ドラえもん のび太の転生ロックマンX   作:赤バンブル

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石川先生の漫画にも同名の短編があるんだよな。


ゲッターロボ対ゲッターロボG

鏡面世界 ハンターベース近辺

 

着地したゲッター1は、ネオゲッターに近づきゆっくりと上半身を起こす。

 

「味方なのか?」

 

エックスが戸惑っていると下半身の装甲の一部が開き、中から修理キットを装備したメットールたちとぶかぶかの宇宙服を着たような何者かが現れた。メットールたちはネオゲッターに取りつくと工具を取り出して修理を始め、宇宙服男?は、慣れない手つきでネオイーグルのコックピットブロックまで登ってくる。

 

「だ、誰だ?」

 

「え、エックス君。僕だよぉ。」

 

ヘルメットを取り外すとそこには汗だぐのロックの顔があった。まさかの兄の登場に彼は唖然とする。

 

「に、兄さん!?なんでここに!?」

 

「話は後。ちょっと動かないでね、応急処置するから。」

 

ロックは持ってきたスプレー缶をエックスの顔に向かって吹き付ける。すると凝固剤でも入っているのか出血が治まった。

 

「あっ、止まった。」

 

『小僧!パイロットの方は無事か!?』

 

「はい、怪我をしていたけど応急処置したので大丈夫です。」

 

通信越しの隼人の声にロックが答えるとゲッター1は姿勢を低くして頭部のコックピットを開ける。

 

『そいつをイーグルのコックピットに乗せろ。後、ベアーに残りの二人のどちらかを乗せてお前は応急処置を終え次第、その機体と一緒に離脱しろ!』

 

「わかりました。エックス君、マーティさんは?」

 

「えっと・・・・」

 

「あの女は伸びて使い物にならん。」

 

先に乗っているであろうマーティのことについて聞こうとしたロックにVAVAがハッチから顔を出しながら言う。実際、モニターでは間抜けな顔をして気絶している彼女の姿が映っており、彼は無言になってしまった。

 

「・・・・」

 

「に、兄さん、悪いけど彼女のことをよろしくお願いします。」

 

「う、うん・・・・。」

 

ロックは、顔を引きつりながらも変わるようにネオイーグルのコックピットに乗り込む。それぞれの乗機に乗り込んだエックスとVAVAは、それぞれの機体の確認を始める。

 

「基本的な操作性はネオゲッターと変わらないけど武装とかチェンジ機能が結構複雑だな。」

 

「外見も少し古臭く感じるな。大丈夫なのかこのポンコツ?」

 

『文句を言う暇があるなら操縦桿を握って感覚を掴め。それにこいつをポンコツ呼ばわりするなら乗りこなしてからにしろ。』

 

モニターに隼人の姿が映る。乗っていたのが人間だと知り、二人は仰天する。

 

「人間だと!?」

 

『人が乗っていて悪いか?ゲッターは、元々人間が乗ってこそ力を発揮するんだ。行動が単純なお前たちと違ってな。』

 

「なに!?」

 

『まさか、ロボットをゲッターに乗せることになるとはな。はっきり言うが途中で目を回して吐いて気を失うんじゃないぞ?尤もお前たちの場合はオイルだが。』

 

「てめえ・・・・好き放題言いやがって。」

 

挑発的な態度をする隼人に対し、VAVAは腹を立てる。そんな彼に対し、エックスは離れたところでこちらの様子を窺っているドラゴンを見ながらなんとか治めようとする。

 

「VAVA、今は言い争っている場合じゃない!奴が攻撃してくる前に動かないと。」

 

「チッ。」

 

『フン、少しは話が分かる奴がいたようだな。いいか、相手のドラゴンはまだ本気を出していない。性能差はあるがあの青いゲッターを乗りこなしたお前たちならその差を埋めることができるはずだ。死にたくないなら操縦桿を握って感覚を掴め。そうすれば勝機を見出せる。』

 

「「・・・・」」

 

ゲッター1は、立ち上がってドラゴンの方へと向き直る。ゲッタードラゴンは、戦えるようになったとわかると組んでいた腕を解いて対峙した。

 

『どうやら向こうの準備が整ったようだ。』

 

