ドラえもん のび太の転生ロックマンX   作:赤バンブル

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最近、何もかもうまくいかなくて落ち込んでます( ;∀;)
気がつけば一月以上空けちゃったよ。


滅びへの序奏

ハンターベース 会議室

 

旧国連軍が早乙女研究所に惨敗した次の日。

 

ハンターベースの会議室ではシグナスとライト博士が暗い顔をした政府の代表たちと『反省会』という名の会議を行っていた。

 

『よもや敵の本拠地に攻め込むことなく壊滅することになるとは・・・・』

 

「仕方ありません。我々は神隼人のことを完全に把握していないのですから。」

 

『一方的に送られてきた通信では捕らえた兵士たちは全員、後日にこちらへ送還するそうだ。ここまで嘗められるとは』

 

「元々手を出したのはこちら側です。彼らは応戦しただけ。彼の要求を受け入れれば何もせずに済んだのです。」

 

『うむ・・・』

 

代表たちは、険しい表情で今後のことについて話し始める。

 

『シグナス総監、これからどうするつもりなのかね?』

 

「彼は、Dr.ライトに協力を求めていました。」

 

『それで彼を浅間山に行かせるというのかね?』

 

「現場にはおそらくDr.ワイリーもいます。二人の力を借りるとなるとそれ相応のことなのかと。」

 

『だが、彼だけ行かせるのはあまりにも危険すぎる。』

 

「護衛としてエックスたちとネオゲッターロボを現場に向かわせる予定を立てています。向こうにはゼロも一緒にいるため、脱出においての危険は少なくなるかと考えています。」

 

『うん・・・確かにネオゲッターロボならば脱出の成功率は高いだろう。』

 

代表たちは、互いの顔を見合わせしばらく考え込むと相互一致してこの件をシグナスに任せることにした。

 

『いいだろう、シグナス総監。この件に関しては君たちイレギュラーハンターに任せるとしよう。』

 

『くれぐれもこれ以上神隼人を刺激しないようにしてくれたまえ。あの男のことだ、今度は地下都市にまで攻め込んでくるかもしれん。』

 

「わかりました。では、引き続き鉄人兵団に警戒しながら計画を進めます。」

 

『うむ、頼んだぞ。』

 

会議を終えると彼らは、ほっと溜息をしながら席に座り直す。

 

正直言うと二人は、旧国連軍の派遣について乗り気ではなかった。ワイリーの話をよく聞いていたライト博士は、隼人が早々に攻め落とされるような研究所などにしているはずはないと考えており、シグナスにもしもイレギュラーハンターの派遣の話が出ればできるだけ穏便に進めたいと伝えていた。シグナスの方も鉄人兵団のこともあって敵を増やさないために行動したいと思っていたため、話が振られたら応じるつもりでいた。それが旧国連軍の導入で言えなくなり、実際に被害を出してしまうことになった。

 

「これでしばらく彼らが口を出してくることはありません。」

 

「しかし、困ったことになったな。あの国連軍の攻撃で隼人君は我々に対して強い警戒心を持ってしまったはずだ。素直にこちらの話を聞いてくれるかどうか。」

 

二人は、コーヒーをすすりながら早乙女研究所へ行くメンバーについて話し合う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

メディカルルーム

 

「・・・・」

 

「VAVA、これで完治したはずだけど調子はどうだい?不具合があるなら応じるけど。」

 

ゲイトは、顔のカバーを外しながら言う。治療を終えたVAVAは、カメラアイを起動させると自分の手や周囲を見ながら確認する。

 

「・・・問題ない。」

 

「そうかい。」

 

「あの野郎はどこへ行った?」

 

「あの野郎?・・・あぁ、神隼人のことか。彼なら君を痛めつけた後、自分の研究所がある旧日本エリアに帰ったよ。」

 

「・・・そうか。」

 

そう言うと彼は、ベッドから起き上がって部屋を後にする。その脳裏では、エックスにひたすら殴られていた時と同等の屈辱を感じていた。

 

「俺がたかだが人間如きにやられるとはな。クソッ!!」

 

VAVAは、近くの壁に拳を叩きつける。まさか人間に負けるとは考えもしなかった。しかもとどめを刺すことなく、逃げられたとなると腹の虫も収まらない。

 

