ドラえもん のび太の転生ロックマンX   作:赤バンブル

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気が付けばこの劇場版編も15話を迎えていた。

あれ?ブリキ編では20話ぐらいだったのに話がものすごく壮大になっている・・・


リルル大ピンチ

21世紀 イレギュラーハンター指定ホテル

 

「これで一通り終わりかな。」

 

夕方、ホテルに戻ったエックスは、明日に備えて部屋の荷物をまとめていた。元々持ってきていたものはそれほど多くなかったこともあり、予定よりも早く終えることができた。部屋を出ようと振り向くとタイミングよく部屋のドアからノック音が聞こえてくる。

 

「荷物まとめ終わった?」

 

「あぁ、今丁度終わったところだよ。」

 

ドアを開けると部屋の前ではマーティがドラえもんと一緒に待っていた。

 

「夕食どうしようか?ホテルでする?」

 

「そうだな、折角ドラえもんもいるんだし外で食べようかな。」

 

「僕のことは別に気にしなくていいよ。二人とも明日早いんだし。」

 

そんな話をしていると今度は玄関のブザーが鳴り出した。確認しに行くと入り口の前でゼロがアイリスと一緒に来ていた。エックスは、早速玄関を開けて二人と対面する。

 

「二人とも荷物はまとめ終わったのかい?」

 

「まあな。ところで少し付き合ってくれないか?」

 

「えっ?何に?」

 

ゼロは、周りを見回しながら部屋に入る。

 

「ジジイの所だ。」

 

「ワイリーの?」

 

「電子頭脳の件でな。昼間、クワンガーに会いに行ったがアイツは本当に犯人じゃなかったようだ。アチモフ一味の誰かが変身して襲ってきた可能性も十分にあり得るがジジイが犯人かも知れないという疑いが払拭しきれないんだ。だから、真相を確かめたい。」

 

「別に構わないけど・・・・俺も行く必要あるのか?」

 

「俺たちだけだと答え次第で斬りかねない。だから、ストッパーとして同行してくれないか?夕飯だったらダークマンたちの店でいいなら奢る。騒ぎにならなければの話だが。」

 

「・・・まあ、丁度夕飯の話をしていたからいいけど。」

 

エックスは、後ろを向いてドラえもんたちの反応を確認する。

 

「二人とも、今夜はラーメンでいいかい?」

 

「いいわよ、最近ラーメン食べてないし。」

 

「僕も。」

 

「分かった。ゼロ、俺たちも一緒に行くよ。」

 

「悪い、二人で行くとアイリスに迷惑かけっぱなしになりそうでな。」

 

五人は、部屋を出てワイリーのいる『Darkメン』へと向かう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アチモフ一味の秘密基地 独房部屋

 

エックスたちがホテルを出る少し前。

 

アチモフ一味の基地に囚われていたリルルは、落ち着きを取り戻して脱走するために動いている最中だった。

 

「パレットの身体に工具が仕込まれていてよかった。これで何とか逃げ出せそう・・・」

 

計画が知られた上に利用されそうになったことでパニックになっていた彼女だったがパレットの身体を再度チェックしたことで脱出するための手立てをいくつか割り出すことができた。

 

まず、彼女の頭部に備え付けられている通信ユニットを簡易メンテナンスも兼ねてボディに内蔵されていた工具キットを用いることで改造、通信機能を強化した上で外に脱出して市街地に逃げ込んだ場合に民間ロボットを偽って助けを求めることができるようにする。

 

次に部屋に備え付けられているモニターのケーブルをいじり、基地のコンピュータにアクセス。基地の全面図をダウンロードして外へ通じる道を解析を行い、脱出経路をいくつか割り出す。そして、少しでも無事に脱出できる確率のあるルートを定めてついに計画を実行に移すことになった。

 

彼女は、部屋にあったベッドを壁に立たせてそこからよじ登る形で通気口に近づく。そこへ忍ばせてあったドライバーでネジを外し、中へと入っていく。部屋には監視カメラが仕組まれていないため、食事を持ってくるとき以外は基本的に部屋の中を覗かれる心配はない。

 

しばらく通気口を進むと一つの部屋に上で一旦動きを止める。覗くと武器庫で彼女は、通気口を外して下に一旦降りる。

 

