翌日 ハンターベース 司令室
この日、ハンターベースではこれまでにない緊張で静まり返っていた。鏡面世界で待機しているホーネックを経由し、アクセルと合流したハンターたちからの報告で今日の夜、ついに鉄人兵団の第一陣が地球の到着することが判明したのだ。
司令室ではエックスを初めとする各ハンターがシグナスの元に集められ、これから起こりうる事態に備えて動こうとしていた。
「・・・ついに今日の夜、鉄人兵団の第一陣が地球に到着する。計画通りに行けば奴らが発信信号を頼りに我々が設置したゲートを通り抜けるはずだ。奴らは基地の仲間と合流次第攻撃を行うべくすぐに動き始めるだろう。」
シグナスは、敵基地周辺の地図をモニターに移して計画を伝える。
「まず敵を完全に鏡面世界に閉じ込める方法だが奴らが全員湖から離れたのを確認し次第、ゼロたち0部隊が湖の水をすべて放流、その後新たに張り直してどこでもガスを流し込み、移動を鏡面世界のみに絞らせる。その後、仮設した各支部で部隊を展開。敵に悟られぬ規模で応戦し、ある程度のダメージを受けたら転送装置で離脱。これを繰り返すことで鉄人兵団の目を欺く。」
彼は、鏡面世界内で密かに回収した各支部への部隊を見せる。その場にいる多くのハンターたちは、これから戦うであろう敵に対して不安を感じずにはいられなかった。撤退を視野に入れているとはいえ、敵は圧倒的な物量で攻め込んでくるのだ。あんなものを相手にすると聞いたら普通は逃げたくなる。しかし、相手の目的が人類又は地球そのものであるためそんなことは許されない。
「敵もある程度時間が経過すれば我々の作戦に感づく。その前にこちらの世界での迎撃準備を万全なものにする必要がある。敵の基地の中では潜入したアクセルたちが動きをマークしてくれているはずだ。今までの戦いとは比べ物にならない規模の戦争になる。もし、ここですぐにでも逃げたいものがいるなら名乗ってくれ。その場合は疎開中の人間たちと共にチャモチャ星への護衛として同行してもらう。だが、これだけは分かってほしい。我々に逃げ場はない。もし、ここで敗北すれば地球は愚か、チャモチャ星にも奴らに支配される。それでも残ると言うのなら最期まで共に戦ってほしい。護衛任務へ着きたい者はいるか?」
その人声に対し返事をする輩はいなかった。護衛任務へ逃げたとしてもそれは一時的なもので地球側が敗北すればどの道鉄人兵団はチャモチャ星にも軍勢を押し寄せる。そのぐらいなら地球で力尽きるまで戦った方がまだマシだとその場にいるハンターたちは内心で自分に言い聞かせる。そして、この場にいる歴戦の勇士であるエックスとゼロたちが何よりも心強く感じた。彼らと共に戦えばあるいは一時的に追い返すことぐらいはできるかもしれないという期待もあった。全員が最後まで戦う意思を持ったと感じ取ったシグナスは、近くで待機していたタチバナ博士の方を向く。
「タチバナ博士、ネオゲッターロボの状況は?」
「エックス君たちのおかげで最高の状態へ持って行きつつある。後は、念のため練習機を予備機として改修する予定だ。」
「分かりました。」
それだけ確認するとシグナスは、もう一度ハンターたちの前に戻り改めて言葉を送る。
「各ハンター諸君、今回の戦いはこれまでのイレギュラー戦争と規模が違う。ここにいる全員が生きて戻ってこられないかもしれない・・・・すまないが、この星のために自分の命を燃やしてくれ。例え、敵に消されようとも。」
彼は、彼らの目の前で敬礼をする。合わせるようにエックスたちも敬礼し、一般ハンターたちも覚悟を決めて敬礼をした。その様子を少し離れたところでワイリーがじっと見る。
「ワシらの時代では、仕事だからと言う理由で逃げようとせんかったが奴らの顔を見る限り本心では逃げたい気持ちを押さえておる輩がチラホラいるようじゃな。顔を見ればすぐにわかる。これもお前がエックスに複雑な思考プログラムを組み込んだおかげかも知れんな。のう、ライト?」
ワイリーは、手に持っている電子端末に声をかける。そこにはライト博士の顔が映っていた。
