XDiVEは、もはや公式の生み出した同人ゲームにしか見えなくなってきたな(;'∀')
ハンターベース 食堂
翌朝。
鉄人兵団の攻撃がまたいつ起こるのかと不安に感じる中、夜勤を終えて交替したハンターたちは、朝食を取りに食堂へ来ていた。
「やっと、ひと段落だな。」
「あぁ。けど連中またいつ総攻撃してくるか分からないぞ?シグナス総監も今後の対策に頭を抱えているらしい。」
「ゼロ隊長がアイリスさんと一緒に別任務に行っちゃったせいでこっちはホーネック副隊長がうるさくてしょうがないぜ。」
一時の平穏な時間と言うこともあって各々は、上司の愚痴やこれから先の不安などをぶちまけながら食事をしている中、病室から出たエックスも盆に今日の献立を載せてもらってどこかに座っているであろうマーティを探す。案の定、彼女はエイリアたちと一緒に席に付いていた。
「お話し中かい?」
傍に来て声をかけるとエイリアたちは、マーティの肩を叩きながら元気づけるように何かを言うとお大事にとばかりに彼に手を振ってその場を後にする。
「昨日はよく眠れた?」
エックスは、彼女の隣に座る。マーティは、近くの席に誰も座っていないのを見ると夫の方に近づく。
「少なくとも悪夢ではないと思うわ。・・・あのさ、こんなこと聞いて変だと思われるかもしれないんだけどエックス昨日どんな夢見た?また、エンペラーやらドラゴンやらに遭遇する夢とか。」
「いや、昨日は珍しく全く別の夢だったよ。どこか暗い場所で白衣に下駄を履いた初老の男に会った・・・」
「嘘でしょ!?アタシも同じ夢見たんだけど!」
彼女は、思わず声をあげてしまうが周囲が驚いて視線を自分に向けていたので縮こまるように座り直す。
「それでどうなったの?」
「彼の後を追って暗闇の中を進んで行くと目の前にぽっかり巨大な穴が開いた場所に付いたんだ。」
「うんうん。」
「そして、そこへ吸い込まれるように落ちて行くと何か巨大な塊のような・・・蛾とかが作る繭みたいなものかな?それが脈動を打ちながら唸り声をあげていたんだ。」
「・・・・」
「俺たちがその光景に戸惑って顔を上げると上には追いかけていた男が後ろに手を組んでこう言ったんだ。『ドラゴンの目覚めの時は近い。地球が危ない。』って。」
そこまで話を聞くとマーティは、首をかしげる。どうやら、彼女の見た夢も全く同じ内容だったらしい。そのことを確信するとエックスは、食事をしながらひっそりと話す。
「この間も言ったけどこの件のことについてライト博士に相談しようと思うんだけど・・・君はどうする?」
「かまわないけど・・・流石のおじいさんでもこればかりはどうにもできないじゃない?」
連日の不可解な夢を見たこともあって彼女は、相談したところで解決できないのではないかと思い始めていた。ロボット工学の父と謳われているライト博士とて万能ではない。そもそもエックスが宇宙侵略をするなんて聞いたら正気を疑うかもしれない。周りに言ってもおそらく同じ反応だろう。そう考えると下手に聞かない方がいい。
だが、エックスは先に聞いてもらってある程度すっきりした方がいいと考えていた。
「確かにこんなぶっ飛んだ話を聞けば、博士も正気を疑うよ。けれど、このモヤモヤを抱えたままだと戦闘にも影響しかねない。」
「そ、それもそうよね・・・」
彼の言い分もわからなくもないと彼女は腕を組んで答える。シグナスやエイリアに言うならともかく、ライト博士ならある程度聞いてくれるだろうし、話せば抱え込んでいる時と比べれば多少気が楽になる。
「鉄人兵団がまたいつ攻めてくるかもわからないんだ。それなら、いっその事話して少しでもすっきりした方が集中できるだろう?」
「うん・・・・わかったわ。下手に引きずるよりはマシだものね。」
賛成してやることを決めたのかマーティは、先ほどまで手を付けていなかった食事を食べ始める。それに続くようにエックスも食べる。
ハンターベースは、昨日までの戦闘がまるでなかったかのように平穏な時間が流れていく。
