鉄人兵団と地球との最初の戦いは、イレギュラーハンター・レプリフォースの連合軍による予想以上の抵抗により痛み分けの形で終焉を迎えた。
それまでの戦争と比べて明らかに異常な損害を出した鉄人兵団は、各戦線の指揮官の指示で全軍が鏡面世界へ撤退。本当に戦いがあったのかと疑うぐらい戦場は、静まり返っていた。
対するイレギュラーハンター・レプリフォース連合組は、何とか撃退に成功したものの各戦線の被害は相当で復旧にかなりの時間を費やすことが予想された。特に今回の戦闘で多くの大型兵器を破壊したネオゲッターロボのダメージは深刻で修理にどのくらいの時間がかかることになるのか開発者であるタチバナ博士も無言になるほどだった。更にパイロットである三人もかなりの痛手を負っており、エックスに関しては戦闘終了から一日が経とうとしているのに意識が戻らないときた。
ハンターベース
前日の大交戦のこともあってハンターベースでは負傷したハンターたちが病室に収まりきらず、至る所でぐったりとしていた。
「なあ。エックス隊長、まだ目を覚まさないのか?」
「ゲイトの診察では高圧電流による一時的な昏睡状態らしい。そこまでひどいわけじゃないから少なくとも今日か明日には目を覚ますってよ。」
応急処置を受けた彼らは、いつ来るか分からない第二の攻撃に備えて手の足りない部署の手伝いをする。いつもなら彼の傍にいるマーティも今回ばかりは現場で指揮を取っていた。
格納庫では、『OVER-1』のボディに入れ替わったジュドが真っ二つにされた自分の巨大ボディを見て愕然としていた。
「ぼ、僕の身体が・・・・」
「すみません。やっつけたと思っていた矢先にやられちゃいました。」
「「ごめんなさい。」」
勝手に使った上に壊してしまったことでドラえもんたちは、目の前で土下座をしながら謝罪する。悪気があって壊したのならここで文句を言うところだが誠意を込めて謝っているので彼は、怒ろうにも怒れなかった。
「ま、まあ、謝っているからそこまで怒らないけど・・・・これ、直せるの?綺麗に真っ二つにされちゃっているけど。」
ジュドは、心配そうにボディを見上げる。そこへネオゲッターの修理を行っているダグラスが一行の様子に気づいたのかやって来た。
「心配ねえよ、確かに泣き別れになっちまっているが内部の炉心を含める重要機関は無事に残っている。内部フレームも丁度接続部位しか斬られていないから外装と合わせてくっつけなおせば元通りだ。」
「ダグラス。」
「尤も、次の攻撃までの間にこっちに手が回るかどうかが問題なんだけどな。ネオゲッターが一番ひどい状態だ。コイツは骨が折れるなぁ。」
ダグラスは、顔を歪ませながらクレーンで吊られているネオゲッターを見る。サキに裂かれた爪痕が顔に痛々しく、あちこち傷だらけでどれだけ凄まじい戦闘をしていたのかが感じさせられる。
「ここまでダメージを受けるなんて・・・・」
「お前さんの身体と比べたらひどいもんだろう?原形を留めて戻って来ただけでもすげえことだがこのままだと使いもんにならねえ。こりゃあ、予備機からパーツを回さねえと。お前も次に備えて動けるようにリハビリしておけ。」
彼は、それだけ言うとゴーグルをかけて作業へ戻る。ジュドは、ドラえもんたちの謝罪を受け入れて彼らを作業に向かわせると、自分も体の調整のために研究棟へ戻ろうとする。
「おい、そこのお前!」
「え?」
格納庫を出るや彼は、見覚えのないロボットの集団に絡まれる。最初に声をかけてきたのはややオレンジがかった顔に頭上にハサミを付けた者だった。
「僕?」
「おう。会って早々悪いんだけどよ、ロボットの整備している倉庫ってここで間違いないか?」
「う、うん。そうだよ。」
「そっかそっか、ロールに言われて来たのはいいんだけどよ。倉庫って言ってもこんなにあるとは思わなかったから迷っちまったよ。ハッハハハ!」
「カットマン、笑い事じゃないと思うんだけど・・・・」