『そのようだね。しかし、ビアンコ君。何故彼らに時間を与えたんだい?今の間に攻撃してしまえば決着がついたものを。』

 

わざわざ敵の準備が整うまで待っていたことに対し、コーウェンは気になって問いかける。

 

『僕もコーウェン君と同意見だよ。』

 

『フッフフフ、ゲッターはパイロット三人が乗ってこそその力を最大限に発揮することができる。だが、先ほどまで相手したゲッターもどきは、適正パイロットが欠けていたのか。データほどの力を感じられなかった。』

 

『なんと!僕とコーウェン君は、気付かなかったのに!そこまで見抜いていたなんて。』

 

『驚いたよ、ビアンコ君。つまり、ここにゲッターロボが来たことでようやく試す時が来たということなんだね。このゲッターGの本気を。』

 

『フハッハハハ!その通り。そして、今ここに知らしめてやるのだ!最早、ゲッター線は我々と共にあるということを!!』

 

ゲッタードラゴンは、マッハウイングを展開して向かってくる。

 

「敵が動いた。空中へ逃れるぞ。」

 

「はい!ゲッターウイング!!」

 

隼人の指示と同時にエックスは、ゲッター1のマントを展開して空中へと飛んでいく。目標が上空へ逃れようとするのに対してゲッタードラゴンは、ネオゲッターを無視して追いかけていく。

 

「武装はトマホークと腹部にあるビーム砲か。射撃武器が他にもあれば心強いんだけど。」

 

「相手のドラゴンも一部を除けば武装は同じだ。だが、正面からぶつかっては分が悪い。距離をとりながら相手の動きを読むんだ。」

 

マントを靡かせながらゲッター1は、雲の間を突き抜けていく。一方、後方にいるドラゴンは額からビームを撃ちながらそれ以上の速度で迫ってくる。

 

「おい、エックス。もっと速く飛べねえのか!?こんなペースで飛んでいたら撃ち落されるのも時間の問題だぞ。」

 

追ってくるドラゴンに対し、VAVAは、もっと早く飛ぶように催促する。エックスは、更に速度を上げようとするがそれに順応するかのようにドラゴンもまた速度を上げてきた。

 

「(やはりドラゴン相手にゲッター1では不利か。竜馬なら迎え撃つだろうがあの時とは訳が違う。リスクはあるが・・・・)おい、あの雲の中に飛び込め!」

 

「えっ?」

 

エックスは、目の前の雷雲を見る。

 

「どうするつもりなんですか!?」

 

「このまま飛び続ければいずれドラゴンのゲッタービームに撃ち落される!だから、あの雲の中に隠れてゲッター2のスピードで反撃する。」

 

「あの雲の中で!?危険すぎる!」

 

「リスクは承知だ。それに雲の中に隠れてしまえば奴らもすぐには俺たちを見つけられん。分離してからすぐに再合体を行う。いいな?少しでもタイミングがずれれば雷に打たれて最悪機体同士がショートを起こしてお陀仏だ。」

 

「・・・」

 

隼人に言われるままにゲッター1は雷雲の中へと入って行く。

 

『馬鹿め、雷雲ごときの中に隠れたぐらいでこのドラゴンから逃げ切れると思っておるのか!』

 

ビアンコは雷雲の前でドラゴンを止め、両肩からトマホークを取り出し投擲をする。

 

『雷に打たれる前にその身をバラしてくれるわ!!』

 

雷雲の中から金属がぶつかり合った音が響く。

 

仕留めたと思い、三人は不敵な笑みを浮かび上がらせるが同時に雷雲から何かが飛び出してドラゴンの頭部を掴んだ。

 

『何っ!?』

 

一体何が起こったのか彼は動揺するがカメラをよく見るとペンチ状のアームが頭部を握っており、目の前にはバーニアを吹かしたゲッター2がドリルで串刺しにしようと迫る。

 

「うおぉおお!!」

 

隼人は、先手必勝とばかりにドリルアームをドラゴンの腹部に突き刺そうと動かす。しかし、そうはさせまいとビアンコは持っていたトマホークで受け止める。更に空いているもう片方の手で今度がゲッター2の頭を掴み直した。

