ドラえもん のび太の転生ロックマンX   作:赤バンブル

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これが今年最後の投稿になりそう。


宣戦布告

宇宙 月軌道

 

「各艦隊、予定エリアに到達。」

 

「ゲート展開予定まで30秒を切りました。」

 

「周囲に敵影はなし!各大型兵器の収納完了。」

 

数日後、総統率いる鉄人兵団第二陣がついに地球の月軌道に到達した。レプリフォース大戦以前ならば地球周辺にあるスペースコロニーに待機しているハンターが地上に連絡を行ってすぐに迎撃することが可能だったが現在、コロニーの復旧作業が中断されていることもあってイレギュラーハンター側は、彼らが月軌道に来ていることを把握することができなかった。

 

「どうやら、敵は我々がこの衛星付近で待機していることに気づいていないようだな。」

 

予定の時刻になると艦隊の目の前に巨大な裂け目が現れる。艦橋にいる兵士たちは機器を確認しながら作業を進める。

 

「信号をキャッチしました。我が軍のもので間違いありません。」

 

「よろしい、各艦は我が艦を戦闘に順次ゲートを通り抜けよ!但し、警戒は怠るな。奴ら、我々に気づいていない振りをして見ているのかもしれん。」

 

各艦は、ゆっくりと動きながらゲートを潜り抜けて行く。ゲートの先には鏡面世界の前線基地があり、地上にいる兵士の誘導に従いながら新たに建設されたドッグの方へと着艦する。

 

「全艦隊、無事ゲートを突破。敵に気づかれていなかったようです。」

 

「そうか。」

 

「総統、外ではネロ隊長を始めとする部隊が迎えに来ております。」

 

各艦に搭乗橋がかけられ、総統を始めとするメンバーたちが次々と降りてくる。下では、ネロたち第一陣がお出迎えをしていた。

 

「閣下、長旅お疲れ様です。」

 

彼は、目の前に総統が来るなり敬礼をする。すると彼よりも先に副官が文句を言い始めた。

 

「何がお疲れだ。貴様と言う男がいながらまんまと敵の策に嵌りおって!」

 

「申し訳ございません。」

 

「・・・それにしても出迎えの兵士の数がやけに少ないようだが・・・どういうことだ?」

 

「撤退中の敵の攻撃で同士討ちを開始した為、強制措置として一部を残して全員の機能を一旦停止させました。原因は、今調査中です。」

 

「巨大兵器だけではなく、兵士にまで被害を出したのか!?英雄の名が聞いて呆れるぞ!」

 

「・・・・」

 

「もうよい、お前が気にすることではないネロよ。」

 

そんな副官の言うことを他所に総統は、彼の心境を察して肩に手を置く。

 

「我ら本隊が来たからには、もう奴らの思惑通りにはさせん。お前の責任、この私が引き受けよう。」

 

「閣下・・・・」

 

「各部隊を部署につかせた後に部隊長は全員、大会議室へ集合。『チキュウ総攻撃作戦』の打ち合わせを行う。」

 

彼は、そう言うと他の高官たちを連れて基地の中へ入っていく。

 

 

 

 

 

その様子を作業現場からアクセルがチラ見していた。

 

「情報は知っていたけど、予想以上の大部隊だなぁ・・・。これは後でみんなに知らせないと。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ハンターベース 格納庫

 

一方ハンターベース内では、ネオゲッターの整備がメカニックたちによって行われている横でゲッターロボの近代改修作業が急ピッチに行われていた。

 

「ゲッターマシン1号機、右翼のジャイロが安定していません。」

 

「ゲッターマシン3号機、『剴』への変更に誤差あり。プログラム修正お願いします。」

 

「ゲッターマシン2号機、ドリルの回転率が上がらないぞ!部品が摩耗しているんじゃないか!?」

 

100年以上前の機体と言うこともあって見た目に寄らずやはり劣化している箇所がいくつか確認され、更にコックピット部は全面改修を行わなければならないことにライト博士たちは思わず苦笑していた。

 

「流石にここは改修をしなければなりますまい。」

 

「そうですね。いくら全身がG鉱石でできていたとはいえ、コックピットにまでは使われていませんからね。こればかりは、最新のものに変えなければ・・・・」

 

大掛かりな作業をライトットや他の作業員たちに任せ、二人は、どこまで改修するのかについて話しているとジャイアンたちが弁当を運んできた。

 

