ドラえもん のび太の転生ロックマンX   作:赤バンブル

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今回、エックスたちの出番なし。


決別

ハンターベース

 

ネロがリルルたちの前に現れる少し前、ハンターベースでは突如と異変が起きていた。

 

「第6格納庫から火が出たぞ!消火急げ!!」

 

「ライドアーマー庫内にて爆発を確認!班は速やかに現場に向かい被害を最小限に抑えよ!!」

 

ベースの各所で引火や爆発が起こり、ハンターたちは消火活動に追われていた。

 

「お前ら、急げ!ここが燃えちまったらネオゲッターの予備パーツがみんなダメになっちまうぞ!!」

 

「「「はい!」」」

 

「消火は俺に任せてくれ、親方!」

 

ダグラス達整備班も、倉庫内で起こった火事の消火にかかる。幸い、面子には水を扱うのに長けているウェーブマンがいた。

 

「ウォーターウェーブ!!」

 

彼は水栓からポンプを繋げるや倉庫内全域に行き渡るように水を流し込む。倉庫内の火はあっという間に消された。

 

「一丁上がり!」

 

「よし、ウェーブマンは他の所を手伝え!俺たちはパーツが燃えていないかどうか確認するぞ。」

 

ダグラスは、倉庫内に保管されてあった各パーツの安否を確認する。

 

「ゲットマシンのスペアパーツは燃えずに済んだようだな。そっちはどうだ?」

 

「コンテナは焦げていますが中の部品は無事です。万が一に備えてコンテナに入れたまま保管して正解でしたね。」

 

「全くだ。」

 

資材が無事なことを確認した後、全員その場に集まった。

 

「しかし、何でいきなりこんなことが起こったんですかね?」

 

「さあな。だが、基地のあちこちで急に爆発が起こるなんざ早々起こるようなことじゃねえ。」

 

考えてみれば自分たちが倉庫から離れたのは休息時間の時しかない。しかもハンターベース外は警備を固めているため、外部から侵入してくるとも考えられないため、犯人は内部にいるとしか思えない。

 

「・・・・まさか、ジュドの奴が俺らの目を盗んで爆弾を仕掛けたんじゃ?」

 

「おいおい!?それは冗談きつくないか!?」

 

整備士の一部がこの場に来ていないジュドに疑いの目を向け始めた。

 

「けどよ・・・ジュドは元々敵だったんだろう?気が変わって向こうに戻った可能性も有り得るんじゃないか?」

 

「そ、それは・・・」

 

「過去にもレプリフォース大戦でドラグーン隊長がハンター本部から脱走してレプリフォースに付いた例もあるし、見た目と経歴で周りを信用させて当時の17部隊の隊員たちを惨殺したダブルの件もある。ジュドも例外じゃない。」

 

「「「・・・・・」」」

 

「馬鹿野郎!!」

 

ジュドに対して疑心暗鬼になろうとしていた矢先、ダグラスは全員を怒鳴りつける。

 

「しゅ、主任!?」

 

「お前らの目は節穴か?確かにアイツは敵側の存在だった。だがな、そんな奴が態々裏切り覚悟で俺たちの手伝いなんかすると思うか?」

 

「た、確かに・・・・」

 

「でも、ダブルみたいにスパイと言う可能性も。」

 

「あんな不器用な奴がスパイなんかできるかよ!?俺もアイツとは付き合いが短いがな、短いなりにアイツのことは少しわかったつもりだ。強がりだが一人の女の子のために頑張ろうとする馬鹿正直だと言うことをな。」

 

ダグラスは、半信半疑になっている部下たちに言い聞かせる。確かにジュドは元を辿れば敵だ。しかし、スパイとして表に感情をあまり出さないように心掛けているリルルと違って基地建設の作業員のため、嘘をつくのが下手なのだ。だから、悩んでいたことを正直に話してしまうし、顔にもすぐに出る。たった数日の付き合いとは言え、これほど性格を見抜いてしまうのは整備士故に人付き合いが多い彼だからこそできる業である。

 

「そう言われてみれば、アイツここで主任といることが多いからそんな爆弾なんかしかけるような瞬間ないよな。」

 

「それにそんな精巧な爆弾仕掛けられる器用な奴じゃなさそうだし。」

 

「芝居をするにしてもあんな不器用じゃダブルみたいなことはできるわけねえ。」

 

「だろ?アイツを疑う暇があったら他の所をチェックし始めろ!敵が何の目的で仕掛けてきたか分からねえなからな。」

 

