ドラえもん のび太の転生ロックマンX   作:赤バンブル

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なんか変な宇宙線に汚染されてないかこの作品(;^_^A


胎動

22世紀 未来デパート 屋上

 

「ガ~ハハハハハッ!!これでまた、借りが一つできたなエックス!ヌフフフフ!」

 

酔った勢いでワイリーは、陽気になって馴れ馴れしくエックスをからかう。結局提供された料理は彼らに手伝ってもらう形で食べきることができた。だが、それに気をよくしたのかワイリーは、ビールの追加注文をして意気揚々と飲んでいる。あまりの飲みっぷりにダークマンたちは心配そうに見ている。

 

「なあ、ワイリー。少し飲み過ぎじゃないか?」

 

ジュドことカイは、注文票を見ながら心配そうに声をかける。彼も少し飲んだが初めてなこともあってあまりの苦さに顔色を悪くしてしまい、一杯目から全く手を付けていなかった。

 

「なんじゃいなんじゃい、折角気持ちがいいところじゃったのに~。おい、ウェイター!ここカラオケないのか~?」

 

たかが外れているのか彼は、他の客がいる中大声で叫ぶ。するとクワンガーが呆れたように時代を感じさせるカラオケセットを持ってきてくれた。

 

「今日は、ゲスト歌手オフ日なので舞台の上で歌ってもらって構いませんよ。」

 

「よぉお~し、じゃあ、ワシが一曲何か歌おうかのう~。」

 

ワイリーは、千鳥足で舞台の上に立ち一曲歌い始める。エックスたち以外の客は、一部が上手いとも下手とも言えない歌に対して不機嫌そうな顔をする輩がいる一方、いい歳した老人が酔った勢いで歌い出したと苦笑する者がいた。

 

「ねえ、このままだと周りの迷惑じゃないの?」

 

マーティは、周囲の視線を気にしながらダークマンたちに言うが彼らは手を横に振りながら無理と言う。

 

「お、俺たちも酔っ払った博士なんて久しぶりに見たから何ともできない。」

 

「流石にあそこまで酔うなんて早々ないしな・・・・参ったぁ。」

 

一同が戸惑っている中、ずっど無言で聞いていたジュドは我慢の限界に達したのか席から立ち上がり、悠々と歌っている彼の前に行き、思いっきり叫んだ。

 

「いい加減にしろ~!!なんて、下手な歌なんだぁ!!」

 

「「「「「「!?」」」」」」

 

「なぬ!?」

 

彼の叫びにエックスたちと他の客は気まずそうな顔になるが当のワイリーは酔いが一気に醒めたのかの如く顔色を変えて怒り出した。

 

「なんじゃと!?お前、ワシの歌に対して!!」

 

「センスの悪さもそうだけど、こういうところで演歌はないだろ!?」

 

「ぬう~!そんなこと言うんじゃったらお前が歌ってみせい!!」

 

「えっ?」

 

マイクを手渡されたジュドは、一瞬目を丸くして硬直する。

 

「曲はワシがチョイスしてやるわ。そうじゃのう・・・・アニソンしておくか。」

 

ワイリーは、彼の意志に関係なく曲を登録し、呆然と見ている客たちを目の前に堂々と声を上げる。

 

「ここにいる客全員、ワシの歌が下手悪かったな!代わりにコイツが歌うので機嫌を直してくれ。コイツは歌手志望だからワシよりうまいぞ~。」

 

「えっ、ちょっと・・・・」

 

「では、一曲!『21世紀少年』!!」

 

ジュドは戸惑っている中、曲が流れ始める。周囲も「あんな不良少年っぽいロボットが歌なんて歌えるのか?」と興味深そうに視線を向ける。

 

「歌詞は分かるようにお前の頭脳に直接送られる。いつも歌うように思いっきりやってみい。」

 

「う・・・うん・・・」

 

彼は、深呼吸をすると早速歌い始める。

 

 

 

ビルディンクと青空が、口論してる Weekend city!

 

行くあてなどないけれど、目の中で街は終わらな~い

 

GROWING HIGH!

 

ロードスターみたいな 夢を抱いて

 

GROWING HIGH!

 

21st century boy!!

