旧日本エリア 早乙女研究所
真ゲッターロボの修理が開始されてから数日。
修理はライト博士とワイリーの協力もあって想定よりも早く進み、残すところ最終調整のみとなった。
ところがそんな矢先研究所中に警報が鳴り響いた。
少しの休息を取ろうとしていた四人は何事かとブリッジへと駆け付けた。
「何の騒ぎだ!?」
「敵の襲撃です!外と内部の隠しゲートから侵入し、各ブロックで応戦中です!」
既に席についているゲッターロボたちは、各回線を用いて状況を把握しようと動く。
「まさか、あの時のドラゴンが・・・・」
「どうせ政府の馬鹿どもがしびれを切らして攻撃してきたんじゃろう。百鬼獣まで大事にしまっておいたんだからメカザウルスやメタルビーストを持ってきてもビビらんぞ。」
深刻に考える隼人に反してワイリーは、気だるそうに言う。モニターに映像が映るとそこには、禍々しい形状になったメカザウルスたちが研究所に向かって攻撃をしていた。
「敷島博士、防衛システムの起動を。D2部隊、全機発進!バリアを展開後、各機フォーメーションを組んで敵を撃破せよ!!」
「神さん、内部の侵入している敵が映りました。・・・・けど、これは」
外の防衛を開始しようとしている中、研究所内の敵の姿に彼らは困惑する。
「どうした?敵はどういった奴らだ?」
「は、はい。こいつ等は・・・ロボットです!それも破壊されたはずのものばかり!」
「なんだと?」
モニターに各ブロックの様子が映し出される。どの方面でもロボットたちが進行しており、ゲッターロボたちが防衛線を構築して応戦していた。その中には、レプリフォース大戦を始めとする過去の事件で死亡が確認されたイレギュラーまでも紛れていた。
「アルバート、お前の連れの仕業じゃないだろうな?」
隼人は、真っ先にワイリーに疑いの目を向ける。イレギュラー復活の件に関しては過去にシグマが実験的に起こったものや彼自身も手駒を増やすために暗躍した経歴があるため、この事態の差し金と思われても無理はない。当然、ワイリー本人は否定した。
「それはない。確かにシグマとワシはかつてイレギュラーやロボットを復活させたことはあるがアイツもワシもここ数日ここから離れておらん。転送装置を使うにしてもナンバーズを総出で出さない限り、あれだけの数を揃えるのは厳しい。」
「ライト博士の話ではお前は、僅かな時間で宇宙船と地球を何往復もしていたと聞くが?」
「だったら監視カメラで確認しろ!お前のことだからあちこちに隠しカメラ仕込んでおるじゃろう。全部見てから疑え!!」
その場にいる全員に疑いの目を向けられたことに腹を立てながら彼は、地獄の窯で待機しているはずのシグマと連絡をとる。
「シグマ、地獄の窯の状況を報告しろ!」
『ドラゴン、破壊用のミサイルの設置はほぼ完了しています。ただ・・・どうやら敵の侵攻は我々の想定よりもかなり速いようです。』
通信をしながらシグマは、目の前の現状を改めて確認する。そこにはかつて自分の配下として生み出したイレギュラーたちがすぐにでも襲い掛かろうとしている。
「グルルル・・・・」
ベルガーダーは、唸り声をあげながら距離を詰めてくる。そのすぐ傍では白目のネクロバット、片目からインベーダーの本体が飛び出ているダブルが液体金属ブレードを展開していた。
「おいおい、3対1で相手をしてるっていうのに連絡をとるなんざ随分と余裕じゃねえか。シグマ様よ。」
彼は、ブレードを回転させながら投擲する。シグマは素早く回避し、背後からサーベルで斬りかかるがネクロバットがダークホールドを発動。逆に拘束し、牙を彼の首元に突き刺そうと口を開く。
「チッ。」
片方の腕を取り外して火炎放射器を放射。
ネクロバットは、顔を炎に焼かれて悶え苦しむがダークウェーブを放ち、シグマのボディを傷つける。体勢を立て直そうとするシグマだがベルガーダーが飛び掛かり、サーベルを握っていた残りの腕を食い千切られてしまった。
「ヌウゥ・・・」