旧日本エリア 浅間山
朝食を終え、身支度を整えたワイリーたちは深い茂みで生い茂っている森の中を歩いていた。
「ねえ、研究所があった場所って本当にこっちで合ってるの?」
カリンカは、コンパスを確認しながら不安そうに聞く。この近くに来てから電子端末の調子がおかしくなり、方位磁石も正常に機能しなくなっていた。目の前でロックマンがファイヤーストームの威力を調整して焼き払うことで道を作ってくれているからいいが、何の目印もなく踏み込めば遭難してもおかしくない。
そんな状況にもかかわらず、ワイリーは特に気にすることなく足を進める。深く考え込んでいるのか彼は、質問に答える様子はない。
「これ、本当に大丈夫なのかしら?」
彼女はコンパスをしまい、後に続いていく。ゼロたちは、何事も無いように着いて行っているが奥地へと踏み込んでいくにつれて複数の何かに付けられてるように感じていた。
「ゼロ・・」
アイリスが声をかけようとすると彼は一旦口を止めさせ、気づかれないような小さな声で答える。
「分かってる。どうやらスカルマンたちも気づいているようだ。」
「どうするの?」
「向こうから手を出さない限りは気づいていないそぶりでやり通そう。仕掛けてきたら・・・最低でも一人は捕まえて正体を吐かせる。」
しばらく茂みを進み、山の麓まで行くと近くの木の陰で先行で来ていたシャドーマンが姿を現した。
「お待ちしていました、ドクター。」
彼は、軽く挨拶するとすぐに二人で聞こえない声で話を始める。
(結果はどうだった?)
(消息を晦ましたジョーたちの反応を探しましたが誰一人発見ならず。後、山の至る所を調べ周ってみましたが入口らしきところは一つしか見つかりませんでした。それも長年の放置で自然と一体化して分かりづらいものでした。)
(ふむ、あのゲッターの動きでまさかだと思っていたが・・・これは間違いないかもしれんな。)
(乗り込むのですか?)
(無論じゃ。アイツが生きていたならアレがそのまま朽ち果てているはずがない。ならば、意地でもこの手で葬らねばなるまい。お前は、トレーラーの方へ行って待機。一日経っても戻ってこなかったらハンターベースにいるナンバーズに招集をかけろ。)
(エックスとDr.ライトには言わなくてよろしいのですか?)
(今は戦争中、下手に戦力を削ぐわけにもいかんじゃろう。これだけはワシらだけで何とかする。)
(御意。)
会話を終えるとシャドーマンは、影の中へと潜り込んで姿を消した。一同は、言われた場所に行くとそこには植物で覆われながらも微かに人工物の扉らしきものがあった。
「ロックマン、スーパーアームでこの扉をこじ開けるんじゃ。」
「えっ?でも、こういうのって歴史的建造物だからとかでやっちゃいけないんじゃないんですか?」
相変わらずのお利口さんであるロックマンに対し、ワイリーは軽くため息をついて答える。
「これはそういう類のものではないから心配するな。もし、ライトから何か言われたらワシが無理やりやらせたとでも言っておけ。」
「はあ・・・」
扉を開けている間に彼は、ゼロたちには特殊コーティングスプレーを全身に吹きかけ、カリンカと自分には防護服を用意する。
「これは?」
「万が一の防護服じゃ。扉を開けた瞬間、体調がおかしくなったとかではシャレにならんからな。コイツは特殊な加工を施してあるから宇宙に放り出されようが放射能まみれになろうが平気じゃ。」
準備を終えると最後に扉を開けてきたロックマンにスプレーを吹き付ける。
「よし、これで準備は整った。ここからは何が起きてもおかしくない。油断するんじゃないぞ。」
先頭にゼロとシグマ、中央にワイリー、カリンカとロックマン。そして、後方はスカルマンとアイリスといった隊列で一行は扉の中へと入っていく。
暗闇の中を彼らは、懐中電灯の明かりを頼りに進んでいく。周りは明らかに人工物だが何故かコンクリートで固められていた。
「ドクター、ここの扉は固められて開けられませんぞ?」