 

 

 

予想外の歌唱力にエックスは勿論、他の客たちもドン引きでジュドを見る。無論、彼の傍に立っていたワイリーも。

 

彼は、熱が入ったのか熱中しながら歌い続ける。

 

一昔懐かしいSFチックな曲に合わせて流れる歌は、アニソンでありながら見る間に周囲を引き付けて行く。そして、歌い終わると同時に盛大な拍手が屋上に響き渡った。

 

「えっ?」

 

歌い終わって我に返った彼は、何故これだけの拍手が送られているのかよく分からなかった。

 

「いやぁ、驚いた。まさか、ここまでうまいとは。」

 

「伊達に歌手志望じゃなかったんだな。」

 

「お見事お見事!」

 

「まさか、あんな凶悪そうな顔で歌えるなんてね・・・・」

 

「うまいな。」

 

エックスたちも彼の歌を絶賛する。ジュドは、困った顔をするがワイリーは彼の肩に手を置く。

 

「わ、ワイリー・・・これは・・・」

 

「お前の歌を褒めておるんじゃよ。」

 

「ほ、褒める?」

 

「あんな歌、早々歌えるもんでもないぞ。その気になれば本当に歌手になれるやもしれんな!ガハハハハッ!!」

 

「・・・・」

 

彼に褒められている傍らジュドは、過去の悲惨な記憶を思い出す。

 

 

 

 

 

 

『おい、見ろよ!作業用の連中が集まっているぜ!』

 

『コイツ生意気に歌を歌っていやがった!下層階級の癖に!!』

 

『てめえのような玉っころは、黙々と土木作業をやっているのがお似合いだ!歌を歌っていいのは俺たちみたいなエリートだけなんだよ!!』

 

『いいか、お前らもこいつみたいに痛い目あいたくなかったら、大人しく俺たちのために働くんだぞ!いいな!!』

 

『ありゃりゃ、コイツはちょっとやり過ぎちまったな。まっ、いっか。こんなポンコツ代わりいくらでもいるからな。ハハハハッ!』

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・」

 

「ん?どうした、腕が震えておるぞ。」

 

ワイリーの呼びかけで彼は、自分の腕を見てみる。過去のトラウマを思い出したせいかひどく震えていた。

 

「・・・・昔」

 

「うん?」

 

「昔、労働仲間の間でこっそり歌を披露していたことがあったんだ。みんな毎日の重い労働で疲れ果てていたから少しで癒しになればと思って。でも、ある日上流階級のロボットたちに見つかってしまったんだ。歌った張本人の僕は、機能停止になりかけるほど壊されて、皆は怖がって逃げて以降二度と集まることはなかった。・・・だから、こんな大勢の人の前で歌うのが怖かったんだ・・・・また、壊されるんじゃないかと考えちゃって・・・・誰も助けてくれなくて・・・・・」

 

ジュドは、泣きそうな顔になりながら話す。その話を聞いたワイリーは、優しく声をかける。

 

「もういい、何も言うな。お前はもう昔のお前ではない。怖がる必要なんてないんじゃ。」

 

「う、うん・・・・」

 

彼は、泣き顔を腕で隠しながら観衆の拍手を浴びるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

21XX年 ハンターベース

 

「いや、久しぶりのハンターベースじゃわい。」

 

パレットが消息を絶って2日目。

 

長い間、チャモチャ星の復興支援に行っていたケインが数年ぶりにハンターベースの敷地へとやってきていた。彼の久しぶりの訪問に一般ハンターたちは驚いて敬礼をする。

 

「「「け、ケイン氏!お、お、おっ、お久しぶりですです!!」」」

 

「いきなり幽霊が出たような反応せんでもいいわい・・・・」

 

慌ただしいハンターたちの反応にケインが呆れていると大型コンテナを積載したトレーラーが何台も入ってくる。

 

「うん、あれは?」

 

「あぁ、地下の格納庫に運ばれる荷物だそうですよ。」

 

「荷物て・・・中身は分からんのか?」

 

「はあ、私たちは何も・・・知っているのはゲイトさんぐらいなので。」

 

「ふむ・・・」

 

ケインは、そのままハンターたちと別れて中へと入る。オフィスでは事前に連絡を受けていたこともあり、エイリアが待機していた。

 

