鏡面世界 ハンターベース
「消火、急げ!!」
「二人を治療室へ連れていけ。」
ハンターベースにブラックゼロたちが到着したのはほんの数分前だった。
ダブルギアを使用したことで一気に加速した彼らは、効果が切れる寸前ハンターベースの敷地目前にまで辿り着いていた。それは入口の前で待機していたハンターたちからも見えており、彼らは二人を確保しようと動くが突如目の前の地面が盛り上がって視界を奪った。
地中からは黒いボディに各関節部から無数の黄色の目玉がある黒い肉塊を出したザンダクロスが現れ、ベースを攻撃すると同時にパレットを取り返そうと襲い掛かる。
「ショルダーミサイル!」
寸でのところで待機していたネオゲッター1の攻撃、バランスを崩したザンタクロスはそのまま敷地外に倒れこみ、パレットとアクセルは無事に保護された。
ちなみにブラックゼロはVAVAを連れ戻すと思われていたがダブルギアの反動でかなりぐったりしており、運ぼうとしたハンターたちの手を振りほどき『俺の仕事はもう終わった。後はお前たちの好きにしろ。』と捨て台詞を吐いてどこかへと転送されて行った。
起き上がろうとするザンダクロスに対し、ネオゲッター1は両拳を打ち合わせて刀身のないソードトマホークを生成する。
「ゲッタートマホーク!!」
エックスは、生成を完了すると同時に勢いよく相手の首を斬り飛ばす。同時に腕部に追加装備させたレーザーナイフで胸部に備わっているビーム砲を貫いて無力化を図った。ザンダクロスは、その場で立ちすくむが根元から黒い肉塊が飛び出し、斬られた首を回収するやくっつけ直した。
「なにっ!?」
驚くエックスたちに対し、ザンダクロスはミサイルハッチを開く。中のミサイルはギョロギョロと蠢く目玉が見えており、一斉にネオゲッターに向かって飛んでくる。
「おい、あのミサイルホーミング性能が上がっていやがるぞ!!」
回避行動を先読みしているかのように追尾してくるミサイルを見てVAVAは思わず叫ぶ。
「トマホークブーメラン!!」
エックスは、投擲でトマホークを投げつけることでミサイルを相殺させる。爆発の煙の中からは首の隙間からグチュグチュと嫌な音を立てながらザンダクロスが顔を出す。
「ねえ、エックス。こいつ、本当に鉄人兵団?この間と打って変わって不気味さを感じるんだけど・・・」
そのグロデスクな姿にマーティは、思わず吐き気を感じる。
ザンダクロスは胸部ハッチを開けると蠢く肉塊を周囲に飛ばす。飛ばされた肉塊はその場に落ちるとたちまち生物としての姿を形成し、複数のインベーダーと化してネオゲッターを取り囲んだ。
「囲まれたぞ。どうする?」
戻ってきたトマホークを手にネオゲッター1は、インベーダーの一体に斬りかかる。インベーダーは、肩から切断されて悲鳴を上げるがすぐに体を液体状に変質させて別の個体と合体、より巨体となって背後から襲い掛かる。
「何なのよ、こいつら!?悲鳴を上げたかと思ったら仲間と合体して傷をなかったことにしているわよ!!」
ネオゲッターは新たに追加装備された腕部ガトリングを展開して襲い掛かるインベーダーをハチの巣にする。インベーダーは欠損した個所を修復しようと動くが弾丸が絶え間なく撃ち込まれ、絶叫を上げながらその場に崩れ落ちる。
「どうやら、完全に不死身というわけじゃなさそうだ・・・うおっ!?」
背後からのミサイルの着弾にネオゲッターは姿勢を崩す。後方を見ると隠れていたのかもう一機のザンダクロスが山の中から姿を見せる。こちらも装甲の隙間から目玉がギョロギョロと動いている。
「・・・何か変だ。俺の知っている鉄人兵団はこんな悍ましい兵器使っていなかった。増してや機械文明を発展させた彼らがこんな生物兵器を投入してくるなんて・・・」
「ンなこと知ったことか。現に目の前にいるじゃねえか。連中、何を使おうと俺たちを潰したくて仕方ねえのさ。いつもみたいに迷っているとこっちが消されるぞ!」
「・・・クッ!」
VAVAの言葉で意を決したのかエックスは、トマホークの刀身を生成して目の前のザンダクロスの胸部に突き刺し、地面に固定させる。
『グギャアアアア!!』
後方の機体は腕の関節を外して勢いよくネオゲッターに向かって飛ばす。それを察知した彼らはマシンを分離させて一瞬で背後に回り込み、ネオゲッター3にチェンジして走行から掴みかかって潰しかかる。
『ギャアァア!?』
