ドラえもん のび太の転生ロックマンX   作:赤バンブル

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スパロボからあのオリジナル機体が登場。


ノワールG

エンカーがゲッターザウルスを連れてダイの近くにまで戻ってきた頃、ドラえもんたちが相手をしていたメタルビーストは最早恐竜版のキメラとでも言うべき姿へと変貌し、追い込んでいた。エンカーはトマホークを頭頂部に投げつけると飄々と彼らに合流する。

 

「随分手こずってるな。」

 

「あぁ。寄生して同化したメカ恐竜共の武器をパクって使い始めやがった。」

 

今もドラえもんたちの乗るゲッター1がゲッタービームを放っているが、メカザウルスに取り付けられていたゲッター線防御装置を応用しているのかダメージを負う様子はなく、寧ろ成長しているように見えた。

 

「面倒だな、これじゃあ全員でビーム撃ったところでご馳走をやるようなもんだ。」

 

「・・・・なら、中身を切り開いて直接ぶち込むのがベストと言ったところか。」

 

「だが、あれだけの巨体じゃ中枢を剥き出しにするのは簡単じゃないな。ドリルやトマホークじゃ途中でつっかえちまう。」

 

キラーナンバーズが対策を話している傍ではゲッターザウルスがパイロットに呼応してガタガタと震えていた。

 

「あの・・・そっちのメカ恐竜、ものすごく震えているんですけど。」

 

ドラえもんは、恐る恐る聞くとゲッターザウルスの方からガンリューが通信を入れてきた。

 

『あんまり気にしないでくれ。バイスの奴、さっきの戦闘で精神的に参っちまっているんだ。今、操縦権を俺に移している最中だから話し合いが終わるころには収まるよ。』

 

首が長いトカゲ顔の彼にドラえもんは、一瞬ビビったが話が通じる相手だと分かったこともあってすぐに落ち着く。

 

『まさかの初実戦でこんな乱戦状態なんだからよ。気が滅入っても無理ないぜ。』

 

『帰ったらガレリィ長官に休み申請しねえとな。』

 

話し合いが終わらない内にメタルビーストは、口内にあるビーム砲を放ち攻撃を始める。エンカーたちは素早く避けて囲むように陣形を組む。

 

「これ以上暢気に作戦会議をしている暇はないようだな。」

 

「あぁ、とりあえず隙を作れるようになるまで応戦するしかねえ。おい、ゲッタートカゲ。いつまで動けない状態でいるんだ?」

 

『も、もう少し待ってくれ。今、オートを経由して操縦権を回すから。』

 

ゲッターザウルスは、ゲッター1に引っ掛けられる形で後方へと下がっていく。メタルビーストは体から無数に伸びている触手の先端をメカザウルスたちのものに変えて襲ってきた。

 

「仕方ねえ。動けるようになるまで俺たちで俺たちで時間を稼ぐ。動けるようになったら射撃で援護しろ。そのタイミングを狙う。」

 

話を終えると三人は、敵の目を逸らすために攻撃を仕掛けた。ビーム兵装は返って逆効果だと言うことも考えて実弾に切り替えて攻撃するがメタルビーストは全口部から一斉に砲撃して周囲を吹き飛ばす。

 

「やはり、火力が足りん!」

 

「かと言って今、あれをやるのはリスクが高すぎる。」

 

メタルビーストの体表が捲れ上がり、ミサイルが一斉に放たれる。彼らは、散開して迎撃するが圧倒的物量で吹き飛ばされる。

 

「グウ!」

 

『ギュルルル・・・・』

 

ミサイルの標的は、後方で待機していたゲッターザウルスとゲッター1にも向けられた。ドラえもんは、動けないゲッターザウルスを庇おうとゲッタービームで撃ち落とすが全てを打ち落とすことができず、直撃を受けてゲッターザウルスは、岩礁に激突した。

 

衝撃のショックはコックピット内でも響き、火花を散らして操縦権を変えようとしていたガンリューの顔に直撃する。

 

『グワッ!?』

 

『『ガンリュー!?』』

 

咄嗟に手で防いだが目に破片が入り込んだことで彼の視力が奪われた。なんとか手探りで動かそうとするものの、操作パネルはショートしており、動かせる状況ではなかった。

 

