浅間山 地下 早乙女研究所
身柄を拘束されたゼロたちは、ゲッターロボに囲まれながら真ゲッターの格納庫から奥の施設へと連れていかれた。そこは外からでは想像できない最新の設備が整っており、通路を歩いていくと作業中の他のゲッターロボたちとすれ違う。
「貴様、一体どれだけの数のゲッターロボを作りおった?」
「壊しに来たお前に教える必要があるか?」
嫌そうな顔で聞くワイリーに対し、隼人は吐き捨てるように答える。ある程度奥まで行くと一同はメインブリッジへと到着した。
中では、どういうわけか行方不明になっていたジョーたちがゲッターロボに混ざって観測やデータ収集などに参加しているのが目に映る。
「どういうことですかな、行方不明になっていたジョーたちがここで作業を手伝っているというのは・・・。」
シグマは、ワイリーに聞こうとすると彼の隣に立っていたゲッターロボが代わりに答えた。
「兄弟だからさ。俺たちは、クソジジイとロックマン、その仲間に対しては敵意があるが兄弟にまで手を出すような輩じゃない。だから、ここで作業を手伝ってもらっている。」
「兄弟?それは・・・」
「隼人、まさかお前・・・・」
ゲッターロボの答えにワイリーは、表情を顰めて彼のことを睨みつける。隼人は、そんな彼に臆することなく流すように話した。
「ここにいるゲッターのほとんどは、ロボット狩り時代を逃れた僅かな生き残りの成れの果てだ。世界各地で被害にあったロボットたちが当時この魔境と言われていたこの地に身を隠していた所を保護して体が駄目になった奴から作り替えた。そして、その中で一番多かったのがお前の作った量産ロボットというわけだ。」
「そうだ!俺は元々整備工場で部品を作っていただけの作業用ロボットだったんだ!それがお前のおかげで職を追われ、危うくあのハンターどもに殺されかけたんだぞ!!」
「オレは、ロボットポリスだった。リング警部がいなくなってから部署を外され、訳も分からず破壊されそうになった!」
「私は、教師ロボットだった。それがお前のせいで・・・・」
「おれも」
「ぼくも」
「「「みんなお前のせいだ!!」」」
「「「お前さえいなければ!!」」」
作業をしていたゲッターロボたちは、道具を置いて一斉にワイリーのことを指さして怒りを露にする。
100年前の『ロボット狩り』の被害を受けたのはコサックナンバーズやダークマンたちだけではない。全世界の電子頭脳、感情を持ったロボットたちが全員狩りの対象とされていたのだ。
全員が被害者だったということもあってゼロとロックマンは、何も言えず冷や汗を流しているワイリーの顔を見る。因縁の地でこんな形でツケが返ってくるとは誰も想像できなかっただろう。ゲッターたちの怒りは更にエスカレートし、武器を展開して近づいてきた。
「この悪魔め!俺たちが味わった苦しみを倍にしてやる!!」
「私は、一緒に住んでいた人間たちに見捨てられた!あの時の平穏を返せ!!」
「「「俺たちの手で地獄に落ちろ!!」」」
「むむむ・・・・」
手をかけようとすると後ろから何か凄まじい銃撃が聞こえ、彼らは慌てて距離を取り直す。
「お前たち、何作業を中断しておるんじゃ!まだ、物資の搬入とか残っているんじゃぞ!」
「「「す、すみません!!」」」
ゲッターたちは、一斉に作業に戻る。ゼロは彼らが恐れていたのは何者なのかと振り向くと入り口に独特の風貌をした老人が立っていた。ワイリーは、その老人を見るや驚きのあまりに大声を出す。
「し、敷島の妖怪爺!?なんでお前まで生きておるんじゃ!!」
彼の言葉に対して敷島は、ニンマリと笑う。
「妖怪じゃと?貴様も同じことやっているではないか。そして、この赤いのが・・・お前の最高傑作か~!!」