「逃げられると思うなよ?」
『ギャッ!!』
『キシャアア!!』
インベーダーたちは、ネオゲッターに向かって腕を変形させながら向かっていく。それを見てVAVAは自分の狙い通りだとばかりに笑う。
「クックックッ、案外おつむが単細胞で助かったぜ。」
彼は、攻撃コマンドを入力すると首周りのファンが高速回転し始める。
「ゲッタートルネード!!」
真上から降下してくるインベーダーたちに向かって掴んでいたザンダクロスを投げつけるとネオゲッター3は竜巻を発生させて上空に向かって飛ばす。
「プラズマブレイク!!」
背部の先端を放電させて発射するプラズマ砲を浴びせられ、ザンダクロスは爆散。
『『キシャアアアアア!!!』』
同時に巻き添えを食らったインベーダーたちもプラズマに耐え切れずに細胞崩壊を起こす。さらに地上に残された残りの一機も残さずプラズマをコントロールして破壊した。
「ざっとこんなもんだ。」
「いかにもイレギュラーならではのやり方ね・・・。」
敵をあっけなく倒したVAVAをモニター越しで見ながらマーティは、呆れた様子で言う。
何はともあれ、アクセルとパレットは無事に確保できた。あの不気味な生物に関しては気になるところがあるが二人からの情報を得れば対策は立てられるだろう。
そう考えると彼女は、モニターを切り替えてネオイーグルに搭乗しているエックスと通信しようとする。
「エックス、敵も無事に倒したことだしハンターベースに戻りましょう。」
「・・・・」
「エックス?」
何かを見ている彼に対し、マーティはどうしたのかと外を見る。
先ほどのゲッタートルネードの影響で周囲の雲が吹き飛ばされ、奇麗な夜空が広がっていた・・・・・が、ちょうど月のある位置に一機のロボットが腕を組みながら浮遊していた。
「えっ?まだいたわけ。」
月の光に照らされているゲッタードラゴンを目の前にネオゲッターとの間に長いとも短いともいえる静寂が続く。
「・・・・・」
『・・・・・』
次の瞬間、ゲッタードラゴンの額のランプからビームが発射される。ネオゲッター3は、瞬時に分離してネオゲッター2に変形。高速移動で目の前に急接近してプラズマソードで斬りかかろうとする。
『・・・・』
だが、ゲッタードラゴンは焦る様子を見せることなく肩から両刃の付いたトマホークを取り出して受け止める。操縦に慣れていないとはいえ、マーティも攻撃を受け止められたことに驚愕する。
「嘘でしょ!?このスピードで!!」
『・・・・・ヌッフフフフ、腕がぬるいわ!!』
「キャッ!?」
勢いよく蹴り飛ばされ、ネオゲッター2は地上に突き落とされる。それを見計らうようにドラゴンは三機のマシンに分離、青いライガー号を先頭にフォーメーションを切り替える。
『同胞を仕留めたのは大したものだけど、その程度の腕じゃ僕たちには勝てない!チェンジ、ライガー!!』
機体越しから聞こえる声と同時に三機のマシンは重なるように合体、地上戦タイプのゲッターライガーにチェンジし、左腕のマニピュレーターをドリルに変形させて突っ込んでくる。ネオゲッター2もドリルを高速回転させて応戦する。
ドリル同士がぶつかることで凄まじい火花が飛び散っていく。
マーティは、ドリルの出力を上げようとレバーを上げるが両腕で受け止めているにもかかわらず徐々に押されていくのに焦りを感じる。
「パワーを上げているはずなのに押し返せない!?」
「俺に代われ。力で捻じ伏せる。」
タイミングを見計らい、スラスターを吹いて硬直を解くと同時にネオゲットマシンへと分離。再びネオゲッター3にチェンジしてドリルを強引に止めようと身構える。
『スピードならパワーと来たか。だが、このライガーの攻撃を封じることができるかな?』
ゲッターライガーは、ドリルの回転率を上げながら向かっていく。ネオゲッター3は間近に迫ると同時にドリルを受け止めるが回転を完全に止めることができず、胴体にまで届きそうになる。
「馬鹿な・・・スピードタイプのはずのこいつにパワーで負けるはずが!!」
自分の予想が覆されたことにVAVAは、驚愕する。その反応を笑うかのようにライガーは、空いている右腕手首からチェーン付きの鎖分銅のようなものを発射して体に巻き付かせる。
「うっ!?」
『根本的なところが違うのだよぉ!ゲッター線に選ばれた僕たちと君たちとでは!!』
