ドラえもん のび太の転生ロックマンX   作:赤バンブル

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XDiVEのモチベが上がらん。


過去と未来

19XX年 浅間山

 

隼人は、早速プランとして挙げたのはすぐ近くで大破同然の状態である真ゲッターに代わる機体、この時代の真ゲッターロボを手に入れることだった。ここは早乙女研究所からそう遠くなく、道こそ荒れているが未来と比べればまだ道路が原型を留めているため、車で近くまで行くことができる。

 

「この時代に流されたのはある意味都合がよかった。時期的にまだアルバートが真ゲッターに腐食バクテリアを散布していない上に研究所が破壊されずに残っている。運が良ければほとんど整備することなく動かせるはずだ。尤も高濃度のゲッター線で汚染されている可能性が高いが。」

 

「フン、だがソイツを引っ張ってきたところで奴らに勝てるのか?コイツでさえ暴走してやっとだったのによ。はっきり言ってまたエックスが取り込まれるのがオチじゃねえのか?」

 

隼人の話を聞くに当たり、VAVAは腕を組んで不満そうに言う。

 

「真ゲッターの力はあんなものではない。150年前、この時代で言う約10年前に研究所を襲った敵に対しても圧倒的な戦闘力を発揮していた。最後の時は最早人の手で動かせないほどにまで力を増大させていた。」

 

「どうだか。」

 

「じゃあ、最初の目標はこの時代の早乙女研究所に行って真ゲッターを起動させるということでいいんですよね?でも、今の俺たちの装備でどこまでできるか。」

 

エックスは、バスターを展開して特殊武器のエネルギー残量を確認する。研究所のイレギュラー戦でかなり消耗していたので少々心許ない。アーマーに関して研究所へ向かう前にはフォース、ブレード、グライドアーマーをメンテナンスに出してしまったため、現在使用可能なのはアルティメットを含めて代わりとして渡されたサードと二種類のみだった。

 

「装備に関しては心配はいらん。気絶しているお前たちをVAVAに任せている間に伝手を用意しておいた。」

 

「伝手?」

 

「俺は元々この時代に生きていた人間だ。だから、自衛隊の方にいる知り合いに連絡して簡単なものを揃えておいた。明日の朝には来るはずだ。」

 

「そうですか。」

 

「だが、お前たちの姿は目立つからな。とりあえず、明日までにこれに着替えておけ。」

 

隼人は、エックスたちの間の前にバックを置く。開けると作業着が入っていた。

 

「作業服?」

 

「VAVA以外は見た目が人間に近いからな。とりあえず着ておけば金属探知機にでも引っかからなければバレる心配はない。だが、コイツに関しては誤魔化しが利かない。だから、荷物を受け取った後俺と一緒に早乙女研究所に行ってもらう。」

 

「えっ?俺と彼女は?」

 

「高濃度のゲッター線が立ち込めている場所に行くんだ。特にマーティは余計に体調が悪くなるかもしれないだろ。だから、お前たちには別件を頼む。」

 

「別件?」

 

「・・・・昔から気になっていたことなんでな。真相を確かめたい。居場所は分かっている。」

 

「真相って何よ?」

 

「・・・今日から数日後の昼頃、ある男が家族を含めて謎の変死を遂げている。当時は遺体の状態から脱走した猛獣か野生のクマに襲われたと報道されていたが俺はそうじゃないと考えている。安否を確認してくるだけでいい。その男の元へ行ってほしい。」

 

隼人は、感慨深い表情で薪を足す。

 

「・・・・アイツはそう簡単に死ぬ柔な男じゃない。ただ、奴らがこの時期を狙って襲撃してきたというのなら辻褄が合う。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

19XX年。

 

世界は悪のマッドサイエンティスト『プロフェッサー・ランドウ』率いるメタルビースト軍団の攻撃によって被害を受けていた。

 

ダイヤモンド及びセラミックの数百倍の強度を持つ特殊な希少金属「G鉱石」で装甲したメタルビーストに対して既存の軍隊の装備は歯が立たず、国連はランドウに従うしかないと決断が迫られていた。

 