シグマは、目の前のドアノブを回そうとするが中までセメントが詰められているのかびくともしない。
「セイバーとサーベルで壊せ。バスターで破壊したら振動で崩れかねん。」
ワイリーは周囲を見ながら指示を出す。実際、この場所自体かなり老朽化が進んでおり少しでも爆発を起こせば崩れて閉じ込められかねない。
扉を溶断して奥へと進むと薄緑色の光を発する空間へと出る。そこはあらゆるものが結晶化しており、その結晶から光が発していた。
「綺麗・・・これは何なの?」
カリンカは、見たこともない現象に好奇心を押されたのか軽く結晶に触れてみる。しかし、結晶は触れるや否や簡単に砕け散り、光を発して消えてしまった。
「これは・・・」
「昨日話したゲッター線事故の名残じゃ。高濃度のゲッター線によって無機物が化学反応を起こしたことでこのような結晶化が発生する。生物に関しては・・・・取り込まれるかもしれん。」
「ちょっ、こ、怖いこと言わないでよ!?」
彼女は、慌てて手を引っ込める。ワイリーは、持ってきた計測器を見る。
「・・・ゲッター線の濃度が正常値に戻っておる。結晶化の影響で下がったのか?それとも・・・」
彼は、計器を戻して更に奥へと向かう。その中でゼロは、一つ気になっていたことを聞く。
「なあ、ジジイ。アンタ、昨日の話では、その『早乙女研究所』は当時の自衛隊の爆撃で潰したとか言っていなかったか?」
「壊したのはあくまで地上の施設跡だけじゃ。地下の施設に関しては完全な破壊が不可能という判断から全てコンクリートで埋め立てた。高濃度のゲッター線が地上に漏れ出さんようにな。だが、ワシの予測ではこの地帯のゲッター線はまだ正常値に戻っておらんはずなんじゃ。」
「計算違いじゃないのか?」
「いや、それでもまだ安心できぬ数値になるはず。なのにここまで来ても正常値になっているとなると・・・・」
彼の表情が険しくなる。
できれば的中してほしくない。
しかし、ここまでとなると最早アレがいまだに動き続けているのかもしれない。
次第に結晶化した通路が途絶え、目の前にスライド式だったと思われる扉が現れた。長年の風化でセメントがほとんど崩れ落ちており、端末を接続するとどういうわけか起動できた。
「どういうわけだ?ここだけ動くなんて。」
「ここって100年以上前の施設なのよね?普通なら動かないはずなのに。」
セキュリティーを解くと扉がゆっくりと動き始める。
「全員用心しろ!開いたら何が起こるかわからんぞ。」
扉が開くと眩い光が視界を奪い、一同は思わず両手で目を覆い隠す。
「なんだこの光は!?」
「敵か!?」
スカルマンは、前に出て全身の機関銃を展開する。視界は光に慣れていくにつれて徐々に戻っていき、ワイリーたちは目の前に光景を見る。
鏡面世界 元メカトピア軍前線基地
同じころ、基地の掌握に成功したビアンコたちは自分たちの計画を次の段階へ移行しようとしていた。
「メカトピア星の『プロト』の状態はどうなっている?」
格納庫でゲッタードラゴンを始めとする大型兵器が調整されている中、彼は本星の状況を調べている同胞の一人に声をかける。
「はい。既に覚醒し、周囲のものから飲み込み始めています。後、数日もすれば首都を侵食していくでしょう。」
「そうか、ならば尚更ジュドとリルルの回収を急がなければいかんな。」
彼が椅子に座りながら呟いていると一体の調整を終えた大型兵器が勝手に動き始めた。その姿はガラダとダブラスを合体させたようなものだがその眼からは例の無数の黄色い目玉が蠢いている。
「博士、ガラダブラの調整が完了しました。」
「どうするビアンコ君、例のイレギュラーハンターの基地を攻撃させるかい?」
コーウェンは、活発的に動いているガラダブラを見ながら聞く。そこへスティンガーが別の提案をする。
「待ってよ、コーウェン君。このメタルビーストは、強化改修したものだから手負いの彼らを攻撃したところで面白くないよ。」
「ん?じゃあ、どうするというんだいスティンガー君?」