「「「はい!」」」

 

疑いが晴れると作業員たちは全員次の部署へと向かう。ダグラスはもう一度倉庫内を確認した後、パスワードを変更して倉庫の扉をロックした。

 

「また、潜入なんかされたら一大事だからな。」

 

そう言うと彼は部下たちを追って走る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、騒ぎで無人になっていた屋上から二人の人影が下を見下ろして何かを見ていた。一人は全身を黒いローブで隠した正体不明の輩でもう一人はコートを着た長髪の男だった。

 

ローブの方は、下で戦っているジュドとネロの姿を見ながら呆れた様子だった。

 

「アンタの用事に付き合って来たら、こんなもんを見せられることになるとはな。これじゃあ、子供と大人の喧嘩だ。黒い奴は戦いの仕方がまるでできちゃいねえ」

 

「フフッ、お前も人のことが言えるのか?リョウ。研究所に来たとき、負傷していた仲間の中でお前が一番の重傷だったんだぞ。」

 

「ちっ、俺の過去を掘り起こすなよ。嫌でも思い出すのに。」

 

リョウは、不機嫌そうに返事をしている一方、ジュドはネロの攻撃を何とか避けてバスターを構える。

 

「チャージショット!!」

 

彼は、ワイリーに説明してもらったチャージショットを撃つがネロは避けることなく空いている左手で弾き飛ばされてしまった。

 

「えぇ・・・」

 

「この程度の実力で我が鉄人兵団を裏切ろうとは、甘さにも程があるぞ?」

 

ネロは、瞬間移動をするようにジュドの目の前に急接近して大剣を振り下ろす。

 

「グッ!?」

 

咄嗟に白羽取りで受け止めるが想像を絶する衝撃が遅れて全身に伝い、周囲のアスファルトが吹き飛ぶ。

 

「グ、グウ・・・」

 

「今の一撃をまともに受けるとは正気の沙汰ではないな。」

 

剣を挙げると、ジュドは力なくその場に倒れこむ。

 

「ジュド!?」

 

「致命傷には至っていない。リルル、お前も考え直せ。遅かれ早かれ、この星は鉄人兵団によって支配される。今ならさっき言ったことを全て聞かなかったことにしてやる。」

 

「そんなこと・・・・させない・・・」

 

ジュドは、自分に駆け寄ったリルルを下がらせて再度バスターを展開する。

 

「ここでメカトピアの考え方を変えなければ僕たちは本当に心を失くした存在になってしまう。」

 

「なら、どうする?今更戦闘をやめて引き上げようとでもいうのか?そんなことをすればこの作戦に参加した兵士は勿論、本星の民衆が一斉に今の政府に不信感を持つ。それがやがてクーデターを起こす要因となってメカトピアは再び暗黒の時代に戻ることになるんだぞ。」

 

「だから、みんな変わらなくちゃいけないんだ!この星の人間とロボットにある『思いやり』を、『優しさ』を!!」

 

彼は、ダッシュでネロの背後に回りながらバスターを連続で放つ。

 

「フン!!」

 

ネロが勢いよく大剣を振り回すと、バスターの光弾は全て斬られてその場で爆散する。

 

「これがネロの実力・・・・」

 

「今更気づいたか?」

 

「!?」

 

一瞬で背後に回られ、ジュドは腹部に強烈な蹴りを喰らわせられる。

 

「ブッ!?」

 

口からエネルギーが噴き出ると同時に体が吹き飛ばされ、壁に激突する。

 

「ガハッ!!」

 

身体の装甲に亀裂が入り、彼はそのまま倒れこんでしまう。上から見ているリョウは、その様子に対して男に問う。

 

「あのままじゃ死ぬぞ?助けた方がいいんじゃねえのか?」

 

「リョウ、お前はアイツを昔の自分の姿と重ねているようだがそんな甘いことを俺が許すと思っているのか?」

 

「そ、そんなつもりはねえよ。」

 

「なら、あの小僧の戦いを見守っていろ。戦いに素人もプロも関係ない、この程度で死ぬようなら今死なせてやった方が親切だ。」

 

男が言っている間もネロは、倒れているジュドに対して容赦なく攻撃を加える。

 

「グヴォ!!」

 

「作業用のお前が各戦地で実戦を積んだ俺に勝てると思っていたのか?戦争はそんなに甘いもんじゃない!!」

 

頭を掴み上げると彼は、ジュドの身体を投げ飛ばして空中蹴りをして再度壁にめり込ませる。

 