「お~い!みんな、昼飯だぜ!!」

 

声を聞くや作業員たちは、一斉に作業を中断させて受け取りに来る。スネ夫と二人がかりで一通り配り終えるとジャイアンは、受け取りに来なかった二人の元へ弁当を届けに行く。

 

「博士たち、食える時にちゃんと食わないと良い考えも浮かばないぜ。」

 

彼は、二人に弁当を手渡す。

 

「あぁ、すまないね。」

 

「それにしても驚いたな、一体だけかと思ったらもう一体あったのかよ。」

 

「いや、このゲッターロボは私の曽祖父が生前作ったものだ。言わばネオゲッターロボの兄弟でかつては祖母を始めとする三人の人間によって動かされていた。」

 

「動かされていた?・・・ってことは、コイツは人間でも動かせるって事か?」

 

「うん?まあ、可能と言えば可能だが。」

 

タチバナ博士の言葉を聞くとジャイアンは、何を持ったのかゲッターマシンをじっと見つめ、二人に対して明らかにわざとらしい笑顔を作りながら向き直る。

 

「ねえ~博士~。これと言ったらなんだけどさ~俺もコイツに乗せてくれよ~。」

 

「「えっ?」」

 

「ジャイアン、何言ってるの?」

 

二人どころかスネ夫もその言葉に思わず口を開ける。

 

「その~俺ものび太たちの戦いを見て一緒に戦えたらなと。」

 

「気持ちは分からなくもないがゲッターロボに乗るには相当な訓練が必要だ。現に祖母はメカニックチーフだったから乗りこなせたのであって並の人間では乗りこなせず、合体失敗で死亡する危険性すらある。とてもだが許可できない。」

 

「そっか~そりゃあ、のび太たちもあんなに訓練しているだもんな~。」

 

残念そうな顔をしながらも彼は、納得しながらスネ夫と共に次の部署へ弁当を配りに戻る。

 

「彼らが仲間のことを思うのも分かるが、時に好奇心が死を招く危険性がある。だから、乗せるわけにはいかんのだ。」

 

ライト博士は、お茶を啜りながらその後姿を見送る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鏡面世界 メカトピア軍前線基地 大会議室

 

薄暗い大会議室では各部隊のリーダーが集まって、これから開始する攻撃手順を確認していた。

 

「以上のことから、同時にゲートを通り抜けて敵に強襲を行う。警戒すべきは例の巨大兵器だが幸いなことに奴は一機しかいない。よって、各方面で部隊を展開すれば現場に駆け付けることは早々できることではない。だから、この世界の奴の拠点が同じポイントであることを考えて・・・」

 

「・・・」

 

会議のミーティング中、ネロは近くの席についているビアンコの様子を窺っていた。以前の彼ならこの場にいることはなく、飽くまで自分の部署で動いていることがほとんどだった。それが今では腕を組みながら黙って会議の経過を見届けているように見え、何か別の目的があるのではないかと考えてしまう。

各部隊長が作戦について述べると最後は総統から一言言ってもらい、作戦が開始される。

 

「各々の作戦については、十分理解した。だが、用心するに越したことはない。何しろこの星の者たちは今だに計り知れないものを秘めている。己を過信して進み過ぎれば大きな過ちを犯すことになる。」

 

 

 

 

『その通り!』

 

『ですな!』

 

「「「!?」」」

 

この場にいない第三者の声に各部隊長は動揺する。

 

すると部屋の中央が光り、床下から大男の二人組が姿を現した。

 

「既にこの星の防衛網は我々の予想を既に二手三手先を考えて構築している。このまま、皆様方の計画通りに行えば痛い目を見るでしょう。あるいは・・・」

 

「ま、待て!?何者だ貴様らは!?」

 

突然のコーウェンとスティンガーの登場に副官は声を荒げる。だが、動揺している一同の中で唯一ビアンコだけは落ち着いていた。

 

「待っていたぞ我が同志よ。作戦会議終了前に来てくれるとは心強い。」

 

「「「なっ!?」」」

 

「何ッ!?」

 

ビアンコは、席を立ち二人の所へ行く。総統を含め、この場にいる全員が呆気にとられるがそんなことに構うことなく、コーウェンは彼と握手をする。

 

「勿論ですとも。何せ、これから始まるメカトピアの新たな1ページを築く貢献人の一人となれるのですからね。そうだろ?スティンガー君?」

 