 

「うっ!?」

 

『フッフフ、まさか雲の中に逃げたように思わせて反撃してくるとは並のパイロットではないな。』

 

「!?」

 

その時回線が繋がったのがゲッタードラゴンのコックピット内部の映像が映る。ビアンコの顔を見るや隼人は驚愕の表情を浮かべる。

 

「さ・・・・早乙女博士?」

 

『ほう、そんなに似ているかね?ワシがその早乙女という男に!!』

 

ゲッタードラゴンは、勢いのままゲッター2の頭部を握りつぶそうと力を入れ始める。隼人はまずいと判断して、武器ボタンを押す。するとゲッター2の目から弱めのゲッタービームがドラゴンの目に向かって放たれた。

 

『ぬおっ!?』

 

ドラゴンは思わず顔を抑える。同時にゲッター2はこの隙を逃すまいとドリルを向け直す。

 

「ドリルロック!!」

 

ドリルが勢いよく飛び出し、ドラゴンの頭部に向かって発射する。

 

『オープンゲット!!』

 

命中しようとした瞬間、スティンガーが分離レバーを押したことでドラゴンはマシン形態に戻り、ドリルは掠ることなく通り過ぎた。

 

「ちっ。」

 

隼人は急いで繋いでいたチェーンを引いてドリルを自分のところへ戻す。ゲットマシン形態になった三機は上空へと逃れていく。

 

『大丈夫かい、ビアンコ君?』

 

『いや、大したことはない。まさか、ゲッター2にあんな小細工があったとはな。』

 

『僕たちも驚いているよ。なんせ、僕たちの知っているゲッター2にはあんな仕掛けはなかったからね。だが、同時にジャガー号のパイロットの正体がわかったよ。』

 

『まさか、彼がこんな時代にまで生き延びていたとはね。これだからゲッターというのは面白い。』

 

『次は僕が相手をするよ。増幅装置の出力を上げて驚かせてあげよう。チェンジ、ライガー!!』

 

反転して戻ってきた三機は合体してゲッターライガーにチェンジ。ドリルアームを展開してゲッター2へ襲い掛かる。隼人も負けじとドリルアームで迎え撃つが火花を散らすとともに回転の弱さで押されていく。

 

「クウゥウ・・・・増幅装置を取り付けて改修したとはいえここまでの差があるとは・・・」

 

自分の想定では勝てないにしても撃退することぐらいはできると推測していた。

 

実際、このゲッターに組み込まれたゲッター線増幅装置は、今は亡き早乙女博士が最後に制作した機体の炉心をベースに開発したものでブラックボックスをすべて解析できなかったもののそれでも当時のドラゴンを上回る性能を獲得していた。

 

だが、目の前にいるライガーのスピードに追い付けないのを見ると敵の制作した機体は自分の予想を遥かに上回る強さを秘めていると実感させられる。

 

二体は空中で高速戦闘を繰り広げ、地上に激突する。地面に叩きつけられたのはゲッター2だ。

 

『ハッハハハハ!いくらゲッターパイロットと言えど一人だけじゃどうにもならないね!』

 

「クッ・・・舐められたものだぜ。」

 

隼人は、口から出た血を拭き取りながら睨みつける。そんな時、VAVAが通信で要求をしてきた。

 

「おい、俺にやらせろ。さっきの仕返しをしてやる。」

 

「バカ言え!ゲッター3を扱ったことのない奴が使いこなせるわけがない!」

 

「うるせえ!いいから黙ってやらせろ!ド素人じゃねえところを見せてやる!!」

 

再びゲットマシンが分離する。

 

『今度はゲッター3で挑むつもりかな?』

 

『無駄なことを。ならばこっちはポセイドンで相手するまで。』

 

ライガーも分離し、総計六機のゲットマシンが空中を飛び回る。先に合体を開始したのがゲッターGの方だった。

 

『チェンジ、ポセイドン!』

 

「チェンジ、ゲッター3!!」

 

三機連結して合体するゲッターポセイドンに対し、ゲッター3はジャガー号にイーグル号が突き刺さり、更にその上にベアー号が合体するため、少しにタイミングのズレも許されない。

 