「これと・・・これ。後は・・・」

 

この体でも使えそうな武器をいくつか拝借、更に脱出に一番重要となる基地のかく乱のために時限爆弾を一つこの部屋にセットして残りは袋に詰めて後にする。進みながらも彼女は基地の重要なポイントである『自家発電室』『通信室』の上に爆弾を設置、最後の重要ポイントであるライドチェイサーなどが収容されている格納庫を目指す。

 

(まだ、警報が鳴っていない。一刻も早く本隊と合流してこのことを・・・・)

 

そこまで考えたリルルだったが同時に不安が胸の奥から混みあがってくる。

 

今の自分の姿は誰が見ても地球のロボットだ。そんな自分の報告を信じる者がいるだろうか。最悪、敵側のスパイと誤認されて捕まってしまうのがオチだ。

 

(・・・けど、このまま奴らの思い通りにさせるわけにはいかない。)

 

彼女は止めて足を再び動かし、格納庫前に進める。下を覗くと見張りが数人いる。彼女は、時間を見ながらタイミングを待つ。

 

(そろそろ武器庫の爆弾が爆発するはず・・・・)

 

同時に遠くから爆発音が聞こえる。同時に基地の警報が鳴り基地の中が慌ただしくなり始めた。

 

「ゴジ?ゴジゴジ?」

 

「ゴジ?」

 

見張りのロボットたちは何事かと話し始めるが駆けつけた他のロボットたちが慌ただしく消火器を持ってこちらに来た。

 

「ゴジ、ゴジゴジゴジゴジ!!」

 

「「ゴジッ!?」」

 

「ゴジゴジ、ゴジゴジゴゴジ!!」

 

彼らにしかわからない会話が終わるとロボットたちは急いでその場を後にする。おそらく火災が発生したから消火を手伝えと言っていたのだろう。見張りがいなくなったのを確認するとリルルは通気口から飛び降り、見張りが戻ってくる前に乗る機体を探し始める。

 

「こっちの機体じゃ、振り下ろされちゃう。こっちは・・・スピードが遅すぎて追い付かれる。」

 

スピードの速いアディオンとハーネットは魅力的ではあるが、自分の身体には負荷がかかり過ぎて振り落とされる危険性がある。結局、エンジンや一部のパーツを交換して改修されたチェバルを奪うことにし、残りの爆弾を各地にセットして彼女は基地から脱出する。

 

次々と爆発が起こり、アチモフの基地はロボットたちの消火作業で混乱している中、ブラックゼロはリルルを監禁していた部屋を見て事態を察していた。

 

「余計なことをしてくれたもんだ。まさか、こんな予備基地を爆破して逃げ出すとはな。そのまま大人しくしていればいいものを。」

 

彼は通信を入れ、すぐに追撃部隊を回す。

 

「俺だ。監禁していたレプリロイドが逃げた。最悪、手足を吹き飛ばしても構わない。奴がタイムパトロールに接触する前に連れ戻せ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

基地から脱出に成功したリルルは、チェバルに備え付けられているナビゲートを確認しながら市街地を目指す。

 

「このスピードなら連れ戻されることなく、街の中へ逃げられる。」

 

遠くから聞こえる爆発音でしばらく追跡はないと確信し、彼女は案したのか表情を和らげる。残りの問題は自分の身体で動いているであろうパレットと合流して元に戻れば解決だ。

 

「・・・・けど、パレットになんて言えばいいのかしら。今までやって来たことがスパイ行為だと知られたら・・・」

 

少し前に言ってくれた『友達』と言う言葉が頭に引っかかる。しかし、自分の身体で行動しているとなると既に正体はバレている。もう以前のように話すことはできないだろう。そう思うと彼女は罪悪感で胸が今にも張り裂ける思いだった。

 

「ごめんね・・・パレット・・・アクセル・・・・でも、私はメカトピアのロボットなの。解放作戦が実行されれば貴方たちも・・・!?」

 

その時、背後から気配を感じる。振り向くと遠くから何かが高速で接近してきているのが分かる。夕日が沈みかかっているせいで分かりづらいがその影は徐々に濃くなり、やがて彼女のすぐ近くにまで迫ろうとしていた。

 

「クッ。」

 

