21XX年 ハンターベース
翌日、タイムパトロールとの協定会議を一時中断したイレギュラーハンター一行は、早朝の便に乗ってハンターベースへと帰還した。予定よりも早い帰還にハンターたちは戸惑いながらも滑走路まで迎えに来る。
巡査艇が停止するとそこから梯子がおり、中からシグナスたちが降りてきた。彼らは全員敬礼をして彼に挨拶をする。
「シグナス総監、お疲れ様です!」
「うん、我々が留守の間よくやってくれた。」
シグナスは、礼を言うと一緒に出迎えてくれたケインの所へ歩み寄る。
「ご苦労じゃったな、シグナス。」
「ケイン氏、チャモチャ星から戻られていたのですか。・・・・そちらの方は?」
「ワシの教え子じゃよ。この事態に応じて来てもらったんじゃ。」
「タチバナです。貴方のことは先生とゲイト君から聞いています。お会いできて光栄です。」
「こちらこそ。」
二人は軽く握手を交える。ついでに助手のDr.ポチとDr.タマにも握手をする。シグナスたちは、降りて早々司令室へと向かう。すると中ではエイリアたちが慌ただしく動いていた。
「シグナス、もう戻って来たの!?」
資料をまとめている彼女は、入って来た彼らを見て動きを止める。シグナスは、部屋一帯を見渡しながら状況をある程度把握する。
「『鉄人兵団』の件か?」
「えっ?資料はまだ渡していないのにどうしてそれを・・・・」
自分たちがまとめていた情報を既に知っていることに驚くエイリアだったが彼の後ろに手錠を付けられているジュドとリルルを見て唖然とする。
「パレット!?貴方、今までどこに行って・・・」
「エイリア、彼女はパレットじゃないよ。正確には身体はパレットのものなんだけど。」
「・・・えっと・・・どういうこと?」
エックスの言葉に対し、彼女はリルルをキョロキョロ見ながら少し混乱状態に陥る。だが、今はそんなことをしている状況ではない。
「エックス、お前はマーティと一緒にに二人を尋問室へ連れて行ってくれ。その後、すぐに会議室に来てくれ。」
「分かった。」
「エイリア、レプリフォースのフクロウル将軍とコンタクトを。すぐに緊急会議に行う。後、研究棟にいるカリンカ嬢とスカルマンに引き上げるように伝えてくれ。」
「え、えぇ・・・・」
まだ落ち着かないもののエイリアは、シグナスの指示に従う。その後ろでは共に資料をまとめていたレイヤーが心配そうに彼に質問をする。
「あの・・・シグナス総監。さっきの子がパレットでないと言うのなら・・・・彼女はどこに・・・」
「恐らく鏡面世界の敵の基地の中だ。敵の本隊が来る前に救出しなければ豪いことになるかもしれん。」
「!?」
シグナスの言葉を聞いて彼女は、思わず持っていた資料を落とした。
数時間後、ハンターベースの会議室で会議が開かれた。
内容は、謎の敵対勢力の正体が地球から遥か遠く離れたメカトピア星のロボット軍団『鉄人兵団』であると断定。彼らは、新たな労働力として地球の人類に目を付け『奴隷狩り』を実行しようとしており、同盟惑星である『チャモチャ星』なども対象になりかねないことが伝えられた。
一部の官僚は、会議の場に何故犯罪者であるワイリーが同席しているのか疑問に思っていたがシグナスの話を聞いて彼の手を借りなければいけないほどの事態なのだと理解した。
「話は以上です。敵は既にこの世界とは反対の鏡の世界『鏡面世界』に前線基地を作っています。奴らがこちらの世界に干渉する前に手を打たなければなりません。」
「しかし、シグナス総監。敵はイレギュラーハンターは愚か全盛期のレプリフォースすら凌ぐ戦力、そんな相手に対抗の策があるのかね!?」
彼の報告に対して、人間政府の代表たちは緊迫した表情で聞いてくる。
「この際、地下都市にいる住民をすべてチャモチャ星へ緊急疎開させるべきでは?」
「だが、今から避難発令をして間に合うのか?」
「奴らが仕掛けてきそうな重要拠点に重量子ミサイルを撃ち込んで相殺させるのはどうだ?」
「敵の戦力が途轍もない規模なんだぞ!そんなことしても焼け石に水だ!」
「『ヤコブ計画』は、どうするんだ!?あれには莫大な予算をかけたのだぞ!」