『目をやられた・・・・パネルもさっきの衝撃で壊れちまったようだ。』

 

『無茶するな、今度は俺がやる!』

 

ゴズロは、そう言いながら操作パネルを開くが同じようにショートして使い物にならなくなっていた。

 

『畜生!こっちもいかれちまってやがる!!』

 

『あ、あぁ・・・・』

 

最早自分が動かすしかないと絶望する中、バイスは目の前で倒れているゲッター1に視線を向ける。先ほどの攻撃でやられてしまったのか仰向けの状態でピクリとも動く様子を見せない。

 

彼らもやられてしまったのか?

 

このまま取り込まれた仲間たちのように自分も死ぬのか?

 

ゲッターライガーとの戦いで覚えた恐怖心が彼を今にも押し潰そうとする。

 

そんな中、ガンリューは目が見えないながらもなんとか操縦桿を掴み、怯えているバイスに声をかける。

 

『バイス・・・・何ビビってんだ・・・・ザウルスはまだ動くんだぜ?』

 

『ガンリュー・・・』

 

『ヘヘッ、本当は俺たちで何とかしたいところだったがこれじゃな。悪いがお前が動かしてくれ。』

 

『ウ、ウゥウ・・・・』

 

『この際だ!ビームカノン撃つだけでもいいからレバーを引け!!』

 

ゴズロに言われて彼は、手を震わせながらも操縦桿を握り、発射レバーを引こうとする。つい数十分前までは難なく動かせたはずのレバーは精神の影響が非常に重く、動かすことができなかった。

 

『だ、ダメだ・・・ビクともしない。』

 

自分はここまで惨めな存在だったと感じたのかバイスは、半泣きになりながら戦意を完全に失ってしまう。それに気づいたのかメタルビーストは、触手をゲッターザウルスに向かって伸ばす。

 

「おい、不味いぞドラえもん!」

 

「そんなこと言っても僕たちもこれが精一杯だよ!?」

 

ジャイアンは、すぐに助けに行くべきだと言おうとするものの自分たちも目の前にいる触手を切り裂くのが限度だった。触手はあっという間にゲッターザウルスの前に包囲し、取り込もうと先端から巨大な口を開いて迫る。

 

『あ、あぁ・・・・』

 

『ゴズロ、足だけでも動かせねえのか!?』

 

『バイスとお前を見捨てるようなもんだぞ!それに足だけ逃げたところで餌にされる時間が早くなるだけだ。』

 

頭部から食らいつこうとする触手の中身を見てバイスは、更に戦慄する。

 

そこには吸収して同化された恐竜兵士たちの姿があり、その全てが助けを求めるかのように呻き声を上げていたのだ。

 

〈タ・・・タスケテ・・・・クレェ・・・〉

 

〈ク、苦シイ・・・イタイ・・・・〉

 

『う・・・ウゥ・・・・もうお終いだ。』

 

同じ末路を迎えることに絶望した彼は、握っていた操縦桿を手放して両手で頭を押さえる。触手は牙を動かしながらゲッターザウルスを捕食しようと口を大きく広げる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の瞬間、ズバッと肉を切り裂く切断音が響いた。顔を少し上げると口を開いていた触手が根元から斬られて海底へ落ちていく。何が起きたのか理解できなかったバイスは、顔を上げてよく見ると巨大なV字型のブーメランが回転しながら周囲の触手を切り裂いて行っていた。

 

『なにが起こったんだ?』

 

状況が読めない中、ゴズロがレーダーにこちらに向かってきている反応を捕らえた。

 

『メカザウルス?マシーンランドの方からこちらに向かっているぞ!?』

 

触手がすぐに再合体して再度ゲッターザウルスを襲おうとする。

 

『ズェヤアアアアアア!!』

 

そこに甲高い声をと共に一体のメカザウルスが巨大な槍を構えながら割り込んできた。メカザウルスは同化している恐竜兵士たちに目もくれず口からの熱線で触手ごと殺害し、戻ってきたブーメランを額に取り付け直してゲッターザウルスの方へと駆け戻る。

 

「なんか別のメカ恐竜が出てきたぞ?」

 

「彼らを助けているあたり敵じゃないと思いたいけど。」

 