丸腰になった彼を見てダブルは、顔を再生させているネクロバットを起こし、腕を咥えたベルガーダーを含めて地獄の窯の淵へと追い詰めていく。
「ったく、見ねえうちに堕ちたもんだなアンタは。過去の亡霊なんかについて行ったから弱くなったんじゃねえのか?俺とか使える戦力を復活させればよかったのによ。」
ダブルは、得意気にブレードを振り回しながら皮肉を言う。ベルガーダーは、元々ペット兼ボディーガードをしていたにもかかわらずまともに再生してもらえなかったことを根に持っているのかその場で腕を食べ始めた。
「・・・私が弱くなったというよりはお前たちの性能が私が設計していた時以上に上がったと言った方が正しいな。」
「へえ、アンタにしては随分すんなり認めるんじゃねえか。」
「だが、それでもお前には決定的な弱点がある。それも私の元にいた時からの欠点がな。」
「なに?」
「お前はすっかり私のことを追い込んだと思っているようだが、私が無駄話するほど愚かではない。周りをよく見るといい。」
シグマが合図すると同時に撤退したと思われたゲッターロボたちが一斉に三体を包囲する。
「へっ、馬鹿が。いくら数を揃えようと今の俺達は不死身・・・」
「それは生き残れたら言うのだな、照射開始。」
「「「ゲッター」」」
「「「ビームッ!!」」」
ボディを切り捨てて離脱すると同時にゲッターロボたちが一斉にゲッタービームを発射する。直感でまずいと判断したダブルは、ジャンプをして回避するが動きが遅れたネクロバットとベルガーダーは悲鳴を上げながら体が飽和状態を起こして崩れ去っていく。
「ふむ、やはりドクターの仮説は正しかったか。」
ブンビーシグマは、二体の残骸を確認しながら言う。
それは一回目の鉄人兵団の攻撃でレプリフォースがメカザウルスと一部の大型兵器から回収された謎の生物の死骸から始まる。ゲッターロボが現れた現場から回収したと聞き、胸騒ぎを覚えたワイリーは無理やり理由をつけてサンプルを回してもらい解析。すると最初こそ死亡したと思われていたが仮死状態になっていただけに過ぎないことが判明、更に細胞レベルで分離・合体・増殖を繰り返し、更には無機物・有機物を問わず取り込んで己の力とする能力があることがわかり、増殖する危険性を考慮して一部のサンプルを残して焼却処分した。
その後、彼は早乙女研究所にて真ゲッターの修復を渋っていた際にこのサンプルがゲッター線に対してどのように反応するか検証。
結果、少量のゲッター線に対しては生命力が活発になるが逆に多量に照射し続けると過剰摂取による細胞が自壊して死亡することが分かった。そこで今回の戦闘でシグマに敢えて追い込んでもらい、一斉にゲッタービームを浴びせて見たのだ。
咄嗟の判断で致命傷こそは免れたものの多量のゲッター線を浴びたことでダブルの下半身は溶解してその場に倒れていた。
「く、クソ・・・さ、再生が遅せえ・・・」
「ふむ、以前とは比べ物にならない自己再生機能が付加された代償として多量のゲッター線を受けた後は、弊害が起こるようになってしまったようだな。」
ブンビーシグマは、ダブルを見下ろしながら言う。
「うるせえ!それは体がなくなったてめえも同じ・・・・」
「お~い~持ってきたぞ~。」
「うむ。」
ダブルが言いかけた矢先、ゲッターロボの一機がシグマの元にボディを持ってくる。シグマは一言礼を言うと頭部を接続し、体を動かして不具合がないことを確認するとビームクローを展開して近づく。
「さて、他の敵が攻め込んでいる都合、これ以上お前に時間を割くわけにはいかんな。敵の弱点が明確に分かったことだし、せめてもの情けで私の手で引導を渡すことにしよう。このゲッター線を利用したビームクローでな。」
「ち、ちくしょおおおおおお!!」
クローを突き刺してダブルに引導を渡そうとするシグマ。
しかし、そこへ壁を壊して何者かが侵入してきた。一つの影は素早く、ダブルを回収して距離をとる。
「先行して居場所の確認を頼んでおきましたがまさか弱点を晒してしまうとは余計なことをしてくれましたね。」