ゲッターライガーはチェーンを振り回し、自分よりも一回り巨体であるネオゲッター3をハンターベースの敷地に向かって振り飛ばす。ベースでは待機していたハンターたちが慌ててその場から離れ、ネオゲッターが落下した地点を中心に大きなクレーターが残った。
『交代だ、スティンガー君。本当のゲッターのパワーがどういうものなのか彼らに知らしめないとね。』
『う、うん!そうだね!!彼らはこのゲッター線の素晴らしさを何も知らないんだもんね!次はコーウェン君に任せるよ!オープン、ゲット!!』
『チェンジ、ポセイドン!!』
またもや分離し、今度は寸胴が広いゲッターポセイドンへチェンジ。のそのそと敷地内に入って伸びているネオゲッター3の頭部を掴んで振り回し始めた。
「うぉおおおお!?」
『ハッハッハッハッハッ、他愛もない。同じゲッターの名を持ちながら君たちはその程度なのかね?うぉおおおお!!』
ある程度遠心力がつくとポセイドンは上空へネオゲッター3を放り投げる。そして、姿勢を掲げると背部のミサイルを発射してとどめを刺そうとする。
『ストロングミサイル!!』
「クウウ・・・・オープンゲット!」
命中寸前のところでエックスは、分離レバーを引いたことでミサイルは空回りに終わった。彼はそのまま空中でネオゲッター1にチェンジし、ソードトマホークでポセイドンに斬りかかる。
「はああああ!!」
ソードトマホークの刀身は狙いを定めて振り下ろされた。
『愚かな。』
「なっ!?」
だが、その刃は、ポセイドンの両手によって受け止められ届くことはなかった。無理やり押し込もうにもパワーが違いすぎることもあり、微動だにしない。ポセイドンは、勢いのまま刀身を折るとネオイーグルの操縦席に突き刺した。
「グッ!」
「エックス!?」
幸い直撃を免れたため、ヘッドパーツを掠めただけで負傷することはなかったがエックスは、圧倒的な力を持つ敵を目の前に表情を歪ませる。
『そろそろ止めと行こうか?』
『待て同志よ、せっかくゲッター1に該当する形態をとっているのだ。ここは責めてもの情けでゲッタードラゴンでとどめを刺すとしよう。』
『そうか。確かに同じゲッターの名を持つのならそのぐらいの敬意を払わないとね。オープン、ゲット!』
ポセイドンは、目の前で膝をついているネオゲッター1を無視して合体を解除し、上空で再度合体を行う。
『チェンジ、ドラゴン!!』
ゲッタードラゴンは、合体が完了すると同時に着地し、首元から刀身を抜こうとするネオゲッター1を静観する。
(攻撃してこない・・・・誘っているのか?)
エックスは、割れたヘッドパーツを脱ぎ捨てると操縦系に異常がないかどうかを確認する。貫通こそしたようだが機能には問題はないようだ。モニターには彼を心配するマーティの顔が映っている。
「エックス、大丈夫なの?さっきの攻撃で怪我をしているように見えるけど・・・」
「えっ?」
エックスは、額を手で拭ってみる。そこには切り傷から溢れたエネルギーが血のようにベッタリとへばりついていた。これには彼自身も思わず驚愕する。
「うわっ!?痛みを感じなかったから大丈夫だと思っていたんだけど」
「ねえ、まずいんじゃない?一旦戻ったほうが・・・・」
「向こうの狙いはアクセルたちだ。ここで引き返したらハンターベースのみんなを巻き込むことになる。逃げるわけにはいかない。」
動けるようになったのを確認すると同時にゲッタードラゴンが両腕にトマホークを装備して近づいてくる。
「ソードトマホークの状態じゃ、かえって使い勝手が悪くなるな。トマホークの状態にして・・・・」
拳を打ち付けて刀身なしのソードトマホークを生成するとネオゲッター1は落ちているトマホークを広い、同じ二刀流でドラゴンと対峙する。
『さあ、こい。地球のゲッターもどきよ!真のゲッターであるドラゴンとの力の差を知らしめてくれるわ。』
同時刻 早乙女研究所
ネオゲッターとドラゴンとの戦闘を見て司令室は、静まり返っていた。
「・・・・」
(み、みんな黙っちゃってる・・・)
周囲を見ながらカリンカは、どう反応していいのかわからず困惑する。それはロックも同じだった。
「わ、ワイリー・・・エックス君たちは大丈夫なのかな?」
「・・・・」
「ワイリー?」
額から冷や汗を流す彼は、言いたくないのかそれとも言えないのか答える様子はない。そんなワイリーの態度にカリンカは業を煮やして揺さぶりをかける。