「偵察に行かせた同胞が報告であのマークしていた『ワイリー』って男、どうやら僕たちが探し求めていたものの場所を見つけてくれたようなんだ。」
コーウェンは、端末を操作してモニターに映す。そこには浅間山の中へと入っていくゼロたちの姿が見えた。そして、着いて行こうとすると目の前に何かの顔がちらっと見え、薄緑色の光と同時に映像が途絶えてしまった。
「間違いない。あの光、まさしくゲッター線。」
ビアンコは、一瞬の映像の中で同胞を攻撃した者の正体を見抜いていたようだった。
「『アルバート・W・ワイリー』、彼の経歴を調べていると何故か僅か数年間の空白があった。彼が意図的に抹消したのか探すのに骨が折れたよ。」
「まさか、彼自身ゲッターに目を付けていた男だったとはね。だが、残念な存在でもある。ゲッターと拒んでしまうとはね。」
「フフッ、なら丁度いい。奴らが他に何を隠しているのかを見るために小手調べといこうではないか。我々が行くまでの間のな。ヌフフフッ・・・・ハ~ハッハッハッハッ!!」
「ウ~フッフッフッ」
「ハッハッハッハッ!!」
三人が笑う中、ガラダブラはその複眼を動かしながら口を大きく開くのであった。
ハンターベース 研究棟
「・・・ということなんです。」
その頃、エックスとマーティはライトの元に来て相談をしていた。彼は特に変な目で見ることなく、真摯に二人の話を聞いている。
「うん・・・まさか、お前たちがそんな夢を見るとはな。」
「何かご存じなんですか?」
何かを知っているような言葉にエックスは、質問する。ライトは、話すことに抵抗があるのか少し悩んでいる。
「ねえ、知っているなら教えて頂戴。アタシたちもどうしてこんな夢を見るようになったのか気になるのよ。」
「・・・・正直、私もこのことについては半信半疑だった。・・・だが、お前たちが見た夢が本当だというのなら最早事実として受け入れなければなるまい。」
彼は、真剣な表情で二人の顔を見る。その様子に二人は唾を飲み込む。
「これは私がワイリーから聞いた話なのだがお前たちが見たゲッターエンペラーとはかつて存在していたゲッターロボが幾年の年月を経て進化した存在なのだ。」
「でも、ゲッターロボってタチバナ博士の曾お爺さんが作ったロボットなんでしょう?」
「実は、ゲッターロボと呼ばれているロボットは二種類存在している。一方がタチバナ君の曾祖父である橘博士が開発したゲッターロボ。・・・そして、もう一方はゲッター線と呼ばれる宇宙線を動力源に動くゲッターロボだ。」
ライト博士は、ワイリーから聞いた情報と当時の僅かな資料をたよりに詳細を語る。
ゲッターロボとは、元々早乙女博士と呼ばれる一人の科学者がある勢力と対抗するために作られた戦闘ロボでは多くの敵と戦っていたと言う。やがて初代ゲッターロボは、敵を巻き添えにして自爆。交代で強化された新たなゲッターロボが生み出され、世界を守った。
ここまで聞くとよく聞く正義のロボットに聞こえるがここから事態が一変する。
それは敵を滅ぼしてからしばらく一時の平和が訪れた時だった。
早乙女は新たな脅威が現れるのを想定してさらに強力なゲッターロボを開発していたがそこへ待ってたとばかりに未知の敵が出現し、戦うことになるのだがその敵はゲッターロボを狙って現れたのだ。実験の最中で先代のゲッターロボがメルトダウンを起こしてパイロットごと地中へと潜り、繭を形成して眠りについた。
敵は更に攻勢を強め、最終的に研究所は全滅。
ワイリーと橘博士、そのゲッターロボに乗っていたパイロット二人を残して。
「ほ、本当に100年以上も昔にそんな戦いがあったんですか!?」
「当事者であるワイリーの話ではな。だから、さっきも言ったようにこの話を聞いたときは半信半疑だった。ワイリー自身、パイロットが乗り込まなければ彼が見たという未来へは行かないと豪語していたからな。」
「でも、なんでアタシたちが?」
「うむ、それについては何とも言えん。彼の抵抗に業を煮やしたのか、それとも人間に愛想を尽かしたのか・・・。」