「このままでは済まさねえぞ、神隼人!!今度は俺がてめえに屈辱を与えてやる。必ずな。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第17部隊隊長室

 

同じ頃、エックスは自分の部屋でソファーに座っていた。

 

「・・・・」

 

「エックス、そろそろお茶にしない?」

 

そこへマーティが茶菓子を持って入ってきた。エックスは、彼女が部屋に入ってきたのを見ると読んでいた本を閉じてテーブルの上に置いた。

 

「あぁ、もらうよ。」

 

二人は、お茶を飲み始めるがどうも浮かない顔をしている彼に対し、マーティは声をかける。

 

「体の調子・・・・大丈夫なの?目が覚めてからずっとそんな感じだけど。」

 

「ブッ!?」

 

エックスは、思わず口に含んでいたお茶を吹き出す。自分ではできるだけ明るく振舞っていたつもりだったのか顔を触りながら確認をする。

 

「そんな顔していた、俺?」

 

「誰から見てもわかるわよ。ドラえもんたちも心配していたのよ。」

 

「そっか・・・」

 

妻の指摘に対し、彼はため息をつきながらカップを目の前に置く。マーティは、引き続きエックスに問いかける。

 

「またゲッターロボの夢でも見ていたの?」

 

「・・・うん。でも、今まで見ていたものよりもなんか未来でも過去でもない不思議な夢を見たんだ。」

 

「予知夢?」

 

不穏な言葉に彼女は、胸騒ぎを覚える。

 

話によると夢の中では、エックスが見知らぬ施設で三機のゲットマシンを見たという。そこへ一人の男がやってきて死ぬことがわかっていながらも搭乗。敵の大軍に向かって立った一機で立ち向かっていき、全身ボロボロになりながらも最後は炉心を引きずり出して自爆したというのだ。そして、その光景を目にした後、背後になんとその男が立っており、自分に対して気兼ねなく声をかけてきたとか。

 

「それで何て言ったわけ、その男?」

 

「『俺の壮大な最期どうだった?カッコ悪いかもしんないけど俺の人生の中では一番輝いていた時だと思うんだけど。』って、なんか普通に話してきたよ。」

 

「・・・能天気なのかしらね。他には何か言っていた?」

 

「『お前はゲッターに対して不信感を持っているようだけどそれは可能性の一つに過ぎない。その未来に繋がるかどうかはその意思次第だ。だから、道を誤るなよ。』といったところで目が覚めたんだ。あの男が何者なのかはわからなかったけど・・・・」

 

「けど?」

 

「俺たちが見た未来って今回みたいな夢を見ないでそのまま突き進んだもので何らかの警告なんじゃないかって。」

 

エックスは、腕を組みながら言う。

 

実際、ドラえもんが自分の未来を変えようと介入した際には本来ジャイ子と結婚するはずの未来が静香と結婚するものへと変わっていた他、過去への介入で歴史が大きく変化した事例が存在する。

つまり、自分やゼロたちがゲッターに取り込まれる未来があるのなら取り込まれずに済む未来へ変えることもできるはずだ。そうすれば、あの宇宙を支配するゲッターエンペラーも誕生しないことになる。

 

「それはそうかもしれないけど・・・問題はそのきっかけがわからないことなのよね。アタシも断片的にしか見ていないし、ゼロとアイリスがどういったタイミングでゼロドラゴンに取り込まれるのかがさっぱり。」

 

「うん。そこが問題なんだ。だけど、二人があの姿になるのはおそらくかなり未来のはずだ。その前に、その原因を突き止めて止めることができれば・・・・」

 

そんな感じで二人が話を進めているとドラえもんたちが部屋に入ってきた。

 

「のび太君、シグナス総監たちが話があるって。」

 

「シグナスが?」

 

「なんか、大事な話らしいぜ。」

 

「わかった。今行くよ。」

 

彼らは席を立ち、司令室の方へと歩き始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

訓練室

 

同じ頃、訓練室ではジュドがアクセルの指導を受けて射撃の訓練を行っていた。ジュドは狙いをつけて二連装式バスターを発射するが照準のズレなのか、的から外れる。

 

「違うよ。もっと、こう狙いを絞って撃たないと。」

 

「えっと・・・これかな?」

 

アクセルに言われて彼は、もう一度発砲する。今度は的を掠った。

 

「あぁ・・・またダメだった。」

 