しかし、国際航空宇宙技術公団『NISAR』が宇宙開発用としていた『ゲッターロボ』の登場によって事態は一変する。当初はまともな武装もなく、メタルビーストに終始劣勢だったゲッターロボは、戦闘の度に改造が施されいき、最終的には「空・陸・海」の三タイプに変形するスーパーロボットへと生まれ変わり、ランドウへの攻勢を強めていく。この動きに呼応したのか敗北した国連軍は部隊を再編して各地で抵抗を始める。

 

戦いの最中、ランドウは途中で傘下に加わったナルキス子爵の反旗によって殺害される。彼に掌握されたメタルビースト軍団は、勢いを盛り返して国連を降伏させるまでに追い込んだが拠点である「蛇牙城」にゲッターチームが乗り込んできたことにより、最終決戦が勃発。激闘の末に首領であったナルキスは戦死。

 

犠牲者を出しながらもゲッターロボは世界を守ることに成功したのだった。

 

その後、世界各地はメタルビーストの被害を受けた都市を中心に復興を開始。その背後では当時若手だったトーマス・ライト博士が開発した世界初の人工AI搭載型作業ロボットが導入され、世間のロボットへの注目が高まりつつあった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、復興が進められている日本のある街の一角に建つビル。

 

そこはこの混乱を機に勢力を伸ばしていたヤクザの事務所があった。彼らは、混沌とした世間を言いことに疲弊して精神的に追い詰められた人々に対して麻薬を売りさばき、多額の利益を得ていた。

 

だが、この日ある男が事務所に乗り込んできたことで彼らの絶頂は突如として終焉を迎えようとしていた。

 

「ぎゃあぁ!?」

 

「ひえぇえ~!!」

 

上の階の窓が割れて組員数人が勢いよく外に放り出される。事務所の中はひっくり返った机などで散らかっており、数人が伸びていた。残された組長と監事は、ドスを構えながら目の前にいるボロボロの道着を纏った男に怯えていた。

 

「ちっ、近寄るんじゃねえ!!ぶった斬るぞ!!」

 

近くに転がっているボロ雑巾のようにされた部下たちの顔を見ながら組長は、男に向かって叫ぶ。男は、太くて逞しい腕をゴキゴキ鳴らしながら動じることなく歩み寄り始める。

 

「貴様らが売りさばいた麻薬で・・・二人の学生が死んだ。一人は俺の道場に通っていた生徒でうちのガキが兄貴のように慕っていた。」

 

後ろに指をさす先には男の息子と思われる少年が緊張した顔で見ていた。

 

「汚ねえ金のために・・・何の罪もねえ命を奪いやがって。許せねえ。」

 

「く、くそう・・・家の組を舐めんじゃねえ!!」

 

組長は、意を決して男にドスを構えて男に突っ込む。男は防御をすることなく近づき、刃は胸筋へと突き刺さった。

 

「親父!!」

 

父親が呆気なく刺されてしまったことに少年は思わず声を上げた。組長と監事はやったとばかりに笑みを浮かべた。

 

「や、やったぞ!へへっ、このまま切り裂いて見せしめにしてやるぜ!!」

 

「・・・」

 

「うん?あれ?おかしいな。う、動かねえ・・・」

 

いくら動かそうとドスが微動だにしない。必死に動かそうとする組長に対して男は特に痛がる様子を見せることなく淡々を話す。

 

「どうした?俺の体を割いて見せしめにするんじゃなかったのか?少しでも血を出させりゃ、組としての面子も立つだろう。」

 

「ギ、ギニニニニ・・・・」

 

「フン!」

 

男が体全体に力を入れる。すると胸筋は一層固くなり、軽く体を動かすとパキンと音を立てて折れてしまった。折れたドスを見て組長は仰天、監事に関しては最早顎が外れたくらいに口をあんぐりと明けていた。

 

「鈍らか?まあ、突っ込んできただけの度胸は認めてやるぜ。」

 

男は胸に刺さった刃を抜いてポイっと投げ捨てた。組長は、もうこれ以上抵抗しても歯が立たないと観念して土下座する姿勢で命乞いをし始める。

 

