早乙女研究所 格納庫
ゼロたちが格納庫に駆け付けるとそこにはインベーダーとイレギュラーの残骸が山積みになっていた。
「ここにも奴らが・・・・」
「よう、やっと来たか。」
クジラの前ではVAVAが待ちくたびれたとばかりに腰を下ろしていた。すでに敵が殲滅されたことを確認するとゼロとアイリスは、バスターを戻して近づく。
「クジラの搭乗員は無事か?」
「ガムシャラに応戦していたから迂闊に近づいてこなかったみてえだ。それでも俺が来る前は押されていたようだけどな。」
そういうと彼は、やや不満そうな態度を取りながら立ち上がって中に入ろうとする。
「随分、機嫌が悪そうだな。何かあったのか?」
「ここに来る前にあったウスノロ共を始末し損ねた。」
時は遡って少し前。
「さて、どう始末してやろうか?」
ナウマンダーとスタッガーにとどめを刺そうとしたVAVAだったが銃の引き金を引こうとした瞬間、背後に気配を感じジャンプをする。乗っていた移動砲台は無数の槍に突き刺さって爆発した。着地すると彼は、光線銃を戻して武装を持ち替える。
「野郎・・・そこか!」
お構いなしにレールガンを発射する。だが、弾丸は相手の盾に防がれてしまう。
「さっきの回避行動と言い、エックスにも劣らぬ正確な攻撃・・・・性格は少々残念だが、戦闘能力は噂通りだな、イレギュラーVAVA。」
西洋騎士を思わせるアーマーを身に纏っているガレスは、盾を下げながら彼の前に立ち塞がる。VAVAは、他の武装も展開して動きを読もうとする。
「我が名はガレス、戦いに来たのではない。そこの二人を回収しに来ただけだ。」
「あのウスノロ共をか?アイツらは自分のことしか考えない図体だけが一人前の馬鹿だ。見捨てた方がいいぞ。」
「その二人は私と同じ新世界へ生きる資格を得た者たちだ。ブレインとしては問題はない。無論、体はしばらくお預けだがな。マンダレーラ!!」
「ムン!」
彼の掛け声と共に天井を突き破ってマンダレーラが現れる。彼は手刀で合体イレギュラーの体を砕き、ナウマンダーとスタッガーの頭部のみを回収する。
「回収した!」
「おい、関取!いくら何でも体砕くことはねえだろうが!」
「そうだぞ、溶かせばいいものを!」
「敗者となったお主らに言われる筋合いはない!!」
「「グッ・・・」」
「コイツは予想外だな。まさか、てめえまで生き返るとはなマンダレーラ。ドップラーの老いぼれのラボ以来か?」
目の前に現れた相手に対し、VAVAは皮肉そうに言う。マンダレーラは、彼の挑発に乗ることなく
「久しいなVAVA。ヴァジュリーラは達者か?」
「お前が死んでから血の気が多くなった。」
「奴に会ったら伝えてくれ、『また共に歩む時が来る』とな。ガレス、引き上げるとしよう。」
二人は、一瞬でVAVAの前から消す。VAVAは、破壊された移動砲台を見ながら舌打ちをする。
「アイツら・・・余計にぶっ壊しやがって・・・」
『お~い~若いの。ワシじゃ、聞こえておるか~?』
そこへ敷島博士からの通信が来る。
「なんだ老いぼれ?」
『連中、どうやら引き上げて本命で攻撃を仕掛けてくるようじゃ。急いで格納庫にあるゲッターもどきに乗って時間稼ぎをしてくれ。』
「チッ。てめえから受け取った砲台、簡単に壊れたぞ。」
『なに、あんなもんよりももっとすごいもん作ればいいだけのことじゃ!次は二足歩行にしてレールガンでも付けようかのう~~にひっひっひっひっ!!』
通信が切れるとVAVAは、持ち運べる武装を持って移動を始める。
「・・・やっぱり、あのジジイ頭がイカレテやがる。」
「・・・って訳でここに来てそこの雑魚共を始末した。」
「ついでみたいな言い方しているがお前随分戦っていたんだな。」