予想外に早く来た追っ手に対してリルルは、袋から手榴弾を取り出す。そして、ピンを抜くと次々落としていく。影は接触すると同時に爆発に巻き込まれるが怯まずに近づいてい来る。影は軽く飛ぶと一回りし、斬撃波を放ってくる。

 

「ウッ!」

 

彼女は体勢を低くすることで回避するが背中に大きな切り傷ができる。

 

「ちっ、碌な戦闘能力もねえくせにしぶとい奴だぜ!」

 

沈みかけている夕日が僅かに影の正体を捉える。

 

元レプリフォース陸軍の士官で獰猛な性格のビストレオだ。彼は、自慢の脚力を活かしてじわりじわりと距離を縮めていく。牙を剥き出しにして迫ってくる彼に対し、リルルは今までに感じたことがない恐怖に押し潰されそうになりながらも改造した通信機能で助けを求める。

 

(誰か!誰か助けて!!追われているの!誰か!!)

 

「ヘヘヘッ、観念して帰った方が身のためだぜ嬢ちゃん。俺はゼロほど優しくねえぞ。抵抗するって言うなら体をズダズダに裂いてでも連れ戻すからな!!」

 

ビストレオは、夜の闇の中でその眼を鋭く光らせた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Darkメン 入口

 

夜の営業準備が終わり、ジュドはダークマンたちの頼みで店の入り口に暖簾をかけていた。

 

「今日も夜中まで忙しくなるのかなぁ。」

 

彼は、ため息をつきながらも言うが別に嫌がっているわけではない。寧ろメカトピア時代よりも充実しているようにも感じるし、今まで味わうこともなかった人の『感謝』と言う気持ちを理解することができた。

 

そして、何より分け隔てなく他人と交流できることに楽しみを覚えた。

 

「さて、今日も一晩頑張るか。」

 

そう意気込んでジュドは、店の中へ入ろうとする。

 

「やあ、カイ。」

 

「うん?」

 

自分の偽名を呼ぶ声に彼が振り向くとエックスたちが店の傍にまで来ていた。

 

「エックス。あれ?その人たちは。」

 

「あぁ、彼はゼロ。俺の友人だよ。」

 

「よお。」

 

「隣は彼の奥さんのアイリス、その隣は俺の友達のドラえもんだよ。」

 

「こんばんわ。」

 

「こんばんわ!僕、ドラえもんです。」

 

「ぼ、僕はカイ。よろしく。」

 

とりあえず挨拶をするとゼロは、彼をじっと見る。

 

「・・・本当にエックスそっくりだな。」

 

「ま、まあね・・・」

 

「早速で悪いがジジイはいるか?」

 

「ジジイ?ワイリーのこと?」

 

「お前は名前で呼んでいるのか。」

 

「そうだけど、なんでジジイ呼ばわりなんだよ?」

 

あまり自分のことを警戒してみる彼にジュドは、困った顔で聞く。

 

「ゼロは、君と同じワイリーに作られたんだ。ある理由でね。」

 

「そうなのか?でも、だからって自分の親にジジイはないんじゃないか?」

 

「お前は動いたばかりで間もないから分からないだろうがアイツは、一度世界を崩壊へ追い込んだ男だ。そんな奴に・・・」

 

彼がそこまで言いかけた時、店の中からワイリーが顔を出してきた。ゼロの顔を見るなり、彼は笑みを浮かべる。

 

「ゼロ~~~!!!おうおう、態々ワシに会いに来てくれたのか~!!嬉しいのう~。」

 

「ワイリー?」

 

彼の今までにない反応にジュドは、思わず動揺する。対して、ゼロは真剣な顔で口を開いた。

 

「今日はアンタに話があって来た。」

 

「話?もしや、ワシの元へ帰ってきてくれるのか?」

 

「・・・・」

 

「ゼロ。」

 

相変わらずの態度に眉を顰めるゼロにアイリスは、落ち着かせるように声をかける。

 

「・・・・・アンタに確認したいことがある。」

 

「確認したいこと?」

 

彼は、一枚の写真を見せる。

 

ザンダクロスの頭脳ことジュドの写真だ。

 

その写真を見た瞬間、ワイリーとジュドは、額に薄っすらと冷や汗を掻き始める。

 