「俺たちが悪かった!金はいくらでも出す!だ、だから・・・命だけは助けてくれ~!!」

 

合図すると監事が金庫を開けて中身を見せる。そこには札束と金の延べ棒がギッチリは入っていた。

 

「これで足りねえんなら他のとこから追加で用意する!それと・・・」

 

「分かってねえな。」

 

「えっ?」

 

目の前でとりあえず札束を鞄に詰めて渡そうとした監事が拳で吹き飛ばされて壁に叩きつけられた。組長は額から冷や汗を流し、右腕を振り上げる男の顔を見る。その顔は怒っていないが目の方は殺意を通り越した怒りが露わになっていた。

 

「てめえらの代償は・・・・金じゃ払えねえ!!」

 

「フゴッ!?」

 

顔面に拳がめり込み、組長の体は強い衝撃に襲われた。そして、激痛と共に我に返ると彼はビルの外に放り出されて地面へと落ちていくのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日の早朝。

 

大破状態の真ゲッターを簡素ながら隠したエックスたちは、山から降りて一般道へと出てきていた。

 

「ここでいいんですか?」

 

「あぁ、ここで引き渡すように話をしてある。この時期はただでさえ各地が復興作業でゴタゴタの状態だ。滅多に車は通らない。」

 

ちなみにVAVAは、少し離れた林の中に身を隠している。この時代はまだ人型ロボットが存在していないため、下手に顔を出すわけにはいかないという判断でのことだった。

 

しばらく待っていると一台の軍用トラックと二台の車が走ってきた。三台が目の前に止まると降りてきたのは自衛隊の人間でそのうちの上官と思われる人物が隼人の元へと歩いてきた。

 

「神さん、お久しぶりです!部下からは聞いていましたがまさかまたお会いできるなんて。」

 

「伊賀利、会わない内にお前も随分出世したみたいだな。貫禄が付いたんじゃないか?」

 

二人は、握手を交えて久しぶりの再会に喜んだ。

 

この伊賀利と言う男、実は10年前早乙女研究所にゲッターロボの予備パイロットとして自衛隊から派遣された経験の持ち主で研究所の事故の後、自衛隊に復帰していた。彼は、隼人が数年前の『蛇牙城』での騒ぎで死んだと思っていた。それが先日の部下からの報告で生存が判明し、彼の頼みを引き受けることを了承した。

 

「しかし、あの『蛇牙城』の爆発からよく生還出来ましたね。今までどこに?」

 

「爆発で海に沈んだ後、敷島博士に助けられた。命は助かったが体がズダズダになっていてな。最近まで集中治療を受けていた。」

 

「あの人にですか!?いや、確かに研究所の事故の後フリーで活動しているという噂は耳にしていましたけど・・・でも、山咲さんのことに関しては・・・・本当にお気の毒に。」

 

「・・・」

 

「あっ、すみません。余計なことを。で、そっちの二人は?」

 

伊賀利は、無言になった隼人に申し訳なさそうに謝罪をしてエックスとマーティの方を見る。

 

「昨日話した俺の部下だ。敷島博士の元から離れた後に加えた面子でな。身分証明に関する物を敵の襲撃で紛失したもんだから持っていないんだ。」

 

「だから、免許が欲しいっていたんですか。」

 

彼は、部下から免許証を受け取り二人の方へと来る。

 

「えっと・・・『野比のび太』さんと『野比マイコ』さんと。もしかして夫婦ですか?」

 

「「えっ!?は、はい・・・」」

 

「いやあ、神さんの元で動いていたというからきっとお二人ともすごい方なのでしょうね。自分は伊賀利と申します。今後もよろしくお願いします。」

 

「え、えぇ・・・こちらこそ。」

 

頭を下げる伊賀利に対し、エックスたちは頭を下げた。

 

「隊長、そろそろ基地の方に戻りませんと。」

 

「もうそんな時間か。では、自分たちはこれで。頼まれていた物資とトラック、車はこの場でお渡しします。他に何か必要なことがあったら連絡してください。」

 

「助かる。」

 

「後、政府からの伝言です。今回の一件が片付いたら戻ってきてほしいとのことです。」

 

「考えておく。」

 