教えてもらった通りにやって外したことにジュドは、肩を落とすがアクセルが愚痴を言うことなくそんな彼の肩をたたく。

 

「いや、初めての訓練でこれだけできればいい方だよ。僕なんて初めてやった時なんか仲間に当てて大変なことになったんだから。あれからしばらくの間は白い目で見られて一緒に仕事させてもらえなかったな・・・。」

 

「へ、へえ・・・そういうこともあるんだね。」

 

二人が訓練室から出てくるとちょうどパレットとリルルと鉢合わせた。

 

「あっ、パレッ・・・・じゃなくて、リルルなんだっけ?」

 

彼女たちの姿を見てアクセルは、慌てて言い直す。すると二人は顔を見合わせて笑みを浮かべて言い返してきた。

 

「残念でした!さっき、ゲイトさんたちの手で元に戻ったから私がパレットでぇ~す!!」

 

「えっ?そうなの。」

 

「ったく、アクセルったら。鉄人兵団基地の時は分かったのにどうして二人並んだら分からないのよ。」

 

パレットは、がっかりした顔で言う。それに対してアクセルはなんとか言い訳をしようとする。

 

「だ、だって!入れ替わった体をすぐに戻せるなんて想像つかないじゃないか!?」

 

「この間、『入れ替えロープ』のことを教えたでしょ。私がやったところ全然覚えていないんだから。」

 

「それは・・・・パレットの教え方が難しいから。」

 

「あ~あ~この間助けてもらったとき見直したのにな~~~すごくショック!」

 

「悪かったよ・・・」

 

いじられる彼にジュドは、同情しながらリルルの方を見る。久しぶりに自分の体に戻ったこともあって表情は落ち着いていた。

 

「リルル、元の体に戻って落ち着いた?」

 

「えぇ、さっき言っていた道具で一瞬で元に戻れたわ。パレットのおかげで・・・」

 

彼女が二人の様子を見る。

 

「・・・・私、本当にここにいてもいいのかな?」

 

「どうしたの急に?」

 

「私と会わなければ彼女もあんな目に合わずに済んだのかなと思って。」

 

「それは・・・僕だって同じだよ。いつ後ろから銃を突きつけられてもおかしくない。だから、今こうして一緒に動いているんじゃないか。」

 

ジュドは、彼女の前に来て励ますように答える。

 

本国から見れば自分たちは裏切り者であり、地球側にとってはスパイとして疑われてもおかしくはない。

 

しかし、気持ちに嘘はついていない。

 

それはエックスを初め、シグナスたちイレギュラーハンターのメンバーが理解してくれている。仮に信じていないのならパレットは勿論、アクセルが訓練に付き合うなんてことはしないはずだ。

 

「ジュド~~君からも何か言ってよぉ~~!君から見てもパレットが根に持ちすぎだと思うよね?」

 

「えっ、いや・・・何と言えばいいのか・・・その・・・」

 

急に話を割り振られてジュドは、どう答えればいいか迷う。

 

「リルルもアクセルがひどいと思うよね!?」

 

「そうね・・・でも、パレットも根に持ちすぎると周りも引くからその辺で許してあげてもいいんじゃないかしら。アクセルも悪気があって言ったんじゃないんだし。」

 

「うっ・・・確かもそうだけど・・・」

 

同意を求めたリルルの答えにパレットは、顔をしかめてアクセルの方を見る。アクセルは申し訳ない顔をしながら許しを請う。

 

「・・・・はあ、分かったわよ。リルルたちに免じて今回だけは許してあげる。」

 

「ホッ。」

 

「その代わり、今度勉強教えるときは寝ないでよね。あれ本当に腹立つんだから。」

 

「はい。」

 

話がひと段落するとタイミングよく部屋に設置してある通信機が鳴り出す。

 

「あれ?司令室からだ。」

 

アクセルは、回線を開くとエイリアの姿が映し出された。

 

『アクセル、今訓練中?』

 

「いや、今ちょうど空いたところだよ。何かあったの?」

 

『いいえ。さっきシグナスたちとの話し合いで今後の方針が決まったから貴方にも伝えようと思ったのよ。』

 

彼女は、四人の目の前で次のようなことを告げる。

 

エックスたちは、これからライト博士の警護を兼ねてネオゲッターロボと共に旧日本エリアにある浅間山へと出発。

 