ドラえもんたちが心配をしているのを他所にメカザウルスは、ゲッターザウルスと通信を行い始める。

 

『貴様も我ら恐竜帝国の一員なら恐れず、敵に立ち向かえ!』

 

ゲッターザウルスのパイロットは、通信越しにバイスたちに言う。ガンリューとゴズロはまさかと言う表情を浮かべていたが怯え切っていたバイスには相手が何者なのか把握できなかった。

 

『もう無理だ。俺たちじゃ奴らには勝てねえ!みんなこのまま奴らに喰われるんだぁ・・・』

 

『喝っ!!』

 

『ヒッ!?』

 

通信越しの怒声に彼は、思わず飛び上がる。

 

『まだ全力も出し切れずに敗北を認めるのは言語道断!それこそ先に散った同胞たちへの冒涜であるぅ!!貴様、一人のために仲間を犠牲にしてもいいと言うのか!?』

 

『な、仲間・・・・』

 

バイスは、ハッと我に返る。ゴズロとガンリューは昔からの幼馴染で喧嘩こそすれど見捨てると言ったことは一度もしたことはなかった。ゲッターザウルスのパイロットになったのも武功を上げて自分たち家族を始めとする一族の待遇をより良くしていきたいと共通の目的があったからだ。

 

それが初めての実戦で自分はヘタれ、ガンリューは負傷し、ゴズロは巻き添えを喰らう形で窮地に陥っている。取り込まれてしまった恐竜兵士たちもだ。エンカーに引っ張られず、急いで自力で戻れば助けられた者もいたかもしれない。

 

『・・・・お、俺のせいで・・・』

 

『その通り。失ったものは二度も取り戻せはせん。だが、まだ兵士としての誇りが残っているのなら喰らいついてでも任務を果たせ!!このまま奴を放置すれば帝国も危うい!!自らの意地を見せい!!』

 

そう言うとメカザウルスは頭部のブーメランを外してメタルビーストへと向かう。途中で襲ってくる触手たちに対しても一瞬で切り裂いていき、メタルビースト本体へと近づいていく。

 

「す、すごい!無数の触手をスパスパ切って進んでいるよ、あのメカ恐竜!」

 

「ゲッターロボじゃないのにあんなに強いなんて・・・一体どんな人が乗っているんだろう?」

 

「考えるのは後だ!俺たちも負けていられないぜドラえもん!」

 

メカザウルスに続こうとゲッター1もゲッタービームを発射して触手を撃退し始める。流れが変わろうとしている中、唯一沈黙しているゲッターザウルスのコックピットでバイスは震える手を押さえていた。

 

『・・・・ガンリュー、ゴズロ。悪いな、俺がここまでヘタレでよ。』

 

『何言いだすんだ。俺たちは』

 

『悪いと思うならしっかり動かしてくれよ。』

 

謝罪する彼に対してゴズロが何か言おうとするとガンリューが遮る。

 

『ガンリュー。』

 

『生きて帰ってくれなきゃ、この目治療できないからよ。ヘタレでもなんでもコイツのパイロットになった時点で責任も何もみんな同じだ。突っ込んで死んじまおうが文句言わねえよ。なっ、お前もそう思うだろうゴズロ?』

 

『えっ!?う、うん・・・・昔からの仲だしな。死にたくはねえけど・・・あぁ~!俺、難しいこと考えるの苦手なんだ!!行け、バイス!!やれるだけやってみんなで死のうぜ!!』

 

『・・・ありがとな、二人とも。』

 

その言葉を聞いてバイスは、二人の友情の感謝しながら涙を拭う。そして、操縦桿を握り直すと息を呑んで思いっきり引いた。それに反応してゲッターザウルスが動き出す。

 

『俺たちは三人で一人だ!だから、何があってももう怖くねえ!!絶対生きて帰ってやるんだ!!』

 

ジャンプするとゲッターザウルスは、カノン砲を構えて発砲する。出力が上がっているのか着弾した瞬間、触手は風船のように膨張して弾け飛ぶ。他の触手がゲッターザウルスの方に回り始めたことでエンカーたちは、次の段階へと行くことが可能だと判断する。

 

「流れが変わった!今ならアレを実行できる!」

 