伊賀利は、部下たちと共に車に乗って来た道を戻って行った。隼人はトラックの荷台に入り、物資を確認し始める。車が消えたのを確認すると林の中からVAVAが出てきた。

 

「必要なもんは揃ってんのか?」

 

「問題ない。エックス、お前とマーティは車に乗って昨日教えた場所へ向かってくれ。コイツを持ってな。」

 

隼人は、どういうわけか銃火器を入れた鞄を手渡す。エックスは、先にマーティを助手席に乗せると彼の方へと一旦戻る。

 

「神さん、なんで俺の元の名前を?」

 

「お前の友達がよく呼んでいたからな。アルバートからも訳を聞いた。まさか人間が機械の体へ生まれ変わるとは驚きだったが・・・」

 

「それにしてはあんまり驚いているように見せないんですけど。」

 

「色々経験しているからな。お前がゲッターに選ばれたのはある意味機械の体に人間の魂が入り込んでいるのが一因かもしれんな。」

 

(神様にくじ引きで決められて転生したなんて言えないな。そう言えばあの神様今頃何しているんだろう?こんなに世界が混乱しているのに。神様でも干渉できないことでもあるのかな?)

 

彼は、少し気まずそうに考えながらも車に戻ってエンジンをかける。隼人も又VAVAを助手席に乗せてトラックを動かす。

 

「じゃあ、研究所の方をお願いします。」

 

「お前たちも竜馬たちのことを頼むぞ。人間だからと言って加減しようとすると体に穴が開くからな。」

 

二台は、それぞれ別の方角に向けて走って行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

21XX年 早乙女研究所 

 

「あぁ・・・・そうそう、それでお前たちの方にも協力してほしい。うまくいけばドラゴンの活動を停止させることもできるかもしれん。・・・・分かった、ワシが直々に言って帝王に直訴する。・・・時間は2時間後だな。よし。」

 

ところ変わって現在の早乙女研究所。

 

研究室に戻ったワイリーは、現段階で収集したデータを一通りまとめるとシャドーマンと共に研究所を出ようとしていた。

 

「ドクター・・・本当に向かわれるのですか?」

 

「仕方あるまい。武蔵共の力を借りるぐらいなら奴らの協力をこぎつけた方が何倍もマシだ。」

 

「ですが、エイトナンバーズの再起動も行わずに行くのは危険なのでは。」

 

「何、ワシの優秀さは向こうでもわかっておる。利用したいと考えるのなら殺しはせん。」

 

「それでも護衛が私だけと言うのはあまりにも手薄過ぎます。責めてナンバーズの数名を引き抜いて連れて行った方が。」

 

シャドーマンに言われてワイリーは、少し考えこむ。

 

これから向かう場所は、正直護衛が少ない状況で行くのは無謀とも言える。しかし、ほとんどのナンバーズの指揮権を少し前にシグマに渡したばかりだし、研究所のカプセルで眠っているエイトナンバーズを起こしに行くのでは遅れてしまう。

 

「ふむ・・・これならフォルテでも連れてくればよかったのかもしれんのう。」

 

「いえ、アイツを連れていけばむしろ警戒されるのがオチです。」

 

そんなことを言いながら歩いていると研究所の手伝いをしていたカリンカとスカルマンとすれ違う。

 

「ワイリー、どこへ行くつもり?そっちは外よ。まさか、エックス君やゼロ君がいない中逃げ出すつもりじゃ・・・」

 

「いくらワシでも我が子と忌々しい奴を残して逃げ出したりはせんわ!!・・・ん?おい、小娘。お前、暇か?」

 

怒ったかと思ったらいきなり落ち着いた彼の様子にカリンカは違和感を感じ、一瞬返答に戸惑う。

 

「別に・・・特にこれと言った用事はないけど。」

 

「・・・よし、お前とスカルマンも同行させる。」

 

「えっ?」

 

「おい、どういうことだワイリー?」

 

「ついでにタヌキたちも一緒に連れていくか。あの若造共、ああいうのに結構免疫ありそうだし。」

 

「話について行けないんだけど・・・・どこへ行くの?」

 