アジールは、回収したダブルを同行していたバイオレンに手渡す。ゲッターロボたちは、全員手持ち武器を持って警戒するが、シグマは彼らを制して二人の前に立つ。
「久しいな、アジール。バイオレン。まさか、お前たちまで復活するとは。」
「お久しぶりです、シグマ様。よもやこんな形で再会することになるとは思いませんでしたよ。」
アジールは、敬語で話すものの少し残念そうな顔をしていた。彼らカウンターハンターは、人格に問題があれどシグマに忠実だった。その忠実だった自分たちを彼は再生させることなく手放した。そのことに関してベルガーダー同様根に持っているのだろう。
「貴様も私が再び復活させなかったことに対して根に持っているようだな。」
「ほう、わかりますか?なら、何故忠実に仕えた我らを捨ててまで新しい配下を生み出したのですか?このダブルもそうですが全てのイレギュラーが貴方に忠実なわけではない。そのリスクを冒してまで。」
「難しい質問だな。確かにお前たちカウンターハンターは私の部下の中では最も忠実であったことは確かだ。だが、破壊されたイレギュラーのAIチップを始めとする残骸は政府によって厳重に処理される。失った力を蓄えるための潜伏期間において、目に着けられているお前たちを回収するメリットよりもデメリットの方がどうしても大きくなってしまう。それならば多少の反抗する輩になろうとも新しい戦力を生み出した方がいいと方針を切り替えたのだ。尤もお前たちがあの時エックスをいいところまで追い込んだのなら話は別だったが。」
シグマの答えに彼は、痛いところを突かれたと黙り込む。実際、隣にいるバイオレンも自分もエックスを撃破寸前まで追い込んだとは言い難い。特に基地での最終決戦のことはトラブルがあったとはいえ今だに黒歴史だ。そうなるとシグマ自身に見切りをつけられても仕方ない。しかし、ここで認めてしまうのはプライドが許せない。
「なるほど。確かに貴方からしてみれば私たちを復活させるメリットの方が少なかったと思われても仕方ありませんね。ですが、私もバイオレンもカウンターハンターとして生み出されたからにはそれなりの意地がある。」
「私へ挑戦するというのか?」
「いいえ、貴方とエックス・・・いや、全てのレプリロイドたちへの挑戦です。もし、この挑戦に勝つことができれば私たちも認めざるを得ないでしょう。尤も私たちの目的は達成できてしまいましたがね。また、お会いしましょう。行きますよ、バイオレン。」
「ちっ、せっかく生き返って大暴れできると思って来たのに壁ぶっ壊すだけじゃつまらねえな。あばよ、シグマ様。俺たちを捨てたことせいぜい後悔するんだな。」
バイオレンは頭部に接続されているチェーン付きの鉄球を振り回して壁にぶつける。壁は勢い良く崩れ、砂埃で視界が悪くなっているうちに二人はその場から姿を消した。
二人が逃げたのを確認するとシグマは気難しい顔になる。
「・・・・まずいことになったな。」
「どういう意味だよ?」
「奴らは目的を果たしたと言っていた。つまり、奴らはただ力任せに研究所を攻撃していたのではなく、この研究所に眠る『ドラゴン』と『真ゲッター』のどちらかの居場所を突き止めることが目的だったのだ。どちらかを手に入れれば片方はどうでもいい。それで達成したということなのだろう。」
「・・・ってことは、敵さん一斉にここに来るってことか?」
「うむ。」
シグマの返答にゲッターロボたちは、全員顔が真っ青になった。
「ドクター、敵の攻撃が本格的になる前にドラゴンの処分を。後は、貴方自身の手で行っていただければ完了します。それと真ゲッターの方も。」
「よし、わかった。最終調整のために地獄の釜へ向かう。お前は引き続き警戒を続けろ。」
通信を切るとワイリーは、近くで待機させていたワイリーナンバーズに招集をかけて出発の準備を始める。ちなみに隼人は少し前に武装をして真ゲッターの元へ向かった。