人間政府の相変わらずの自分勝手な素振りにフクロウルや同席していたレッドは、呆れた顔を浮かべる。こんな事態になっても自分たちの身を優先かと。この会議の内容がもし漏れたりすれば恐らく大半のレプリロイドが愛想を尽かして鉄人兵団に寝返る危険性すら感じられる。
「フン、どいつもこいつも結局は逃げようとするのが関の山か。こんなポンコツどもがよく政府の代表なんて務まるのう。」
「「「「!?」」」」
その時、誰かの一声で会議の場は騒然とする。よく見ると手錠を付けられたまま机に脚をかけているワイリーだった。
「最近、立場の改善に力を入れ始めていると思いきやこんな醜態を見ることになるとはな。レプリロイドたちがこんなに懸命に動いてくれているというのになぜ逃げることしか考えん?」
「黙れ、Dr.ワイリー!過去の重犯罪者である貴様に何が分かる!?」
「分かるも何も連中の目的はレプリロイドではなく、お前たち『人間』じゃぞ?どこへ逃げようが奴らは代わりになる知的生命体を見つけることでもない限り草の根を分けても探し回るぞ。勿論、チャモチャ星も含めてな。」
「だが、我々はあまりにも非力すぎる。」
「言い訳など聞き飽きたわ。100年前からお前たち政府のやっていることは同じじゃ。対応できるロボットがいれば後は任せてそれっきり、危なくなればロックマンに助けてもらって解決・・・・お前たち、安全なところで命令を出すことしかできんのか!」
「グッ・・・」
ワイリーの気迫のある指摘に官僚たちは何も言えなくなる。
「それにシグナスの話はまだ終わっておらん。文句を言うのなら、それからでもいいじゃろう。シグナス、お前さんの考えた作戦を言ってやれ。」
彼に話を回され、シグナスはモニターを映しながら説明を行う。
「不幸中の幸いなのは、彼らが『鏡面世界』と『現実世界』を行き来する手段をまだ完全に持ち合わせていないことです。スパイとして敵の基地に潜伏しているアクセルの報告では、彼らの基地は約70%以上が完成していることが確認されていますが大兵団を迎え入れるためのゲートがまだ完成していないことが分かっています。」
シグナスは、世界地図を拡大しながらあるダムを映した。
「そこで基地に潜入しているアクセルに基地の周囲を光学迷彩装置を設置させます。そして、大兵団を偽の誘導信号でこのダムへワープするように誘導。このダムに『逆世界入りこみオイル』を使用し、彼らをこの世界に引き込みます。」
「わざと敵を迎え入れるというのか?」
「えぇ、ですが外には出させません。敵は正規ゲートが完成していないことを機に入って来た入り口を利用するはずです。これを逆手に取りダムの水を一旦抜き、周囲にどこでもガスを液体化させたものを散布を行い、彼らを外の世界に出たと錯覚させるのです。」
「なるほど、基地の周囲をカモフラージュして見つからないようにしてしまえば敵は自分たちが鏡面世界から出ていないことに気づかない。」
「はい。そして、更に敵に悟られぬよう鏡面世界の各方面に仮設の基地を設置。少数のハンターで応戦させて我々が応戦しているように思わせます。」
「最悪な場合はゲートと出入り口であるダムの水を抜いてしまえば奴らを閉じ込めることができると言う訳か。」
「だが、シグナス総監。それで時間稼ぎをするにしても敵の目を引き付ける決定的な何かがなければ敵は早々怪しむのではないのかね?」
敵を攪乱させて戦力を削っていく彼の作戦に官僚たちは、感心するがそれだけだと敵がこちらの企みに気づくのではないかと不安になる。
「そこでこの機体です。タチバナ博士。」
タチバナ博士は、シグナスに代わってモニターの映像を切り替える。そこにはあるロボットの姿が映された。
「ロボット工学の父と呼ばれたトーマス・ライト博士がロボットを普及する以前、この世界はある勢力によって危機的状況に陥っていました。私の曽祖父は、宇宙開発用に製作した巨大ロボットを戦闘用へと改造しその窮地を脱することに成功しました。」
映像は変わり、ロボットの姿は彼が製作したものへと変わる。
「そして、私はそのロボットの設計データを見直し、対メカトピア用に備えたスーパーロボットを開発しました。曾祖父が開発した機体同様に3タイプの姿を使い分け、あらゆる戦況に対応するこの星を守るロボットを。」