「う、うん。そうだねコーウェン君。」

 

「ビアンコ、彼らはお前の知り合いなのか?」

 

総統は、動揺を隠しながらビアンコに問う。彼は、誰にも見えない角度で一瞬笑みを浮かべると振り向いて答えた。

 

「彼らは、私がネロたちとは別経由でチキュウに派遣させたメンバーです。こちらの大柄の男がコーウェン。そして、隣にいるのがスティンガー君です。」

 

「お初にお目にかかります、総統閣下。」

 

コーウェンは、総統の前に歩いてきて握手を求める。自分たちの一回りも二回りもあるその巨体に一同は『本当にコイツ何者なんだ?』と内心思っていた。総統は、そんな彼の握手に動じることなく応じる。

 

「お前たちは・・・ビアンコやリルルたちと同じヒューマンモデルか?こんな図体のタイプ、生産された記憶がないが・・・」

 

「飽くまでもビアンコ博士の助手として我々は生み出されましたからな。人を見た目で判断するのはあまり褒められたものではありませんぞ?」

 

「憶えておこう。して、コーウェン。スティンガー。第一陣と別れて行動していたと言っていたが何故、痛い目を見ると言うのだ?」

 

「それはこの星の連中が予想に反して好戦的な輩がいるからですよ。」

 

「皆様方にこれを見ていただきたい。」

 

コーウェンに言われるとスティンガーは、コートの下から端末を取り出して接続し、スクリーンに表世界のマップを映す。

 

「なっ、これは・・・」

 

そこにはレプリロイドたちによる防衛線が築き上げられ、巨大兵器対策としてか緊急措置として一部の大型メカニロイドを旧来の操縦タイプに改修するなど動いている姿があった。

 

「彼ら一人一人の力は確かに弱い。だが、それが結束した時の力は計り知れないものです。」

 

「そこで我々は先にチキュウを調査する傍ら、面白いものを見つけました。今回の作戦にそれを使うのもありかと。」

 

スティンガーが映像を切り替えるとそこにはロボットとも恐竜とも言えない奇妙な生物が現れる。

 

「これは・・・」

 

「爬虫類と機械の融合体、『メカザウルス』とも言うべきでしょうか。」

 

「メカザウルスとな。」

 

「しかし、チキュウのものだとするなら人間たちが何か仕掛けているのではないか?」

 

その驚くべき造形にその場にいる隊長格は、言葉を失うが敵地の兵器と言うこともあって不安を述べる。

 

「心配ご無用。この機体は遥か昔に製造されたもので今の人間たちは存在すら知りません。」

 

「それにシステムの方は我々の方で既に改修済み。大型兵器たちにも劣らぬ戦闘能力を持ち合わせているのでこの同時攻撃に投入するのは最適だと思います。」

 

「・・・」

 

「如何ですかな?総統閣下。この作戦の成果を確実なものとするのなら問題ないかと。」

 

コーウェンは、サングラスを光らせながら総統に詰め寄る。今まで存在も知らず、唐突に現れたこと二人を疑うのは当たり前だが彼らは、ビアンコの知り合いだ。ビアンコは、長年メカトピアのために動いていた功績があるため、裏切り行為をする可能性は低い。少なくともこの場で謀反を起こすことはないだろう。

 

「・・・・いいだろう、その『メカザウルス』とやらの戦線投入を認める。」

 

「閣下!?」

 

得体の知れない二人組に不信感を拭いきれないネロは、大声で席を立つ。

 

「この二人は、ビアンコの助手だ。メカトピアのために動いてくれたことに敬意を称して認める必要がある。」

 

「ですが・・・」

 

「お前には予定通りギングダンに搭乗し、ゴーストファイアー、バルガス、トロスを率いてハンターベースを襲撃せよ。」

 

「クッ・・・ハッ!」

 

「各部隊も大型兵器を率いて出撃!この作戦次第でチキュウ側の動きが変わる。降伏をしない限りは攻撃せよ!!」

 

「「「ハッ!!メカトピアのために!!」」」

 

総統に言うと隊長格は、それぞれの作戦準備のために部屋を後にする。

 

「ビアンコ、お前にはその『メカザウルス』のチェックを任せる。くれぐれも頼むぞ。」

 

「分かっております。」

 

総統も部屋を後にし、その場にはビアンコたち三人のみが残った。

 