笑って誤魔化すカットマンに対してアイスマンは、目を細めながら言う。彼らの視線にジュドは困っていると黙っていたエレキマンが先に声をかけてきた。
「お前・・・もしかしてライト博士とコサック博士が共同で開発していた『OVER-1』じゃないか?」
「まあ、身体はね。」
「おっ、エックスに次いで俺たちの末の弟ってことになるじゃねえか?いや、向こうはロールが面会謝絶と言われるし、ライト博士はロックと大事な話があるから会ってくれねえし、こうやって新しい兄弟に会うのは新鮮だな!!」
カットマンは、そう言うと握手を求めてくる。ジュドには一体何の話なのかさっぱりだった。
「あの・・・君たちは?」
「俺たち?俺たちはライトロボだ!簡単に言えばお前の兄ちゃん、姉ちゃんみたいなもんだよ!!」
「に、兄ちゃん姉ちゃん!?」
「まあ、そんなわけで今ロックがこの場にいないから俺が一番上の兄ちゃんだ!仲良くしようぜ!!」
(カットマンの奴、すごく調子に乗ってねえか?)
(いくら事実とは言えその言い方は混乱を与えるぞ。)
彼の様子にボンバーマンとファイヤーマンが内心呆れる。
ハンターベース 研究棟
「お久しぶりです、ライト博士。」
「よく来てくれたな、ロック。本来ならこんな事態にお前たちを起こしたくはなかったが・・・・どうしても力を貸してほしくてな。すまん。」
一方、来訪してきたライトナンバーズの中で唯一ライト博士の所へ向かったロックは、軽い挨拶を交えつつ通路を歩いていた。
「僕はそんなこと気にしていませんよ。みんなも博士に会いたいと思ってここまで来たんですし。」
「そうか。」
「それで僕だけ博士の所へ来ることになりましたけど一体どうしたんですか?エックス君も治療中のようだし。」
「うむ・・・エックスの方は遅くても明日には意識が戻るから心配はいらん。だが、わしがお前を呼んだのは他に訳があるからじゃ。」
「訳?」
しばらく、歩き続けると二人はワイリーのいる部屋に入る。
「おう、ライト来たか。それと久しぶりじゃな、ロックマン。最後に会ったのはいつぶりかのう?」
「ワイリー・・・」
久々の彼の挑発にロックは、思わず身構えるがライト博士に制されて解く。
「心配はいらん。今回ばかりはワイリーもこちら側の協力者だ。」
「そういう事じゃ。生憎今は逮捕しようにもできんぞ。」
「・・・」
「まあ、今はそんな話をしている場合ではない。すまんがこれからお前にはワシとシグマと共にある場所に飛んでもらう。」
「ある場所?そこに何しに行こうと言うんだ?」
身支度を始めるワイリーに彼は、警戒しながらも聞く。
「・・・・ある意味ワシにとっての因縁の地じゃよ。ライトとの腐れ縁と同等かそれ以上のな。それ故にこの目で確かねばならん。」
「因縁?それは一体・・・・」
「おっと、ROCKMANよ。悪いと思うがそれ以上先のことは移動中に聞いてほしいものだな。何しろ、鉄人兵団がまたいつ攻撃してくるか分からんのでね。」
疑心暗鬼になっても仕方のないこととは言え、突然の同行に疑問を隠し切れないロックをシグマが遮る。それほど重大なことなのだと察した彼は、最後に一言聞く。
「じゃあ、一つ確認させてください。それは今回の戦いに大きく関わるんですか?」
「関わる・・・いや、もう向こうから関わってしまっておる。もし、そうだとするならばこの手で葬らねばならん!!」
ワイリーは、それだけ言うと必要な機材を揃えて外に出ようとする。
「ライト、負担が増えると思うがここはお前に任せる。万が一、ボディが壊れた場合はジャイロマンたちに言え。奴らに予備のコピーロボットの格納場所を教えてある。」
「ワイリー、本当に行くのか?」
「無論、行くしかあるまい。奴がワシの想像に反して進化しているなら猶更野放しにするわけにはいかん。不服だが、お前に渡した端末にゼロの修理マニュアルを入れてある。アイツが大破するようなことになったら頼んだぞ。」