ライトは、深刻な表情をしながらコーヒーを啜る。二人は、不安が増えるだけですっきりしなかった。つまり、いつの未来かはわからないがそのゲッターロボに取り込まれて、将来的にあの悍ましいエンペラーへと進化して宇宙を侵略するというのだ。そして、ゼロドラゴンと同化していたゼロとアイリスも。
「博士、何とかならないんですか?」
「私もこればかりはどうにもできん。ワイリーもゲッターをこの世から抹消しようとかなり動いていたようだからな。当時残っていた研究所跡も率先して空爆で破壊するように要請していたし、地下の施設も通り抜けできないように封印した。」
「じゃあ、ゼロたちがいないのも。」
「跡地に何か異変がないかどうかを調べに行ったのだろう。ロックも連れて行ったから心配はないと思うがお前たちも用心してくれ。ワイリーの方でも何か情報をつかんでいるかもしれんしな。」
席を立ち、二人は礼を言うと部屋を後にする。入れ違いで入ってきたロールは彼らの顔を見るや不安そうにライトに聞く。
「博士・・・」
「よもやあの二人が巻き込まれるとは・・・不吉なことが起こらなければよいが。」
旧日本エリア 浅間山
視界が戻ったゼロたちの目の前にあったもの。
それは赤い二本の角を持った巨大ロボットで一瞬、光を発したかと思いきやすぐに消え、何事もなかったように沈黙していた。
「こいつは・・・確か俺たちを助けた・・・でも頭部以外かなり形状が違うな。」
ゼロは、ロボットを見るや先日のハンターベース防衛戦で助けられたことを思い出すが頭部を除いて形状がかなり異なっていた。それに対してワイリーは、冷や汗をかいていた。
「し、真ゲッター・・・」
「何?」
「馬鹿な・・・何故こいつが今もここにあるんじゃ。」
「どういうことなの?」
これまでにない彼の表情にカリンカは、動揺していた。シグマも想定外の反応に驚いていたがすぐに冷静になって落ち着かせようとする。
「ドクター、落ち着きください。どう見ても長い間動いた痕跡はありません。あの光はただの自然現象なのでは?」
見る限り全身苔や植物に覆われており、動くかどうかも怪しい。ひょっとしたらこの空間で放置されたことで奇跡的に綺麗に残っていたのかもしれない。
だが、ワイリーは首を横に振って答える。
「いや・・・・そんなはずはない。手足を見てみろ・・・何か錆び付いていたような跡があるじゃろう?これは100年以上前にワシがこいつを破壊するために吹き付けておいた『腐食バクテリア』が侵食していた名残じゃ。」
「バクテリア?」
「ゲッター線を吸収すると同時に機体を腐食させて自然崩壊させるために開発したものじゃ。計算が正しければ今頃は胴体を残してほとんど朽ち果てているはず。にもかかわらず、こいつはほとんど朽ちていないのはおろかバクテリアを駆除された痕跡がある!となるとここに・・・・・」
「そうだ。我々がバクテリアを駆除し、ここまで維持させてきた。来るべき時のためにな。」
「「「!?」」」
突然の声にゼロたちはバスターを展開して周囲を警戒する。
「誰だ!」
すると真ゲッターの背後にある通路から人影が見えてくる。姿は人間のようで白衣を着ている男性だった。
「に、人間?」
ロックは、相手が人間とわかるやバスターを向けるのに戸惑う。男は、ワイリーを見るや皮肉を込めるかのように笑みを浮かべる。
「随分老け込んだな、アルバート。まさか、お前がここに戻ってくるとはな。そこまでしてゲッターを潰しに来たのか?」
皮肉の言葉に対し、彼は顔を顰める。
「当たり前だ。ワシはお前とは違う。あんな得体の知れない宇宙線なんぞに人類、いやこの世界の運命を決められてなるものか。竜馬が選んだように目が黒いうちは何度でも背いてやるわい。」
「それにしてはそこの少年に何度もやられ、今は史上最悪のイレギュラーと一緒に好き放題やって世界を荒廃させて人類を追い込んでいるじゃないか?お前のやっていることはかつての百鬼帝国ともランドウとも何も変わらない。まさに道化を演じているピエロそのものだ。」