「・・・・よかったのかい、ビアンコ君?せっかく上層部のロボットが全員集まると言うまたとないチャンスだったのに。」

 

コーウェンは、彼を見ながら少し不満そうに聞く。

 

「確かにこの場での乗っ取りは成功しなくはないだろう。だが、あの総統は馬鹿ではない。おそらく、君たち二人に警戒心を持っている。故に取り込む前にネロたちの手で逃げられる可能性がある。」

 

「計画には支障はないだろうけど奴らに邪魔されたら面倒だね。あの男、君の言う通り僕たちを怪しんでいたよ。」

 

「まずは、奴らを前線に出させて気を逸らす。ここの乗っ取りはそれからでも遅くはあるまい。」

 

「君の言う通りだ、ビアンコ君。それに我々はまだ奴を見つけていない。あの『メカザウルス』たちを使えば、きっと出てくるはずだ。」

 

三人は、不敵な笑みを浮かべながら技術室へと行く。そこには整備中のメカザウルスと彼らが仕込んだ技術スタッフたちが待機していた。

 

「整備はどうだ?」

 

「生物部分である表皮の腐食が酷かったですが幸い人工皮膚合成の応用でカモフラージュに成功しています。また、制御コアには同胞を忍ばせているため大出力のゲッター線を浴びない限りは破壊された場合、メタルビーストと化して戦闘を続行できます。」

 

「ふむ、これで出て来なければ完全にあれがこの星を見捨てたと安心できるが油断はならんな。」

 

彼は、整備を他に任せてドッグの中に隠されている三機の戦闘機を見る。

 

「ゲットマシンを出して何をしようと言うんだい?」

 

「少し前にネロの奴が『Z』の使用を求めて来てな。現在メカトピアから搬送されてこちらに向かってきているが計画の邪魔になるやもしれん。」

 

「あれは、僕たちにとっても未知数の塊だからね。彼を乗せたらどうなるのやら・・・その前に輸送部隊ごと消してしまおうと言う訳だね。」

 

「・・・連中が出撃し次第、こちらも出るとしよう。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日 ハンターベース 治療室

 

「ジュド、大丈夫?」

 

次の日の朝、リルルは厨房の手伝いを終えた後に寝かされているジュドの元へ来て看病をしていた。ボディの方は今だに修理の目途が立たず、無数の接続ケーブルで繋がれた彼の痛々しい姿がそこにあった。

 

「うん。僕は大丈夫だよ。」

 

彼は、エネルギー補充のために彼女にボトルを開けてもらい、飲み始める。

 

「・・・・ごめんね。」

 

「何が?」

 

「兄さんのこと。私が帰ることを拒否しなかったら貴方にこんな怪我をさせずに済んだのに。」

 

リルルは、申し訳なさそうな顔をしながら自分のやったことが本当に正しかったのかと悩んでいた。確かに自分はメカトピアのやり方が間違っていると考えた。だが、裏切ったことで仲間である彼がこんな重傷を負い、友人であるパレットの身に危険が迫っているのかもしれない。そう思うと取り返しのつかないことをしてしまったのではと不安になる。

 

「・・・僕は気にしていないよ。リルルが自分で決めたことなんだもん。」

 

「けど・・・パレットにもしものことがあったら・・・」

 

「ネロは、人質に手をかけるなんてことしないよ。ただ、これから鉄人兵団がどう動くか・・・・」

 

二人が話していると部屋のドアが開いた。何事かと入口を見ると強面のスカルマンが顔を出したため、思わず声を上げてしまった。

 

「うわっ!?」

 

「きゃっ!?」

 

「おいおい、初対面とは言えいきなり相手の顔を見て悲鳴を上げるなんて並の相手だったらショックで塞ぎ込むぞ。」

 

彼が呆れながら部屋に入ると遅れてカリンカも入室してくる。

 

「驚かしてしまってごめんなさいね。私はカリンカ、こっちはスカルマンよ。貴方がジュドくんね。」

 

「はい。」

 

彼女は、身体の破損具合を見るなり納得したような顔になる。

 

「ワイリーの言う通り、これは確かに修理のしようがないわね。一から作り直した方が早いかも。」

 

「だ、ダメなんですか!?」

 

リルルは、まさかの宣告に動揺するが彼女に代わってスカルマンが事情を説明する。

 