『それだけ彼らが人間に近い存在へとなりつつあると言うことだ。考え、悩み、自分自身の答えを見つけて動く。それが人間と機械の共存に近づく方法だとわしは思っていた。実際、エックスに影響されてここにいるレプリロイド全員が悩みながらも考えて行動するようになった。』
「これで人間側の意識も改革できれば良かったんじゃがな。お前は、発想自体はいいがそう言うところが欠けているからワシと喧嘩別れすることになったんじゃぞ?」
『お前も過激すぎると思うが・・・』
「やかましい!んで、アイツらの封印解除には後どのくらいかかる?」
その場が解散したことで彼は、周りにぶつからないように気を付けながらライト博士に聞く。
『解除自体は一日もあればできる。じゃが、全員をここに集結させるには数日はかかる。』
「その辺はやむを得んな。クリスタルを全員組み込むのに時間がかかるしな。なら、ワシのロボットたちから先にやらせてもらうぞ。」
『・・・ゼロとアイリスにもか?』
「あの二人はパートナー回路の影響上、一緒に組み込んでおいた方が安定するんじゃ。無論、この作戦が終了したら取り外す。どちらにも消えてもらいたいわけでもないからな。お前もエックスに組み込むならその分は先に渡しておく・・・・あのマーメイド娘はどうする?」
『・・・・』
彼の問いに対してライト博士は黙る。その様子を見てワイリーは、鼻息を鳴らす。
「フン、相変わらずじゃな。まあ、その辺は勝手にするといい。だがな、本人が望むならやってやれ。安全装置も忘れずにな。・・・・さもなければ、お前は息子から一生恨まれることになる。」
『・・・分かっている。』
二人は、互いに皮肉をぶつけながら研究棟へと戻って行った。
???
極東のある島国に存在する誰にも知られていない研究施設。
そこではハンターベースの映像が盗聴されていた。
(・・・・ゴクリ。)
暗闇の中で映像が映されている中、無数の目の光が互いに確認をし合っている。
「これ、本当に今流されている映像なのか?」
「あぁ、博士がイレギュラーハンター本部の監視カメラをハッキングして映しているそうだ。」
彼らは、戸惑った様子で映像を眺めていた。但し、気にしているのはイレギュラーハンターたちではなく、後ろにちょこっと映されているDr.ワイリーの方だった。
「間違いねえ・・・あれはDr.ワイリーだ!」
「あのクソ老いぼれ・・・老衰してくたばったかと思ったら生きていやがったか!!」
その謎のロボットたちはまるで憎んでいるかのようにワイリーの姿を見る。
「アイツ、俺たちがどれだけ苦労して生き延びたかも知らずに堂々と表に出てきやがって・・・・」
「もう、我慢できん!!今すぐ、向こうに行って奴の頭をトマホークで叩き割ってやる!!」
ロボットの一体が肩から如何にも丈夫そうな斧を展開する。
「いや待て、俺に行かせろ!俺のドリルで脳天を抉り取ってやる。」
「いやいや、俺の怪力で骨を一本ずつバラバラに・・・・」
ドーン!!
「「「!?」」」
互いに言い合いを始めて荒れ始めようとした時、部屋に銃声が鳴り響く。驚いて全員が振り向くと部屋に壁に寄りかかっているボロマントを羽織った黒いロボットの三人組のうちの一人が手持ちの拳銃を天井に向けて発砲していた。
「リョ、リョウ・・・・」
「騒ぐんじゃねえ。」
リョウと呼ばれたロボットは、彼らを避けモニターの前に行く。
「・・・・あのクソジジイが俺たちにどんな仕打ちをしたのか忘れちゃいねえ。あのロボット狩りで各基地がハンター共に潰されて逃げ惑っていた頃、俺ですらいつか奴が助けに来てくれると信じていた。」
「「「・・・・・」」」
「だが、奴は結局助けに来なかった。兄弟は次々と抵抗虚しく破壊され、生き残った俺たちはこの辺境の島国へと命からがら生き延びた。だが、その後も・・・・」
リョウは、右手を強く握りしめる。すると関節の隙間からオイルと同時にやや緑がかった液体がしたたり落ちてくる。
「逃げるのが精一杯だったことから破損した部位を直すためのスペアパーツは愚か、補充するためのエネルギーすら確保できなかったことで更に多くの仲間が朽ち果てた。そして、今の俺たちの身体は・・・・生まれた時から残っているところなんてほとんどねえ。」