「こ、これは?」

 

「数日前、俺たちの世界のハンターベースから強奪された宇宙から来た巨大メカニロイドの電子頭脳だ。」

 

「ほ、ほう・・・・」

 

「強奪したのはアチモフ一味のクワンガーとヴァジュリーラと推測されていたが今日の昼間クワンガー本人に取り合ってみたがアイツはタイムマシンを利用していなかった。一味の誰かが変身していた可能性もあると考えたがどうしてもアンタへの容疑が打ち消せなくてな。何か知らないか?」

 

ゼロは、本当に疑いをかけているように重みのある声で聴いてくる。ジュドは、冷や汗を掻くワイリーを見てあの時の言葉を思い出す。

 

 

『生憎今のワシはあまり表立った行動ができない身でな。余程のことがないと我が息子に斬られてしまうんじゃ。』

 

 

(あぁ、このロボットがその息子なのか・・・・)

 

詰め寄ってくる彼の様子を見ながらジュドは、納得する。しかし、正体をバラしたら捕まって体の隅々まで調べられてしまうかもしれない。こうなればここはワイリーにうまく誤魔化してもらう他ない。

 

「ワシは知らんのう・・・最近、店に籠りっぱなしじゃからそう言うのには縁がないんじゃ。」

 

「ふ~ん~、そうか。」

 

ワイリーの様子を見ながらゼロは、一応念を押すことにした。

 

「じゃあ、念のためアンタの部屋の中を見させてくれ。」

 

「えっ!?」

 

彼の発言にワイリーは、心臓を掴まれたのかのような反応する。

 

「別にアンタの部屋を覗くだけだ。アンタのことだ。どうせ研究資料とかで散らかっているんだろう?だから、一目見たら信じるさ。」

 

「・・・・」

 

彼の答えが返ってくる前にゼロは、店の中に入る。中で準備をしていたダークマンたちは、流石にまずいのではと緊張した面構えになる。

 

「ジジイの研究室の入り口は?」

 

「ちゅ、厨房の端の地下室だ。」

 

2号は、蓋を開けて入り口を教える。中を覗くと案の定、研究資料の書類で散らかっており、机には調べかけの装置らしきものが置かれていた。

 

「・・・地下に籠っていたのは間違いなさそうだな。」

 

ゼロは階段を下りて、念のために部屋の中を見回す。

 

(・・・・これだけ見ても特に怪しいものはなさそうだな。俺の思い違いか。)

 

彼は、これでようやく生みの親を信じられると思い階段を上がろうとした時、机の端においてある青い卵の殻のようなものが目に付く。

 

「ん?」

 

試しに手に取って見るとそれは金属でできているようで合わせてみると丁度ボーリング玉と同じ大きさになる。

 

「・・・・・」

 

ゼロは、それを持って外に出る。

 

「・・・ジジイ、これはなんだ?」

 

「それか?ボーリング玉じゃ。」

 

「中身がないぞ。それにこの重さからして金属でできているようだが・・・・」

 

「そ、それは・・・・ちびっ子でも楽しくボーリング遊びができるように『ボーリングロボ』を作って、商品化しようと考えたからじゃ!ちなみに外側だけ作ったのはいいものの肝心の中身を考えていなかったからストップしているんじゃよ・・・」

 

「ほう。」

 

ゼロは、ジュドの外部フレームを目を細めて観察する。ワイリーは、表情がこわばっているのを誤魔化そうと笑って堪える。

 

「・・・・写真の奴とそっくりだが・・・うん・・・・」

 

「そんなつまらん殻さっさと部屋に戻して、ね?ゆっくり、親子団欒の話でもしようじゃないか。」

 

「・・・そうか。」

 

そう言うと彼は、殻をワイリーに返す。本当なら持ち帰って材質まで確認するべきだがそこまでする時間はない。最近疑ってばかりいたこともあり、今回はこのくらいにしてもいいだろうと内心思い始めていた。

 

「疑って悪かったな、流石に今回はやり過ぎた。明日早く出なくちゃならないから。今夜はここで食事を取らせてもらう。」

 

(ホッ。)

 

ゼロを誤魔化すことに成功したことでワイリーは、内心ホッとする。これは中身を適当に詰めてでも一時的にシャドーマンたちの手で送り返した方がいいのかもしれない。

 