「もう一度言う。ジュド、リルルと共にメカトピアに戻れ。」

 

「い・・・嫌だ。」

 

「・・・」

 

「ガッ!!」

 

立ち上がろうとするジュドの背中をネロは、冷徹な眼差しで踏みつける。

 

「ウゥ・・・・」

 

「目を覚ませ。この作戦が成功すればお前のような作業用ロボットたちもあの劣悪な環境から解放される。今まで禁じられていた娯楽も自由にできるようになるんだぞ?」

 

「・・・・確かに奴隷狩りが成功すれば、僕たちは自由になれるかもしれない・・・・でも、それは本当の自由とは言えない。更に苦しむものを生み出すだけだ。」

 

「なら、どうする?また、元の生活に戻るのか?差別され、自由も許されないあの日々に?」

 

「・・・どうして・・・・変わろうとしないんだ?」

 

「何?」

 

彼は、足をどけてジュドの首を掴み上げる。ジュドは拘束を解こうとしながらも言葉を続ける。

 

「リルルから聞いたよ。アンタは、あの戦争以降ずっと自分を偽り続けているって。」

 

「・・・俺は自分を偽ってなどいない。」

 

無意識に首を絞める力が強まる。

 

「グウウ!!」

 

「兄さん、もうやめて!」

 

リルルは、これ以上見ていられないと止めにかかるがネロは開いている手の方で軽くあしらう。

 

「キャッ!」

 

「ぼ、僕は・・・・セラがどんな人だったのかは知らない・・・・でも、リルルがくれた心のパーツのおかげでかけがえのない人だって言うのは分かるよ・・・」

 

「そんなことはない、アイツは何時もリルルを驚かせて泣かせてばかりの迷惑な存在だ。毎回、俺が怒鳴りに行った際も飄々としながら喧嘩を売ってビアンコたちに止められるまでやるほどにな。そんな奴を・・・・」

 

「十分、親しいじゃないか。それだけ彼女がアンタに庇ってほしかったっんだよ・・・」

 

「・・・・」

 

「ネロ・・・・こんな戦争、もうやめよう。・・・・こんなことをしていたらリルルだけじゃない。セラが・・・彼女が悲しむだけだよ。」

 

ジュドは、意識が途切れ途切れになる中最期までネロに説得をしようと試みた。絞める手は力は弱っていないものの震えているのが分かった。

 

「・・・これが最後だ。メカトピアに戻れ。さもないと・・・・・さもないとお前もリルルも体をバラしてでも連れて行く!!」

 

その言葉にリルルは、自分の中で何かが切れたのか思わず涙を流した。

 

「兄さん・・・兄さんの馬鹿!!」

 

彼女の叫びでネロは、一瞬手の力が緩む。同時にジュドは、バスターの出力を最大にして彼の目の前に銃口を向ける。

 

「ジュド!?貴様!!」

 

「僕は・・・僕は身体がバラバラになろうともアンタを止める!!」

 

次の瞬間、ハンターベースの一角で凄まじい光と共に爆発音が鳴った。

 

「なんだ!?」

 

「今度は向こうが爆発したのか!?」

 

「消火C班!お前らはあっちの方へ向かえ!こっちの消火は俺たちが進める。」

 

「了解!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

消火班が向かい始めた頃、爆発の衝撃が治まったことで伏せていたリルルは、顔を上げて周囲を見渡す。辺りは爆発のせいで所々で火が燃えており、その間には下半身が吹き飛んだジュドの姿があった。

 

「ジュド!!」

 

彼女は、倒れている彼の元へ駆けつけて抱き起こす。彼女に揺すられるとジュドは、ゆっくりと目を開いた。

 

「・・・・ネロは?」

 

「わからない。でも、あの爆発じゃ・・・・!!」

 

後ろを見るやリルルは、愕然とする。そこにはコートの端が燃えながらもネロがほとんどダメージを負った様子もなく立っていた。その顔には爆発のせいか額からエネルギーが血のように流れており、最期まで自分の忠告を聞かない自分たちに対して泣いているようにも見えた。

 

「まさか・・・俺の前で自爆をするとはな。作業タイプとは思えない覚悟だ。少し驚いたぞ。」

 

彼は、一回顔を手で拭うと二人の前に近づいてくる。リルルは、重傷のジュドを守ろうと身構える。

 

「リルル、もういいだろう。一緒に帰ろう。そして、ジュドと共に本星に帰るんだ。総統からも許可を取っている。」

 