「そう早まるなよ、お嬢ちゃん。確かにコイツの身体は直しようがねえが、ボディを取り換えることならできる。別に見捨てるなんてことはしねえよ。」

 

「ということは・・・」

 

「えぇ、タイムパトロールから『OVER-1』のボディの使用許可が下りたわ。これから交換作業に移るけどその前に貴方のことを見ておきたかったの。」

 

「えっ、僕を?」

 

少し驚いているとカリンカは、真面目な顔でジュドに話を始める。

 

「貴方がどこかの誰かさんみたいな出鱈目に暴れまわるロボットじゃないかどうかをね。違うのは分かったけど、念のために注意だけはしておくわ。これから交換する貴方の身体は、私のお父様の残してくれた『遺産』でもあるの。怪我をするなとか無茶は言わないけど、だからって命を投げ出すような行為はしないでね。そんなこと、私もお父様も望んでいないんだから。約束できる?」

 

彼女の顔を見ながらジュドは、一瞬緊張するもののそれが『味方を裏切った敵のスパイ』としてではなく『この星の仲間』として言われていると理解し、固唾を飲んで答える。

 

「や、約束します。その新しい体、大事にするので使わせてください。」

 

「それが確認できればいいわ。早速、作業にかかりましょう。」

 

カリンカは、スカルマンに頼んでジュドを搬送用のベッドに移して研究棟へと運ぼうとする。

 

その直後、部屋に備え付けられたテレビが勝手に点いた。

 

「あぁ?勝手にテレビが点いたぞ。」

 

彼は、テレビを切ろうとするが何故かスイッチがを押しても反応しない。それはハンターベース中も同じで終いにはシティ・アーベル、果てには全世界にまで及んでいた。

 

「これは一体何の騒ぎだ!!」

 

現場が戸惑う中、シグナスは情報を把握するためにエイリアに聞く。

 

「外部からの通信ジャックよ!それも全世界に。」

 

「映像が映ります。」

 

レイヤーが言うと同時にスクリーンには総統を始めとする鉄人兵団の姿が映される。

 

『チキュウの全人類並びにロボットたちに告ぐ。我らは「鉄人兵団」。遥か彼方の星系から来た神に選ばれた機械生命体である!我等はここに人類の「隷属化」並びに全ロボットの「解放」を要求する!!でなければ、これより数百万を超える我が軍団が全世界に向けて総攻撃をかける!!繰り返す、全ての人類は我等の完全な「隷属」となることを認め、速やかに酷使しているすべてのロボットたちを解放せよ!!これは脅しなどではない!もし、要求を受け入れなければ間もなく数時間後には、この星の至る場所で無残な屍の山が築かれるであろう!!』

 

 

総統によるメカトピアから地球への宣戦布告はすぐさま全世界に拡散され、地下都市に残っている人類、そしてレプリロイドたちに衝撃を走らせた。イレギュラーハンターとレプリフォースにもこの知らせに不穏を隠すことができず、ハンターたちの間に緊張した空気が流れる。

 

「奴さん、等々宣戦布告をしてきやがった。」

 

「コイツは、街の一つ二つが攻撃されるレベルじゃ済まされないぞ。」

 

司令室では、シグナスがしばしの間沈黙し、顔を上げて命令を出す。

 

「各ハンターに通達!!総員戦闘配備!!総員、第一戦闘配備!!出せるライドアーマー・ライドチェイサーは、持場で待機!ネオゲットマシンも発進スタンバイ!非戦闘員は、武装をした上各々の身を守ることを第一にしろ!!敵はいつ来てもおかしくはない。総力を持ってこれに当たれ!!」

 

通信を聞くや訓練室で休息を取っていたエックスたちは、ついに来たかと感じつつも動き始める。

 

「マーティ、ビートブードはシティの南4番地区を中心に部隊を展開してくれ。他の部隊は敵が最も手薄と考えていそうな北2地区を中心に。間違っても地雷地帯には足を踏み入れないように。」

 

「「「了解!!」」」

 

「0部隊は西と東を散開だ。巨大メカニロイドを確認した場合はすぐに信号を出せ。危険だと感じたらが小型転送装置で離脱しろ。ベースが墜ちた場合は、山岳地帯に作られた地下基地に集合。敵に追跡させるな。」

 

「「「はっ!」」」

 

「ドラえもんたちは、ダグラス達の手伝いをある程度したらハンターベースの中で待機してくれ。もし、侵入されても下手な攻撃はせず、タイムマシンで逃げてくれ。」

 