「ライト、ここはお前に任せる。もし危険だと判断したらこの簡易転送装置を使って脱出しろ。お前が敵の手に堕ちたらそれこそこの世界が終わるようなものだからな。」
彼は、ライト博士に小型の転送装置を手渡す。
「ワイリー・・・」
「言っておくが死ぬ気はないからな。ワシも用事が済んだらこんなところとっとと出て行ってやるわい。」
とりあえず集まったことを確認し、ワイリーは出発しようとするがそこへ隼人から連絡が届いた。
「隼人か、真ゲッターのところには辿り着けたか?」
『途中でエックスたちを拾って向かっているがまだ敵が多い。外のD2部隊も数の多さに消耗が激しくなっている。このままではジリ貧になる。』
「・・・・何が言いたい?」
言いたいことを察したのか、ワイリーは表情を険しくする。
『ゼロたちを解放してネオゲッターに乗せろ。幸い、あの二人の収納しているカプセルのポイントまで敵は押し寄せていない。』
「ゼロには今回の件に関わらせないと決めている。起動させて向かわせれば嫌でもゲッターの意思の思惑通りだ。」
『だから、ネオゲッターに乗せろと言っているんだ。俺は乗せたら事が終わるまでコックピットに自動ロックでもかけるなりすれば問題ないだろう。』
「ぬうう・・・」
『どの道敵が潜入してくるのなら閉じ込めておくのは危険だ。それを望まないのなら解放しておけ。リョウたちを向こうに送ってある。後はお前次第だ。』
そういうと隼人は通信を切る。ワイリーは渋い顔をしながらその場で黙り込む。前では防衛システムの起動をしながらニヤニヤ見つめている敷島博士、隣では彼の心境を気にしているライト博士が見守っている。
「・・・・背に腹は代えられないか。」
一方、隼人と合流したエックスは、マーティと共に目に前に現れるイレギュラーたちを破壊しながら進んでいた。
「攻撃をためらうな。少しでも躊躇すればこちらがやられる。」
「分かってますよ・・・・けれど」
エックスは、走りながら破壊されたイレギュラーたちの残骸を見る。どれも以前自分たちが処分したものばかりで不本意とはいえこんな形で再び葬られるとは思わないであろう。
「・・・・」
「哀れに感じるか?」
表情を曇らせる彼に隼人は、走りながら問いかける。エックスは黙ってうなずく。
「どのみち乗っ取られたこいつ等を救う手立てがない以上破壊するしかない。情けをかければ恥をかくことになる。」
「恥?」
「俺たちゲッターパイロットの中で『無駄死に』することを指す言葉だ。パイロットは愛するものを守るために戦い続けなければならない。守る前に死ねば、それこそ恥だ。」
「神さん・・・」
銃撃でイレギュラーを躊躇いもなく倒す隼人を見ながらエックスは、彼自身も重い使命を背負いながら戦っているのだと理解した。しばらく走り続けていると目の前が急に炎に包まれ、三人は足止めされる。
「なっ、これは!?」
「ガッハッハッハッ、ようやく見つけたぜエックス!!」
そこに立っていたのは、ナウマンダーとスタッガーだった。
「ナウマンダー!スタッガーまで!!」
「あの時はお前が来る前にVAVAにやられちまったが今度はそうはいかねえ!何しろ俺たちは不死身になったんだからな?」
「不死身?一体どういうことだ?」
「さあな。俺たちはてめえを倒したくてうずうずしているんだ。かの『落ちこぼれB級ハンター』が今じゃ『英雄』だと?ふざけやがって!!」
スタッガーは両側頭部に備え付けられている火炎放射器から勢いよく炎を吹き上がらせる。隼人は、ライフルグレネードを装填して攻撃しようと動く。
「この通路を通り抜けなければ真ゲッターのところには辿り着けん。何があっても突破するぞ。」
「人間なんかに用はねえ!!俺たちはこの・・・・」
「俺の獲物に手を出すな。」
「「!?」」
壁から声が聞こえたかと思いきや突然の爆発と共にナウマンダーの頭部が吹き飛ぶ。スタッガーは一瞬何が起こったのか吹き飛んだ壁の向こうを見るとそこには移動式砲台に乗ったVAVAがいた。