「敵の敵・・・・まあ、先住人類の国へちょっとな。ワシが車の準備をしておくからお前は4人を呼んで来てくれ。多分、暇だろうし。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2時間後。

 

ドラえもんたちを加えた一行は、研究所から出発して海沿いの方へと向かって行った。窓から景色を見る一方でドラえもんは、ワイリーがどこへ向かおうとしているのかカリンカに聞いてみた。

 

「カリンカさん、Dr.ワイリーは一体どこへ行こうとしているんですか?」

 

「私にもわからないわ。ただ、敵の敵と言っているから少なくとも友好的な相手ではないと思う。」

 

「えっ?勘弁してよ。ゲッターロボは修理しているし、のび太たちは行方不明な時に。」

 

「おい、じーさん。もし、変な奴らとつるもうとしたらただじゃおかねえからな!」

 

ジャイアンから脅し文句を言われながらもワイリーは、返事をすることなく海に直接面している道路へと出る。そして、ほとんど人通りがないところにまで走ると車を止めた。

 

「うん?もう着いたの?」

 

全員降りようとすると制止され、一行は一人で出たワイリーに注目する。

 

「・・・・来たか。」

 

彼が言うと同時に海面が一瞬盛り上がり、水しぶきを上げながら巨大な何かが付き上げて何かが飛び出してきた。

 

「「なっ、なんだっ!?」」

 

出てきた物体が道路の方に着地するとアスファルトが重みに耐えきれずに割れる。その姿はゲッタードラゴンを恐竜にしたような容姿だった。

 

「メ、メカ恐竜!?」

 

「おい、じじい!!てめえ、今度は何を企んでいやがる!?」

 

スカルマンは、車から出てワイリーを問い詰めようとする。だが、メカ恐竜は一行の前に来ると体勢を低くして動きを止めた。

 

『・・・・アルバート・W・ワイリーだな?』

 

「如何にも、ワシが悪の天才科学者Dr.ワイリー様じゃ。」

 

するとコックピットが開き、ヘルメットにパイロットスーツを着込んだ三人組が姿を現した。

 

「お前たちが使いの者か?」

 

「あぁ、長官の命令で迎えに来た。あの車に乗っているのは連れていく連中か?」

 

「ワシだけじゃ喰われるかもしれんからな。」

 

「俺たちはそこまで野蛮じゃない。」

 

そう言うと三人はコックピットに戻り、メカ恐竜を動かして車を掴む。

 

「「く、食い殺される~!!」」

 

「心配するな、本拠地まで向かうだけじゃ。」

 

車を抱えたメカ恐竜は、海面に飛び込むとゆっくり沖の方へと泳ぎ始める。沖の方では100メートルどころでは済まされないぐらい巨大な2体の大型竜脚類が待機していた。その背中には空母を思わせる甲板が設置されている。

 

「も、もっとデカいのがいる・・・・」

 

空母部分に辿り着くとそのまま下ろされ、メカ恐竜の方は三機のマシンに分離して収容される。甲版で作業している人員も全員ヘルメットをしており、顔が分からないようにしていた。

 

「ねえ、みんな揃いに揃って顔隠しているけどなんかあったのかな?」

 

車から降りたスネ夫は、一切素肌を見せない彼らに不穏を感じる。それはドラえもんたちも同じだった。

 

「奴らなりの気遣いじゃ。見たら見たで腰を抜かすかもしれんからな。こっからもうしばらく時間がかかるぞ。全員中に入れ。」

 

「えっ?ここが目的地じゃないの?」

 

一行は、パイロットたちに空母の一室へと案内された。

 

「30分後に潜水して本国へと向かう。その間はこの部屋で何をしても構わないが外を出歩くときはドアの横にあるこのボタンを押せ。」

 

「本国?このデッカイ恐竜、どっかの国のものだったのか?」

 

「・・・・とにかく勝手に出歩くなよ。」

 

「あのう、皆さん。揃ってどうして顔を隠しているんですか?ワイリーさんは気遣いだって言っていましたけど。」

 

静香は、恐る恐る3人に聞いてみた。

 

「なんだお嬢さん?俺たちの顔に興味あるのか?」

 