「「おぉ・・・」」
「タチバナ博士、先ほどから気になっていたがこのメカニロイド・・・いや、ロボットに名前はないのかね?」
ロボットの勇姿に気を取られていたが官僚の一人がタチバナ博士に問う。
「名前ですか・・・・そうですね。開発コードでNEOGと呼んでいましたが曾祖父のロボットはこう呼ばれていました。『ゲッターロボ』と。」
二体のロボットの姿が重なり、彼は改めてロボットの名前を付けた。
「これはその意志を継いだ新たな機体・・・そう、『ネオゲッターロボ』と呼ばせていただきましょう!」
「「「ネオゲッターロボ!?」」」
「「おぉ・・・・」」
イレギュラーハンターの新戦力『ネオゲッターロボ』の初披露に一同は大いに驚く中、ワイリーはただ一人表情を顰めていた。
「・・・ゲッターじゃと?」
研究棟
「えっ?引き上げ?」
研究棟で作業をしていたカリンカたちは、訪問してきたタイムパトロール隊員の言葉に思わず動かしていた手を止める。
「はい、ここは間もなく戦争状態になるでしょう。ですが、リング警部からのご指示で貴方とスカルマンさんたちには帰還命令が出ています。貴方がたはこちら側の住民として扱われているため、避難の最優先となっています。」
彼は、書類を渡す。そこにはリングマンのサインがされており、既に引き上げの認可が下りていた。
「・・・・なるほどな。確かにお嬢さんと俺も対象になっているようだ。んで、アイツはどうなんだ?」
「ハッ、警部は万が一に備えてこちらに残るそうです。」
「・・・じゃあ、俺は却下でいいや。」
「えっ?」
自分の分の書類を押し返しながらスカルマンは、呆れた表情をする。彼に対応に隊員は戸惑う。
「し、しかし、これは警部の判断で・・・・」
「なら、直接会って抗議させてもらう。家のお嬢さんならともかく、俺まで帰るのは納得いかねえからな。」
「困りますよ、警部もこれからの対応で忙しくなりますし。」
隊員は、困った顔をして話すがスカルマンは引こうとしない。
「確かに俺は向こうの組織に付いたがここは博士や兄弟たちがいる故郷でもあるんだ。そんなことでさっさと逃げるようにできちゃいねえんだ。」
「ですけどね・・・」
「やはり、言っても無駄だったか。」
そこへため息をつきながらリングマンがやって来た。
「なんだ、会議は終わったのか。」
「とりあえずな。イレギュラーハンターはこれからレプリフォースと共同で鏡面世界にある敵の基地に工作を仕掛けるそうだ。私たちは、戦況次第で共に応戦することになるかもしれない。」
「なら、話は早いじゃねえか。戦闘要員は一人でも多い方がいいだろう?」
スカルマンは、腕を均しながら言う。それに対し、リングマンは首を横に振る。
「いや、お前にはお嬢様と共に22世紀の方へ戻ってほしい。」
「それは反則だ。寧ろ、お前が戻るべきだろう。」
「確かにエリカとリングには心配をかけることになる。だが、ワイリーがこちらに来ている以上奴の動向を見張る必要がある。」
「なら、尚更・・・・」
「これは、私なりにケジメを付けるための判断なんだ。奴を心から許すことができるかどうか・・・・」
リングマンは、真剣な顔つきで訴える。先日の一件で彼に掴みかかったことが余程響いたらしい。そんな彼にスカルマンは、ため息を吐く。
「ハア、お前・・・・・家に帰るのが怖いんだな?」
「!?」
彼の言葉にリングマンは、思わず目を丸くする。その反応を見てスカルマンは、ニヤリと笑う。
「うまく隠そうとしているが顔を見るだけでわかるぜ。何があったかは知らねえが嫁さんと子供に会うのに抵抗があるんだろう。それも怖がられているとかでな。」
「・・・・」
「図星か。だったら、さっさとお嬢さんと一緒に帰んな。」
「こんな事態の時に・・・・」
「こんな時だからこそ、家族の傍にいてやった方がいいんだよ。今回の戦い、負けた場合敵が22世紀にも進出してくる可能性だって否定できないんだろ?なら、一緒にいてやれ。それがお前の仕事だ。」
「・・・・・」
「・・・リングマン、悪いけど私もこっちに戻るわ。」
「お嬢様!?」
まさかのカリンカの言葉にリングマンは、言葉を失う。彼女は笑いながら話す。