VAVAは、勢いを殺さずイーグル号に向かって突っ込んでいく。

 

「VAVA、スピードが速すぎる!そのまま合体したら衝撃で機体が・・・」

 

「甘ちゃんは黙ってろ!奴らに一発目に見えるものを見せてやる!!」

 

「うわっ!?」

 

ベアー号が突き刺さると衝撃で地面が崩れ、合体の完了していないゲッター3は地中の中へと姿を消していく。

 

『おや?自分から生き埋めになってしまったよ。』

 

コーウェンは、まさかの自滅行為に拍子抜けする。ところが背後の地面から二本の長い物体が飛び出してポセイドンの動きを拘束した。

 

『なっ、これは!?』

 

遅れて地面の中からゲッター3の本体が姿を現す。ポセイドンは動きを封じられたことで増幅装置の出力を上げることでゲッター3の腕を引きちぎろうとする。

 

「させねえ。」

 

VAVAは、今までのお返しとばかりにほぼ零距離からのゲッターミサイルをお見舞いする。同時に拘束していた両腕を一気に開放することによって竜巻を作り出し、ポセイドンを上空へと勢いよく放り投げた。

 

『ぬう・・・・!なるほど一杯食わされたということか。』

 

地面に激突したことで頭を押さえているコーウェンは、上空から自分たちの着地した場所が運搬用トンネルが建設された山の上だということに気が付く。VAVAが勢いを落とさずに無理に合体したのは自滅行為ではなく下のトンネルに落下することで相手に悟られないように後方へ回り込むことが目的だったのだ。ゲッター3は、追撃でゲッターミサイルを連続で発射する。

 

『何度も同じ手を食らうものか。ゲッターサイクロン!!』

 

ポセイドンは、胸部装甲を開いて首周りのファンを露出させると竜巻を発生させてミサイルを吹き飛ばす。竜巻はゲッター3を捕らえ空中高く巻き上げる。

 

「クウウゥウ!!」

 

『フッハハハ、これはさっきのお返しだ。ストロングミサイル!!』

 

発射されたミサイルは、空中で回転するゲッター3に向かって飛んでいく。しかし、竜巻の中でゲットマシンはまたもや分離。今度はゲッター1の姿になって腹部の装甲を開く。

 

「ゲッタービィイーム!!」

 

発射装置から放たれたピンク色の光線がミサイルを打ち落とす。ポセイドンは命中する直前に分離、三機は上空へと逃れる。

 

『おのれ、たかが旧ゲッターが調子に乗りおって。このドラゴンの真の力を思い知らせてくれるわ。チェンジ、ドラゴン!!』

 

空中で合体したドラゴンは、トマホークを持ちながら急降下してゲッター1に斬りかかる。

 

「ゲッタートマホーク!!」

 

対するゲッター1もトマホークを取り出して受け止めるが凄まじい衝撃に襲われる。

 

『ぬうう・・・・増幅装置、出力30%に上昇!』

 

耐え切ろうとするゲッター1に対し、ゲッタードラゴンは増幅装置の出力を上げ支えていたトマホークを強引に切断する。

 

「なっ!?」

 

『お遊びもここまでよぉ!』

 

ドラゴンのキックを直接受け、ゲッター1はハンターベースの方へと飛ばされていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鏡面世界 ハンターベース

 

ゲッターロボとゲッターロボGが交戦している頃、ハンターベースではザンダクロスの発進が急がれていた。

 

「各部、異常なし。出力稼働領域に到達!」

 

「ネオゲッター用の装備を持たせろ!マニピュレータを調整すればコイツでも使える!」

 

ダグラスの指示でネオゲッター用に開発されたビームガトリングが格納庫の中に運ばれてくる。

 

「ジュド、いいか?そっちに武装データを送るから取り扱えるようにデータを最適化してくれ。反動は強いかもしれないがその機体なら問題なく使えるはずだ。」

 

『わ、分かったよ。』

 

コックピットに登場しているジュドは、電子頭脳に送られてくるビームガトリングのデータを基に自分にも扱えるようにプログラムの再構築を開始する。本来このようなタイプの大型ロボットをパイロットに合わせて最適化する場合、かなりの時間を費やしてしまうのだが彼は元々作業ロボットの電子頭脳であるため、直接シンクロさせることで構築を短期間で実行することができる。

