」

 

彼が掘った穴の中へ二人は潜り込んで行く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同時刻 ハンターベース

 

「ゲイト主任、お疲れ様です。」

 

「あぁ。君たちもこんな時間までご苦労だね。」

 

研究施設の前でゲイトは警備員たちに敬礼し、丸めたおざしきつり堀を中へと持っていく。

 

例の巨大メカニロイドは、全てのデータを取り終えたことで明日から解体作業が始まり、各パーツに分けた後に各地の施設へ輸送して厳重に管理する予定だ。

 

彼は、施設の中に入るとセキュリティを解除しながら厳重にロックがかけられている保管庫の前に来る。パスワードを入力すると扉が開き、中にはあの電子頭脳がケースに入れられた状態で保管されていた。ゲイトは、つり堀を近くに置くと電子頭脳の前に来る。

 

「・・・・明日からは、君の本格的な解析だ。果たしてどんな結果が出るんだろうね?」

 

その一言だけ言うと彼は明かりを消し、再び元来た道を戻る。そして、警備員にまた敬礼してその場を後にした。

 

(いくらアクセルが出力を上げたとはいえ、あれだけの威力になるとは予想外だったな。一機だけ送り込むということからもしや敵地の一部を破壊した上で臨時基地を作る工作メカニロイドの可能性を考えてみたが・・・・敵は一体何を考えているんだ?)

 

自分の部屋に戻り、コーヒーを飲みながらゲイトは、収集したメカニロイドのカタログスペックを再確認する。

 

彼が去ってからしばらくすると研究施設の前に一般ハンターの二人組が入口の方へとやってくる。

 

「お疲れ様です、交代のお時間ですよ。」

 

「えっ?もうそんな時間か?」

 

警備員は、慌てて時計を見ようとする。その瞬間、ハンターの一人が素早い動きで彼の背後に回り込み当て身で彼の意識を奪った。

 

「うっ・・・・」

 

「き、貴様!一体・・・」

 

「はいはい、貴方もおねんねして下さいね。」

 

警備員が思わず発砲しようとした瞬間、もう一人のハンターはわざと彼に目を合わせる。すると目から微弱な催眠音波が発生し、たちまちその場に倒れてしまった。

 

「・・・・・」

 

「これで第一段階は終了ですね。」

 

「あまり時間がない。行くぞ。」

 

二人は、そのまま施設の中に入りセキュリティが張り巡らされた通路へと向かう。

 

「ふむ・・・流石ゲイトさんと言ったところですね。赤外線センサーの他に侵入者撃退用のオートガンまで設置されています。」

 

「だが、これを使えば問題ない。」

 

偽ハンターは、USB端子をセキュリティプログラムへ接続する。

 

<セキュリティ解除、承認>

 

ハッキングされたことで赤外線センサーは機能を停止し、オートガンの動きが止まる。二人は、無力化された通路を進み、保管庫の前に来る。

 

「ここで間違いないな。」

 

「えぇ。では、やってください。こういうのは私より貴方が専門ですから。」

 

「フン!」

 

偽ハンターの一人が日本刀らしき刀を取り出して斬りつける。その瞬間、特殊合金で頑丈に作られているはずの扉に傷が入り、斜めにズレながら外れた。中に入ると二人は、青い電子頭脳へと手を伸ばす。

 

「これが博士が欲しがっていたものですか。しかし、何ともセンスが微妙なボールですね。」

 

彼は不敵な笑みを浮かべながら丁寧に取り出し、持参したケースの中へと収める。

 

「後、20分ぐらいで効き目が切れる。早くここから脱出するぞ。」

 

「しかし、こんなにあっさり終わるんでしたらシグマさんで十分だったんじゃないですかね?」

 

二人は、歩きながら言う。

 

「奴に派手に動かれてはそのうちドクターに疑いの目が行くようになるからな。この間の件もあるし、しばらく顔を出さない方がいいだろう。」

 

「まあ、それもそうですね。向こうは指名手配を出す様子もありませんし、自分から首を絞めに行くなんて馬鹿げていますしね。」

 

その直後、歩いていた床から巨大な何かが突き出てきた。二人は素早く回避し後方に着地する。

 

「全く、簡単に終わると思ったら新手ですか。」

 

突き出てきたものは、変形して二人の前に立ちはだかる。

 

「よっしゃ!潜入成功!・・・・・って、ありゃ?もう見つかったか?」

 

グランドマンは辺りを見回しながら、きょとんとした顔をする。続いて出てきたリルルとバブルマンは、偽ハンターが持っている電子頭脳を見て驚く。

 

「「ジュド!?」」

 

「おや?どうやらこのボールのお仲間さんのようですね。」

 

「余計なものが出てきてしまったな。」

 

偽ハンターたちは、そう言うと姿がまるでスライムのように溶け始める。その姿を見てバブルマンは、ビビったのかグランドマンの後ろに隠れる。

 

「あ、兄貴・・・・」

 

「ビビってんじゃねえぞ、バブル!リルル、ジュドのことはオレたちに任せてお前は『おざしきなんちゃら』とかって言う道具を早く探しに行け!」

 

「分かったわ、二人ともお願い!」

 

「えぇ~~っ!?僕も残るんプか!?」

 

リルルは、浮遊して偽ハンターたちの後ろへと飛び去って行く。偽ハンターの二人はその形を徐々に変え、全く異なる姿へと変貌していく。

 