彼はそう言うとゼロに飛びついて体をスリスリし始める。突然の行動にゼロは、動揺を隠せず何とか突き放そうとする。
「お、おい、ジジイ!?なんなんだこの男は!?」
「う~ん~あれほどゲッターが嫌だと言っておきながらメインカラーを赤にするとはのう~!おまけに顔もイケメンでカッチョイイ~!!こりゃ誰にもモテるじゃろうのう~!」
「やめ~い!ワシのゼロに触るでない!!お前なんかに触られたらおかしくなるわ!!」
ワイリーは、無理やり敷島を剥がそうと体を引っ張る。その光景を見てロックマンとアイリスは、どうすればいいのか困惑。カリンカとスカルマンに関してはドン引きで。シグマはもはや呆然としていた。
しばらくして、やっと敷島がゼロを放すと待っていたとばかりに隼人は、目的を言う。
「アルバート、ここに来たからには『地獄の釜』の細工を解いてもらう。」
「断る!あれを解けば人類は誤った方向へ進化していくことになる。」
「だが、お前たちのやった行動は逆にその人類を衰退させている。人はロボットという便利なものを手に入れたことで自分の手で未来を切り開くことを忘れてしまった。このまま進めば確実に人間はロボットに取って代わられて滅ぶ。」
両者は、互いににらみ合って譲ろうとしない。その光景を敷島は、ニヤニヤと笑っている一方でゼロはこの場に違和感を感じていた。
(なんだ?ここに入ってきてから何か妙なものを感じるぞ?それもまるで俺自身がここに呼ばれているような・・・・)
隣を見るとアイリスも同じようなものを感じているようだった。
「フッヒッヒッヒッ、どうやらお前さんたちは感じ取っているようじゃのう。なら、話は早い。」
「何?」
敷島の言葉に彼は、いがみ合っている二人を他所に彼の方を見る。アイリスは、何か良からぬことが自分たちの身に起きようとしているのではないかと不安になる。
「それはどういう意味ですか?」
「お前たち二人は、アルバートに着いて行ってここに来たつもりのようじゃがそれは違う。お前たちはゲッターに呼ばれてここに来たのじゃ。」
「なんだと!?」
思わず出たゼロの大声にワイリーと隼人は、話を中断する。彼は、敷島がはったりを言っていると考えたものの嘘をついているようには見えなかった。
「俺たちが呼ばれただと?俺たちはただ・・・・」
「ゲッターは、人間でないものに対しては興味を示さん。かつて恐竜を滅ぼしたようにな。じゃが、お前たちは機械であるにもかかわらずこの研究所地下深くで眠り続けているドラゴンを感じ取った。そして、ドラゴンもまたお前たち二人を呼んでいる。ヌフフッ、まさかアルバートの最高傑作が目をつけられるとはのう~。」
敷島は、面白そうに話すがワイリーの顔は蒼白になる。
まさか、エックスに続いて自分の最高傑作であるゼロまでもがゲッターの意思に呼ばれるとは考えもしなかった。彼の様子を見て隼人も何か察したようだった。
「よもやお前のロボットがドラゴンに呼ばれるとはな。これは予想を遥かに上回る事態のようだな。」
「そ、そんなわけがあるか!?確かにゼロはワシが作ったロボットの中で最も人間に近い感情を持ち合わせているが偶然の産物に過ぎん。それに小娘の方も・・・・」
「偶然や本人の意思など関係ない。おそらくこの二人は、ゲッターに呼ばれたんだ。人類に代わる新たな可能性としてな。そして、事の次第によっては人類を完全に見限るかもしれん。」
「!?」
隼人の発言にワイリーは、恐ろしさのあまりに開いた顎が外れそうになる。