鉄人兵団の動きがわからないため、ゲッターロボ號はハンターベースに待機。アクセルも本部に残り、状況に応じて対応してもらうとのことだ。

 

「えっ、僕は居残りなの?どうせならエックスたちと行きたいけど。」

 

『貴方、先日潜入任務終わったばかりでしょう。また、いつ戦闘が再開するかわからないんだから休んでおきなさい。次始まったらそれこそ暇がなくなるから。』

 

「は~い~。」

 

アクセルは、通信を切ると貧乏くじを引いてしまったとばかりにため息をついてソファーに座り込む。

 

「あ~あ~、やっと帰ってきたかと思えばお留守番か。僕、もう休む必要ないと思うんだけどな。」

 

彼は、残念そうな顔をする。

 

確かに神経を使う任務ではあったがレッドアラート時代は、すぐに次の仕事に動いていたこともあって負傷でもしない限り待機と言うのはあまり慣れていなかった。それ故か、ここ最近肝心な時に限って除け者れてしまっているように感じてしまう。

 

「エックスだって、昔はB級だったのに滅茶苦茶活躍して今に至るのに・・・ひょっとして僕実力がないと思われてる?」

 

「それは、お前が恵まれている証拠ってことだよ。」

 

そこへマックが部屋に入ってきた。本来防衛線についているはずの彼だったが先日のゲッターロボの騒動で体が上下泣き別れになり、致命傷には至らなかったものの下半身のスペアがなかったため、車いすタイプの補助ユニットで代用し、今は本部勤務へとなった。

 

「マック。」

 

「あの戦い、『シグマの反乱』前は今よりも多くの特A級、A級ハンターがいた。けど、その多くが反乱に乗じて離反、残ったハンターも他のエリアの問題対処に追われて、まともな戦闘力を持つゼロとあいつに頼らざるを得なかったんだ。俺もそこまで戦闘得意なわけじゃなかったからな。それに度重なる戦いで政府も戦闘タイプのレプリロイドの開発を渋るようになった。だから、伸びしろのあるハンターは早死にしないようにじっくり育てたいんだよ。」

 

マックは、皮肉交じりで話す。

 

思い返してみれば自分もかつてはランク下のエックスを小馬鹿にし、軽視していた。ところがいざ反乱となれば自分は現場の被害を抑えるのが精一杯だったのに対し、バカにしていたエックスはたった一人で成し遂げ、周囲の尊敬と信頼を集め、誰からも一目置かれる存在となっていった。今もこうして仕事を続けているが前線ではサポートに回るのがほとんどで彼の実力には到底及ばないと悟った。

 

逆にそれだけ貴重な人材で失うことになれば大惨事になる。それ故にシグナスたちも素質のあるアクセルの扱いに慎重になっているのを理解していた。

 

彼は、軽くため息をするとアクセルに電子ボードを手渡す。

 

「なにこれ?」

 

「ゲッターマシンの訓練プログラムだ。マシンを使えるハンターは少ないからな。治療の際のデータ収集でお前にも適性があるとタチバナ博士が調べたそうだから。暇なら受けてきな。」

 

「でも、あのマシンはジュド達で決まってるんでしょ?今更、僕が受けなくても・・・・」

 

アクセルは、ジュドの方を見ながら言う。しかし、当の本人は首を横に振った。

 

「いや、僕は自分のボディがあるから。戦力は少しでも多い方がいいし、僕が乗るよりも誰かが乗っていた方がいいんだ。」

 

「へえ・・・・」

 

「っというわけだ。タチバナ博士たちの方はすでに準備が進んでいるから暇なら受けときな。」

 

マックは、言うことを言うと室内業務へと戻るべく補助ユニットを動かして部屋を後にした。彼がいなくなるのを見届けるとアクセルは、電子ボードに乗っている操縦訓練プログラムを確認する。

 

「うえっ、シミュレーションだけでも結構多いんだな・・・・」

 

「よかったじゃない、暇じゃなくなって。」

 

予想以上の量に絶句する彼に対してパレットは、早速行こうとばかりに手を引く。

 

「ちょ、ちょっと待って!?他にやる用事を思い出した!!」

 

「そんなわけないでしょ。さっ、行きましょうね。」

 

「わぁああ~~!!」

 