「ヴァ、VAVAてめえ!!」
「雑魚は大人しく墓穴に戻りやがれ。コイツで細切れにされたくなければな!!」
彼は、砲台をガトリングへと切り替えて連射する。スタッガーは、ラッシングバーナーで弾丸を溶かすが隙間なく発射される弾の前には耐えきれず、身体中がハチの巣にされる。
「こ、このくらいで・・・・・俺はこの程度でくたばると・・・!」
よろめきながらもすぐに傷を治癒しようとするが次の瞬間、隼人のグレネードが体に着弾する。スタッガーの体は粉微塵に吹き飛び、下半身のみが残された。
「ふん、デカい口を叩いた割には呆気なくくたばりやがってな。」
VAVAは、物足りなさそうに残骸を見下ろす。特に指示を受けていないはずの彼が何故ここに来たのか疑問に思い、エックスは問う。
「VAVA、どうしてここに?」
「敷島の老いぼれが自分の研究室の武器を好きなだけ持って行っていいからお前らの方に一回加勢しに行けと言われたから来ただけだ。お前にも消えてもらったら困るからな。」
そういうと彼は改造マシンガンなどを放り投げ、エックスには大型リボルバー拳銃を渡した。
「お前にはこれがいい。威力はいいが俺には扱いづらかった。」
「あ、あぁ。」
エックスは、渡された銃を確認する。見た目は西部劇とかで見たものとあまり変わらないがずっしりと感じ、頼りがいがある。
「さっさと行け。俺も外の迎撃に行かなくちゃならねえからな。」
「あ、ありがとうVAVA。」
「別に礼を言われる筋合いはねえ。それと神隼人。」
「ん?」
「俺はいつかてめえのその面をズタズタにしてやる。それまで死ぬなよ。」
「・・・・フッ、面白いことを言う奴だ。その気ならいつでも相手をしてやる。」
三人は、急いでその場を後にする。それを見届けるとVAVAは、目の前に倒れている二体の残骸の方へと視線を戻す。
「おい、いつまで死んだふりしてやがる?俺が気づいていないとでも思っていたのか?」
すると二体の残骸から本体であるインベーダーの肉塊が飛び出し、周囲の残骸を見境なく結合しながら巨大な姿になる。装甲を継ぎ接ぎで合わせたことで巨大になった体の中央からはナウマンダーとスタッガーの顔が現れる。
「「ふざけるんじゃねえぞ、VAVA!!俺たちがこの程度で死ぬわけねえだろうが!!エックスと言い、てめえと言い舐めたことしやがって!!」」
全身から火炎放射器の銃口を出し、合体イレギュラーと化した二人はVAVAに向かって攻撃を仕掛けようと迫る。
「ケッ、デカくなれば俺に勝てると思っているのか?一回死んでも脳筋は治らねえみてえだな。」
「「ほざきやがれ!!このまま此処諸共消し炭にしてやる!!」」
彼らは、発射体勢を整える。するとVAVAがバズーカを構えて発射した。
「「馬鹿め!そんな弾一発で俺たちを殺せるわけがねえだろ!!」」
飛んで来る砲弾に対して合体イレギュラーは、容赦なく火炎を放射する。すると砲弾は炸裂するや周囲に冷気を放つ。
「「ナニッ!?」」
炎はたちまち消火され、体があっという間に凍結して動けなくなる。二人が動揺している姿を見てVAVAは、思わず笑いだした。
「クックックッ、俺が態々ただの砲弾を喰らわせるとでも思っていたのか?あの弾は触れた瞬間に周囲を凍らせる冷凍弾だ。老いぼれの話では山火事の山を雪山に変えることができる威力だそうだ。しっかし、ククッ・・・自分から動けなくなるとは本当に笑いものだな。」
彼は、最後に玩具っぽい光線銃を手に取る。
「こいつは細胞破壊光線銃とかいう奴でどんな生物でも細胞レベルから破壊して粉微塵にできるらしい。さあて、どう始末してやろうか?」
不敵に笑いながらVAVAは、光線銃を向ける。
だが、その背後に巨大な影が忍び寄ろうとしていた。
研究所の別ブロックではカプセルで休眠していたゼロとアイリスがワイリーの判断の元解放された。目を覚ますなり警報が鳴り響いていることに二人は動揺しながらもカプセルから出る。
「何の騒ぎだ?ジジイの奴、また何かをしでかしたんじゃ・・・・」