VAVAの説明に対し、ゼロは残骸の山を見て感心する。どの個体も活動停止するまで徹底的に攻撃されているため、余程のことがない限り自己再生して襲い掛かってくるということはなさそうだ。クジラの格納スペースに入るとゲットマシンは既に合体作業が終了しており、ネオゲッター1の状態で寝かされていた。
「ゼロ隊長、Dr.ワイリーからの指示で出撃できるようにしておきました。いつでも行けます。」
整備スタッフは後部ハッチを開いてネオゲッターの拘束具を解除する。
「VAVAはベアー号、アイリスはジャガー号に乗り込んでくれ。俺はイーグルに乗る。」
「大丈夫かしら、私よりもエックスに来てもらった方が・・・・」
「いや、カーネルが言い残したことが事実ならアイツが向かうのには理由があるはずだ。それにネオゲッターで時間を稼げと言うことはそれだけの奴が外で暴れているということだ。」
「最初から負け戦に行くっていうことか。ふざけてやがるな。」
愚痴を言いながらもVAVAは、ベアー号の操縦席へと乗り込む。ゼロはイーグル号のOSを自分のものに切り替えて最適化させる。
「アイリス、操縦経験あるが無理にネオゲッター2を動かそうとは考えるな。連中も本気だからな。」
「えぇ、ゼロも無茶しないでね。」
三人が乗り込むとネオゲッターは起動、起き上がると同時に格納庫の入り口が開いて山間部からその姿を現す。
外ではD2部隊の一機がメカザウルス?に食われていたところだった。
「ひぃい!もう駄目だ!脱出する!!」
コックピットからゲッターロボたちが脱出、爬虫類型の口から吐かれる溶解液を避けながら退散していった。
『ゼロ、ワシの声が聞こえておるか?』
「ジジイか。」
『見ての通り、D2のエネルギーは残り少ない。戻り次第急いで補給させるが奴は金属を捕食しながら成長する性質のようじゃ。迂闊に近寄れば食われかねん。長距離・中距離を切り替えて攻撃するんじゃ。』
「・・・・言われなくてもそうするつもりだ。」
ワイリーの助言を聞きながらゼロは、ガトリング砲を装備して攻撃を始める。
「俺たちが時間を稼いでいる、早く離脱するんだ!!」
「す、すまない。」
D2部隊は、一斉に分離してその場から離脱していく。ネオゲッター1は、メカザウルス?の目を引かせるためにショルダーミサイルで挑発を仕掛ける。メカザウルス?は、二発のうち一発は、爬虫類型が難なく捕食し、もう一発も人型の目から発する怪光線で吹き飛ばされた。攻撃を受けるや否や怪物は、溶解液を吐きながらネオゲッターに向かってくる。
「分離後、再合体して地中から攻撃を仕掛ける!」
ゼロの合図と同時にネオゲッターは三機に分離し、上空へと逃れる。そして後方に回るとネオゲッター2へとチェンジして地中へと潜っていった。
『?』
メカザウルス?は、姿を消したネオゲッターを探そうと周囲を見回す。すると目の前の地面からドリルが飛び出し、下半身の胴体を突き刺した。
『グワァアアア!!』
ドリルは、胴を突き破るとそこからネオゲッター2の姿が露わになる。アイリスは追撃でプラズマソードで足を数本切り落とし、爬虫類型の頭部も斬り落とそうとするが頭部は首を伸ばしてネオゲッター2の体を締め付ける。
「しまった!」
動きを封じたことでメカザウルス?は人型の目から光線を放とうとする。
がっ、横から体当たりしてきた何かの妨害でバランスを崩す。同時に爬虫類型の拘束も緩まり、その隙の生じてネオゲッターはマシンへと分離し、1の形態へとチェンジして着地する。
「今のは・・・・ゲッター3?」
ゼロがメカザウルス?の脇を見るとそこにはゲッター3の姿があった。ゲッター3は、ネオゲッターの無事を確認すると両手を振った。
「お~い~!ゼロ、アイリスちゃん大丈夫か?」
「その声・・・剛田か?」
声の主はジャイアンだった。