適当な言い訳をして逃げようとするアクセルを引っ張りながらパレットは、訓練室を出ようとする。

 

「じゃあ、リルル。また後でね。」

 

「うん。・・・嫌がっているようだけどいいの?」

 

「いいの、いいの。面倒な訓練ではいつもこうだから。」

 

彼女は笑って返す。

 

二人が部屋を去り、残されたジュドとリルルは、訓練を終えた後に部屋に戻ることにした。

 

「僕たちも部屋に戻ろうか。」

 

「そうね、私も久しぶりに自分の体に戻ったせいなのか少し疲れちゃった。」

 

談笑しながら部屋に向かって歩く二人だったがその直後、ふと足を止めた。

 

「「えっ?」」

 

どういうわけか電子頭脳に直接信号が送られてきたのだ。気になった彼らは、持っていた端末に転送して送り主が誰なのかを確認する。

 

「そ、総統直々の暗号通信!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鏡面世界 メカトピア軍基地

 

その頃、ビアンコは研究室に籠ってある映像を何度も見返していた。

 

それは自分たちがゲッタードラゴンで輸送艦隊を襲撃した時のもので『Z』を乗せた輸送船の爆発するところを遅らせたりして観察する。

 

「ドラゴンのシャインスパークは間違いなく直撃していた。いくら、出力を控えていたとはいえあの攻撃を受けてダメージを一切負わないというのは明らかにおかしい。カプセルに収容されていたとしてもだ。」

 

映像を切って背もたれに寄りかかりながら彼は、過去を思い出す。

 

 

 

 

『Z』発見以前、彼はまだ内戦が続いていたメカトピアにおいて軍の兵器開発主任を任されていたが実験の失敗で共に現場にいた妻が爆発に巻き込まれて死亡、喪失感を味わったことで一人娘を連れて辞任し、元々趣味であった古代文明の遺跡調査に没頭するようになった。戦時中とはいえ、メカトピア星は数多くの遺跡が手つかずで残されており、彼の退職に関しては当時将校の一人だった総統の計らいもあって終戦からしばらくは娘と気が合う仲間やかつての教え子たちと共に調査することが日課となっていった。

 

この時期の経験は、仕事で離れていた親子の距離を縮めると共に喪失感を穴埋めするいい機会だった。

 

そして、終戦からしばらくビアンコは仲間たちと共にある遺跡を発見した。

 

その遺跡はこれまでの大型兵器たちが発見されたものとは違い厳重なプロテクトが施され、トラップの発動などにより、負傷者が続出した。危険な目にあいながらも彼らはどうにか最深部へと到着。

 

そこには、魔神ともいうべき巨大ロボットが石像のように佇んでいた。

 

『これも神が残した大型兵器の一つか?』

 

『ですが、先生。スキャンをかけていますがこのロボットには、他のものでは確認された浸食や劣化が見当たりません。まるで作られた時から時が止められているように感じます。』

 

驚くビアンコ一行。

 

ロボットは中世の西洋騎士を彷彿とさせる容姿をしており、埃が被っていることを除けば新品同然の状態だった。今までのトラップに警戒して周囲を調べると古代の戦争で破壊されたと思われる朽ち果てた機械と何かを収容していたと思われるカプセルが見つかる。

 

『これは何の機械だったのでしょうか?』

 

『うむ、このロボットを造る過程で使用していたのは間違いないがこの有様では詳しいことはわからんな。』

 

『このカプセルの中は空か。残念だったな、ひょっとしたら古代の神の残骸が入っていたかもしれないのに。』

 

教え子の一人が残念そうにカプセルから目を離して次の場所へと移動する中、周囲を見ていたセラはカプセルの周囲を見ながら怪訝そうな顔をする。

 

『お父さん。この遺跡、本当に私たちが初めて入ったの?』

 

『うん?どういうことだセラ。』

 

ビアンコは娘の方へと向き直り、彼女の指をさした先を確認する。カプセルのすぐ脇には教え子のものとは違う別の足跡が残されており、それが外の方へと断片的に続いていた。

 

『足跡?』

 

『カプセルの中も他のところと違ってそんなに古く感じないし・・・ひょっとして中に入っていた人が外に出て行ったんじゃないの?』

 

『むう・・・・』

 