「お久しぶりです、ケイン氏。」

 

「久しいのう、エイリア。」

 

彼は、軽く握手を交わすと早速中へと招かれる。

 

「チャモチャ星の復興作業お疲れさまでした。」

 

「まだ、ひと段落じゃよ。首都のメカポリスの都市機能の回復、人間とロボットの関係の改善は進んでおるが何しろ今度はこちらからの移住地開発が始まるからのう。」

 

「ご一緒に来られたガリオン侯爵は?」

 

「地下都市の政府に挨拶をした後に遅れてこちらに顔を出す予定じゃよ。ハンターベースを視察したいとな。」

 

「そうですか。ただ、今シグナスたちが不在なのでその件については・・・・」

 

二人は会話をしながら研究棟の部屋へ入る。そこではゲイトが丁度コーヒーを飲みながら休息を取っていたところだった。

 

「ケイン氏!?まさか、こちらに戻られていたとは。」

 

「久しぶりじゃな、ゲイト。お前さんとは研究発表の時以来じゃな。」

 

彼の言葉にゲイトは、苦笑いする。ケインは早速、外のトレーラーについて聞き始める。

 

「ところでゲイト、お前さん地下で何か作っているようじゃが何を作っておるんじゃ?」

 

「はっ?」

 

「外でコンテナ積んだトレーラーを見てのう、地下の格納庫に荷物を運ぶとか言っておったが儂の目は誤魔化せんぞ?うん?」

 

「あぁ・・・あれのことですか。あれは・・・・」

 

「ゲイト君、休憩中にすまないが来てくれないか。」

 

そこへ口に髭を蓄えた白衣の男性が部屋に入って来た。ケインは、その男を見るや驚きの表情をする。

 

「タチバナ君?君、タチバナ君ではないか!?」

 

「先生?ケイン先生ではありませんか!!まさか、こんなところでお会いできるなんて!」

 

二人は、笑いながら手を取り合う。その様子にエイリアは何が起こったのかさっぱりだった。

 

「タチバナ博士ってケイン氏と知り合いだったの?」

 

「彼は、ケイン氏の教え子の一人なんだ。ケイン氏は若い頃、国際航空宇宙技術公団『NISAR』で科学部門主任を担当していたことがあってね。まだ、学者の卵だったタチバナ博士はそこで彼からノウハウを学んでいたんだ。尤も『NISAR』は、そのあとすぐに規模を縮小することになって部門は解体されてしまったんだけどね。」

 

「へえ・・・」

 

「っというか、組織の一部がレプリロイドを中心に再編したが今のレプリロイド研究所なんだけど。知らなかったのかい?」

 

ゲイトは、説明をしながら意外なことを知らなかった彼女に呆れた顔をする。恩師の再会に喜んでいたタチバナだが顔を少し赤くしながら慌てて手を引き、話し相手をゲイトに戻す。

 

「私としたことが年甲斐もないことを・・・・ゲイト君、申し訳ないんだが機体のパイロット候補を招集してもらえないか?」

 

「機体の方は?」

 

「本命はまだ各機能を調整中だが、武装を積んでいないこと以外はほぼ同じ性能のテストベッド機の方が外装の取り付けを終わり次第動かせる。」

 

「ふむ・・・では、初めにマックたちA級ハンターから募集を行いましょう。」

 

「よろしく頼むよ。まだ建造中だが確認も兼ねて観るかい?」

 

「えぇ。」

 

「のう、タチバナ君。君たち一体何を・・・・」

 

「先生もよろしければご一緒にどうぞ。」

 

四人は、部屋を出て目的の地下施設へと移動する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???

 

「う・・うん・・・」

 

パレットは、目を覚ますと自分が何かカプセルに閉じ込められていることに気が付く。

 

(あれ?私、何でここにいるんだろう?)

 

まだ、頭がクラクラする中で彼女は、今までのことを整理して思い出す。気を失う前まで自分は、リルルと一緒に買い物に行って彼女の家で親交を深めようと打ち上げをしようと訪れた。そこへ背後から何かに襲われたところで記憶が途絶えている。

 

(そうだ、私たちは何かに襲われて。リルルは?リルルはどこ?)