三人は、部屋を出てベースの外に待機させてある輸送機へと向かう。こうしている間もロックは、過去の経験もあって彼が良からぬことを企んでいるのではと考えていた。
「・・・」
「ロックマン、疑うのは構わんがお前もあそこに行けばワシが何故あそこまでして世界征服をしようとしたのか理解できると思うぞ。尤も納得できないかもしれんがな。」
「僕は、貴方がおかしなことをしなければ協力しますよ。けど、ライト博士を裏切るような行動は許さない。γの時のようなことになったら・・・」
「いつでも撃っていいぞ。今のワシはお前らと同じロボットみたいなもんじゃからな。・・・うん?」
輸送機の前にまで来るとワイリーは、足を止める。輸送機の前ではゼロとアイリスが待ち構えていた。
「ゼロ、体の具合はいいのか?」
「生みの親のアンタなら俺があれぐらいで動けなくならないことぐらい分かるだろう?」
「まあな。」
その場で互いに張り合うが重苦しい空気がその場を支配する。
「・・・ジジイ、どこへ行くんだ?こんな事態に。」
「確かめたいことがある。そのためにある場所へ向かう。」
「行き先は?アンタの居城のほとんどは100年の間にほとんどが使い物にならなくなっているぞ?」
「研究所ではない。ワシの作ったワイリーシティなどあそこに比べれば遊園地みたいなもんじゃ。」
「質問に答えろ。」
「日本、浅間山だ。」
「・・・シグマやROCKMANを連れてまで行かなければならないほどの場所なのか?」
「向こうには既にシャドーマンを向かわせている。」
かなりの戦力を連れて行くと分かり、ゼロはしばらく黙り込む。そして、アイリスと目を合わせて相づちされると決心したように道を開ける。
「そこまでのことなら止めはしない。」
「ほう、今回に限っては認めてくれるか。」
「但し、念のために俺たちも同行する。」
「はい?」
まさかの発言に彼は口を大きく開ける。ゼロの代わってアイリスが訳を話す。
「博士たちは飽くまで監視対象と言う事もあるのでタイムパトロールの目が行き届かない場所に行く場合は監視役が行くように義務付けられているんです。」
「待て待て待て待て!!お前たち二人は別に隊員じゃないじゃろうが!!」
「あっ、俺がいるぞ。」
輸送機の中からスカルマンがひょっこりと顔を出す。彼が生きていることを知らなかったロックマンは、幽霊でも見たかのように尻もちをついて驚愕する。
「スカルマン!?」
「よっ、ロックマン久しぶりだな。悪いが、そこのじーさんを信用できないって家のお嬢様が睨んでいるんでな。一緒に行かせてもらうぜ。」
「何ッ!?」
ワイリーは、その場に荷物を置き去りにして輸送機の操縦席へ行く。そこにはカリンカが座っていた。
「どうしたの?早く乗りなさい。」
「なんでお前まで一緒に来るんじゃ!?これはワシ自身の問題じゃぞ!!」
その発言に対して、カリンカはため息をつく。そして、頭を押さえた後、本音を吐き出す。
「あのねぇ・・・貴方、どれだけ人に信用されていないと思うの?『小惑星α』の件ではライト博士を騙して、私を人質にお父様を脅して、世界ロボット連盟を騙して・・・・これだけ問題起こせば信じろと言われても信じられないわよ!!」
「グウ!?」
「はっきり言わせてもらうと貴方のおかげで多くの人やロボットたちが不幸な目に遭っているのよ!私たちはお父様とダイブマンたち家族を奪われた!!そんな輩を野放しにするわけにはいかないのよ!!」
「ぬう~~半人前の小娘の分際で~。」
「いや、私も人のことは言えませぬがこれはドクターも人のこと言えませんぞ。」
シグマにも突っ込まれてワイリーは、ぐうの音も言えなくなる。ロックは、彼の置き去りにした荷物をゼロたちと共に運び入れ、操縦席の方へ行く。
「荷物全部積み込みました。カリンカちゃん、いつでも発進していいよ。」