彼は、胸部から短剣を取り出して怒り任せにワイリーの映像に向かって投げる。短剣はワイリーの額を的確に貫き、同時にモニターは火花を散らして壊れてしまった。
「奴にとって俺たち量産型なんてその程度の存在よ。もし、奴が俺たちの目の前に現れた時は・・・・この手で!」
リョウは、マントを靡かせると待機していた二人と共にその場を後にする。残されたロボットたちは動かなくなったモニターを眺めながら彼の怒りが自分たち以上だと理解すると同時に余計なことを言ってしまったと後悔した。
「まずいな・・・・リョウの奴、本当に怒っちまった。」
「アイツ、自分から前線で抵抗して破壊された仲間からいくつもパーツを受け取っていたからな。無理もねえ。」
彼らは、気まずそうにしていると白衣を着た小さい人影がやってきた。
「こりゃ、お前たち。いつまで休憩しておる!そろそろ今日の合体テストを始めるぞい!!」
「「「あっ!?」」」
「ヤベッ、もうこんな時間か!!」
ロボットたちは老人に言われると一斉に部屋から退散して行く。老人は、短剣の刺さったモニターを見る。
「全く、リョウの奴またやりおったわい。さ~て~今日は、何を的にしたのかのう~ヌフッフッフッフ。」
彼は、壊れたモニターを外部端末に繋げ直して壊れる寸前の映像を映す。丁度ワイリーの顔が見えたところでだった。
「お~お~、何を的にしたかと思えばアルバートの若造・・・・生きておったのか!?ワシの兵器の一部をパクって世界征服なんて言った割に長いこと姿を見せんかったからそこら辺で野垂れ死んだと思っておったわい!!ウヒャヒャッ!そりゃ、アイツの機嫌が悪くなるわけじゃ!ギャハハハハハハ~!!」
老人は、嬉しそうに笑う。まるで知っているかのように。しばらく笑い続けると満足したのか彼は新しいモニターへと交換し、廊下へと出る。
「随分とご機嫌がいいようですね、博士。」
後ろからの声に老人が振り向くとそこには20代後半から30代前半と思われる男が来ていた。
「おぉ、実は懐かしい奴の顔を見てのう~。」
「アルバート・W・ワイリー・・・かつて、この研究所に所属していた男ですか。」
名前も言っていないのに言い当てられて彼は、目を丸くする。
「わかるか?」
「何しろあの事故で生き残ったのは乗っていた俺と竜馬、外に出ていた彼と橘博士だけでしたからね。野心的なのは察していましたが治療のために眠っている間に世界征服を行うとは・・・・やっていることがかつての百鬼帝国、ランドウと変わらない。」
「まあ、お前さんは北極での大怪我でそれどころの騒ぎじゃなかったからな。まあ、こうやって奴の面を拝むとは考えもしなかったわい。」
二人は、しばらく黙って廊下を歩く。廊下を抜けるとそこには鬼のような二本角を持つ赤いロボットが佇んでいた。
「・・・・彼がここに来ると思いますか?」
「さあのう。じゃが、アイツもワシら同様コイツとの因縁がある。切っても切り離せない繋がりによってな・・・」
彼らは、そう言いながらロボットを眺める。その姿は長年放置されていたこともあってボディの至る所に苔や蔦に覆われ、一見するともう動かないように見えた。更に手足に痛々しく残っている修理跡が時代を感じさせる。
(100年と言う年月は皮肉にもコイツの身体を蝕み、その力を衰えさせた。やはり、次の器が必要だ。コイツの炉心に耐えうる新たな器が。)
男は、そう思いながら老人と共に廊下の方へと戻って行く。
鏡面世界 人工湖
夜、鏡面世界の森は生物がいないこともあって静寂に支配されていた。湖の湖面は、風がないことで月がくっきりと映り、もうすぐ恐るべきロボットの大群が現れるとは思えない様子だ。
そこから数メートル離れた森の中には、0部隊のハンターたちが敵が現れるのを待ちわびている。
「敵の様子はどうだ?」
そこへ入りこみ鏡でゼロとアイリスが現場に合流する。二人が現れるとホーネックたちは一旦観察を中断して敬礼する。
「今のところ、現れる様子はありませんが信号は依然と発進され続けています。」