自分は、ゲッターとの関係を完全に断ち切ることで人類と自分の望んだ未来を守ろうとしていた。しかし、その実態はロボット工学の発展を代償に労働を彼らに押し付けることで自らの手で可能性で切り開いていくことを放棄してしまった人類、度重なる戦いで世界が荒廃していくという有様。ゲッターに支配されてしまった世界と比べるとマシとはいえ望んでいた未来には程遠い存在だ。
だが、ここまでしても何も干渉が起きなかったことから彼は、ゲッターと人類の関係を断つことに成功したという安心感があった。今はこんな事態でもいずれは理想に近づけられるように動いていけばいい。そう考えられる余裕があった。
その余裕と安心があのゲッターロボの登場で崩壊してしまった。
終いには自分の最高傑作であるゼロとその最愛のパートナーであるアイリスがゲッターに選ばれたとなると一刻も早くこの場所から離したいとまで思った。
彼は、慌てて立ち上がると警備していたゲッターロボたちをどかしてゼロに言う。
「ゼロ、アイリスを連れて早くこの場から離れろ!!」
「ジジイ、少し落ち着け。急に何を・・・」
「無駄だ。今更、突き放したところでゲッターから逃れることはできない。」
ワイリーの行動に対して隼人は、悟るように断言する。するとワイリーはゼロが保管していた地底ミサイルの安全装置を奪い、目の前に見せる。
「ならば、地下に眠るドラゴンをこの手で葬り去るまでよ!100年以上昔は進化の途中で何でも吸収してしまうことでダメージを与えるに至らなかったが形態が安定している今なら・・・」
「それも無意味だ。例えここで真ゲッターとドラゴンを葬り去ろうともゲッターがこの世界から根絶やしにされることはない。既に宇宙から別のゲッターが現れたようだからな。」
「何っ!?」
隼人は、ゲッターたちに指示を出して目の前に記録映像を見せる。それは宇宙の人工衛星から映されたものでよく見ると高速で何かが大気圏を通り過ぎていくのがわかる。
「これは・・・」
「お前たちが鉄人兵団と交戦している間に移った地球軌道の映像だ。そして、この物体を拡大すると・・・」
「なっ!?」
拡大された映像を見てワイリーは、絶句する。
似ている。あまりにも似すぎているのだ。
そこに移されていたのはトリコロールカラーの巨大ロボットで今も地底深くで眠っているはずの存在だ。
「ゲッタードラゴン!?」
鏡面世界 アチモフ一味の臨時基地
その頃、鏡面世界のメカトピア軍基地からの脱出したアクセルとパレットはブラックゼロたちに捕まった後、彼らの基地で軟禁されていた。パレットが落ち着かない様子で用意されたベッドに座っている中、アクセルは入り口で見張りをしている兵士ロボットに声をかけ続けていた。
「ねえ、はっきり言っちゃうけど僕たちをこんなところに閉じ込めてもあまり意味ないと思うよ?話せることは全部話したし。だからさ、ねえ?僕たちをハンターベースに帰してよ。あんたらの事黙っておくからさ。」
『ゴジ!ゴジゴジゴジ、ゴジッ!!』
「やっぱダメ?はいはい、わかりました。どうなっても知らないからね。」
彼は、駄目だとわかるとため息をついて自分のベッドに仰向けになる。
「駄目だよ、パレット。ここの連中、何を言っても僕たちを解放しようとしない。」
「それはそうよ。外はあの黒い怪物が私たちのことを探し回っているかもしれないのよ?迂闊に出したくないって思うはずよ。」
外に脱出できないことに対して苛立ちを募らせるアクセルに対し、パレットは落ち着いた様子で答える。
あの怪物たちは、既にこの付近一帯を占拠しているのかもしれない。外に出て捕まってしまっては元も子もない。
最悪とりつかれた仲間たちと同じ末路が待っていることすら有り得る。
しかし、気になるのはあの老人だ。
彼は明らかにリルルを求めているようだった。あれは何故なのか?