メカザウルス?が起き上がろうとすると彼は、容赦なくゲッターミサイルを放って麓へと転げ落ちさせる。
「お前、どうしてそいつに乗っているんだ?」
「いやよぉ、いつまでものび太とアンタだけに戦わせるのは忍びなく感じてさぁ。」
「気持ちはわかるけど・・・・武さんたち人間でしょ?その機体、確か特定の人たちしか乗れないんじゃ・・・・」
「あぁ、そのことに関しては大丈夫。ドラえもんがいるから。」
スネ夫がモニター越しで言うとイーグル号の操縦席に座っているドラえもんの気まずそうな姿が映し出される。
「いや、その・・・・『テキオー灯』使えば何とかなるんじゃないかと思ってやってみたらうまく行っちゃって・・・・最初は止めたんだよ!最初は!!でも、このまま見ているだけじゃいけないから。」
ドラえもんの言い訳をまとめると以下の通りだ。
エックスたちが真ゲッターの元へ向かい、D2部隊が追い込まれていた状況を見ていられないと考えたジャイアンたちは乗れる機体はないかと敷島博士に問い詰める。
博士は面倒くさそうにしながらも「射出口の脇に修理したばかりの旧ゲットマシンが残っている」と言ったため、援護をするべく司令室に静香を残して急行する。
しかし、後を追ってきたドラえもんに「並外れた身体能力がない人じゃないと乗れない」と言われて止められる。エックスに事前に言われていたこともあって乗せるわけにはいかないという判断でもあったがよりによってスネ夫に「じゃあ、道具で乗れるぐらいの体にすればいいんじゃないの?」と言われたことで事態が一変。結局、『テキオー灯』と『がんじょう』を組み合わせることでゲットマシンに乗れるほどの体にし、サイコントローラーを用いることで操縦を容易にすることができた。それでも三人にかかる負担はかなりのものだったが。
事情を話している間にメカザウルス?は、体勢を立て直して再び上ってきた。
「今から戻れと言っても無理か。剛田、援護は任せるが無理して前に出るな。もしものことがあればエックスに申し訳が立たないからな。」
「そういってくれると思っていたぜ、任せな。あんな不気味なトカゲモドキ、ジャイアン様にかかればちょちょいのチョイよ!」
ゲッター3は、攪乱とばかりに周囲のメカザウルスの残骸を放り投げ始める。下から上ってくるメカザウルス?はそのいくつかを爬虫類型が捕食する。そして、口が塞がったのを確認するやジャイアンはキャタピラ音を立てながら急接近してきた。
「喰らえ!ジャイアンパーンチッ!!」
下顎に強烈なアッパーカットを仕掛けたことにより、爬虫類型の頭部は、目玉が飛び出しそうな顔になる。それに対して人型の方は、グルルッと唸り声を出しながらゲッター3に掴みかかる。
「あっ、やべぇ。」
メカザウルス?は、勢いのままにゲッター3を放り投げる地面に激突する直前に機体は三機に分離し、上に逃れる。
「ドラえもん、コイツの中に巣食っている化け物はゲッター線に弱いらしい。俺が奴の体を切り裂く。その傷口に向かってゲッタービームを放て!こっちも同時にプラズマサンダーを撃つ!!」
「わ、わかりました!ジャイアン、スネ夫君。タイミングを合わせて。」
三機のゲットマシンは上空を飛びながら一列に並ぶ。
ベアー号がジャガー号の後部に合体されるとマシンの側部と後部から手足が生えてくる。そして、ドラえもんの搭乗するイーグル号が反転すると同時に接続されて変形、ゲッター1への合体を完了する。
「よし、行くぞ!ソードトマホーク!!」
ネオゲッター1は拳を打ち合わせるとソードトマホークを生成し、メカザウルス?に向かって駆けていく。先ほどのジャイアンの攻撃で爬虫類型の頭部がヘタレてしまったことで迎撃は人型部位のみで行われ、下半身は無防備になっていた。
「ヤアァ!」