「了解。さあ、貴方は早く隣に座りなさい。私は、行き先知らないんだから。」
カリンカに促されて彼は渋々助手席に座る。
「スカルマン、最後の点検お願い。」
「おう、予備の燃料並びに物資はちゃんと積んである。シグナスからも離陸の許可が降りた。問題ない。」
「じゃあ、発進するわ。ちゃんとナビゲートしてね。」
輸送機は、一同を乗せてゆっくりと離陸してハンターベースを後にする。
ワイリーの言う『因縁の地』を目指して。
鏡面世界 メカトピア軍前線基地
一方、予想外の手傷を負わされた鉄人兵団は、鏡面世界の基地で各戦線の報告を聞いていた。
「以上、大型兵器並びに増援として送られたメカザウルスは全滅。一般兵の中でも負傷者がかなり出ています。」
各部隊長が報告を終えると会議室は少しの間沈黙する。
「・・・よもや、敵の抵抗がこれ程のものとはな。今回ばかりは私も自分の計画が浅はかであったと悔いている。これ程の被害を出してしまうことになるとは。」
「何を仰られますか、閣下。敵も我等の攻撃を受けて相当の打撃を受けているはず。ならば、現在動ける戦力を選別し、第二波を。」
「いや、追い込まれた奴らがどのような反抗作戦を仕掛けてくるか予想ができん。ここは『Z』と共に来る援軍の到着を待ち、改めて仕掛けるのが良策。」
「しかし、到着までに後三日はかかるぞ。その間に戦線を立て直されたら戦争の長期化の恐れが・・・・」
「今すぐ攻撃部隊を再編して再度攻撃すべきだ!!」
「それで損害が余計に出たらどうする!?援軍を待つべきだ!!」
「攻撃だ!!」
「待機だ!!」
攻撃派と待機派に別れて言い争いになる中、会議に出席しているビアンコ、コーウェン、スティンガーの三人は特に会話に参加することなく黙認を通す。一方のネロは何かあったのか顔色が良くなかった。
「やめんか!!」
「「「か、閣下!?」」」
総統の声に会議室が響くと言い争っていた隊長格が静まり返る。彼は、静かになったのを確認すると再度落ち着かせるように話す。
「双方の意見がどれだけ考えているのはよくわかる。だが、事を焦れば、それこそチキュウ側の思う壺だ。それに今回の戦闘では前線の兵士たちの統制が取れていないように見えた。各部隊は兵士たちの統制を取れるよう再確認を行え。統制が取れねば我が鉄人兵団はただの烏合の衆よ。」
「「「は、ハアア・・・」」」
「援軍到着までの数日の猶予を与える。兵士たちに独断行動は慎むよう厳重に注意するのだ。後、兵士同士の潰し合いも禁ずる。もし味方同士で撃ち合うようなことになれば両者に罰を与える。短期間ではあるが叩きこんでおくように。」
「「「承知しました。」」」
「ビアンコよ、大型兵器の改修にはどれだけ時間がかかる?」
「そう遠くはありませぬ。既にガラダにダブラスの予備パーツを組み込んで強化改修が間もなく完了します。」
「残りのメカザウルスも続々とこちらで動かせるように勧めています。次回は必ず鉄人兵団の勝利になるでしょう。君もそう思うよね?スティンガー君。」
「う、うん!そうだね、コーウェン君。」
「では、本日の会議はここまでとする。今日は各々の指揮について問題がなかったかどうかも考えてほしい。以上、解散。」
各隊長がいまいち納得できないような顔をしながら部屋を出て行く中、ネロは一人燃え尽きたような顔をしながらある所へと向かった。
そこではナンバーマンの指示に従いながら兵士の治療を手伝うパレットの姿があった。ナンバーマンは、彼の存在に気づくや治療を終えた兵士たちを部屋から引き揚げさせる。ネロは、部屋に入るとソファーに腰を掛けてぐったりとする。
「会議お疲れ様でマス。先日の戦闘、さぞ大変だったでマスでしょう。」
「そのくらいならどうと言うことはない。慣れているからな。」
彼の様子を見てパレットは、何か聞きたいような仕草を取る。
「仲間のことが心配か?」
「は、はい・・・こんなに扱い良くしてもらっているんですけど。」