「ねえ!負けるにしても勝つにしても結論が出ているなら動いたほうがいいんじゃないの!?いつまでも黙ってたんじゃ・・・・」
「・・・・死ぬな、あの機体のパイロットたち。」
「へっ?」
代わりに答えた隼人の答えに彼女は、思わず揺さぶりをやめる。
「それってどういうことよ?」
「よく見ろ。あの青いゲッターが必死に応戦しているのに対してドラゴンの動きには常にある程度の余裕がある。遊んでいるんだ。」
「でも、何のために・・・」
「ゲッター線を用いたゲッターの性能を楽しんでいるからかもしれんのう。現に増幅装置が作動している様子がない。その気になれば基地諸共木っ端みじんに吹き飛ばせるはずじゃからな。ウヒッヒッヒッヒヒ!!」
敷島博士は、笑いながら説明を補足する。つまり、このままではエックスたちが負けるどころか皆殺しにされることを意味する。それを聞くやロックは黙っていられなかった。
「今すぐ助けに行かないと!」
すぐに戦闘形態であるロックマンへとなった彼は司令室を出ようとするが足元を発砲されて足を止める。銃声のした方を見ると隼人が銃を構えていた。
「誰が出撃していいと許可を出した?ここにいる以上は俺の指示に従ってもらう。」
「そんな!?」
「隼人、貴様!?」
今まで黙っていたワイリーは、隼人を睨みつける。だが、周囲にいたゲッターは状況を理解しているのが全員ロックマンたちに武器を向ける。この状況にカリンカは、隼人に理由を聞く。
「どうしていくのを止めようとするの!?」
「お前たちが出撃したところで戦況は変わらない。ゲッタードラゴンの性能はアルバートも俺もよく知っている。人間サイズのお前が行ったところでスクラップにされる奴が一人増えるだけだ。」
ボロボロにやられていくネオゲッターの姿を見ながら隼人は、更に残酷な言葉を告げる。
「それにこれは奴らにとってほんの小手調べにすぎん。その程度で死ぬようなら今あの場で死なせてやった方が親切だ。」
「・・・・ひどい。」
「好きに言うがいいさ。ここにいる奴らはそんな苦渋の決断をしながらここまで生き残ってきたんだ。死のうが助かろうが弱い奴から蹂躙されていく。」
カリンカの言葉に対し、隼人は悟ったように言う。そんな言葉を聞いてロックマンは、しばらく黙り込んでしまうが意を決して口を開く。
「・・・確かに僕一人が駆け付けたところで何も状況は変わらないかもしれない。」
「・・・」
「・・・でも、それでも僕は行きます。こうしている間に大切な仲間や兄弟が危険な目にあっている。僕はそれに立ち向かうために今の自分になったのだから。」
ロックマンの言葉に対し、隼人は何かを感じ取る。そして、入り口で待機している元ダストマンこと青白ゲッター1が相槌を打つのを確認すると鼻で笑う。
「ふっ、立ち向かうためにか・・・・ケツの青いガキが聞いたふうなことを抜かすんじゃねえ!!」
「!?」
「そんな口の利けるのはお前が本当の戦いをしていない証拠だ。第一、向こうは鏡の中の世界だ。行く手段もなくどうやって行こうってんだ?」
「そ、それは・・・」
彼の覇気に押されながらもロックマンは、答えようとする。
転送装置で行こうにも外で待機しているトレーラーまで戻らなければならない上に更にハンターベースから鏡面世界へ移動するため時間がかかりすぎる。
だが、他の手段がないため正直者である彼は、そのまま答えようとするがそこへワイリーが割って入ってきた。
「ここの施設の機能を応用すれば鏡面世界のハンターベースまでショートカットすることができる。」
「ワイリー。」
「じゃが、相手のゲッタードラゴンが増幅装置を稼働していない以上本気がどのくらいのものなのかは未知数。いくらロックマンとはいえ、瞬殺されるのは目に見えておる。おそらくタイマンを張れるのは真ゲッターぐらいじゃろう。」
「その真ゲッターもお前の細工のおかげでボロボロだ。今から直したんじゃ間に合わん。」
「隼人、ワシの目を誤魔化すことはできんぞ。あるはずじゃ、シティ・アーベル戦で乗った旧ゲッターがな。」
「・・・・」
「お前のことだ、どうせただの旧ゲッターのままにしておくはずがない。敷島と共に改修しているのなら倒すまではいかなくとも撃退できるぐらいの性能にはしてあるはずじゃ。」
「俺が貸してやるとでも?」