「やめとけ。並の人間が見たら顔が真っ青になって漏らしちまうぜ。」

 

「漏らしちまうって・・・お前ら宇宙人か何かかよ?言っておくけど俺たち結構冒険しているからそういうのには慣れてるぞ。」

 

揶揄う彼らに対して、ムッときたジャイアンは、やや挑発的に言う。

 

「宇宙人?俺たちは列記としたこの星の生物だ。」

 

「じゃあ、なんで隠すんだよ?」

 

「上からの命令だ。と言うよりもお前たち早乙女研究所の人間のくせに俺たちの情報全然知らないのか?そこのアルバート・W・ワイリーなら知っているはずだが。」

 

全員の視線がワイリーに移る。

 

「出発してからゆっくり話す。その前にちょっと席を外すから、お前たちは寛いでいるといい。」

 

「どこへ行くつもり?」

 

「この船に乗っている知り合いとちょっと話をしてくるだけじゃ。」

 

「なら、私も同行させてもらうわ。貴方の知り合いってだけで怪しいし。」

 

「ひどい言われようじゃのう。構わんがスカルマンはここに残しておけ。物騒な見た目で警戒されかねん。」

 

そう言うとワイリーはカリンカを連れ、パイロットの一人に同伴してもらって部屋を後にする。

 

「じゃっ、ゴズロが長官のところに行っている間俺たちは部屋の外で待機しているか。」

 

「あぁ、大人しくしててくれよ。ボタン押せば出てやるから。」

 

残りのパイロット二人は、ドラえもんたちに念入りに忠告した後に部屋から出る。ジャイアンは、不服そうに椅子に座った。

 

「どうもむかつくな。別に話し合いするなら顔隠さなくていいんじゃないかよ!」

 

実際、彼らは少年時代冒険の中で多くの種族と出会っている。

 

獣人に海底人、宇宙人に恐竜人と数えるのが大変なくらいで場合によってはグロデスクなものなども見ているため、多少別の人種でもそこまで抵抗がない。

 

ただ、ここまで正体を隠している上に自分たち人間のことを快く思っていない様子を見ると何か強い恨みがあるように感じてしまう。

 

「ドラえもん、アイツらが俺たちに対してどう思っているのか秘密道具で探ったりできねえのか?」

 

「流石にまずいよ。ただでさえ信用されていないんだから。幸いワイリーに対しては僕たちほどではないからここは目的地に着くまで大人しくしていよう。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

部屋から出たワイリーは、パイロットの案内で空母部の艦橋に当たる部位の部屋に辿り着く。

 

「ねえ、この人たちはどのくらい前に知り合ったの?」

 

こんなメカ恐竜を作り出せるほどの組織と関係を持つなどそう簡単なことではないと考えたカリンカは、彼に聞いてみる。

 

「100年以上前だ。」

 

「はっ?でも、世界征服を行っていた時味方なんて一人もいなかったじゃない。」

 

「飽くまでのスポンサーの一人じゃ。奴らが資金を援助してもらう代わりにワシが地上の情報と技術提供を行う。尤も資金の方はゼロの開発に8割近くも使っていて予算は常にカツカツだったんじゃがのう。」

 

「でも、おかしいわ。その協力者って100年前の人でしょ?とても現在まで生きているはずが・・・」

 

「あぁ、奴らは人間じゃないからな。心臓が悪くなれば新しいものをいくらでも移植できるし、強靭な肉体だから喧嘩すれば確実に人類は負ける。今の今まで人類が地上で繁栄できたのは皮肉にもゲッター線の加護のおかげみたいなもんじゃ。」

 

「人間じゃないって・・・」

 

話が終わらない内にパイロットがインターホンでの会話を終えた。

 

「長官からの許可が下りた。入ってもいいぞ。」

 

自動ドアが開く。

 

部屋の中に入るとそこには少し書類で散らかった書斎が広がっていた。

 

「お前が直々にこちらに来るとはな。ドラゴンが動いた時点でこちらとの密約を放棄したと思っておったが、どういう風の吹きまわしだ?アルバート・W・ワイリー。」

 