すれ違いざまにゼロは、胴体を斬りつける。更に傷口を大きくすべく腕部の装着された機関銃を連射してメカザウルス?は大きな悲鳴を上げた。
「今だ!一斉にやるぞ!!」
傷口からインベーダーが現れて再生を始める中、ネオゲッター1は両手を打ち合わせてエネルギーを凝縮させる。ゲッター1もまた上空で腹部の発射口を開いて傷口に狙いをつける。
「プラズマサンダー!!」
「ゲッタービーム!!」
二機の攻撃を受けてメカザウルス?の体が威力に耐えきれず吹き飛ばされる。傷口から出ていたインベーターは飽和状態を起こして死滅し、人型の上半身はぐったりとなり、爬虫類型の下半身は死にかけの蛇のように舌を出しながら伸びていた。
「「「やった!」」」
「喜ぶのはまだ早い。コイツは、体の一部が無事ならいくらでも再生する。今のうちにとどめを刺す。」
降下したゲッター1と共にネオゲッター1は、トマホークソードを構えながら近づいていく。このまま放置すれば再生するかカーネルの時のように体を分割して攻撃してくるかもしれない。その前に完全に息の根を止めなければ。
その直後、上空から二機の目の前に何かが飛んで来た。二機のゲッターが歩みを止めて落下してきたものを見ると
それは両刃の付いた斧だった。見覚えのある斧にスネ夫は、表情を強張らせる。
「こ・・・こ、これってもしかして・・・」
「どうやらやばいのがお出ましになったようだな。」
上空を見上げるとそこにはゲッタードラゴンが腕を組みながら滞空していた。ドラゴンは、下で動かなくなったメカザウルス?を見ながら哀れそうな声をかける。
『どうした、ギルギルガン?生まれ変わったお前の力はその程度ではないはずだ。』
『やはり、一緒に出したメカザウルスの量が少なかったか。』
『僕たちが来る前に片づけてくれていたと思っていたけど、敵もそこまで脆弱ではなかったようだね!』
ビアンコは、二機のゲッターを見ながら状況を推測。
潜入した再生イレギュラーの部隊とは連絡ができていないものの、ここにゲッター二機がいるということはどちらかには神隼人と恐らく彼が選んだであろう正規パイロットたちが乗っているはずだ。となれば研究所のどこかにあるであろうドラゴンと真ゲッターは手づかずの状態になっている。
つまり、ここで二機とも倒してしまえば簡単に手に入ってしまうということだ。
『フッフフ、真ゲッターかドラゴンを出さなかったのが運の尽きだな神隼人。ギルギルガン!このゲッターエネルギーの詰まった凝縮カプセルを喰らえ!!そして、最後の進化を遂げてこの星の戦いに終止符を打つのだ!』
ドラゴンは、緑色に光る手榴弾のようなカプセルをメカザウルス?に向かって放り投げる。すると爬虫類型の目が開き首を伸ばしてカプセルを丸呑みにした。
体が光り始め、人型の体色が赤に変化して巨大な翼を生やして胴体を突き破って飛び去る。残された爬虫類型の胴体はインベーダーの活動が活発化し、急速に自己再生して別個の個体へとなった。
巨大化したギルギルガンは二機のゲッターの目の前に降り立ち、今までの攻撃に対して根にもっているような目で見降ろす。
『グルルル・・・・』
「で、デケェ・・・・」
「さっきの攻撃でかなりご立腹みたい・・・。」
ジャイアンとスネ夫は、呆然とその姿に絶句するがドラえもんは、振り下ろされた腕に反応して回避行動を取る。ギルギルガンはゲッター1の相手を主に任せ、分離した爬虫類型と共にネオゲッターの相手をし始める。
「ドラえもん、なんかやばくなってきちまったんじゃねえか!?」
「やばいも何も3対1じゃ明らかに僕たちの方が不利だよ!早くどっちかを片付けないと・・・・」
「そんなこと言ったって上にいる奴はこの間のび太たちがやっとのことで追い返した奴じゃないか!!僕たちじゃ太刀打ちできないよ!!」