 

『最適化、完了。いつでもいけるよ。』

 

ザンダクロスは接続ケーブルを外すと目の前にあるガトリングを手に取って出撃しようとする。

 

「エックスたちは、今市街地を抜けて山岳エリアで戦闘をしている。お前は距離を取りながら援護をし、攻撃の隙を作るんだ。それから・・」

 

「おぉ~~~いぃ~~~。ちょっと待って~~~。」

 

そこへグラビティーマンたちが慌ただしく格納庫の中へと入ってきた。ダグラスは、指定された持ち場から離れたことで彼らに注意をしようと動く。

 

「おい、お前らはベースの中で待機って・・・」

 

「博士からメッセージが届いてこのカプセルに入っている武器をジュドに使わせろってぇ。」

 

「武器?」

 

ダグラスは、グラビティーマンの手に握られているカプセルを手に取る。そこには『A.G.W』と表記されていた。

 

「AGW?いったい何の略だよ?」

 

「我々も詳しくは知らないがそれ使えば、あの敵を弱らせられるとか言ってたぞ。」

 

クリスタルマンは、彼からカプセルを取り返すと目の前に投げてみる。爆発と同時に一行の目の前にチャージ式の大型レーザーライフルと思われるものが現れた。

 

「おいおい・・・こんな大昔のレーザー兵器で何とかなるってのかよ?」

 

あまりにも旧式だったことからダグラスは愚か他のメカニックたちも絶句する。これを持たせて出撃させるぐらいなら今の装備のまま出撃させた方が余程マシに思えてしまう。

 

「どうすっかなぁ。あの爺さんのことだからただの兵器じゃねえのは分かるけど・・・・でも、ミスったら取り返しがつかねえぞ?」

 

『ダグラス、僕はワイリーのことを信じていいと思うよ?こんな時にわざわざ使えって言うんだし。』

 

フォローを入れるかのようにジュドは言う。ダグラスは心配そうにもう一度レーザーライフルを見るが他に選択肢がないため、使うことにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから間もなく帰還したネオゲッターの修理を開始しようとしていたところでハンターベースに向かって飛んでくるゲッター1の姿が見えた。

 

「わっ!また、来たぞ!?」

 

「ひぃい~!!逃げろ~!!」

 

メカニックたちは、その姿を見るや蜘蛛の子散らすように一斉に逃げ出す。幸いにも途中でゲッターウイングを展開して衝撃を抑えることでダメージを軽減すると同時に格納庫への衝突は免れた。

 

「つ、強い・・・・」

 

エックスは、ゲッター1を立ち上がらせると目の前には既にゲッタードラゴンが殺意を露にしながら待ち構えていた。

 

『戯れはここまでよ。舐めていたとはいえ、まさかドラゴンの30%の力を引き出すことになってしまった。』

 

『まさか、旧ゲッターにここまでの力があるとは。それも三人のうち二人がロボットだと言うのに。』

 

『これだからゲッター線は侮れないんだよね。人類を見限ったかと思えば次期候補を見極めようとする。』

 

ゲッタードラゴンは、飛び上がり遥か上空へ向かう。その態勢を見るや隼人は、顔を顰める。

 

「クッ!奴ら、アレを使う気だ!!」

 

「アレ?」

 

「ドラゴン最強の武器『シャインスパーク』。膨大なゲッターエネルギーを全身に纏って突っ込み、相手を確実に仕留める一撃必殺の技だ。あんなものを使えば俺たちどころかこの基地が跡形もなく消されるぞ!」

 

「なっ!?」

 

「ケッ、用がなくなったら情け無用に消すってか。これなら最後まで利用するシグマの方が善人に見えるぜ。」

 

隼人の読み通りで上空から再び現れたドラゴンは全身眩い光に包まれていた。そして、ゲッター1にめがけて超スピードで迫ってくる。

 

『ここまでの健闘は大いに称賛しよう。だが、我らの障害になりえる地球のゲッターをこのまま生かしておくわけにはいかん。よって、このドラゴン最大の武器である『シャインスパーク』で締めるとしよう!!』