「どうして、あのお爺さんはリルルのことを狙っていたのかしら?」
「さあ、孫とかそういう関係とかじゃない?でも、あんな化け物率いているからまともな目的ではないと思うけど。」
アクセルは、腕を組みながら答える。パレットはこのままじっとしているのに不安を感じたのか言葉を続ける。
「ねえ、アクセル。これは私の憶測に過ぎないんだけど・・・知らないところで何か大きなことが動き始めているような気がするの。」
「大きな事?確かに鉄人兵団とイレギュラーハンターたちが戦争しているけど」
「そうじゃないの。兵団でもない・・・・とても恐ろしい存在が裏から暗躍して彼らと私たちを同士討ちさせようとするような・・・ほら、最後にレプリフォース大戦でシグマが裏で工作していたことを教えたでしょ・・って、覚えていないか。」
「寝てて聞いていなかったことがあるけどそこまで言わなくてよくない?覚えてるよ、シグマがレプリフォース側のプライドを利用したってやつだよね。でも、それと何か関係あるの?」
「おかしいと思わない?兵団の目的は飽くまでの奴隷にするための人間の捕獲でロボットは敵対した場合のみ攻撃するはずでしょ。でも、基地のあの怪物は敵・味方関係なく襲っているように見えた。つまり、鉄人兵団にとっても想定外の存在で大変なことが起こるんじゃないかって。」
彼女の話を聞いてアクセルは、今置かれている自分たちの現状を視野に入れながら内容を整理する。
鉄人兵団の目的は、『人間狩り』であり、その中に同じ仲間に当たるロボット=レプリロイドは対象に入っていない。
逆に黒い怪物が敵ならまだしも味方であるはずの彼らまで襲うはずがない。
となると彼らの連れてきた生物兵器という可能性は低く、むしろ付け込まれる形でしてやられたということになる。
「そうなると鉄人兵団の中で別の勢力が動き出して僕たちと関係なく潰そうとしているってことか。そして、リルルは彼らにとって何か重要な役割を果たす存在で・・・っていうことは尚更僕たちここにいちゃまずいよね?この基地、敵の拠点に結構近いし。」
「うん。」
二人の間にしばらくの沈黙が訪れる。
敵だからそこまで気にしなくてもいいがこのまま自分たちがいれば、ブラックゼロたちもターゲットとして襲われ、乗っ取られてしまうだろう。そうなれば、ここから運よく脱出しても面倒な敵を増やしてしまうことになる。そうなる前に逃げ出した方がいいと考え、二人はこっそり外の見張りを確認しようと入り口に近づく。
「お前たち、何をしている?」
覗き見をしようとした瞬間、入り口が開いてブラックゼロが目の前に現れる。二人はまずいと部屋の中へ戻るが彼は手錠を二人につけて外に出す。
「出ろ、お前たちをハンターどもの所に帰す。」
「「えっ?」」
アクセルたちは思わず、口を開けるが護衛の兵士ロボットたちに銃を突きつけられて外に連れ出される。基地の中では既に撤収作業が開始されており、兵士ロボットやイレギュラーたちが荷造りを急いでいた。
「荷造りしているようだけど、基地の場所でも変えるの?」
「いや、撤収だ。全員で話し合った結果、俺たちはこの件から手を引くことを決定した。」
「元々何するつもりだったのさ?」
「戦力の補強だ。鉄人兵団の中にもそれなりの実力者が多かったようだから、そいつらを引き抜いて組織を強くする予定だった。戦力があれば親父とベルカナたちの脱獄計画も練りやすくなるしな。だが、あんな化け物がいるようじゃ俺たちの世界も危うくなる。その前に引き上げる。」
「あのさ、こういう時ぐらい人のために動いたらいいんじゃないの?そうすればその・・・親父さんとかの釈放も早くなるかもしれないんだし。」
「オリジナルと組むのは体をバラバラにされようが断る。それに今は、あのクソジジイと一緒にいるようだからな。アイツと組むぐらいなら自爆を選ぶ。」
「そこまで嫌ってるんだ・・・」
流石にこれ以上話すとセイバーで首を飛ばされかねないと思い、アクセルはこれ以上余計なことを言わないことにした。
基地の隠しゲートには側車の付いたライドチェイサーが用意してあり、二人を乗せると彼は、部下に自分がいない間の指示を出す。