足跡がまだ新しいこととカプセルが長期保存用のものだとすれば中に入っていたものが生きている可能性は十分高い。だが、もし戦争中に出てきてしまったのならおそらく戦闘に巻き込まれてしまった危険があり、それに中身がロボットと断定できないため、生物なら最悪死亡していることすらあり得る。

 

さらに発見されたロボット自身も大きな謎があった。

 

スキャンしてみると外部フレームとは別に内部にも別のフレームが存在しており、まるで正体を隠すために覆っているように装着されていることが判明。正体を探るべく、剥がそうと試みるが如何なる攻撃にもびくともせず、当時の最新兵器すらも耐えきったことで断念。

 

続いてコックピット部から情報を引き出すことにしたが解析困難なブラックボックスがいくつも組み込まれており、それらを解放ぜずとも従来の武器を大きく上回る兵装の数々に終戦後に設立された新メカトピア政府は驚愕。

 

以降ネロが初めて運用するまで得体の知れない存在として秘匿され続けた。

 

 

 

 

 

 

 

「リルルたちを保護して始めて修理した際、ネロの体にあるケーブルの接続跡から何か違和感を感じたワシは、あの遺跡から得たデータを引き出して再確認した。すると驚くことにあのケーブルと形状が一致していた。そう、ネロはアムとイム同様太古の神々の一人によって生み出されたロボットだったのだ。そして、奴は『Z』に乗るべく存在として眠り続けていたのだ。だからこそ、この計画が完遂するまで奴を遠ざけておきたかった。」

 

一通りの調査を終えたビアンコは、部屋にコーウェンとスティンガーを呼び、自分が何故『Z』を警戒しているのかについて語る。二人は特に否定する素振りも見せず、彼が語り終えるまで話を聞く。

 

「ゲッター線の関与がないにもかかわず、あの星のどれほど強力な兵器すらも物ともしない驚愕の耐久力と数々の武器を持つロボット。君がこの計画の障害として考えるのも無理もないね。ねっ、コーウェン君。」

 

「その通りだよ、スティンガー君。我々はゲッター線の導きによって多種多様の進化を見てきた。だが、あのロボットだけは唯一無二の存在としてすべてが完成してしまっている。それ故にこれからさらなる進化を求めている僕たちにとって彼が乗り続けるのは危険としか言いようがない。」

 

二人は、地球に降りてきた『Z』の映像を見ながら呟く。事前にどちらかを葬っておけば心配はなかったが合流してしまった今となっては別の対策を取らなければならない。増してや今のドラゴンでは不安要素が拭えない。地球にあるであろう二体のゲッターロボの炉心を手にし、メカトピア本星での進化を行わなければ計画の綻びが生じる。

 

ビアンコは地図の映像に切り替え、反応をまとめる。

 

「幸い、兵団の居場所は既に割り出してある。ここへ改修したガラダブラを初めとするメタルビースト軍団を放ち、ネロたちの足止めを行う。」

 

「『Z』の足止めをしている間に僕たちは別動隊を率いて早乙女研究所を襲撃。ドラゴンと真ゲッターの炉心をいただく。」

 

「これに関しては別の手駒を使おう。少し前に使い勝手のいいものが手に入ったからね。指揮は僕とスティンガー君がとるとしよう。」

 

「では、ワシはドラゴンで待機。基本の攻撃はメタルビーストたちに任せ、炉心を回収次第基地へ撤退。すぐにメカトピアへ戻る。断じてネロたちを釘付けにしておかなければ。」

 

彼らは実行日を決め、早乙女研究所への襲撃計画を立てるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時空間 大型タイムマシン内部

 

「・・・・クウ。」

 

22世紀へと帰還を急いでいるアチモフ一味のタイムマシン群の一艇のメンテナンスカプセルの中からブラックゼロが体を起こす。ハンターベースから引き揚げた後、彼は合流ポイントに到着したのも束の間、ダブルギアを限界まで使用した負荷でその場に倒れてしまい、カプセルに入れられて今まで治療を受けていたのだ。

 

目の前では入れてくれたと本人だと思われるクワンガーが腕を組んで立っていた。

 

「ようやくお目覚めですか。相当負荷がかかっていたのかギアの一部が融解していましたよ。」

 

「どのくらい眠っていた?」

 

「1時間くらいですよ。ダブルギアのスペアも限りがありますからできれば無理は遠慮してほしいものですね。」

 