「じゃあ、上がらせてもらう。いいよな?」

 

「おう、いいぞ!!ささっ、中へ中へ。」

 

彼の手招きで一行は、中へと入っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

メカトピア星 Dr.ビアンコの研究所

 

場所は、変わってメカトピア星。

 

残留するものを除いてほとんどが地球に向けて旅立つ準備をしている中、総統の命令で諜報部門のロボットたちがビアンコ博士の研究所へと潜入していた。

 

「こちらJ1、研究所に到着。これより、調査を開始する。」

 

『J7、了解。作戦内容を確認。目標、Dr.ビアンコの動向の確認。事の次第によっては破壊を許可する。』

 

「J2、J3は地上2~5階の調査を。J4、J5は私と共に最下層へと潜入する。これは極めて重要事項、外部の悟られてはならない。」

 

『J1、研究所のプロテクト解除コードのインストールを完了した。潜入開始せよ。ここ最近のDr.ビアンコの様子はどうもおかしい。注意されたし。』

 

「J7、警告感謝する。これより研究所内部へ乗り込む。」

 

諜報ロボットのリーダー格であるJ1は、J4とJ5を引き連れて研究所のエレベーターの扉を開けて地下へと降りて行く。別行動のJ2、J3は逆に上の方へと飛んで行った。

 

「J7、こちらJ1。間もなく地下最下層へと降下する。」

 

『J1、地下最下層から未知の高エネルギー反応を検知した。警戒せよ。』

 

「了解。J2、J3。地上班、何か情報は掴めたか?」

 

『こちら、J3。ビアンコの私室へ潜入したが埃を被っていて使われている痕跡は確認できない。』

 

『同じくJ2、こちらは職員の部屋を調べてみたが同じく使われた痕跡なし。よって、ビアンコは地下に籠っている可能性が濃厚・・・・・ん?待て、一か所だけ明かりが点いている。』

 

「明かりだと?」

 

『どうやら実験室のようだ。サンプル用の培養カプセルの中に何か入っている・・・・・有機生命体か?』

 

「J3、J2と合流し、データを詳しく取れ。こちらも確認次第地上に戻る。」

 

『了解、これよりJ2と合流します。』

 

通信を切ると三人は、地下の最下層へと到着する。

 

「エレベーターはここで止まっています。」

 

「レーザーカッターで穴を空けろ。」

 

指先が開いてレーザーカッターを展開するとJ4は、エレベーター上部の一部を切り取り始める。

 

「J1、こんなことをしてはDr.ビアンコに失礼では?」

 

「問題はない。ここ最近のDr.ビアンコの様子は明らかにおかしい。研究棟に顔を出さなくなり、自分の研究所に籠って何かを作っている。もしや、良からぬことを企んでいるのかもしれん。」

 

「彼は、随分前に娘さんを亡くしたばかりだ。ショックで立ち直れない可能性も・・・・」

 

「J5、お前は諜報タイプにしては甘いところが多い。そんなことではこの先やっていけんぞ。」

 

「も、申し訳ありません。」

 

穴を空けると三人は、エレベーター内部へと乗り込み、ドアをやや強引に開ける。中は僅かな照明で照らされており、非情に暗い。

 

「明らかに怪しいムードだ。」

 

彼らは、背部ブースターを消音モードへと切り替えて低空飛行で通路を進んでいく。

 

「こちら、J1。最深部へと潜入した。J7、J2たちの連絡は?」

 

『・・・・・・』

 

「J7、J7!」

 

地上からの通信だ途絶えたことでJ1は少し声を荒げる。

 

「どうしましたJ1?」

 

「地上と連絡がつかない。メンテナンスはいつも小まめに受けていたがどうも調子があまり良くないようだ。」

 

「一旦引き上げますか?」

 

「いや、おそらく圏外になっているだけだろう。このまま作戦を続行する。」

 

長い廊下を移動し続けるとやがて何かの機械音が聞こえ始め、近づくにつれて徐々に大きくなってくる。

 

「近いぞ。奴め、何をやっているのやら・・・・」

 

やがて廊下が途切れ、そこから広い空間が現れる。三人は周囲を警戒しながら中を覗く。

 