書斎の奥で椅子に腰を掛けた男が二人の方へ振り向く。その姿を見てカリンカは思わず目を見開く。

 

男の容姿は、人間とかけ離れていた。

 

緑がかった鱗の肌に頭部を守る鋼鉄のメット、右腕は三日月状の鎌のような形の義手で他の部位も一部機械になっている。一言で言うのなら爬虫類を彷彿とさせる外見だ。

 

そんな男にワイリーは、特に抵抗もなく答えた。

 

「別に密約を破ったつもりはない。ワシは今でもゲッターを葬る気だ。そのためにこっちに来た。」

 

「よく言うわい。貴様と我々は元々敵同士。ゲッター線の脅威さえなければ今頃地上はハチュウ人類の物に戻っていたはずだった。」

 

「ハチュウ人類?どういうこと?」

 

「なんじゃ、お前娘にわし等のこと教えなかったのか?」

 

「む、娘!?」

 

「ガレリィ・・・・お前、この小娘がワシの娘に見えるか?コイツは赤の他人じゃ。」

 

「冗談じゃよ。しかし、かつて人質に取っていた小娘がお前と共に行動するとはな。」

 

空母が動き出す中、ガレリィは、テーブルに付いているボタンを押すと中央が開いて紅茶セットが出てくる。

 

「帝国に着いたら暢気に話もできんじゃろう。茶でも飲んで話でもしようではないか。」

 

「・・・・・」

 

「警戒せんでもいい。いざと言うときはシャドーマンが出てきて対応する。」

 

二人は、ソファーに腰を掛けてガレリィと対峙する。

 

「さて、一応確認はするが今回の件、わし等には何のメリットがある?」

 

「政府の馬鹿どもに大陸の一つをお前たちに譲渡することを承認させている。オーストラリア大陸だ。今は度重なる大戦でほとんど人間の住まない土地になってしまったがお前たちのテラフォーミング技術があれば短期間でハチュウ人類が進出できるぐらいの環境にできるはずだ。それともう一つ、現在進行中の『ヤコブ計画』に協力してもらえるのなら恐竜帝国の地上進出並びに国家としての存在を認め、その権限を束縛しないことを約束する。」

 

「それで・・・本命は?」

 

「本当の意味で『ゲッターの存在の排除』だ。今、メカトピア政府との間に遥か未来から来たゲッター艦隊が干渉している。話を聞く限り、どうやらこの世界は本来ゲッターの関りそのものが失われかけていたそうだ。だから、事件が収束次第、『ドラゴンの完全なる抹殺』『真ゲッターの解体』『ゲッター線研究に関する資料・技術の放棄』を実行する予定じゃ。今回の敵はゲッター線とある意味共生関係の存在だからな。使用は止むを得ん。」

 

ワイリーの話に対し、ガレリィは紅茶を一口飲んでしばらく黙る。

 

「・・・・まあ、今の破壊された地球環境を考えればオーストラリアは比較的にマシといったところだな。それに宇宙進出は元々帝国内でも視野に入れて火星移住プランが進められていた。悪い話ではない。だが、飽くまでも決めるのは帝王ご自身、わしからは何とも言えん。それに今回の『ドラゴンの復活』に関しては上層部でも大いに揉めていたからな。」

 

「意地でも承認してもらうつもりだ。それにしてもお前さん、もう後任が育ったのに今も現役とは・・・そろそろ隠居でもしたらどうなんだ?」

 

「ハンの奴は優秀だが性格が穏やか過ぎて長官を任せられん。それに・・・かつての我が政敵の今の姿を見るとな。体の一部を機械化してでも帝国のために働きたくなる。」

 

「バットか・・・高濃度のゲッター線を浴びた後遺症で指揮を後任に任せたと言っていたが。」

 

「あぁ、一応元帥として残っておるが痴呆症が進行してただのボケ老人になっておる・・・今じゃ、宅からしょっちゅう行方不明になって後任の甥と孫を困らせるほどだ。正直、ああはなりたくない。」

 

いつの間にか世間話をしているガレリィを他所にカリンカは、外の様子をみて不安になっていた。空母はいつの間にか海中に入り、深海を進んでいるのだ。

 