 

パレットは、リルルの安否を確認しようとカプセルの蓋に手を当てる。

 

《本人の意識覚醒を確認。カプセルを開放します。》

 

蓋が開き、彼女はそのままの勢いで倒れる。

 

「アイタタ・・・まだ体が思うように動か・・・・?」

 

パレットは、自分の頭を触った瞬間にある違和感を感じる。自分の頭はオペレーターとして情報をミスすることなく伝えるために特殊な形状をしているのだが頭部の左右にあるオプションパーツが見当たらないのだ。それどころか頭髪がやけに伸びているような気がする。

 

「私・・・・こんなに髪長かったかな?捕まっている間に何かされたんじゃ・・・」

 

そこへキュルキュルとキャタピラの音が聞こえてくる。

 

彼女は、犯人が戻って来たのではないかと考えて持ち武器であるパレットガンを取り出そうとするが持っていないことに気付く。

 

「武器まで取り上げられている!?どうしよう・・・」

 

混乱していると部屋のドアが開いた。

 

「!?」

 

彼女は咄嗟に身構えるが入り口から入って来たグランドマンとバブルマンは、姿を見るなり嬉し涙を浮かべながら近づいてきた。

 

「リルル~~!!よかった~!意識戻ったんプね~!!」

 

「えっ?」

 

「声かけても返事してくれねえから一時はどうなるかと思ったぜ。まあ、目が覚めてホッとしたぜ。」

 

彼らの反応を見てパレットは、後ろのメンテナンスカプセルのカバーに写っている自分の姿を見る。そこには自分ではなく、リルルの姿があった。

 

「えっ?私がリルル!?どういうこと?えっ、えぇっ!?」

 

両手を顔に当てながら彼女は、パニックになる。

 

一体眠っている間に何があったのか?

 

自分は間違いなくパレットのはずだ。現にオペレーター研修生時代の記憶はあるし、アクセルと喧嘩したままだったこともちゃんと覚えている。

 

しかし、何度見てもリルルであることには変わらない。彼女は頭を抱えてその場で膝をつく。

 

「分からない・・・何が何だか。私とうとうおかしくなっちゃったのかな・・・・」

 

「リルル?どうしたんだプク?」

 

「記憶が混乱するとは余程ひどい目に遭ったんだな。可哀想に。こりゃ、ちゃんと休ませなきゃな。」

 

二人は、そんな彼女のことを知る由もなく哀れそうに見るのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

22世紀 イレギュラーハンター指定のホテル

 

「ウゥウ~~~~あ~~~~結局あの後飲みすぎちゃったなぁ~!」

 

「そうねぇえぇ~~~。」

 

エックスとマーティは、顔を赤くしながら千鳥足でホテルに戻ってきた。ホテルのロビーは既に消灯しており、二人はエレベーターに乗ると自分たちの部屋のある階のボタンを押して壁に寄りかかる。

 

「それにしてもあのジイさん、随分大人しいロボットにしたものねぇ~。態々エックスそっくりにする必要なかったんじゃないかってくらい~~~。」

 

「そうだねぇ~~。てっきり、フォルテみたいに撃ってくるかと思ったよぉ~~~いやいやいい子でよかったよかった、アッハハハハ~~~!!」

 

ドアが開くと二人は寄り添い合いながら自分の部屋へ向かって行く。

 

「大丈夫かなぁ~~~明日二日酔いになって吐かなきゃいいけどぉ。」

 

「水飲めば大丈夫でしょおぉお?部屋に帰ったら一緒にお風呂に入って、ベッド入って、色々・・・・・あら?」

 

部屋の近くに来た時、マーティは自分たちの部屋の前に誰か来ていることに気が付く。よく見るとゼロとアイリスが腕を組みながら待っていた。

 

「ゼロ~~!」

 

「やっと帰って来たかエックス・・・・お前たちやけに酒臭くないか?」

 

「そんなに顔赤くしちゃって何があったの?」

 

「大丈夫大丈夫~~!!アタシたちは仲のいいラブラブ夫婦ですぅ~!」

 

「いや~~会議お疲れ様~~~ハハハハ!!!」

 