「フッ、大丈夫だ。少なくとも君の先輩たちとリルルは無事だ。こちらに攻撃を仕掛けてくるが。」
ネロは、目を手で覆いながらこれから先のことを考える。幸い、自分の部隊の兵士たちは仲間割れしていないことはロッソたちの報告から聞いている。だが、『Z』が到着すれば今度は敵の息の根を止める覚悟で挑むことになり、そうなれば目の前にいる彼女の仲間の命を奪うことに繋がる。
(・・・・何を心配しているんだ、俺は。自分で覚悟を決めて『Z』を再び使う覚悟を決めたんだぞ、なのに・・・)
頭の隅には、今の妹の叫びが聞こえてくる。だが、今更選択肢を変えることはできない。変えたところで失われたものは戻ってこないのだから。
「あのう・・・」
「うん?」
心配そうな顔をするパレットの言葉にネロは、体を起こす。
「なんだ?」
「その・・・ネロさんは本当に自分たちがやろうとしていることが正しいかどうか考えたことってあるんですか?」
「何故、そんなことを聞く?」
「・・・・私から見た感じなんですけど迷っているんじゃないかなって。」
「迷う?」
「私がオペレーターについてから組んだ人に『アクセル』って言うハンターがいるんです。明るくて普段は迷いがないように振舞っているんだけど、心の中では不安を抱えているんです。」
「不安?」
「彼・・・自分が何者だったのか分からないんです。記憶喪失のようなものでどこで生まれたのか何のために作られたのかも分からない。だから、今の自分が『本当の自分』なのか不安になるんです。」
「・・・何者だったか。確かに俺もリルルも一体何のために生まれてきたのか分からなくなった時期がある。ビアンコたちに家族の一員として受け入れられて、自分の居場所を見つけることができた。もう、戻れないが。」
ネロは、彼女の顔を見ながら軽く微笑む。別人とは分かっていながらも姿が妹だからと言うこともあるのかもしれない。
「俺は、今回の作戦が正しいのかどうか自分で考えたことはない。だが、この作戦で新たな労働力が手に入ればこれまで重労働に苦しめられてきた下層階級にも上層部と同じぐらいの自由が認められるようになる。」
「けれど、それは他の人から奪ったものじゃないですか。」
「なら、どうしようと言うんだ?」
「うん・・・・上手に言えないけど、学んで行けばいいと思います!」
パレットの意外な言葉に彼は、キョトンとする。
「学ぶ?」
「私たちの世界も貴方たちのように不満を持って反乱を起こすイレギュラーたちがいたんです。確かに他から見れば同族同士の争いだし、潰し合いにしか見えない。でも、生き残った者同士で分かり合うこともできたんです。今は、荒廃してしまったけどいつかは人間とレプリロイドが共存し合える世界が築けるんじゃないかって。」
「・・・」
「す、すみません!私、別に説教のつもりで言ったわけじゃ・・・」
パレットは、機嫌を損ねたと謝罪するがネロは、手で制しながら答える。
「別に気にしていない。リルルがどうして君と友達になれたのか・・・少しだけ分かったのかもしれない。」
「えっ?」
「ナンバーマン、引き続き彼女を頼む。後、捕虜たちの監視は継続してくれ。この間の同士討ちを起こした原因がまだ特定できていないからな。」
「任せるでマス!」
彼は、部屋を出て外に行くと丁度星が輝く綺麗な空が広がっていた。
「・・・・学ぶか。俺も随分過去から学んだつもりだったんだがな。どこで踏み外したのか・・・いつから自分の意思で決めなくなったのか・・・・分からないな。」
基地から少し離れた岩場に付くとネロは、コートの中からボロボロの電子ハーモニカを取り出す。
「こんな夜空だったな、お前がコイツを吹いていたのは。セラ、俺は・・・・俺たちはどうして行けばいいんだ?」
彼は、独り言を言うと寂しそうにハーモニカを吹き始める。その音色は周囲にこだまするだけで誰にも聞かれることなく、ただ流れて行った。
???