「・・・・この空母恐竜、どこへ向かっているの?」

 

「わし等の帝国だ。深海の世界は嫌いかね、お嬢さん?」

 

「カリンカよ。嫌いじゃないけどその・・・『恐竜帝国』ってどのくらい続いているの?」

 

「お前さんたち、人類の祖先が誕生する以前だ。当時は大陸のほとんどがハチュウ人類の物だった・・・高度な文明を築いて繁栄していたがあくる日、巨大隕石が地球に衝突したのをきっかけに多量のゲッター線が地上に降り注いだ。有害なゲッター線のために同胞の多くが悶え苦しみながら死に、僅かに生き残った者たちは自分たちの種を存続させるために地底深く・・・マグマ層の中へ逃げる選択を取ることになった。そして、150年以上昔、当時帝国の支配者であったゴール様の政策で地上のゲッター線の照射量が殆ど無くなったことを機に再び地上に進出する事になったのだが・・・・・この有様じゃ。」

 

彼は、無念そうに部屋に飾ってある肖像画を見る。そこには彼を始めとする当時の恐竜帝国の主要人物たちの姿が描かれており、中央には当時の支配者であった地底魔王ゴールの姿があった。

 

「わし等は敗けた。ゲッター線に選ばれた人類とゲッターロボに。地上進出を夢見た多くの同胞が死に、ゴール様も苦渋の決断で死なせてしまった。お前さんたち人類にとっては自業自得だと思うだろうが我々ハチュウ人類にとってはそれだけ大きな夢だったのだ。」

 

「・・・」

 

カリンカは、ガレリィの顔を見て何とも言えない心境になる。

 

彼らにとって人類は空き巣に入ってきた泥棒のような存在だ。殺戮も行ったのは確かではあるが人類はそれ以上に残酷な存在なのかもしれない。大戦を繰り返し、続いてはパートナーとして生み出したロボットにその役割を引き継がせて地上を荒廃させてしまった。そのロボットですら、場合によっては躊躇いもなく排除する。ハチュウ人類がチャンスがあったのに地上に姿を見せなかったのはこの途方もない争いを続ける人類に呆れているのも理由の一つだろう。自滅してしまえばいつでも奪い返せるのだから。

 

そんなことを頭の中で深刻に考えている彼女にワイリーは肩に手を置いて一言言う。

 

「気にするな。ワシらもこいつらも大した差はない。人類が奴隷制度を取り入れたみたいにハチュウ人類もまた一部の部族を危険因子として差別していた時期もある。」

 

「そうなの?」

 

「ガレリィ、あのメカザウルス・・・以前、ワシが提供したゲッターロボの設計図をベースに作ったな?そして、恐らくパイロットもゲッター線耐性のある地竜一族を採用したじゃろう。」

 

「まあな。だが、地竜一族の弾圧も昔と比べてほとんどなくなっている。ただでさえ一時帝国が崩壊しかねなかったからな。」

 

「えっ?崩壊しかねなかったって貴方たち地底に逃げ帰ったって・・・・」

 

その直後、部屋に警報が響く。突然のことでカリンカは、うっかりティーカップを落として割ってしまうがガレリィはそんなことお構いなく通信を繋げた。

 

「何事だ?」

 

『本艦を追跡している反応を複数検知!索敵したところ地上でメカザウルスと同化していた生物と同一と思われます!』

 

「マシーンランドに近いな・・・・第一戦闘配備に付かせろ!メカザウルスは全機出撃、ゲッターザウルスはザウルス3に変形させた上で出動させい!無敵戦艦ダイを臨戦態勢に移行!奴らを帝国に近づけさせるな!!」

 

『了解!』

 

通信を切ると彼は、ため息をついてワイリーたちの方へと向き直る。

 

「どうやら予期せぬ来客が来たようだ。お前たちは部屋に戻って大人しくしておれ。」

 

ガレリィは、そう言うと司令室へと向かう。

 

ワイリーたちは、緊急事態になったのを知りつつも自分たちにできることはないと考え、一旦部屋に戻ることにした。




ヤベー世界観・・・。

次回もできるだけ早く仕上げる予定です。
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