デロデロに酔っている二人を見てゼロたちは、顔を歪めるがとにかく話をしなくてはいけないため、鍵を開けさせて中へと連れ込み、酔っ払った二人をソファーに座らせた。

 

「フイィ~~~~」

 

「相当飲んでるな。アイリス、俺は浴室から水汲んでくるから二人を頼む。」

 

「わかったわ。」

 

「心配しなくて結構ですよぉ~~~一人で着替えられますから~!!」

 

マーティがその場で衣服を脱ごうとするのをアイリスは、慌てて止める。

 

「マーティ、ダメ!」

 

「大丈夫よ!アタシはマーメイドで一人でお風呂入れるから~!」

 

「ゼロ、急いで!!このままだとなんか危ないわ!!」

 

「危ない?イレギュラーかぁ~!?」

 

声に反応してエックスは、バスターを展開しようとする。そこへどこから持ってきたのか巨大な風呂桶を持ったゼロが戻ってくる。

 

「いい加減に目を覚ませ!!」

 

彼は、アイリスを下がらせると二人に向かって汲んできた大量の水をぶっかける。

 

「「ブウウ~!?」」

 

水を浴びた二人はずぶ濡れの状態で顔を見合わせ、ゼロたちの方へ向き直る。

 

「・・・・・俺たち、もしかして凄く酔ってた?」

 

「「うん。」」

 

「「・・・・」」

 

二人は、顔を真っ赤にして縮こまるように座り直す。酔いも醒めたと分かり、ゼロは、鼻で笑いながら話を始める。

 

「お前、マーティが心配で休んだんじゃないのか?何で二人揃って酔っ払っているんだ。」

 

「えっと・・・・アタシの気分転換も兼ねて外に出かけていたのよ。そして、帰りにデパートの屋上のビアガーデンで・・・・」

 

「お前たち、普段そんなに酒飲まないだろ?」

 

「誰かと会ったの?」

 

「・・・ワイリーたちと会ったんだ。」

 

「ジジイと?」

 

エックスは、二人にビアガーデンでの出来事を話す。

 

 

クワンガーがそこでウェイターとして働いていたこと。

 

ワイリーがダークマンたち、そして、自分そっくりのレプリロイド『カイ』を連れてきたこと。

 

見た目が凶悪なのに反してカイは真面目な性格で歌が上手かったこと。

 

そして、それに気をよくしたのか彼の奢りで飲むことになり、あの状態で帰ってきたと言うことを話した。

 

 

「まさか、俺とのゴタゴタの後にお前に会っていたとはな。」

 

ゼロは、少し顔を顰めるものの今回は特に悪意があった行為ではないことからそれほど腹を立てなかった。だが、同時に不審に感じることが一つあった。

 

「エックス、本当そのウェイターはクワンガーだったのか?」

 

「あぁ。向こうから声もかけてきたし、本人なのは間違いないよ。」

 

「・・・・変だな。」

 

「変って何がよ?」

 

首をかしげる彼にマーティは、不思議そうに聞く。

 

「実は、今日の会議が終わった後シグナスから報告があってな。クワンガーがヴァジュリーラと共に解析中の巨大メカニロイドの電子頭脳を強奪したんだ。」

 

「「えっ!?」」

 

「しかもゲイトさんたちも現場で目撃していたから嘘ではないそうよ。もし、貴方たちに会ったのが本人なら襲ったのは誰なのかしら?」

 

二人の言葉にエックスたちは、戸惑うがあの場であったクワンガーは間違いなく本人だ。タイムマシンを利用すればこちらに戻るまでそれほど時間もかからないため強奪した後にあそこに来ていたのだろうか。

 

「あの様子から奪いに行ったとは考えられないけど・・・・・明日、クワンガーに確認しに行こう。」

 

「もし、奴が来ていなかったら可能性は十分あるな(うん・・・昨日の出来事のせいでついジジイを犯人と決めつけちまうな。全く、碌なことしないな)。」

 

ゼロはワイリー関与の疑いを胸の隅に隠しておき、エックスたちに早く休むように言った後アイリスと部屋に帰った。

 

「ゼロ、疑ってしまうのはわかるけど・・・」

 