どうやら顔見知りらしく二人は、対峙する。その様子にゼロは、警戒しながら質問する。
「ジジイ、あの男は何者なんだ?聞く限り知り合いみたいだが。」
「・・・・・てっきり蛇牙城の爆発で死んだと思っておったがどうやら勘違いだったようじゃな。」
「死んだ?それはどういうことだ?」
思わぬ単語に彼は、男を見る。確かに見る限り20代後半から30代前半に見えるが知り合いにしてはあまりにも歳が離れすぎている。サイボーグ化しているわけでもないため、カリンカと同じようにコールドスリープでやり過ごしていたのだろうか。
ワイリーは、真ゲッターを見ながら男に問う。
「貴様もこんな化け物残しておいて何になる。すでに竜馬はおらんのだぞ。奴は人間としての道を選んで天寿を全うしたんじゃ。あの男ほどの者でなければゲッターは無用の長物となる。」
「果たしてそうかな?確かにアイツは俺と違う道を選んだ。だが、竜馬がいなくなったからと言ってゲッターそのものが人類を見限るとは限らない。だから、残す必要があった。この下に眠るドラゴンもな。しかし、お前の行った細工のせいでドラゴンの進化は著しく遅れている。」
男は、懐から拳銃を取り出して彼に向ける。ワイリーもそれが何なのか分っていた。
「あんなもの地上に解き放ってみろ。たちまち高濃度のゲッター線に汚染されて人間が生きられなくなる。なら、来るべき時まで封印するのが筋ってもんじゃろう。」
「なら、今から解いてもらおうか。このままではドラゴンの進化が不完全になる危険性がある。」
「やれるか?ランドウを仕留め損なって死にかけたお前が。ここには史上最悪のイレギュラーと我が最高傑作、腹が立つが宿敵のロックマンがいる。いくら貴様でもこの状況でワシを強要させることなど不可能じゃろう。え?神隼人!!」
ワイリーの気迫のある叫びにゼロは、嫌な予感を感じさせられる。
まさか、このままあの隼人という男を撃てというのではなかろうか。
それはロックマンも同じようでアイリスと揃って顔を合わせていた。
だが、隼人の方は依然と余裕の態度を崩す様子を見せなかった。
「別にこの場でお前を撃とうとは考えていない。真ゲッターを傷つけさせるわけにはいかないからな。だから、このまま俺たちと来てもらおうか。」
「俺たち?」
「連れは気づいているんじゃないのか?」
彼の言葉に反応してゼロたちはワイリーを守るように散開しようとする。周囲にはいつの間にか無数のロボットたちが銃や斧、大剣などを構えて取り囲んでいた。
その顔は全員違えど、ワイリーが一番見たくないものばかりだった。
「ゲッ、ゲッターロボ!?それもこんなに!?」
「大人しくしろ、くそジジイ!!」
「神さんの命令を聞かないとこの場で八つ裂きにするぞ!!」
ゲッターロボたちは、恨んでいるのか全員ワイリーに対して殺意のようなものを向けていた。いくらゼロたちとは言え、この限られた空間の中でこれだけの数を相手にするのは分が悪すぎる。
「・・・・ここは下手に抵抗しない方がよさそうだな。てめえはともかくお嬢様を守り切れる自信がねえ。」
スカルマンは、参ったとばかりに両手を挙げる。隣にいるカリンカも手を挙げ、ロックマン、ゼロ、アイリスと降参していく。
「こ、こら!ゼロ!!何、降参しておるんじゃ!?お前の実力なら・・・」
「こんな狭い場所で全員無事に脱出できると思うか?アンタを見捨てていくなら話は別だが。」
「ヌッ・・・」
「ドクター、納得できないのもわかりますがここは彼らの言うとおりにするしかありません。」
シグマまで降参の意思を見せ、ワイリー以外は全員武器を下ろしてしまった。
「ヌウ~~~隼人、貴様~~!!」
「ようこそ、『早乙女研究所』へ。」
大量のゲッターロボに取り囲まれながらワイリーたちは、奥の方へと連行されて行った。
※この小型ゲッターロボたちは分離・合体できません(サイズの都合上)。