「そ、そんな。のび太君を置いてなんて行けないよ。」

 

納得のいかない命令にドラえもんは、声を出す。だが、それに対してエックスは、言葉を付け加える。

 

「向こうでは玉美とママたちがいるんだ。ここで捕まったら奴らにタイムマシンの技術をそのまま手渡すことになる。だから、その前に逃げてほしいんだ。」

 

「のび太!?」

 

「ここまで来てそれはないでしょ。」

 

「みんなの気持ちは嬉しいよ。けど、俺はこの世界の住人なんだ。この世界のためにも命を張って守らなくちゃいけないんだ。」

 

そう言うと彼は、ドラえもんにリボンを付けたクマのぬいぐるみを手渡す。

 

「あれ?このクマ、どこかで・・・・」

 

ドラえもんは、そのクマのぬいぐるみに身に覚えがあった。今だに野比家の本棚に飾られている継ぎ接ぎだらけのクマのぬいぐるみにそっくりだった。

 

「玉美の誕生日プレゼントに渡すつもりだったんだ。もし、俺に万が一のことがあったら代わりに渡しておいてくれ。」

 

「のび太さん・・・」

 

「もう二度と会えないわけじゃないんだ。そんな悲しそうな目で見ないでくれ。」

 

エックスは、一瞬笑顔を四人に見せてその場から去って行った。ドラえもんは、ぬいぐるみをポケットにしまうと複雑な顔をしながらもジャイアンたちに激励する。

 

「みんな!気持ちは分かるけど、僕たちには僕たちの仕事が残っているんだ!のび太君たちの無事を信じて今はそれに取り組もう!!」

 

「ドラえもん・・・そうだな、まだ負けると決まったわけじゃねえんだ!やるときはとことんやってやるぜ!!」

 

「まあ、のび太もゼロさんたちもみんな強いからね。それにこっちにはワイリーとライト博士がいるんだ。なんとかなるかもしれないね。」

 

「私もエイリアさんたちの所に行ってお手伝いしてくるわ。」

 

4人は、互いの無事を祈って動く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

独房

 

独房では、余程暇を持て余しているのかVAVAが支給された一人用オセロで遊んでいた。

 

「・・・騒がしいな。いつまで続くんだ、この警報?」

 

コンピュータ相手に石をひっくり返しながら独り言を言っているとゼロがドアを開けて入って来た。

 

「VAVA、出撃だ。」

 

「あ?頭の固い上層部の連中が許可を出したのか?」

 

手錠を外されながら彼が聞くとゼロは、小型の爆弾が付いた首輪を手渡す。

 

「敵の宣戦布告で話し合いどころじゃないようでな。応急で爆弾付きの首輪をつけることを条件に許可が降りた。」

 

「こんなちんけな仕掛けの首輪で俺が大人しくしていると思うか?」

 

冷やかすようにVAVAは、ゼロに言うが彼は鼻で笑い返した。

 

「逃げないことぐらい俺でもわかるさ。この戦いに負ければお前も俺たちも終わる。」

 

「フン、あまり面白くねえな。」

 

彼は、そのまま首輪を付けると渋々独房を出る。

 

「格納庫までは・・・」

 

「ついて来いって言うんだろ?お前に言われずとも行く。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数時間後

 

地球の各地に無数のロボット軍団が飛来すると同時に巨大な大型兵器たちが次々と次元の壁を破るかのように鏡面世界から現れた!!

 

「鉄人兵団が現れたぞ!」

 

「各員、照準合わせろ!目標、鉄人兵団!!」

 

各地に防衛線を張ったハンターたちは、飛行する狙撃兵を銃で撃ち落とし、大型兵器に対してはライドアーマーと有人式に改修した大型メカニロイドを連携して対応に当たり、一進一退の攻防が続く。

 

「ブライトン、アブドラ大破!!」

 

「ダムドム突撃!敵の防衛網を粉砕せよ!!」

 

「イーグル改・ホーク重装備型は空爆開始!!敵の巨大メカニロイドをポイントB3へ誘導しろ!!」

 

両軍によって繰り広げられる戦争は、まさにかつて人類が繰り返してきた歴史を象徴するような光景だった。

 