「さあ、バブル。この星、最初に実戦だ!間違ってもオイルチビるなよ?」

 

「プ、ププッ・・・」

 

バブルマンは、震えながら水中銃のような武器を構える。完全に変化が終わるとそこには頭部に巨大なハサミを持ったクワガタタイプのレプリロイドと黄色い体色の奇抜なデザインのレプリロイドが立っていた。

 

「さて、人様の姿でどこまで芝居ができるか、やってみましょうかね。」

 

偽クワンガーは、片手に電子頭脳を持ちながら言う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その数分後、研究施設から突如爆発音が聞こえた。

 

周囲にいたハンターたちは、突然の出来事に何事かと驚いていたが現場に駆け付けると中から火が上がっているのが分かった。

 

「研究ブロックから火が上がっているぞ!」

 

「消火作業急げ!」

 

我に返った彼らは急いで消火活動を開始する。電子頭脳が保管されている場所から爆発が起こったことでゲイトは、アクセルや他のハンターたちを同行させて急いで中へと入る。

 

「保管されているのはこの先だ。早く、回収しなくては!」

 

彼らは、消火作業をしている傍ら保管庫へと向かう。

 

「ププッ、兄貴!なんか人がいっぱい来るプクよ!?」

 

彼らの気配を感じたのかバブルマンは、オドオドしながら言う。グランドマンも流石にこれ以上戦うのはまずいと思い始めた。

 

「ちくしょう、ジュドの野郎が目の前にいるって言うのによ!リルルはどうなんだ!?」

 

彼が言うとリルルが丁度丸められたおざしきつり堀を持って飛んできた。

 

「お待たせ、確認したけどこれで間違いないわ!」

 

「よし、ジュドには悪いが一旦撤収だ!全員、オレの掘った穴に入れ!!」

 

グランドマンは、瞬時に変形してその場から穴を掘り始める。

 

「えっ、でもジュドが!!」

 

「あんまり人目に見られたらまずいプー!ここは兄貴の言う通りに逃げるプクよ!!」

 

バブルマンは、引っ張るようにして彼女を連れて穴に入る。

 

「ジュド!」

 

彼女は、諦めきれないのか彼に呼びかけるように消えていく。

 

同時にハンターたちが現場に到着した。

 

「イレギュラーハンターだ!武器を捨てて大人しく投降しろ!」

 

一般ハンターは、一斉に銃口を構える。だが、一緒に来ていたビートブードは偽クワンガーの姿を見るなり、目を丸くする。

 

「あ、兄貴?」

 

「・・・・・・」

 

偽クワンガーは、無言で一同と対峙する。一般ハンターたちは、彼に向けて発砲するが一緒にいた偽ヴァジュリーラの日本刀に弾き飛ばされる。

 

「「「「弾かれた!?」」」」

 

「・・・・・退くぞ。」

 

「はいはい。」

 

偽ヴァジュリーラは、勾玉状のパーツを取り出して床に投げつける。するとそこから煙幕が発生し、ハンターたちの視界を奪う。

 

「ボルトルネード!」

 

アクセルは、咄嗟の機転で竜巻を発生させて煙を晴らすが二人の姿は消えていた。

 

「なんて言うことだ。電子頭脳が盗まれるとは・・・」

 

ゲイトは、顔を顰めながら言う。ビートブードもまた兄がまた自分たちの目の前に立ちはだかったと思い、動揺していた。

 

「どうして兄貴が・・・」

 

戸惑いが隠せない中、消火を終えた施設の中でアクセルは、おざしきつり堀が無くなっていることに気づく。

 

「燃えてなくなっちゃったのかな?でも、燃えカスも残っていないなんてなんか変だ。」

 

 

 

 

かくして、ハンターベースに保管されていた謎のメカニロイドとその電子頭脳は、アチモフ一味の残党であるブーメル・クワンガーとヴァジュリーラFFによって強奪されたということになった。

 

ゲイトは、このことをシグナスに報告するが彼にこの情報が届いたのは会議の最中であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、逃走した二人は隠しておいたタイムマシンの前に辿り着いていた。

 

「・・・・ふう、何とか撒けたようだな。」

 

「そのようですね。」

 

誰もいないことを確認すると姿がまた変わる。

 

「しかし、便利な分効き目を気にしなくてはいけないのはややこしいですね。この『変身ドリンク』は。」

 

シェードマンは、電子頭脳をタイムマシンの中にしまいながら言う。

 

実は、偽物の正体は彼とシャドーマンでうまくアチモフに罪を着せるように彼の配下にある二人に変身していたのだ。

 

「拙者は、このままドクターの元へ戻る。お主はどうする?」

 

「私は、今度はあのロボットさんたちの監視でもしましょうかね?」

 

「そうか。だが、あまり無茶はするなよ。」

 

彼の実力を理解しているのか、シャドーマンは特に言うことなくタイムマシンに乗り込んで帰る。

 

「さて、私も行くとしますか。」

 

見送った後、シェードマンは朝日が差し込む前に暗い森の中へと消えて行った。




グランドマンとバブルマンはエグゼ版準拠のデザインです。
当初グランドマンはドリルマンの予定でしたがあまりにもエグゼ3のまんま過ぎるので変更しました(まあ、ほぼ別人のバブルマンと比べたらややこしくなるし)。

変身ドリンクは、設定上生き物にしか効かないような設定がありましたが『ドラビアンナイト』でドラえもんが使えていたので問題ないはず。

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