「スカルマンも言ったけどここは私たちの世界だもの。嫌な思い出もあるけど、楽しかった思い出もたくさんある・・・そんな世界を捨てるなんてことはできないわ。それにロールちゃんや他のみんなも動くんですもの、私も何か自分にできることをしなくちゃ。」
「それなら私も!」
「馬鹿!お前、俺がさっき言ったこともう忘れたのか。」
スカルマンは、顔を顰めながらリングマンを咎める。
「わ、私には・・・タイムパトロールとしての仕事が・・・」
「仕事を口実に逃げようとするな。子供って奴は親が少しでも変わるとビビって近寄らなくなっちまうんだ。大事に思うんなら帰って顔見せてやれ。お嬢さんの方は俺が見ておくからよ。」
「リングマン、私たちは大丈夫だから貴方はエリカさんたちの傍にいてあげて。貴方は向こうの世界のロボットでもあるんだから。」
二人に言われて、リングマンは顔を伏せてしばらく黙る。
「・・・・・すまない。私もコサックロボだというのに。」
「お前はいつも自分のことそっちのけだからな。」
「一応本部にかけ合っておく。」
そう言うと彼は帽子を深く被って部屋を後にした。部屋から出て行くのを見送ると二人は、向き合ってホッと息をした。
「何とか行ってくれたようだな。」
「えぇ、昨日タイム電話でエリカさんから連絡が来たときはどうしたんだと思っていたけどリングちゃんが最近心配していたって聞いたから・・・・」
実は、彼を帰らせるように頼んだのはエリカだった。
彼女の話によるとワイリーとの一件以降、リングマンは仕事から帰っても家族とあまり話さなくなってしまい、娘のリングの方は「パパに何かしちゃったの?」とか「自分が悪いことしたから話さなくなってしまったのか」とか終いには「その内家に帰ってこなくなってしまうのではないか?」と毎日聞いてくると言う。妻である自分にもあまり相談してこないことから昔のように自暴自棄になるのではと更に不安が加速し、相談してきたのだ。
「リングマン、真面目なのはいいんだけど何かあると深く考えこんじゃうから。」
「まっ、長官にはこっそり話を回しておいたから大人しく帰るだろう。戻ってきたら縄で縛って宅配で送るけどな。とりあえず、部屋の移動はありそうだから荷物だけは軽く纏めといた方がいいだろう。」
「そうね。まあ、OVER-1も後は細かい微調整を行えばすぐに起動できるようになるし、その方がいいかもしれないわね。」
二人は、部屋の機材をまとめ始める。スカルマンは、メンテナンスカプセルに収納されているOVER-1を見ながら複雑な表情を浮かべる。
「ロックマンみたいな良い子ちゃんになれとは言わねえが、お前は好戦的な戦闘馬鹿にはなるなよ。それは博士も望まなかったんだからな。」
それだけ言い終えると彼は、カリンカが運ぼうとした機材を持ち上げて部屋の隅に持って行った。
格納庫
作戦会議を終えたエックスとゼロは、ネオゲッターロボの収納されている格納庫へと来た。
「これがゲッターロボか。」
「サイズ的にはイレギオン、イルミナよりデカいな。」
二人は、第一形態の姿を見上げながら言う。そこへタチバナ博士がやって来た。
「君がエックス君とゼロ君か。私がネオゲッターロボの開発責任者であるタチバナだ。君たちのことはケイン先生から聞いているよ。」
「ケイン博士のお知り合いなんですか?」
「知り合いも何も彼は私の恩師だ。尤も君が発見されるよりも昔の話だがね。」
「じじいに教え子がいたなんて意外だな。そんな話俺たちの前では一度もしたことがないから、知らなかったぜ。」
ゼロは、目を丸くしながら少しばかり驚く。三人は再度調整中のネオゲッターロボを見ながら話をする。
「会議でも聞いただろうが君たち二人には、この機体のパイロットとして適性があるかどうかこれから訓練してもらう。」
「他のハンターたちには言ったのか?」
「あぁ、特A級ハンターも含めてこのベースにいる者は全員テストしたよ。残念ながらほとんど辞退してしまったがね。」
タチバナ博士は、気恥ずかしい様子で答える。
「相当な暴れ馬って事か、コイツは。」
「でも、鉄人兵団と戦うと言うのならこれぐらいの機体じゃないと恐らく、追い返すのも難しいよ。」
二人は、早速格納庫の傍に備え付けられている訓練室へと入る。