人間同士が争っていたのがロボットとなり、互いに撃って討たれてと犠牲者が増えて行く。ただ、負傷した者から戦場を離脱して行く地球側に対してメカトピア側は、例え手足が吹き飛ぼうと仲間を助けるようなことはしない。この作戦の成果次第では己の未来が明るくなる。

 

かつてのような差別を受けることなく、上層階級のような生活ができるかもしれないという欲と比べれば同族への気遣いなど些細なことに過ぎないのだ。

だが、この場には人間は一人もおらず、この戦いがひたすら消耗しているだけだという認識に気づくことはない。自分たちの味方である巨大兵器に踏み潰される彼らの残骸は、まさにその冷酷さを証明するのに十分だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、ネオゲッターロボもまた複数の巨大兵器を相手に奮闘していた。

 

「プラズマサンダー!!」

 

ネオゲッター1の両手から放たれたエネルギーの塊は雷の如く迫りくる巨大兵器の身体を貫いて破壊して行く。しかし、敵は余程警戒しているのか破壊されても次の機体が現れては迫ってくる。

 

「クッ、なんて数なんだ!?」

 

街を破壊しながらベースに迫ってくる彼らを見ながらエックスは、顔を歪める。既にプラズマサンダーは先程放ったので三回目で既にエネルギー切れになろうとしていた。

 

「ちっ、そろそろエネルギー補給に行かねえとまずくなって来やがったぞ。」

 

VAVAは、残りのエネルギー残量を確認しながら言う。しかし、ハンターベースに戻れば市街地の防衛ラインは一気に劣勢になる上、補給完了まで維持ができるかどうか不安になる。

 

「エックス、このままじゃどの道力尽きる。他のハンターたちには悪いが一旦ハンターベースに引き返そう。」

 

「マーティたちに頑張ってもらうしかないか。」

 

ゼロの言葉にエックスは、仕方なしと引き返そうとする。

 

だが、その直後に鎖付きの鉄球がネオゲッターの身体に巻き付いて動きを封じられてしまう。

 

「なっ!?」

 

放たれた方を見るとそこには両腕がチェーン付きの鉄球を装備したゴーストファイアーが頭部の炎を燃やしながら構えていた。

 

「しまった!?これじゃあ、オープンゲットできない!」

 

その様子を市街地の外からネロの搭乗するキングダンが剣を収めたまま見ている。

 

「よし、ゴーストファイアー、そのまま頭部の炎で奴の身を焼いてやれ。トロス、お前は射程距離に入り次第、串刺しにしろ。バルガス、お前はハンターベースを強襲。リルルに見せつけてやるんだ。我々に対して抵抗が無謀だと言うことをな。」

 

ネロは、命令を出すとそのまま様子を見届ける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???

 

一方、ある研究所では青年が戦闘スーツに着替えていた。

 

「・・・・本当に久しぶりだな。コイツを着るのは。」

 

鏡に映る自分の顔を見ながら彼は、何か寂しげに感じながらもヘルメットを取って部屋を出る。

 

「出るのか、隼人?」

 

「流石に出るしかありませんよ。まさか、メカザウルスまで出されたとなると猶更。」

 

彼らが歩く先には射出口にカタパルトが接続された三機の戦闘機を見る。

 

「まさか、コイツを出すことになるとはのう。」

 

「炉心をG同様の増幅装置を搭載したタイプに交換してありますからあのロボットたちにも十分対応できますよ。尤もパイロットは私のみですが。」

 

彼は、中央にある白い戦闘機に手を触れながら過去に未来を残すために散った大食いの戦友と共に歩むことを拒んで別の道へと行った戦友のことを思い浮かべる。

 

「・・・・今は俺一人か。」

 

コックピットに乗るやヘルメットを被り、隼人は百数十年ぶりにジャガー号のレバーを握る。

 

『イーグル号、ベアー号の自動操縦はいつでもいいぞ。』

 

「リョウたちには他のエリアの援護を行うよう言ってやってください。」

 

『おう、久しぶりに派手に行ってこい!死に水ならワシが汲んでやるからな。ニッヒッヒッヒッヒッ。』

 

老人との通信を終えると彼は、他の二機の操縦を切り替えて自身の機体も発進させる。

 

「頼むぞ、ゲッター。あのロボット共にこの地球を・・・・人類を潰させるわけにはいかん。ゲットマシン・・・・発進!!」

 

誰にも知られない場所で密かに旧世紀のロボットが動こうとしていた。

 




本格的に動き出しちゃったよ、あの二人。
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