「私は帰らない!このまま何もしないで帰ったらきっと後悔する。だから!!」

 

「そこまで拒絶するか。」

 

ネロは一回目を閉じ、彼女の目の前で剣を振り上げる。

 

「・・・なら、しばらく眠ってもらうまでだ。」

 

彼は、一気に剣を振り下ろす。リルルは思わず目を閉じた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

が、上から何かが飛んできて剣を弾き飛ばした。

 

「何ッ!?」

 

ネロは、思わず上を見ると黒いローブに身を包んだロボットが二人の間に割り込む形で着地した。彼は、どこからともなくピストルを構えて発砲する。

 

「クッ!」

 

ネロは、素早く避けると後方に飛ばされた剣を手に取る。それを見るや黒いローブのロボットは、自分の両肩を叩いて、顔ぐらいはあるであろうトマホークを展開して斬りかかる。

 

「何者だ、貴様!!」

 

「さあな、お前らに名乗る名前はねえ。」

 

リョウは、そう答えると距離を取って短剣を二本投擲する。一本は弾き返されるが残りの一本がネロの足に刺さる。

 

「グッ!?貴様・・・・」

 

 

『おい、こっちだ!』

 

『静かになっているけどまだ火はあるのか?』

 

離れたところから声が聞こえてくる。消火班がこちらに近づいてきているようだ。

 

「クッ、昼間のうちに仕掛けておいた細工がこうも早く片付くとは!」

 

目の前にいる得体の知れないロボットがいる以上、リルルとジュドを回収するのは不可能だ。歯を噛み締めながら彼は、妹の方を見る。

 

「リルル!お前がどうしてもこの星の味方になると言うのなら俺はもうお前を妹だとは思わん!!だが、後悔するなよ。第二陣が到着次第、鉄人兵団はチキュウに向けて総攻撃をかける!!」

 

そう言うとネロは閃光弾を地面に投げ、目を暗ませている内に撤退する。彼が逃げたのを確認するとリョウは、落ちた短剣を拾ってしまう。

 

「思っていた以上にやる奴だな。並大抵の奴なら動きを封じられたって言うのに。」

 

「あのう・・・あなたは?」

 

突然現れた彼に対して、リルルは不安に感じながらも聞こうとすると後ろから足音が聞こえた。

 

「いや、お見事お見事。素人にしては上出来だ。格上の相手に手傷を負わせたのだからな。」

 

振り向くとそこには、男が立っていた。彼は、しゃがみこむと弱っているジュドの顔を見る。

 

「うぅ・・・」

 

「ふむ、まだくたばってはいないようだな。いくら人間より頑丈にできたレプリロイドでもあれだけの無理をすれば死んでもおかしくはない。息がある分、運のいい奴だ。」

 

「なんなんですか、貴方たちは!?突然現れて。」

 

勝手に話を進めていく男に対して、リルルは思わず苛立つ。だが、そんな彼女に対しても男は自分の態度を崩さなかった。

 

「心配するな、直に助けが来る。それにコイツはそんじょそこらで死ぬ面じゃない。見たところアルバートの奴が作ったようだからな。」

 

「貴方たちは一体・・・・」

 

「リョウ、引き上げるぞ。目的は達せなかったが面白いものが見れた。」

 

男は、鼻で笑うとリョウと共にその場を後にしようとする。

 

「いいのか?」

 

「なに、今の行動でアルバートが俺たちの存在に感づくのも時間の問題だ。その内、奴の方から来るだろうよ。」

 

そう言うと彼は、肩に捕まる。リョウはローブの隙間からマントを展開したかと思いきや一気に上空へと飛び立ち、そのまま飛び去って行ってしまった。消火班には、ダグラスたちも混ざっており、ジュドの姿を見るや慌てて駆けつける。

 

「ジュド!?大丈夫か、お前!?」

 

彼らは、急いで彼をメディカルルームへと運んで行く。リルルは、一緒に連れて行かれる前にふと空を見上げた。

 

 

 

「なんだったんだろう?あの二人・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

現時刻 日本

 

同じ頃、波音しか聞こえない海岸沿いで二人の大男が何かを話していた。

 

「見つかったかい、スティンガー君。あれは。」

 

「うんうん、全然ダメだよコーウェン君。研究所は愚か、あそこはただの野山になっていたよ。」

 

グラサンにゴリラ顔の大男コーウェンと顔が青く、彼よりもやや小柄の男スティンガーは、地球に到着するなりある物を探していた。しかし、目的のものは見つからず、気づけば第二陣到着まで僅か数日になってしまっていた。