「・・・!これは!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

22世紀 Darkメン

 

Darkメンでの夕食を終えたエックスたちは、そのままワイリーたちに見送られる形でホテルへ引き上げようとしていた。

 

「いやぁ、噂には聞いていたけど個性的な見た目に反して味は王道だったな。」

 

「「「ご馳走様でした。」」」

 

「ジジイ、今回は何事もなかったからいいが本当に頼むから余計な騒ぎを起こすんじゃないぞ?」

 

「分かっておるわ!この世界で騒ぎ起こすほどワシは愚かではない!」

 

内心隠し事をしているもののワイリーは、ダークマンたちと店の外に出て別れの挨拶をする。

 

「さて、明日は早い。ホテルの帰ってさっさと寝るとするか。」

 

「ドラえもん、明日はどうするんだい?」

 

「一旦、みんなの所へ戻ろうと思っているよ。玉美ちゃんの方は、ドラミがアクセルくんの件が空いたから来てくれるって言っていたけど・・・やっぱり、僕たちも無関係とはいえないからね。」

 

「・・・・あぁ。あの戦いがまた起ころうとしている。それも俺たちの世界で。」

 

互いに真剣な顔をして言い終えるとそれぞれの帰路に付こうとする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドーン!!

 

 

「「「「「!?」」」」」

 

その直後、かなり離れているがすさまじい爆発音が聞こえてきた。

 

「なんだ!?」

 

エックスは、市街地の方を見ながら状況を確認しようとすると街外れの方から煙が立ち上っているのが見えた。

 

「事故か?」

 

「いや、この世界の車両は交通事故防止のためにほとんどの機種が緊急停止機能が備え付けられている。その機能が正常に機能している限り事故は早々起きないはずだ。」

 

「じゃあ・・・まさか、アチモフ一味!?」

 

「ジジイがここにいる以上他に有り得ないからな。」

 

エックスとゼロが目の前の出来事に対して話している中、ジュドは自分の頭に誰かの叫び声が響いてきた。

 

(誰か・・・誰か助けて!!)

 

「!?」

 

聞き覚えのある声に彼は、目を丸くする。

 

「ん?どうしたんだ、カイ?」

 

「・・・・・リルル?」

 

「えっ?」

 

呆然とするジュドの言葉を聞いてエックスは、一瞬自分の聞き間違いかと錯覚する。

 

「い、今なんて・・・」

 

「リルルだ・・・・リルルの声だ!助けを求めている!!」

 

「あっ!ちょっと!?」

 

彼は、導かれるかのように駆け出して行ってしまった。

 

「何でリルルの名前をカイが・・・・」

 

「ジジイ、やっぱり何か隠しごとをしていやがったな。」

 

ゼロは、眉をピクピク動かしながらワイリーの方を見た。

 

「いや、何というか・・・・これには悠久の時が流れるほどの訳が・・・・」

 

「言い訳はいい!一から全部正直に話せ!!今すぐにでもセイバーで首を撥ねてさらし首にしてやりたいところだが今回は我慢してやる!早く言え!!」

 

「は・・・・はい・・・」

 

彼の身体から溢れ出るさっきに流石のワイリーも正直に話す外なかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、事故現場では燃えているチェバルの傍でリルルが傷口を押さえながらライフルを持って逃げようとしていた。

 

「ハア・・・ハア・・・・」

 

そんな彼女の背後ではビストレオが爪を研ぎ澄ませながら近づいてくる。

 

「随分逃げ回ったようだがそろそろ限界のようだな。」

 

「クッ!」

 

彼女は、ライフルを彼に向けて発砲する。だが、モデルが獣であるビストレオは素早く弾丸を避けて背後に回り、強烈なキックで繰り出す。リルルはガードする暇もなく吹き飛ばれされビルの壁に衝突する。

 

「あぁ・・・・あぐぅ・・・」

 

壁に打ち付けられた衝撃で彼女はそのまま倒れこむ。

 

「全く、ゼロにはあまり騒ぎを起こすなって言われているのによ。こんな街中にまで逃げやがって。」

 

ビストレオは、倒れたリルルの腕を掴む。元々戦闘用として作られた体ではないため、動くのも難しいほどにダメージを負っていた。これでは、もう逃げることはできないだろう。