ゼロは、頭を押さえながらもふらつくアイリスに手を差し伸べて起こす。武装を確認しているとエンカーたち三人が部屋に入ってきた。
「二人とも無事か?」
パンクとバラードに警備を任せ、彼は起きたばかりの二人の様子を見る。
「俺たちは大丈夫だ。だが、一体何の騒ぎなんだ?ジジイが・・・」
「いや、敵襲だ。研究所の各ブロックが攻撃を受けている。お前たちは、持ってきたロボットに乗って外の敵を撃退してくれ。」
「持ってきたロボット?まさか、エックスたちも来たのか?」
「あぁ、俺たちがガードに就くように命令を受けている。急いで格納庫へ向かうぞ。後、これはワイリーからの餞別だ。」
エンカーは、セイバー用と思われる外付けカートリッジを二人に手渡す。
「これは?」
「セイバーの刃にゲッター線をコーティングさせるためのものだ。報告によれば敵は高濃度のゲッター線に対して有効であることが報告されている。お前は銃火器よりもセイバーの方が使いやすいだろう。」
ゼロとアイリスは、カートリッジをセイバーに取り付けて展開してみる。するといつもに増して刃が不自然に緑色に発光していた。
「バスター用のオプションはないのか?」
「悪いが俺も未だにアイツのことを許したわけじゃないからな。欲しかったら、自分で言ってくれ。」
「・・・遠慮しておく。」
5人は、部屋から出て周囲を警戒しながら格納庫へと向かう。道中、インベーダーたちが牙を見せながら襲い掛かってきたがエンカーたち三人の攻撃でゼロたちに届くことなく消されていった。
「なあ、ジジイは俺たちのことをどうしようとしていたんだ?」
「ジョーたちから聞いたがカプセルに入れたまま自分の研究所に転送しようとしていたらしい。どういうわけかお前たち二人はゲッターに好かれているようでな。それが奴は気に食わないらしい・・・・!」
会話をしている最中、バラードは何かを感じて足を止める。
「どうした?」
「何かがいる。」
三人は、二人を守るように前に出て武器を構える。暗い廊下の先からは足音が聞こえ、近づいていくにつれてその姿が徐々に明らかになっていく。
「なっ!?」
「そんな・・・」
ゼロとアイリスは、思わず驚愕の表情を浮かべる。そこには体の至る所に亀裂があり、白目をむいているものの自分たちのよく知っている人物がサーベルを持って近づいてきていた。
「野郎!」
パンクは、持っているランチャーと両肩に装備されているゲッターミサイルを相手に向ける。その行動に思わずアイリスは、止めに入る。
「ま、待ってください!」
「おい、何すんだよ!?」
彼女の行動にパンクは、動揺する。その反応を見てエンカーは、ゼロの方に視線を向ける。
「知り合いか?」
「あぁ・・・・だが、アイツは随分昔に死んだはずだ。アイリスを庇った末にスパイに暗殺されたんだ。俺は、アイツから彼女を託され、守ることを約束した。」
ゼロは、表情を顰めながら目の前にいる男を見る。
「カーネル・・・お前まで利用されるなんて。」
そんな彼の反応に対し、カーネルはまるで操り人形のように生気のない声でサーベルを向ける。
「ゼロ・・・タタカエ・・・・ワタシトタタカエ・・・・」
「・・・ゼロ。」
「アイリス、あの時とは違う。あれはもうカーネルであってもう俺たちの知っているカーネルじゃない。」
「う、うん・・・・」
「俺たちで止めるんだ。これ以上奴らの手先にならないうちに。」
ゼロに言われてアイリスは、しばらく考え込むが変わり果てた兄を再び見て意を決したのかセイバーを展開する。
「今度は私も一緒に止める。兄さんだってこんな形で会うことなんて望んでいないはずだもの。だから・・・」
「おいおい、勝手に二人だけでやるようなこと言うなよ?俺たちが援護をしてやる。無茶をするなよ。」
5人は、武器を展開しながらカーネルへと立ち向かっていく。
久しぶりにロックマンXらしく書けたと思う。
VAVAに敷島博士の武器なんか持たせたら誰も止められなくなりそう・・・