ダブルトマホークで切りかかってくるドラゴンにドラえもんは、ゲッタートマホークを取り出して応戦する。
「僕たちがやるしかない!のび太君たちが出てくるまで!それまで何とか持たせるんだ!!」
早乙女研究所 真ゲッター格納庫
襲い掛かってくるインベーダーたちを撃破しながらエックスたちは、ようやく真ゲッターが修理されている格納庫へと到着した。
「やっと着いた。」
「整備班、真ゲッターは出せるか!!」
到着するなり隼人は、メカニックたちに確認を取ろうとする。
「神さん、物陰に隠れてください!!」
「何っ!?」
「ほっほーう!!」
生物的直観というべきものなのか彼は素早く物陰に身を隠し、飛んでくる無数の光弾を回避する。
「畜生、避けられちまった~!」
「ホッホッホッ、来るのが遅すぎましたね神隼人、エックス。残念ながらこの機体は間もなく我々の手中に収まります。」
真ゲッターの目の前では、オクトパルドと分身したミジニオンたちが立っていた。
「オクトパルド!?それと確かあれはインフィニティー・ミジニオン!!」
「お久しぶりですね、遅れながら『結婚おめでとうございます』とでも祝いの言葉を送らせていただきますよ。まさか、そこのじゃじゃ馬マーメイドと結婚されるとは・・・さぞかし苦労していることでしょう。」
「苦労ってなのよ!?勝手にお荷物扱いしないでちょうだい!!」
オクトパルドの言葉に対してマーティは、顔を出して突っ込みを入れる。エックスは、VAVAから受け取ったリボルバー拳銃とバスターでミジニオンの分身を撃ち抜いていくがオリジナルを守るように囲んでいるためキリがない。
「クッ、奴の分身が多すぎて攻撃が届かない!」
「オリジナルであるボクが無事な限りいくらでも増えるもんねー!まっ、下手に攻撃しない方がいいと思うよー。」
ミジニオンは、見せびらかすように真ゲッターに取り付けられている爆弾を披露する。もし一発でも当ててしまえば大爆発で吹き飛びかねない。エックスは、驚愕のあまり攻撃を中断する。
「あ、あんなに取り付けたのか・・・」
「如何です?例え私たちを倒したとてこの爆弾がある限り、このロボットは動くことができない。尤も無理に動かせば爆発して無事じゃ済みませんがね。」
「えぇ・・・つまりこれって詰んでる?」
「神さん、彼らが言っていることは・・・。」
困惑するエックスたちと対照的に隼人は、顔色を変えずに口を開く。
「150年前の真ゲッターならあれくらいの爆弾では壊れはしない。だが、アルバートの細工でかなり損耗していたからな。迂闊に爆破すればここごと吹き飛びかねん。」
ゲッターロボの装甲は、ゲッター線とゲッター合金の相性によるものなのかゲットマシン形態と比べると合体後の強度が段違いに跳ね上がる。万全の状態ならば最新式の爆弾でもある程度耐えきることができるだろう。しかし、目の前にある真ゲッターはワイリーの手によって装甲が著しく劣化したこともあって全ての装甲が同等の耐久性を持っているという保証はない。爆発すればこれまでの苦労が水の泡になってしまう。
「じゃあ、このまま奴らの好き勝手にさせるしかないってわけ?ここまで来て。」
「なら、お前に策はあるか?この状況から真ゲッターを取り返す方法が。」
何もできないことに苛立っていたマーティは、彼の問いに対して無言になってしまう。
そうしている間にプレイヤーのハッキングが完了した。
「ようし、完了。これでこいつは俺たちのもんだ。」
早速とばかりに彼は操縦席に乗り込み、真ゲッターを動かし始める。
「やばい、動きだした。」
「任務失敗か、俺たちの悪運もここで尽きたな。」
拘束具を無理やり引き千切り、自由になった真ゲッターは片手にオクトパルドを乗せるとエックスたちの方へと振り向く。