彼の報告を聞くとゼロは部下から双眼鏡を受け取り、湖の方を確認する。水面は、夜の静けさもあって揺れる様子すらない。
「・・・」
「全然、出てきませんね。アクセルたちの情報が間違っていたんでしょうか?」
一般ハンターは、疑問に感じて聞くがゼロは目を細めて顔を横に振る。
「いや、確実にもう近くに来ている。」
「わかるんですか?」
「長年ハンターを務めていれば直感でな。」
「それは、隊長だからですよ。」
ホーネックが軽く突っ込むと同時に水面が急速に光り出す。すると湖面が大きく揺れ始め、中からネロ率いる鉄人兵団第一陣が次々飛び出してきた。その数が尋常じゃなく、森から少し離れた場所にある開けた野原はあっと言う間に兵士たちに埋め尽くされて行く。
(うひゃ・・・・)
(あれでまだ出て来るのかよ。)
途方もない兵力に対し、一般ハンターたちは小声で絶句している中、鉄人兵団は並びながら指示を待つ。ある程度全員が到着したのを確認するとネロは、兵士たちの方を向いて次の命令を出す。
「聞け、メカトピアの戦士たちよ!我々は基地での補給が済み次第、当初の計画に準じて主要都市への攻撃を開始する。目標は『労働力とするための人間たちの確保』・『この星のロボットたちの戦力無力化』だ。まず、補給を終えたものから順にこのゲートで再度現実の世界に向かい、世界の各都市を一つずつ墜としていく。人間やチキュウのロボットたちも抵抗してくるはずだ。無力化した後に捕らえろ。」
彼が全員の顔を見ながら一般兵の一人が手を上げて問いかける。
「ネロ隊長、何故一気に攻めるのではなくチマチマ墜とすのですか?一斉に攻め込んだ方が手っ取り早いのでは?」
「チキュウにロボットがいなければ、今までのようにその形を取っていた。だが、今回の我々の目的は『敵対勢力の殲滅』ではない。新たな労働力を減らしたら元も子もないだろう。それにこちらがさらに増援が来る事実を知れば・・・・・敵はいつまでも抵抗してくると思うか?」
「「「あぁ、なるほど。」」」
全員思っていたのか、納得したように頷く。その様子をネロはやや呆れた表情で見ながらもグランドマンたちが作った基地の方目掛けて飛んで行く。
空を飛んで行く鉄人兵団の光景はまさに「圧巻」の一言でゼロたちは、気づかれないように息を殺し、全員がいなくなるのをひたすら待つ。
「・・・・よし、どうやら全員行ってくれたようだな。」
センサーで反応を確認すると彼らは一斉に茂みの中から姿を現す。
「全員、改良型雲とりバケツで湖の水を全て回収。その後、液体化した「どこでもガス」を調合した水に張り替え。周囲の装置もプログラムを俺たちの方に切り替えるんだ。アイリス、お前はレーダーで敵が戻ってこないかどうかを確認してくれ。」
「了解!」
「全員、時間がないぞ。作業を急げ!!」
「「「はい!」」」
ゼロの指示で0部隊は、早くも工作を開始した。
メカトピア軍前線基地
「兄貴~!!ネロ隊長たちが来たプクよぉ~~~!?」
バブルマンの叫びでグランドマンは、基地中に警報を出して知らせる。すると作業用ロボットたちは、慌てて外に飛び出し、迎え入れの準備をする。
「全員、気をつけ!間もなく攻略部隊が来るぞ!!」
彼が言うと上空の方から無数の機影が見えてくる。
「あぁ、軍のお偉いさんたちが降りてくるぜ。」
「やれやれ、威張り散らしたりしなければいいけど。」
作業ロボットたちが各々愚痴を言っている間にも鉄人兵団第一陣は基地へと降りてきた。
「ネロ隊長殿、本星からの長旅お疲れさまでした!!」
グランドマンは、敬礼をしながら一番前に立つネロに向かって挨拶をする。そんな彼にネロは、敬礼を返す。
「基地の建設、ご苦労だったなグランドマン。」
「嫌々、滅相もございやせん。」
「他の者もやってくれた。ここからの作戦は俺たちが主導になる。お前たちは、サポートに回りながらも施設に不備が起こらぬように管理してくれ。」
「「「は、はい!!」」」
ネロに言われて作業ロボットたちは、緊張しながら返事をする。
「早速、最初に補給が終わったものから攻撃部隊として攻撃を開始する。各部隊を案内してくれ。」