 

「まさか、ここまであれが人類に愛想尽かすとはね。彼らも愚かになったものだよ。」

 

「全くだね、自分たちよりも優れた存在ができればそれに頼りきりになる。自分たちが進化することも忘れ、退化していくなんて人類って本当に愚かだね!」

 

二人は、海岸をしばらく歩くとなんと海の中へと入っていく。通常の人間ならその内息が持たなくなり、浮こうとするが彼らは気にすることなく、海底を進んでいく。

 

「っで、代わりに別のものを見つけたって言うのは本当なのかい?」

 

「うん、奴らの痕跡は見つけることはできなかったけど一応存在していたのは確かだよ。だって、これが見つかったんだもの。コーウェン君もびっくりすると思うよ?」

 

既に月の光は届かなくなり、辺り一帯が真っ暗闇の海底。

 

二人の目の前には奇妙なものが鎮座していた。それは腐敗して骨だけになった爬虫類の骨格と機械が合わさったようなもので扉を強引にこじ開けるとそこには仮死状態の個体が数体も積み込まれていた。

 

「恐竜と機械の融合体・・・『メカザウルス』と言ったところかな?確かにこの世界にも彼らは存在していたようだ。ご丁寧に対策が施されてある。」

 

「きっと戦闘で沈んで回収できなかったんだろうね!コーウェン君、こいつらを玩具にすれば彼らが出てくるんじゃないかな?」

 

スティンガーは、顔をニヤつかせながら言う。その言葉に対してコーウェンも根拠がないにもかかわらず無意識に期待していた。

 

「確かに今の時代じゃ彼らが生きている可能性は、0に等しい。だが、あれは早々消える存在ではない。おそらくは・・・・」

 

 

二人は、誰もいない深海の中で不敵な笑みを浮かべるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日 鏡面世界 メカトピア軍前線基地

 

ネオゲッターの予想以上の性能を前に撤退したオーロは、基地の指令室に戻るや頭を抱えて席に付いていた。

 

「ハア・・・・とんでもない奴が出て来ちゃったわね。」

 

「気を落とすことはない、オーロ。君の判断でガラダとグロマゼンが無事戻って来ただけでもロッソより上等なものだよ。もし、彼が指揮していたら全滅も有り得たのだからね。」

 

「なんだとヴェルデ!この野郎!!」

 

落ち込んでいる彼女に言葉を送るヴェルデに対し、ロッソは拳を握り締めながら怒鳴り散らす。

 

「彼女は事前に危険と判断した場合は、撤退すると作戦前に言っていた。実際、そのおかげでガラダとグロマゼンの破壊だけは免れた。命令無視をしてスクラップにしてきた君とは訳が違うのだよ。」

 

「グヌヌヌヌ・・・・」

 

「いいえ、結局ジェノサイダーを犠牲にしてもまともなダメージを与えられなかったんだから馬鹿と同じよ。もし、地上兵と狙撃兵もつれていたらそれ以上の犠牲になっていたわよ。」

 

「おい、オーロ。お前のそのツンツンヘアーへし折ってやろうか?」

 

「止さないか。まあ、どうあれ。この計画も慎重に行かなければならなくなった。人間一人も手に入らない中、第二陣を迎えるなど・・・・」

 

 

「その心配はない。」

 

今後の方針を話そうとした瞬間、ネロが会議室に入って来た。四人は彼の突然の帰還に驚くがその体の傷を見てショックを受けた。

 

「その傷はどうしたんだ!?君らしくもない。」

 

「一体何があったんだよ!?」

 

「・・・少し様子見に出て敵の罠に嵌っただけだ。大したことじゃない。」

 

「大したことないってアンタ・・・・」

 

四人が怪我のことを心配する中、ネロは席に座って話を戻す。

 

「今、出撃している全部隊を基地に戻せ。第二陣の到着を待つ。」

 

「どういうことだ?我々はまだ肝心の人間を・・・」

 

「俺たちは一杯喰わされたようだ。」

 

「ん?」

 

「なんだよ、勿体ぶらないで話せよ。」

 

「この世界に人間がいないのは当たり前だ。何せ・・・表そっくりの鏡の世界なのだからな。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・あれが『鉄人兵団』の前線基地か。今はまだ手薄だな。」

 

基地から離れた山の上ではブラックゼロたちがスパイカメラを使って様子を窺っていた。彼らもまたある程度の戦力を引き連れて隠れていたのだ。

 