「正直、失敗する確率があるのが懸念だな。何しろ等身大では衝撃が強すぎて体がバラバラになるとかでやったことがないからな。」

 

「どの道、やらなきゃいつまでも状況が変わらないぜ。エンカー、誘導頼む!」

 

「よし、合体フォーメーションGだっ!!」

 

その瞬間、キラーナンバーズ三人が上に急速浮上する。同時にその体を変形させ、三機の巨大ゲットマシンへと姿を変えた。

 

「スピード・体内機能に問題なし。行けるぞ。」

 

「成功は五分五分だ。失敗しても後悔するなよ。」

 

「今更いうことか。」

 

「「「チェンジ、ノワールG!!!」」」

 

三機の超巨大マシンが合体し、黒いゲッタードラゴンとも言える巨大ロボットへとなる。ノワールGは、バトルウィングを展開すると高速でメタルビーストの前に接近し、腕と足のカッターを斬りつける。

 

「「「ゲッターカッター!!」」」

 

触手を根元から切り裂き、手数を一気に減らす。メタルビーストは負けずと口部を開いてプラズマ砲を放つがノワールGはまたも超スピードで距離を取り、両足を折り曲げてそこから大型ミサイルを放つ。

 

「「「ギガントミサイル!」」」

 

飛んでくるミサイルに対してメタルビーストは、身体中からミサイルの砲門を出現させて迎撃する。ミサイルは相殺されて防がれるものの爆煙が晴れるとそこには巨大トマホークを連結させたノワールGが現れる。

 

「「「トマホークダークネス!!」」」

 

厚い外殻を容易に切断、内部に切り込まれたことでメタルビーストは絶叫しながら形態を変えようとする。

 

「「「逃がしはしない!!」」」

 

ノワールGは、メタルビーストを掴んで動きを封じる。同時に触手の殲滅を終えたドラえもんたちに合図を送る。

 

「「「今だ!コイツに内部にビームを撃ち込め!!」」」

 

「ゲッタービーム!」

 

「ゲッタービームカノン!行けえぇ!!」

 

ゲッター1とゲッターザウルスからビームが照射される。照射された箇所がエネルギーを吸収しきれず飽和状態になっていく。更にそこへノワールGが容赦なく額のランプからビームを放つ。

 

メタルビーストは、内部から崩壊を始めて苦しむ。せめてノワールGだけでも道連れにしようと内部から新しい頭部を生成して喰いつこうとするがそこへ遅れてメカザウルスが頭部のブーメランを投げて斬り飛ばしてしまう。

 

三機のゲッターのビームを受けてメタルビーストはそのまま溶解していき、やがて微動することのないただの屍と化した。

 

「「「ふう、流石に食いつこうとしたときはマジでビビったぜ。」」」

 

ノワールGは、内心ヒヤヒヤしていた事を呟く。ゲッター1の方ではドラえもんたちがホッとすると同時に緊張がほぐれて操縦席の中でぐったりとなり、ゲッターザウルスではバイスが操縦桿を手放し、深呼吸していた。

 

『終わった・・・ハア、助かった・・・』

 

『何とか生き残ったな、俺たち。』

 

『それはいいから早くダイに戻ってくれ。傷が痛い。』

 

『あっ!そうだった!!急いで戻らねえと・・・・?』

 

操縦桿を握り直して戻ろうとしたバイスは、微動だにしなくなったメカザウルスに気づく。

 

『おい、アンタも一緒に戻・・・・・あれ?聞いていないのか?おい』

 

『バイス・・・いっしょに運んでやれ。』

 

『なんでだよ?』

 

『いいからいいから、置いてったら後で大変なことになるぞ。』

 

『わ、分かった・・・』

 

仕方なくメカザウルスを抱えてダイの方へと引き上げる。ゲッター1は、ノワールGの方へ向く。

 

「あのう・・・僕たちも戻りましょう。」

 

「「「ん?あぁ、俺たちはそれ届けに来ただけだから帰るよ。」」」

 

「えっ!?帰っちゃうの!?」

 

「「「だって、ただでさえ消耗している研究所の戦力これ以上割くわけにいかねえじゃん。ゲッター艦隊の協力はまだ正式に受理されてないし、ワイリーにさっさとトカゲ共と交渉して帰って来いと伝えといてくれ。じゃっ、俺たちは帰るわ。」」」