「分かりました。」
「グランドマン、バブルマン。お前たちには俺個人から話がある。」
「プギッ!?」
「お、おう・・・」
各部隊を兵舎に行かせる中、ネロはグランドマンとバブルマンをその場に残す。全員が基地の中に入ったことを確認すると彼は、表情を緩めて話を始める。
「・・・・リルルの様子はどうだ?」
「体に関しては問題ねえ。・・・・ただな、チキュウのロボットに襲われたのが響いたのか少し落ち込み気味だ。それで今は部屋に休ませている。」
グランドマンは、もし訳なさそうな顔で答える。その言葉を聞いてネロは、目を閉じてため息をつく。
「す、すみません。ボ、僕たちが頼りにならなかったばかりに・・・・・申し訳ありませんプク。」
「いや、敵地に来た以上そうなることは想定内だ。お前たちが責めることじゃない。」
「プク・・・」
「リルルに関しては、後日ナンバーマンに診てもらった後メカトピアへ帰還させる。その時はお前たちも一緒にいてやってくれ。知り合いが近くにいた方がホッとするからな。」
「けどよぉ、ネロ。俺たちはジュドをまだ回収していないんだぜ?アイツは今頃何をされているのやら・・・」
「その件は、総統も理解しておられる。後は俺たちに任せろ。多少の危険は冒すかもしれんが必ず助け出す。」
「・・・・ネロ。」
「俺も少し休む。準備が整い次第、外の世界へ攻撃を開始する。場所に指定頼むぞ。」
ネロは、二人に言うと自分も基地の中へと向かう。
(リルル・・・すまんな。お前をこんな敵地に送るようなことをして。俺がビアンコの様子を見ておけば・・・)
メカトピア星 Dr.ビアンコ研究所
「なに?チキュウへ向かうだと?」
暗い部屋の中でビアンコは、少し驚いた様子で言う。
「どうしても確かめたいことがあるんでね。」
「だが、既に我々の計画は開始可能な段階まで進んでいる。それに第二陣に加えてもらうことを既に総統に承諾してもらっている。態々、辺境の星に急いで行く必要はあるまい。」
「それはそうだけど、僕たちにとってどうしても気になることがあるんだ。」
顔の青い小柄の大男は一枚の写真を見せる。メカトピア側の観測で捉えた地球の映像で一つの山が載っていた。
「ただの山ではないか。」
「その山が問題なんだよ。我々の知っている限り、この山には本来あの男の研究所があった。どんな形であれね。」
「ところがこの世界の地球にはその研究所が跡形もなく無くなっている。まるでもみ消されているようにね!」
「・・・なるほど。」
二人が何を考えているのかを理解したのか、ビアンコは不敵に笑みを浮かべる。
「では、ワシはコイツの最終調整を済ませた上で行くとしよう。だが、正規ルートでワープできない分時間がかかってしまうぞ?」
「なに、ちょっとした宇宙遊覧だと思えば問題のないことだよ。君もそう思うよね、××××××くん?」
「う、うん。そもそも僕たちは、この宇宙の全体を知っているわけじゃないからねっ!だったら、把握も兼ねて地球へ行こうよ、○○○○○くん!」
小柄の大男は、顔をにやけながらグラサンをかけた大男に返事をする。
「フフッ、では格納庫にある小型ワープ艇で行くがいい。ステルスモードも搭載しているから問題なく行けるだろう。」
「感謝するよ、ビアンコ君。では、先に地球に行かせてもらうよ。」
グラサン男はお礼を言い、相方と共に地下室を後にする。ビアンコは、完成して間もないロボットを分離し、三機の戦闘機へと変形させる。
「この機体の開発を始めてから我々の計画は一気に進行した。あの星に抑止力が存在しているのか、それとも我らの進化を受け入れたのか・・・・」
彼は、一番右に待機している赤い戦闘機の中へ乗り込む。
「自ら生み出した我が子を葬らんとする哀れな神よ、貴様の望んだ天国とやらはもうすぐ誕生する。この世界の新たな夜明けと共にな・・・・」
彼は中のコックピットに自分の頭脳コンピュータを接続させて調整を続ける。
「だがな、それには審判を下さなければならん。貴様のプロトとこのワシらが生み出した・・・・このゲッタードラゴンによってな。」
もう、ヤバい人ばっかり・・・・(;^_^A