「まさか、鏡面世界で時間潰しをするとはな。ハンター共も怪しまれないようによく動いたものだ。」

 

「だが、向こうもカラクリに気づいたようだ。このままだと表の世界へ進行するのに基地から撤収するやもしれんぞ?」

 

ヴァジュリーラは、映像を見ながら言う。確かにここにいても目的が達成できないのであれば留まる必要はなくなる。

 

「いや、奴らの会話を聞く限り第二陣の戦力は相当なようだ。それだけの規模の軍を砲撃を浴びせるような場所に置くことはまずない。つまり連中は、この基地から表の世界を攻撃するための前線基地として使用を続けるだろう。」

 

ブラックゼロは、後ろに待機させているカメリーオとヒャクレッガーを呼び出す。

 

「いよいよ、俺たちも動く時だ。基地に潜入して至る所に『精神破壊装置』を仕掛けて来てくれ。」

 

「にに・・・・メンバーに入っていきなり得意な分野で仕事をさせてくれるとはな。報酬はちゃんと弾んでくれよ。」

 

「うまく行けばな。しくじるなよ。」

 

「連中が戻る前に済ませる。遅れるなよ、カメリーオ。」

 

「ににに・・・胡散臭い0部隊のお前さんには言われたくねえな、ヒャクレッガー。」

 

互いに皮肉を言い合うと二人は姿を消す。

 

「さて、俺たちも臨時基地へと引き返すか。あの連中の慌てた顔が目に浮かぶ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鏡面世界 ハンターベース 研究棟

 

「お、お前・・・・一体何をすれば、ワシが貸してやったボディをそんなに壊せるんじゃ!?」

 

研究室のモニターからワイリーは、見事なまでに大破したジュドの姿を見て唖然とする。映像越しではジュドがベッドに寝かされながら申し訳なさそうな顔をしている。

 

『ごめん、ワイリー。アンタにもらった体、こんなにしちゃってさ。』

 

『私も悪かったの。本当にごめんなさい。』

 

彼は、リルルと共に頭を下げながら謝罪する。

 

「まあ、壊したもんを今更文句を言っても仕方あるまい。・・・んで、ライト。折角コピーロボットの身体を貸してやったのになぜ修理もせずワシに連絡して来た?」

 

ワイリーが言うとモニターが切り替わり、ライト博士の姿が現れた。実は、こちらに来る前に彼が動けるようにと生前の姿も模倣できるコピーロボットを渡して言ってくれたのだ。

 

『一応、お前の作ったものだからな。エックスそっくりに作ったとは言え、私が勝手に手を付けたら気を悪くするだろう。』

 

「まあ、言われてみればそうだが・・・・」

 

『それは置いといて。修理をするのはいいんだがこのボディに使われている部品が現在品薄になってしまっていてな。エックスのパーツで代用しようとも考えたんだが微妙に違いがあって難しいことになっているんだ。』

 

「そうか・・・なにしろゼロの製作前に作ったところが多いからな。旧式化してもうない部品があっても仕方ないか。」

 

『応急処置として他のレプリロイドの身体に意識を移すと言うのはどうだ?』

 

「いや、そこの小娘の兄貴が出たということはもう鏡面世界の騙し討ちが聞かなくなったという証拠だ。いつそこに攻め込んできてもおかしくないじゃろう。下手に一般ハンターの身体に入れ替えたら即死しかねん。」

 

『だが、パーツの代用もできない以上パーツの発注から修理には時間がかかる。とてもだが間に合わないぞ。』

 

「うむ・・・・何か都合よく空いてる身体がないもんかのう。」

 

ワイリーが腕を組みながら考える。するとモニターの部屋の入り口で荷物を運んでいるカリンカが通り過ぎようとしているのが目に見えた。何かを閃いたのか彼は、音量を最大にして声を出す。

 

 

「おい、コサックの娘!!」

 

『ヒャッ!?』

 

突然の大声にモニター越しのカリンカは、荷物を落として飛び上がる。そして、犯人が分かると部屋に入って文句を言ってきた。

 

『何よ!突然大声を出して!!』

 

「お前に用ができたんじゃからしょうがないじゃろう。」

 

『しょうがないって・・・・用って何?』

 

「お前の所にライトとコサックの合作である『OVER-1』があったじゃろう。」

 

『それがどうしたの?』

 

「すまんがそこに寝ている馬鹿に貸してやってくれ。」

 

『ハッ!?』

 

彼の突然の要求にカリンカは思わず大声をあげてしまった。




やっぱりあの二人だった。
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