「あぁ、俺の悪い癖だ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同時刻 Darkメン 地下室

 

その頃、Darkメンの地下研究室では、ワイリーがデータとにらめっこしながら何かのデータを調べ続けていた。近くでは力尽きたのかジュド散らかった書類をどかしたところに布団を敷いて寝ている。彼は、データを確認すると過去のデータベースのものと見合わせながら顔を顰めた。

 

「・・・・」

 

「何かわかりましたかな?」

 

そこへ次の日に仕込みを終えたシグマが下りてくる。ワイリーは、眼鏡を外すと眉間を指で押さえ彼の方へと椅子を向ける。

 

「もう、今日は終わったのか。」

 

「はい。しかし、ドクター。私の新しいボディは、いつ作っていただけるのですかな?流石にこの作業用は不便なところが多い。」

 

「それでも子守用ネコ型タイプよりはマシじゃろ。今まで散々ぶっ壊しおったんだからしばらく待たんか。」

 

「これは失礼。・・・・・で、この小僧のことについては何かわかりましたかな?」

 

シグマは、過去に用意してくれたボディを壊したことに謝罪をしながら本題へと戻す。ワイリーは、大型モニターにデータを映す。

 

[基本的な意識ユニットはワシらの時代ロボット、そして、レプリロイドとはそれほど大きな違いはない。だが、奴らの心臓部とも言える動力炉に使われている『モノ』が少々信じられん代物でな。過去のデータと合わせてみたんじゃ。」

 

「それで何かわかったのですか。」

 

「・・・・」

 

ワイリーは、机の上から筒状のカプセルを取る。

 

中には輝かしい光を発したクリスタルが入っていた。

 

「これは?」

 

「ジュドの頭脳から摘出した奴の動力源じゃ。カイの頭脳に移植した小型の物も調べてみたが同じ物質でできておる。」

 

「ほう、つまり半永久的にエネルギーを発し続けると同時に彼らの『感情』を形成するための重要なものであると言うことですな。」

 

「うむ。だが、ワシが一番気にしていたのはこれじゃ。」

 

彼は、映像を切り替えてあるものを映す。それはカプセルに入っている者同じ形をしたクリスタルだった。

 

「これは100年前、太陽系外から飛来した『小惑星α』で回収された『超エネルギー元素』のクリスタルじゃ。」

 

「確かに形状は非常に酷似しておりますな。」

 

「似ているのではない。全く同じ物質じゃ。問題は、何故このクリスタルを使ったロボットが今ワシらの世界で存在しているのかなんじゃ。『小惑星α』の文明は、ワシらの時代の段階で既に滅び、その滅ぼした張本人であるロボットたちもあの忌々しいロックマンたちと手を組むことによって完全に破壊された。」

 

「つまり、存在するはずのないクリスタルを組み込んだロボットが現れたと。」

 

シグマの言葉にワイリーは、首を縦に振る。

 

「ワシもライトもαの文明のあった星は『宇宙の破壊者』によって滅ぼされ、存在しないと考えていた。じゃが、それは間違いで実は生き残りがいた!!その生き残りはジュドの言う『アム』と『イム』を作り上げ、人類に変わる存在としてロボットを残した。だが、奴の意に反してロボットたちは、無意識に闘争本能に目覚めて新たなターゲットとして『地球』に目を付けたのじゃ!!」

 

ワイリーは、険しい顔で話す。いつもの彼らしからぬ様子にシグマは表情を顰める。

 

「ドクターらしくありませんぞ。確かに敵がどれほど強大なのかは理解しました。しかし、貴方の作り上げたゼロ。そして、エックスはこれまでに多くの敵を蹴散らしてきた。」

 

「確かにゼロもエックスも強い。だが、問題は性能ではない。この『超エネルギー元素』のもたらす膨大な力よ!!あの時、僅かに残った連中のパーツを調べた結果、奴らの性能は当時の地球のロボットとそれほど大きな差はなかった。奴らと大きな差をつけたのは、体内から溢れるこのクリスタルのエネルギーによる被膜に守られていることであらゆる攻撃を防いでいたことだったんじゃ。ジュドを調べた時にその皮膜は発生していなかったことから恐らく本体へ覆わせる技術が低い可能性はある。だが、奴らのエネルギーは余程のことがない限り切れることはない!つまり、奴らが何十万、いや!何千万の大群で攻めてくればいくらエックスとゼロとは言え数の暴力の前に勝ち目がない!!」