 

「クソ!」

 

ゲッター1は、構えを取ってゲッタービームを発射しようと動く。

 

「よせ!シャインスパークを前に旧ゲッターのゲッタービームが叶うわけがない!」

 

「基地には仲間たちがいるんだ!ダメもとでもやるしかない!!ゲッタービィイームゥ!!」

 

ドラゴンに向かって最大出力のゲッタービームが放たれる。

 

『フッハハハハッ、無駄だ無駄だ!!いくらゲッタービームを撃とうがこのシャインスパークを防ぐことはできぬわ!!』

 

ピンク色に輝く閃光の中を無慈悲に進んでいくゲッタードラゴン。

 

それでもエックスは、ビームの出力を上げて抵抗し続ける。

 

「ヌウゥウグググ・・・」

 

『ナ~ハッハッハッハッハッ!!そろそろ引導を渡してくれる!!』

 

『跡形もなく消し去ってくれるわ!』

 

『ゲッター線に抱かれて死ぬがいい!!』

 

『『『シャインスパー』』』

 

その直後、不意打ちの如く別方向から飛んできた閃光がドラゴンに命中する。

 

『ぬっ!?何奴!?』

 

ビアンコが放たれた方角を見るとそこには敷地内でライフルを構えたザンダクロスの姿があった。

 

『ジュド!?』

 

『まさか、彼が自ら姿を現すとは。』

 

『手間が省けたね。後は彼女を・・・なっ!?』

 

三人は、起こった現象に目を疑う。

 

先ほどまでエネルギーの塊と化していたドラゴンが急速にその勢いを失い始めたのだ。輝いていたボディは徐々に元の色に戻り、纏っていたエネルギーもまた拡散していった。

 

『一体これはどうしたことだ!?』

 

ビアンコは、一瞬何が起こったのか理解できなかった。そんな彼にスティンガーが驚きの声を上げながら答える。

 

『び、ビアンコ君!計器を見てくれ!』

 

よく見ると先ほどまで上昇していたゲッター線の出力が最小値近くまで下がっていた。

 

『ゲッターエネルギーが!?』

 

『何故だ?何故収束していたはずのゲッターエネルギーが拡散していく!?』

 

この事態にエックスたちも気づいたのかゲッタービームを再びぶつける。ドラゴンは、急速旋回で回避するがバランスを崩して不時着をした。

 

「うまくいった!」

 

ザンダクロスに乗っているジュドはライフルを構えてもう一度ゲッタードラゴンを撃とうとする。しかし、倒れていたドラゴンは、とてつもない速さでザンダクロスの懐に回り込み、その頭部を掴み上げた。

 

「し、しまった!?」

 

ジュドは、再度ライフルを発砲しようとするが銃はダブルトマホークで叩き切られてしまう。ゲッタードラゴンの中ではビアンコが声を荒げながら叫んでいた。

 

『おのれ、ジュド!余計な真似をしおって!!』

 

「!?び、ビアンコ博士!?」

 

聞き覚えのある声が聞こえたことにジュドは、困惑する。まさか、自分の慕っていた人物が仲間を殺しに来るなど思ってもいなかった。信じられないとばかりに目の前にいるドラゴンに通信を送る。

 

「博士!本当に博士なんですか!?なんで・・・・なんでこんな事を!?」

 

『なんでだと?これもお前とリルルが大人しく我らの元に戻らなかったからだ。リルルと言い、貴様と言い何故大人しく従軍せんのだ!!』

 

ドラゴンは、勢いをつけてザンダクロスを投げ飛ばす。ザンダクロスは飛んできたゲッター1に受け止められたことで無事に着地する。

 

「ジュド、大丈夫か?」

 

「う、うん・・・まさか、博士が前線に出てくるなんて・・・」

 

二体は、目の前にいるゲッタードラゴンと対峙するが出力が戻ってきたのかドラゴンは目を光らせる。

 

『最早、これ以上の茶番に付き合ってはおれん。貴様をバラバラにしてリルル共々連れ帰るまでよ!!ゲッタービーム!!』

 

「ゲッタービィイームゥ!!」

 