「ううう・・・うう!」
一方、病室で眠っていたエックスの意識は再び悪夢の中を進んでいた。
それは遥か宇宙で繰り広げられる果てしない戦いの光景だった。
『敵母星から「トリッガー」の艦隊との接触を確認しました。「ドグラ」によって被害が広がっています。』
『トリッガーに通達。星域から緊急離脱し、ドグラの対処に当たれ!ゲッタービームで星ごと消し飛ばす!!』
旗艦と思われる巨大戦艦から自分の声が聞こえ、顔と思われる部位の装甲が展開し、エネルギーを収束させる。そして、一気に数光年は離れているであろう惑星に向かってビームを放つ。すると惑星の周囲を囲んでいた艦隊は、瞬く間に全滅。その追撃をするかのように周りの艦隊とロボットたちが残党を狩っていく。
『おのれ、エンペラー!飽くまであのお方に歯向かおうと言うのか!!』
敵は、母星からさらに数万とも言える軍勢を率いて立ちはだかる。彼らは、味方のロボットや艦隊を目には見えぬ超能力ともいうべきもので破壊していき、向かってくる。
それを感じたのか巨大戦艦が三隻並んで変形を始める。その衝撃で星が砕け散り、敵はその態勢を見るや焦り出す。
『いかん!奴を合体させてはならん!!さすれば、この宙域が無と化す!!』
彼らはこれぞとばかりに猛反撃を行うが戦艦は物音もせず、合体を始める。更に態勢を立て直した艦隊の攻撃で次第に劣勢となっていく。
『ゲッター指数、急上昇!!このままでは我々が耐え切れん!』
『クッ、何故だ!それだけの力を身に付けながら貴様は何故下等な存在であるそちら側に付こうとするのだ!』
敵の本拠地が完全に小惑星地帯と化していく一方、戦艦は巨大なロボットへと姿を変わり、同時に自分の声で叫んだ。
『チェーンジッ!ゲッターエンペラー1!!』
ゲッターエンペラーがその姿を現すと同時にビッグバン級の衝撃が走り、味方を除く周囲の敵は一瞬にして消滅していく。
『オォオ・・・だが、貴様もこれまでだ!もうすぐ・・・あのお方が・・・・』
彼らは断末魔に言葉を残して消えていく。そして、エンペラーの目の前に巨大な亀裂が現れる。
『「ファントム」艦隊から通達。宇宙の亀裂から「奴」が現れます!』
『各艦隊、後退せよ!』
裂け目が広がると同時に凄まじい衝撃が宇宙を揺るがす。
最早、何が起こっているのかエックスにはさっぱりわからなかった。そこから何かが現れようとする。
『「奴」が姿を見せます!』
『各艦はシールドを張れ。ここからは・・・・』
ゲッターエンペラーが巨大な斧を構えてビームを放つと同時にエックスの意識は、再び暗闇の中へと消えて行った。
『「進化」の戦いだ!!』
等々出ちまった\(^o^)/