 

今の説明でようやく理解したのかシグマの額にも冷や汗が出始めた。彼は、汗を拭き取ると真剣な顔で聞く。

 

「では、今回の戦いにおいてエックスとゼロの勝利の可能性は・・・・・0と?」

 

「今のままではな。恐らく我がワイリーナンバーズを惜しみなく投入したとしても敵いはせんだろ。・・・・・だが、我が最高傑作を無残に破壊されるところを見ているワシではないわ。」

 

ワイリーは、地下室から出て、店の入り口を行く。開けると空にはちょうど三日月が綺麗に浮かんでいた。

 

 

 

「・・・・どうやら今回ばかりはワシもライトと手を組まざるを得んかもしれん!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

21XX年 ハンターベース 地下秘密工場

 

ケインたち四人は、エレベーターを降りて兵器工場地帯を通り抜けてあの巨大メカニロイドの骨組みがあった場所へと歩いていた。

 

「いつの間にこんな兵器工場作っておったんか。ここにイレギュラーが潜入していたら横流しになる可能性があるのではないか?ゲイト。」

 

ケインは、ゲイトを睨むように見る。対するゲイトは、否定する様子はない。

 

「ですからこの地下工場の作業員の確認は厳重に行っています。アチモフ一味が襲撃した後は尚更強化してセキュリティーも万全にしてあります。」

 

「・・・・ゲイト、儂はそういう意味で言っているのではない。ただ、強すぎる力はやがて自分たち自身を滅ぼしかねんと言いたいんじゃ。」

 

険しい表情をする彼に対して、エイリアは流石にゲイトも反抗し始めるのではと恐れたがゲイトは、ひと呼吸を置くと落ち着いた様子で答えた。

 

「博士の言いたいことは分かっていますよ。けれど、何もしないで後悔するよりも悔いが残らないように抗うことのも大事なことだと僕は思っています。立ち向かう力がなければ守ることもできませんから。」

 

「ゲイト・・・」

 

過去の彼では絶対言わないであろう言葉にエイリアは、感心する。ケインは、しばらく黙り込むが彼の考えも一理あると納得したのか少し笑みを浮かべた。

 

「それなら儂はこれ以上何も言わん。今のイレギュラーハンター動かしているのはお前さんたちじゃからな。」

 

「ケイン氏。」

 

「フフッ。さて、目的の場所へ着いたようじゃな。」

 

四人は巨大な扉の前に到着する。前はこの先に骨組み状態の巨大メカニロイドの模倣品が二機あった。ロックを解除してその先に行くと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その先には頭部に三本の角とも言えるアンテナを付けた青いロボットの上半身がクレーンでぶら下がっているのが見えていた。

 

「ほおぉ・・・・」

 

「えっ?面影どころか全くの別物に変わっているんだけど・・・・」

 

見とれているケインに反してエイリアは、変わり果てたメカニロイドの姿に唖然とする。下では組み立て中の戦闘機二機と色違いの物が合わせて五機並んでいる。

 

「やはり、三機に分けたんですか。」

 

「えぇ。やはり敵は地上・空・海と関係なく攻撃してくるでしょう。そこで曾祖父の代に開発された機体をベースに性能の強化並びに最新のプラズマ動力炉を搭載したことで恐らく従来の大型メカニロイドを遥かに上回る戦闘能力を発揮してくれるでしょう。ただ・・・」

 

「パイロットが機体の加速に耐えきれない。更に搭乗員が一人欠けると性能がガタ落ちするのが欠点と言うことですね。」

 

「はい、今の時代ロボットに人間を乗せるなんてありえないことですからね。しかし、人間よりも強い肉体を持つレプリロイドでも適性のある者がいるかどうか・・・」

 

タチバナ博士は、建造中のロボットを眺めながら気難しい顔をする。

 

沈黙が周囲を包む中、ロボットは目覚める時を待ち続ける。

 

《Code Name:NEOG-01》




諸に名前が出ちゃっているよ!?
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