二体のゲッターのビームがぶつかり合う。当然、出力の劣るゲッター1が押されていく。

 

「エックス!」

 

ジュドも加勢しようとレーザーを発射しようとするが先ほどの頭部を握り潰されかけたことでどこか故障したのか反応しなかった。

 

ぶつかり合っていたビームは徐々にゲッター1の方に押し戻される。

 

「クソッ、やはりドラゴンの方が出力が高い。オープンゲットしてこの場から離れろ!!」

 

「まだだ・・・・まだおわっちゃいない・・・。」

 

地面にクレーターができ、イーグル号のあちこちが火花を散らしながらもエックスはレバーを握りながら踏ん張る。

 

『旧ゲッター如きに何ができる?このまま吹き飛ぶがいい!!』

 

ドラゴンのビームの出力が上がり、ついにゲッター1の腹部に直撃しようとする。

 

「俺には・・・・・・守りたい仲間や友達がいるんだ・・・・だから・・・・ここで負けるわけにはいかないんだぁ!!うぉおおおおおおおおお!!」

 

彼の叫びに共鳴したのかクリスタルが埋め込まれている胸部がうっすらと光る。同時にゲッター1のボディが黄緑に発光し始め、押されていたビームの出力が急側に上昇し、ゲッタードラゴンの方へ通し戻した。

 

『なっ!?』

 

『馬鹿なっ!?』

 

『旧ゲッターのゲッター線が急に・・・』

 

これはまずいと判断したのかドラゴンはゲットマシン形態になって攻撃を避けた。最大出力となったゲッタービームは、敷地を抜け、ビルをいくつも貫いた後に山に命中して爆散、跡形もなく消滅させた。

 

「な、なにが起こったんだ?」

 

隼人は、突然の出来事に唖然とする。一方のエックスは何も話さなくなり、ゲッター1はその場に膝をついて沈黙した。

 

上空へ逃れたビアンコたちは、冷や汗をかきながら沈黙するゲッター1を見守る。

 

『・・・・何だったというのだ?今のあの大出力のゲッタービームは?』

 

『わからない。旧ゲッターがあんなゲッタービームを撃てるはずがない。』

 

『奴は今の攻撃でほとんどのエネルギーを使い果たしているはず。今なら・・・・』

 

落ち着きを取り戻し、三人は再びドラゴンに合体してとどめを作用とするがそこへ緊急通信が入った。

 

『何事だ?』

 

『ビアンコ博士、至急基地にお戻りください。逃げ出した総統一味に動きがそれと・・・誠には信じられないのですが表の世界に「Z」の反応も。』

 

『なんだとっ!?』

 

基地からの報告にビアンコは、思わず大声を出す。

 

破壊したはずの『Z』が地球に降りている。

 

もしこのことが本当ならすぐにでも基地に戻って対策を考えなければならない。放置すれば自分たちの計画の最大の障害になりかねないと考えているからだ。

 

『・・・気に食わんが今は「Z」の方を優先するとしよう。』

 

『尤もな意見だ。奴を野放しにしておくのはリスクが大きい。』

 

三機のゲットマシンはゲッタードラゴンに再度合体すると高速でハンターベース上空から離脱していった。

 

「ビアンコ博士・・・」

 

ジュドは飛び去って行くドラゴンを見送りながら複雑な顔を浮かべる。沈黙したゲッター1の周囲には、すぐに回収班が向かい、気を失ったエックスとVAVA。そして、隼人の身柄を回収してその日の晩は幕を閉じた。

 

隼人は、拘束されて連行していく傍ら担架で運ばれていくエックスを見つめながらある疑問を浮かべるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ズゴゴゴォオオオオオ・・・・・・

 

同じ頃、早乙女研究所の地獄の釜では不気味な咆哮が地底の奥底から響き渡っていた。

 

その入り口で一人の老人が表情を険しくしながら見つめている。

 

『ドラゴン、お前も感じているか。これから起こるべきことを・・・最早残された時間は少ない。私たちも覚悟せねばなるまい。「新たな可能性」か・・・それとも「破滅の運命」か。』

 

早乙女は、ゆっくり暗闇の中へと消えていった。

 




隼人を人間と思わない方がいい(色んな意味で)。
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