「この部屋は、ゲットマシン状態の加速並びに合体テストを疑似的に体験するためのものだ。無論、実戦ではそれ以上の加速もあり得るが。」
タチバナ博士がそう言うと稼働中の訓練機が停止し、中から疲労状態のシャドウが出てきた。
「お前は、シャドウ。」
「お、おぉ・・・エックスとゼロか。お前たちも乗るのか?ゲットマシンに。」
シャドウは、息を荒くしながらも優越感を感じているのか二人を見る。
「まだ、決まったわけじゃない。飽くまで適性があるかどうか受けるだけだ。」
「そうか・・・ははっ、俺は実機にも乗ったがコイツは結構堪えるぞ?」
「彼がこれほど疲れているということは余程だな。どうするゼロ?」
「受けるしかないだろう。俺たちが乗れなければ今度はアイリスたちも受けることになるんだ。」
そう言うとゼロは2号機、エックスは1号機の訓練マシンへと乗り込む。
「訓練開始、マシンを起動させてくれ。」
「了解にゃん。」
Dr.タマがスイッチを押すと訓練マシンが動き出す。徐々に上がっていくスピードにエックスとゼロの身体は加速Gに押されて行く。
「相当グロッキーだな、アディオンと比べ物にならない。エックス、お前はどうだ?」
「俺は、少し苦しいぐらいだよ。強化アーマーを付ければ問題はなくなると思うけど。」
『今体験しているのがゲットマシンが空中で最大速度で飛行しているときにかかるものだ。乗り心地はどうだい?』
「やっぱりアンタ、じじいの教え子だな。こんな操縦者の負担を軽視したような作りができるのは早々いない。」
『やはり厳しいかな?』
タチバナ博士は、この二人でも耐えられなかったかと一瞬諦めるがゼロは、首を横に振る。
「とんでもない、こんなのシグマたちと戦うのより軽いものだ。」
『エックス君、君は?』
「大丈夫です。」
『そうか・・・』
訓練マシンを止め、二人は部屋の方へ戻ってくる。
「二人とも具合は大丈夫かね?」
「普段から色々やっているもんだからこのくらい軽いもんだ。」
「すごいスピードですね。これがあのロボットの戦闘機状態のスピードだなんて。」
エックスとゼロはかなり驚いていたようだが特に具合も悪くないようなのでとりあえず第一段階はうまくいったようだ。
「そのスピードに耐えられたんなら、きっと合体もうまくいくニャン。」
「後は、シャドウ君がネオベアーを乗りこなしてくれれば三人揃うんだワン。」
「うん。エックス君、ゼロ君。改めて君たち二人をネオゲッターロボのパイロットに推薦したい。これから迫りくる鉄人兵団を迎え撃つためにもよろしく頼む。」
タチバナ博士は、二人の頭を下げながら頼み込む。
「頼むも何もやらなきゃいけないことならやってやるさ。」
「俺たちからもよろしくお願いします、タチバナ博士。」
「ありがとう、二人とも。」
博士は、二人と握手をしながら感謝する。
「ゲッターロボか。」
遅れて格納庫に来たワイリーは、傍にシャドーマンを待機させながらネオゲッターロボを眺めていた。
「ジジイ、ここに何しに来たんだ?」
訓練室から出てきたゼロたちは、顰め面で見ている彼に声をかける。
「ん?ゼロか。」
「アンタは、研究棟にいるはずだろ?何の用があってここに来たんだ。」
「フン、ちょっとした気分転換よ。」
ワイリーは、鼻を鳴らしながらその場を立ち去ろうとするがその直前にタチバナ博士の方を見る。
「お前さんは、タチバナって名前だったな?」
「はあ、そうですが何か?」
「いや、曾祖父の橘に顔がそっくりだと思ってな。」
「曾祖父をご存じなのですか?」
タチバナ博士は、少し驚いた顔で彼を見る。
「その昔、ちょっとな。そんなに親しい関係ではない。だが、奴が自分のロボットにゲッターなんて名前を付けるとはな・・・・」
「?」
「いや、時代遅れの老いぼれの戯言よ。気にするでない。行くぞ、シャドーマン。」
「御意。」
ワイリーは、そのまま歩き去っていく。
「・・・・動力はプラズマだから同じなのは名前だけか。それならそれでいい、あれは昔も今の世界も人には早すぎる代物よ。」
その顔は何か嫌な思い出を無理やり思い出させられたような感じだった。
ワイリーがゲッターを知っている?( ゚Д゚)