「全部積み込み次第、満杯になったものから22世紀に帰還させろ。後、追跡される危険性をなくすために基地の自爆装置を作動させておけ。化け物どもがこの基地を嗅ぎつけないという保証はない以上、証拠隠滅は徹底的にだ。合流ポイントはここ、俺はこのガキ二人を放り出したら向かう。遅れは許さんぞ。」
『ゴジッ!』
彼は、マシンに乗り込むと隠しゲートの入り口を開いて森林地帯の中へと飛び出す。レーダーに生命体の反応はないが得体の知れない存在ということもあって神経を研ぎ澄ませながら鏡面世界にあるハンターベースを目指して走る。
早乙女研究所
映像に映っているゲッタードラゴンの後ろ姿を見てワイリーは、思わず自分は正気を失ってしまったのではないのかと考えた。
「これは・・・これは本物なのか?貴様らが作った合成映像とかではあるまいよな!?」
「そんなもの作る暇があるならもっと嫌がりそうなものを作っている。お前だってこれが偽物ではないというのが分かるだろう?」
隼人や敷島の手にかかれば、本物と見間違えそうな写真を作るなど造作でもない。しかし、そんなもの作ったところで時間の無駄だと理解しているため、率先してやることはまずない。
ゲッタードラゴンは、大気圏を突破すると上半身にあたるドラゴン号のみ分離し、すかさず再合体。ゲッターライガーにチェンジして地中へと潜って姿を消していった。
その映像を前に隼人は、追い詰めるように彼に言葉をぶつける。
「この映像は、お前たちが鉄人兵団と交戦している最中に人工衛星を経由して撮影したものだ。どういう理由かは知らんが奴らはゲッターの存在を知り、それを使って何か良からぬことを企んでいる。」
「狙いは間違いなく、ここにいる真ゲッターとドラゴン。特にドラゴンはお前さんの小細工のせいで相当飢えておる。そんなドラゴンに敵が接触すれば・・・どうなるかは目に見えておるな。」
「アルバート、貴様がどれだけ否定しようと時が来たんだ。ゲッターが人類を選び続けるのか、或いは見限って滅ぼすのか。俺達にはその選択肢に抗う術がないというのもだ!お前も俺もこの時のために生かされ続けていたかもしれないということもだ!」
「クッ・・・・」
「お前の言う最悪な結末に辿り着くこともあり得る。だが、お前が細工を解いてドラゴンを本来のあるべき姿へ進化させなければおそらく連中の手によって人類は蹂躙される。俺たちにできることはその道を進み続けることだけなんだ!」
「グググ・・・黙れ!」
ワイリーは、迫られる選択を完全に拒むことができないことに歯ぎしりをする。
地中に眠るドラゴンを完全に進化させれば、地球がゲッター線に汚染された人間も生物も生きていけない赤い星に変わってしまうのかもしれない。かと言って、進化が遅れてゲッター線に飢えている状態であのドラゴンに接触させたら、どうなるのか。隼人たちの言う通り、人類を見限って滅ぼしにかかるかもしれない。
どちらを選択してもその先に待つのが絶望しかないことに彼はその場に膝をついて頭を抱え込んでしまう。
「グウウウ~~~ワシは・・・ワシはどうすればいいんじゃ!!また・・・また、あの惨劇を繰り返さなければいかんのか!!今度は自分の手で!!」
「ジジイ・・・・」
「わ、ワイリー・・・」
苦しむ彼の様子を見てゼロとロックマンは、なんと言葉をかければいいのか分からなくなる。一方のカリンカはこのまま見苦しい姿を見ていられないと思ったのか咄嗟に隼人たちに提案する。
「ねえ、急に答えを出せと言われても出るわけじゃないんだから少し時間をくれない?敵がいつ来るかわからないというのもわかるけど私たちはここに連れてこられて1日も経っていないのよ。だから、考える時間をちょうだい。」
意外な人物が提案を上げたことから隼人は、少し驚いた様子を見せる。そして、もがき苦しんでいるワイリーをもう一度見て少し目を閉じて考えると彼は、彼女の方を見る。
「・・・・いいだろう。今夜一晩、猶予を与えよう。こんなことをいっぺんに見せれば正常な判断もつけられんしな。だが、あまり時間はない。結論は早く出してくれ。」
彼は、他のゲッターたちに部屋の案内を頼み、ゼロは彼らの案内の元、ワイリーに肩を貸してブリッジを後にする。
(ジジイがここまで悩むとはな。それだけ俺とアイリスはとんでもないものに見込まれたというのか?そのドラゴンという奴に)
最初は全部ジョーにする予定でした。