 

「さて、騒ぎが大きくなっちまう前に連れ帰るとするか。」

 

彼は、そのまま彼女を抱えようとする。

 

「リルル!!」

 

「ん?」

 

そこへジュドが走って駆け付けてきた。ビストレオは、その姿を見てエックスと見間違える。

 

「エックス!?この野郎、もう嗅ぎつけてきやがったか!」

 

ジュドは、鋭い瞳孔で睨みつけてくる彼よりも担ぎ込まれているリルルの方を見る。姿は自分のように変わってしまっているが直感とでもいうべきか彼女だということを察する。

 

「リルル・・・・」

 

「おい、エックス!てめえ、よくも大戦のときは不意打ちで俺を倒してくれたな!アチモフのじーさんが回収してくれなかったらどうなっていたことか!あの時の恨み、存分に晴らさせてもらうぜ!!」

 

ビストレオは、リルルをその場に置くと牙を剥き出しにして飛び掛かってくる。

 

「うわっ!?」

 

ジュドは、咄嗟に回避する。ビストレオは、避けられるとすぐに態勢を変えて彼の身体を掴んでビルの壁に叩きつける。

 

「ぐわあぁっ!?」

 

「オラどうした!いつもの青い姿になって攻撃してみろ!!それともあれか、今は故障中で戦闘形態になれねえのか!!」

 

彼は何度も、壁に叩きつけてジュドを吹き飛ばす。

 

本来なら反撃したいところだが戦闘形態になる方法が分からない。

 

ジュドは、そのまま道端に放り出されて体の痛みに耐えながらなんとか起き上がろうとする。

 

「だめだ・・・分からない・・・」

 

戦おうにもこの身体は慣らしと言う形で与えられたものでどういった性能なのか全く分からない。

 

しかし、今の状態では勝ち目がない。自分もそうだがこのままではリルルが何をされるか。

 

「ヘッ、どうやら本当に壊れてるようだな。なら、さっさと止めを刺してやるぜ!」

 

ビストレオは、爪を光らせながら近づいてくる。

 

「このままじゃ・・・・やられる!!」

 

彼が起き上がると既にビストレオの牙がすぐ目の前にいた。

 

「死ね、エックス!!」

 

ビストレオは、口を大きく開いて噛み殺そうと迫る。

 

「うわあああああ!!」

 

ジュドは、反射的に右腕を目の前に突き出した。すると光を発し、右腕に黒い装甲が取り付けられると同時に手が収納されて銃口へと変形した。

 

「ヌッ!?」

 

過去のトラウマが甦ったのかビストレオは口を閉じて体を前に起こした。同時に銃口が光を収束し、光弾を発射した。

 

「ムガッ!!」

 

出力が強かったのか、彼はそのまま壊れたビルの壁に激突。落ちてきた瓦礫に埋もれる。

 

「・・・・・えっ?」

 

ジュドは、目を見開いて自分の右腕を見る。そこには人間そっくりの右腕ではなく、黒い装甲に包まれた腕があった。

 

「変わった!?」

 

同時に彼の身体が光り黒い装甲に包まれていく。最後に青いクリスタルの付いたヘッドパーツが現れ、頭部に装着された。

 

<χ-Kai、戦闘形態への移行完了。>

 

「いてて・・・・くそう・・・なに!?」

 

ビストレオが起き上がるとそこには、エックスと酷似した黒いロボットが立っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

メカトピア星 Dr.ビアンコ研究所地下

 

諜報部隊が見た先には建造中の巨大ロボットと思われるものがあった。

 

まだ、装甲を付けていないせいなのかそのロボットから何か不思議な光が発せられ、その輝きは美しいと言えば美しく見えるが同時に底知れぬ恐怖を感じさせられる。

 

「何故、ビアンコがこんなものを・・・・」

 

J1は、思わぬ発見に困惑していると周囲を見張っているJ4が声をかけてきた。

 

「J1、誰かがこちらに来る。一旦隠れよう。」

 

三人は、すぐにその場から物陰に隠れる。

 

『体の具合はどうかね、我が同志よ。』

 

『君のおかげで大分マシになったよ。だが、完全に元に戻るにはまだ時間がかかりそうだ。』

 