「ハンター共、まずはてめえらでコイツの性能テストをしてやる!ビーム砲でこの施設ごと蒸発しな!!」
腹部のゲッタービーム砲を展開し、エネルギーを収束し始める。
「いかん!総員、撤退!このブロックから離れるんだ!!」
「離れろって言ったって間に合うわけないじゃない!!」
「・・・・」
「エックス?」
マーティは、急に静かになったエックスに違和感を感じ、彼の方へと振り向く。
エックスの視線は真ゲッターの足元に向いており、そこにはいつの間にか早乙女の姿があった。
「あの人は・・・」
「さあ、これで終わりだ!新世界に選ばれなかった自分らの身を呪いな!!」
プレイヤーは、発射ボタンを押す。
っが、何も起こらなかった。
おかしいと思った彼はもう一度ボタンを押すがやはり反応しない。それどころか、エネルギーの収束で真ゲッターの体が光りだし、今にもメルトダウンを引き起こすのではないかと言うレベルで高熱を発していた。
「な、な、なっ、何が起こっているんだ!?システムは完全に掌握したはず・・・・!?こ、コンピュータが勝手に上書きし始めている・・・まずい!このままだと俺が逆にやられちまう!!」
プレイヤーは、急いで操縦席から降りようとするがへばり付いているのか体が動かない。
「動けねえ・・・そんな、天才の俺がミスをするはずが・・・ガアア!?俺の頭の中にとんでもない量のデータが!やめろ!!これ以上入ってきたら俺が俺じゃなくなる!!やめてくれ!」
両手で頭を押さえながら彼は、半狂乱になって苦しむ。真ゲッターの光はやがてオクトパルドたちも包み始め、彼らも動揺を隠せずにいる。
「これは一体どういうことです?計画とは違いますよ!?」
「なんかイヤーな予感・・・」
その瞬間、真ゲッターを震源に眩い閃光と凄まじい衝撃波が発生する。エックスは、我に返って傍にいたマーティを庇いながら伏せ、隼人やゲッターロボたちも近くの柱に身を隠して凌ぐ。一瞬、熱い熱気のようなものが突き抜けると同時に何か落ち着きを感じさせるような感触がその場を包んだ。
光が消えて顔を上げるとそこには真ゲッターが沈黙しており、搭乗していたプレイヤーが泡を吹きながら操縦席から落ちた。近くにいたオクトパルドとミジニオンも浄化されたかのように機能停止している。中からインベーダーが出てくるのではないかとエックスは、バスターを構えながら近づいて体をいじってみる。どうやらインベーダーも先ほどの一撃で死骸を残すことなく消滅したらしい。
「何が起きたの?動いたかと思ったら急に爆発?みたいなのが・・・」
「爆弾が結晶化して無害なものに変質している。ゲッター線が俺たちを助けたのか・・・・・!?」
「どうしたんですか?急に驚いた顔して・・・!」
エックスは、隼人の視線の先を見ると真ゲッターの前に一人の男が立っているのに気づく。彼は工事現場用のヘルメットと剣道の赤胴、それに黄色いマントを着用しており、夢で自分に語り掛けてきた男と瓜二つだった。
「武蔵・・・」
「えっ!?」
隼人が男の正体を知っていることに思わず声を出す。武蔵は、そんな彼らの反応を気にすることなく隼人の向かって口を開いた。
『隼人、何をしている?ゲッター出撃だ。早く乗れ!』
彼が消えると同時に真ゲッターが再起動する。目の前の出来事が本当なのかそれとも幻覚なのかわからないが爆弾が無力化された以上乗る以外の選択肢はない。
「神さん、彼は一体・・・」
「俺の戦友の一人だ、一番最初に逝ったがな。だが、今はそんなことより外の奴らを援護しに行くことが先決だ。エックス、お前は一号機に乗れ。俺は二号機を操縦する。」
三人は、急いで操縦席へと乗り込む。オクトパルドたちが行ったのは飽くまでハッキングのみのようで細工された痕跡はなかった。