二人は、にらみ合うかのように顔を合わせる。しかし、そうしている間にもネオゲッターが追い込まれているためカリンカは、彼らの間に入って早く話を切り上げようとする。
「もう、二人の間で何があったかは知らないけど時間がないの!私からもお願いするからここは力を貸して!!お礼が必要なら後でハンターベースから可能なものを提供するから。」
彼女が頭を下げて頼み込むと流石のワイリーたちも冷静になる。
「・・・・敷島博士、ここをお願いします。」
「おう、散るときはド派手に散れ!」
「小僧、お前は耐衝撃プロテクターを装着後に格納庫に来い。ダストマンが案内してくれる。」
「えっ、は、はい!!」
「アルバート、お前は鏡面世界へ行くためのゲート調整をしろ。お前の腕次第であの三人の生死が左右される。」
そう言うと隼人は、司令室を出て行く。ロックマンはダストマンの案内でいなくなると敷島博士は、助手たちに声をかけてカタパルトの接続などの作業を開始する。
「よし、発進と同時にハンターベースの目の前に飛び出すようにセットするぞい!アルバート、お前は座標と鏡面世界へ行くためのミラーの準備じゃ!!」
「おい、ちょっと待て。確かにここの設備を使えば直接近くにまで行くことが可能だとは言ったがなんで22世紀の技術まで知っている?確かまだ未公開のはずじゃったぞ?」
やけに詳しいことにワイリーは不審そうに聞く。すると敷島博士は、ニヤリと笑みを浮かべる。
「ひ・み・つ。」
「貴様~~!!ハッキングしてパクリおったな~!!」
鏡面世界 ハンターベース近辺
「プラズマサンダー!!」
『ゲッタービーム!!』
二つの閃光がぶつかり合う。
一方はエックスたちの乗るネオゲッター1から放たれ、もう一方はゲッタードラゴンの額から放たれていた。
「ハア・・・ハア・・・クウゥウ!!」
エックスは、血まみれのような顔になりながらも操縦桿を握りしめる。最初こそは威力が同等に思えたプラズマサンダーだったがプラズマエネルギーの残量の影響か徐々に押され始める。
「向こうも相当エネルギーを消耗しているはずなのに・・・・何故、こんなに消耗の差が激しいんだ?」
やがて、完全に押されてゲッタービームがネオゲッターを直撃する。ネオゲッターは力なくその場に倒れこむ。衝撃で壁に頭をぶつけ、エックスは意識が朦朧とするがすぐに我に返って他の二人の様子を確認する。
「マーティ、VAVA大丈夫か!?」
「俺は何ともない。」
「ふにゃ・・・・・」
「上の尼の方は伸びちまったようだがな。」
VAVAが負傷しながらも意識を保っているのに対してマーティは、額にたんこぶを作って気絶していた。そののびた顔にエックスは、吹き出してしまうが目の前に迫ってくるゲッタードラゴンを目の前に顔を顰める。
「くう・・・・」
『どうやらパワー負けのようだな。紛い物にしてはよくやったと褒めておこう。では、我々は奪われたものを返してもらうとしよう。」
ゲッタードラゴンは、トマホークを振り上げてとどめを刺そうと動き始める。エックスは抵抗を試みるが先ほどの攻撃で駆動系に異常を起こしたのか動くことができない。
「・・・何も抵抗できないなんて」
『心配することはない。貴様らもいずれは導かれるのだからな。我々が築き上げる新世界へ。それまでしばし眠りにつくがよい!!』
ゲッタードラゴンがトマホークを振り下ろそうとした瞬間、上空から回転する物体が命中したことで弾き落される。
『ヌッ!?』
落下した物体を見ると片刃の手斧のような物体が地面に突き刺さっている。
『このトマホークは』
『も、もしや!?』
『やっと我々の目の前に現れたということか。』
ドラゴンが上を見上げると月明かりに照らされながら布状にマントに包まれた巨大な何かが高速で飛来していた。
「あれは・・・」
断片的な記憶しかなかったがエックスは、そのロボットのことを知っていた。深紅のマントに包まれたそれは空中から足を突き上げてドラゴンを蹴り飛ばす。ゲッタードラゴンは体勢を立て直しながら相手を見るがそれは攻撃を受けた屈辱ではなく、求めていたものが目の前に現れた喜びを感じさせるものだった。
『ついに現れた。』
『とうとう自分から姿を見せたね!』
『フッフフフフフッ、来おったな。』
『ゲッターロボ!!』
ロックマン・・・めちゃくちゃ戦っているんだけどな(まあ、仲間やライト博士のバックアップが充実しているからなんと見えないが)。