二人がブリッジに上がると兵士ロボットたちが慌ただしく動いていた。

 

「何の騒ぎだ?」

 

「タイムパトロールに見つかったようです。あの兵団の事件で警備体制を強化していますからね。」

 

アチモフ一味の背後からはパトロール艇が倍の数で押し寄せてきていた。

 

「アチモフ一味!大人しく武装解除して投降しろ!!警告に応じないのであれば発砲を開始するぞ!!」

 

ブリッジでリングマンはスピーカーを持ちながら警告を行う。その並みならぬ覇気に隊員たちは圧倒される。

 

「今日の警部・・・めっちゃ覇気ありますね・・・。」

 

「この仕事終わったら家族で出かけるって娘さんと約束しちゃったそうだからな。できるだけ早く終わらせたいんだよ。」

 

「あぁ、なるほど。警部、愛妻家で子煩悩ですからね。」

 

「3分後に砲撃を開始する!速やかに停止し、降伏しろ!!」

 

 

警告に対し、一味は先制攻撃するかこのまま振り切るかで揉める。

 

「弱りましたね、いくら私たち単体が強くともこの時空間に放り出されてはたまりません。」

 

「だが、砲撃はエネルギーの消耗が多い。今回の計画は、中止で赤字だからな。」

 

「では、振り切りますか。」

 

「全艦にスピードギアの発動を伝えろ。うまく振り切り、なっ、なんだ!?」

 

振り切ることを伝えようとした瞬間、艦を大きな揺れが襲う。

 

「何が起こった!?」

 

「ゴジ!ゴジジ、ゴジ!?」

 

「何かが船体を掴んだ?外の状況を映せ!!」

 

モニターを切り替えると謎の巨大ロボット集団が自分たちの船を取り押さえ始めていた。

 

「こいつら・・・まさか俺たちを追って・・・うおっ!?」

 

アチモフ一味が襲われているのはタイムパトロール側でも把握していた。

 

「警部、アチモフ一味の艦に所属不明のロボットたちが襲っています。」

 

「まさか、鉄人兵団がここに・・・」

 

「大変です!?とてつもない巨大な反応が時空間に侵入してきます!!」

 

隊員の叫びと同時に一行の目の前にロボットの顔が付いた巨大な戦艦が艦隊を率いて現れた。彼らはアチモフ一味の船を回収すると艦内にロボットたちと共に収納し、反対方向へと動く。

 

「な、謎の艦隊・・・アチモフ一味を回収して移動を開始。」

 

「い、行き先を割り出せ!!」

 

「今、チェックします・・・・・21XX年、スカルマン並びにカリンカさんたちのいる時代です!」

 

「通信を繋げろ!!」

 

行き先がわかるとリングマンは、攻撃に警戒しながらも通信を行う。

 

「こちら、タイムパトロールのリングマンだ!君たちは我々が追っている犯罪者たちを捕らえた。目的はなんだ?君たちは何者なんだ!?」

 

ブリッジに一時の静寂が訪れる。彼らは今にも攻撃されて撃沈されるのではと緊張感が走るが謎の艦隊はまるで興味がないのかそんな様子は見せず、しばらくして返信が来た。

 

『タイムパトロール諸君、こちらはゲッター艦隊司令官「巴武蔵」だ!。君たちに危害を加えるつもりはない。だが、我々はこれから行う目的のために彼らの協力必要だと判断して回収させてもらった。』

 

「目的?目的とはなんだ?巴司令官。」

 

『人類、いや、宇宙の存亡にかかわる事態の対処だ!このまま放置すれば、全てが塗り替えられて人類が滅ぼされる。我々はそれを阻止するためにここに来たのだ!!悪いが話はここで終わらせてもらう!』

 

「待て、巴司令官!それはどういう意味・・・」

 

予想外の言葉にリングマンは、思わず聞き返そうとするがゲッター艦隊はすぐさま高速ワープをしてその場から離脱してしまう。ほとんどの隊員が夢の出来事なのではないかと呆然としている中、彼はエックスたちの世界で何が起ころうとしているのか胸騒ぎがした。

 

「人類が滅ぶだと?一体・・・一体私たちの世界で何が始まろうとしているんだ?」

 

 

 

 




なんか良いこと起きないかな~(´Д`)
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