「マーティ、お前はパイロットじゃない。地上に出たらゼロかVAVAに代わってもらって研究所に戻れ。」
「言われなくてもわかってるわよ。」
最初から蚊帳の外の扱いにマーティは、不服そうな顔をしながら三号機に乗り込む。真ゲッターは翼を開くと浮遊し、天井を突き抜けて飛翔した。
「「「ゲッターロボ、発進!!」」」
外ではネオゲッター1がギルギルガンを相手に追い込まれていた。
溶解液により、各部の装甲が融解。左腕と右足が鎌で斬り飛ばされ、その姿はドラゴン戦以上にひどい状態ものでチェンジ機能が破損してしまったのか分離できない。
「流石に二体も相手じゃ厳しいな…グッ。」
直前の溶解液がコックピットに直撃したことで彼自身も又重傷を負っていた。幸い操縦系統こそは生きているものの赤いメットは半分溶けかけており、ボディの方も内部フレームが剥き出しになっていた。視界もあやふやで頭部に爬虫類型の顔が近づいてきているのに抵抗できずにいた。無論、アイリスも彼を助けようと操縦席から出ようとするがダメージでハッチが故障したのか開けられずに焦っていた。爬虫類型は舌を動かしながらゼロの目前へと迫る。
「ゼロ、逃げて!!」
「すまん・・・・聴覚センサーがいかれちまったのかよく聞こえない・・・」
「クソ、エックスの奴はまだか!」
VAVAは、無理やりコックピットハッチを吹き飛ばすと爬虫類型の頭部に向かってキャノン砲を放つ。爬虫類型は、怯みこそしたが特に興味を変えることなく、代わりに沈黙していたギルギルガンがVAVAに向かって足を振り下ろす。
「うおっ!?」
彼は、咄嗟の判断でベアー号から落ちる。ギルギルガンの足はベアー号を踏み潰し、巨大な手で残りの上半身を掴み上げた。
「開いて!お願い・・・開いて!!」
ゲッター1の方は、途中で正体を感づかれたのかドラゴンにいいように遊ばれている。
「助けに行かなくちゃいけないのに~!!」
「フッハッハッハッ、そんな攻撃が当たるものか!!」
ドラゴンは拳でゲッター1を後ろに吹き飛ばす。落としたトマホークを拾い直してなんとか反撃を行おうと試みるもののドラゴンの攻撃の一撃一撃が強すぎて耐えるのが精いっぱいだった。
「フッフッフッ、もうじきあっちの始末が終わる。そしたら今度は貴様らがギルギルガンの餌となるがいい!」
「俺たち餌扱いかよ!?」
「ママ~~!!」
絶望感のあまり、スネ夫は操縦席で泣き叫ぶ。ギルギルガンは、まるで親鳥が雛に餌を与えるような感じでネオゲッターを爬虫類型の上に下ろしていく。爬虫類型は口を開いてゼロがいる頭部から捕食しようとする。
「あっ!ゼロが食べられちまう!!」
「逃げるんだ!!」
「ゼロさん!アイリスさんも早くに脱出して!」
ドラえもんたちが叫ぶ中、ゼロは朦朧とした意識の中でこの得体の知れない怪物に食われようとしていた。
『ギャッ!?』
絶望感に包まれた状況下、突如爬虫類型の顔が苦痛の表情へと変わる。一瞬何が起こったのか分からなかったが同時に地中から何か巨大なものがその体を押し上げ、体を粉々に吹き飛ばすと同時にギルギルガンの腕を斬り飛ばしていった。
『グオォオオオオ!!』
「何?」
「何が起こったんだ!?」
それはビアンコたちも同じで戦いを途中でやめた。それは光の矢で切断した腕からネオゲッターを解放するとそのまま抱きかかえて上空へと滞空する。その姿を見るやコーウェンとスティンガーの顔色が急速に変わっていく。
「あわわわわ・・・」
「あ、あ、あ・・・・あれはまさか!!」
「ほう、あれが『真ゲッター』か。」
赤いボディに悪魔を彷彿とさせる翼を持った真ゲッターロボが100年以上の時を経て再びその姿を現した。
10月からは少しでもペースが戻るように頑張ろうと思います。
最後の展開は急すぎたかな。