一人は、ビアンコの声で間違いないようだがもう一人は野太い聞き覚えのない声だった。覗いてみると彼の近くにロングコートを着た二人組の大男がいる。

 

「まだ、装甲の精製に時間がかかっておるがもうほとんどの機器の調整は終わっている。」

 

「・・・・見事だよ、ビアンコ君。まさか、我々でも成し得なかったこの機体をあの男のように完全に作ってしまうとは。やはり、あの男を思い出す。そうだろ?××××××くん。」

 

「う、うん、そうだね〇〇〇〇〇くん。正直な話を言うと僕は、彼と出会うまで諦めていたよ。これが運命なんだって。だけど、運命は僕たちを味方した!」

 

「うん・・・・」

 

ロボットから発せられる光を見て、一番大柄な男はサングラス越しから涙を流し始めた。

 

「う・・・美しい・・・・よもやこの世界でこれに巡り合えるとは・・・君もそう思うよね、××××××くん。」

 

「う、うん。見えるよ、○○○○○くん。この光こそ、僕らが求めていたもの・・・・」

 

「そして、この終わりを迎える世界に新たな灯火を灯す『進化の可能性』。」

 

「その通り、この光が与えるのはこの星の『未来』と言う名の『希望』か。」

 

「はたまた『滅亡』と言う名の『絶望』なのか!」

 

「「それは『真の神』のみぞ知る!!」」

 

この異彩を放つ二人組、そして、その二人に同調しているビアンコを見て諜報部隊は、途轍もない恐怖を覚える。

 

「なんだ・・・あの二人組は・・・」

 

J1は、本能的に一刻も早くここから逃げたいと感じていた。だが、そんな彼の願いは後に無残にも砕け散ることになる。

 

「・・・・しかし、この感動に水を差す輩がいるようだ。」

 

「う、うん。全くだね!この星のロボットたちは他の輩に対してすぐに銃を突きつけることしかせん!」

 

「「「!?」」」

 

大男二人の会話を聞いて三人は、自分たちが潜入したことがバレたのかとゾッとする。

 

「そんな事だからこの神秘の輝きが何たるかも解ろうともしない。」

 

「あぁ、この光こそが滅びゆくワシら種族に新たな可能性を与えるというのに・・・そう、進化!」

 

「「進化!」」

 

「「「進化なし!!」」」

 

そう言い終えるとビアンコたちは、その場から離れて行った。ホッと息をする間もなく、諜報部隊は、逃げ出すかのように部屋を出て行く。早くここから離れたい。そして、このことを総統に報告しなければならない。

 

三人が這い回るようにエレベーター方面まで戻ると丁度エレベーターがこちらの階へ降りていているところだった。

 

彼らは、まだ近くにあの大男たちがいるのではないかと怯えながらも物陰に隠れて中にいる者が早く出ることを願う。

 

だが、出てきたのは地上の階層を調べに行ったJ2、J3。そして、研究所近くで連絡係をしていたはずのJ7だった。

 

「J2!J3!?それにJ7まで・・・お前たち、何故ここに来ている!」

 

心配してきてくれたのだと安心するのも束の間、J1は命令を無視したことに対して三人に注意をしようと近づく。

 

「「「・・・・」」」

 

「持ち場を離れるのは命令違反だぞ!俺の指示が出るまで待機・・・」

 

「う、うぅうう・・・・」

 

「?J2、どうした?」

 

頭を抱えて苦しみ始めるJ2を見てJ1は、不思議そうな顔をする。

 

「グオオオオオ!?」

 

「!?」

 

次の瞬間、J2の頭部が何かで突き破られる。同時に他の二人の身体もあちこちが吹き飛び、そこから無数の黄色い目があるおぞましい黒い塊が彼らをめがけて飛び掛かって来た。

 

「う、うわああああああ!!!」

 

あまりの恐怖にJ5は、仲間を無視して走って逃げようとする。だが、そこにはビアンコと共に去ったはずの二人の大男が立っていた。

 

「わああぁ!!」

 

叫びと同時に彼の思考はそこで止まった。

 




※この作品は「ドラえもん」と「ロックマンX」のクロスオーバー作品です。

終盤に出てきた二人、もう知らない人いないよね?

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