 

そう言うとノワールGは、翼を羽ばたかせて海上の方へと向かって離脱していった。ゲッター1は仕方なく、ダイの方へと戻り、ドックに収納される。降りると待機していた静香、そしてブリッジからワイリーたちが出迎えてくれた。

 

「三人ともお疲れ様。」

 

「僕は寿命が結構減らされた感じがするよ。」

 

「俺も結構疲れたな。」

 

静香の言葉にジャイアンとスネ夫は、やや疲れ気味に答える。常人でも操縦できるようになったとはいえ、やはりゲッターのパイロットは負担が大きい。一方のドラえもんは、エンカーたちのメッセージをワイリーに伝える。

 

「フン。敷島の奴、ワシがこうすることを見越して寄越しおったか。まあ、それで助かったが。」

 

「研究所に戻った方がいいんじゃないですか?」

 

「いや、このまま目的地へ向かう。すぐそこだからな。急がんとゼロがドラゴンに取り込まれてしまう。」

 

そして、ゲッターザウルスと共に回収されたメカザウルスからは予想外の人物が出てきた。

 

それは頭部が蝙蝠を彷彿とさせる形状をした老人だったのだ。

 

「いっ!?」

 

「やっぱり・・・・」

 

驚くバイスに対し、ゴズロは顔を真っ青にしている。老人は先ほどまで操縦していたとは思えない様子で鼻提灯をを出しながら寝ていた。

 

「グウゥ・・・ウウ・・・」

 

「「「バ、バット元帥!?」」」

 

恐竜兵士たちも同じように驚く。彼らの反応がいまいちわからないジャイアンは、老人の方を見る。

 

「えっ?この爺さんがあのメカ恐竜操縦していたのか?」

 

「お、おい・・・・元帥に向かって失礼だぞ。」

 

この老人がかつて帝王ゴールの時代にゲッターロボとも戦った恐竜帝国の幹部『バット将軍』改め『バット元帥』だと知るのはもう少し後のことになる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

19XX年 日本

 

隼人たちと別行動になって一日。

 

目的地を目指していたエックスは、夜のパーキングエリアに車を止めて買い足しをしていた。

 

「ここ本当に日本か?弁当だけで3000円以上するなんておかしいだろう。神さんが札束で寄越した時はそんなにいらないと思っていたけど・・・・これじゃあひと月も持たないよ。」

 

別に世間の金銭感覚がおかしいわけではない。

 

この時代は、メタルビースト軍団の攻撃によって世界各地が混乱し、市場経済も停滞してしまっている。そのため、食料を始めとする物資の輸入コストがおかしいレベルで上昇、合わせて物価も大幅に高騰してこの値段になってしまっているのだ。

 

このインフレが治まるのは、ライト博士によるロボット革命が起こるまでもうしばらく時間がかかることになる。

 

車に戻ると彼は、後ろの席で横になっているマーティに声をかけた。

 

「マーティ、お待たせ。調子はどうだい?」

 

「・・・・少しはマシになったけど体がまだ怠い。」

 

「食べられそうかい?」

 

「・・・少しは。」

 

顔色の悪い彼女は、ゆっくりと体を起こして軽食を取り始める。

 

真ゲッターと同化して以降、マーティの体調はあまり影響がなかったエックスとVAVAと比べて明らかに悪くなっていた。ここに来るまでの間何度も吐き気に襲われ、風邪でも引いたかのようにぐったりとしている。

 

「あぁ・・・・なんでアタシだけこんな目に遭っているのかしら?」

 

「俺からは何とも。でも、向こうに帰ればライト博士たちがきっと直してくれるよ。」

 

「よく言うわよ。アタシは、アンタやゼロみたいに強くないのよ。いつもサポートに回るのが精一杯でアイリスと違って置いてけぼり・・・・なんでおじいさんは強く改造してくれなかったのよ!そうすれば!!」

 

「落ち着いてくれ。別にそんな悪いこと一言も言っていないだろう?君はいつも俺のことを支えてくれたじゃないか。今は色々あって混乱しているだけだよ。」

 

「うぅ・・・・・ウッ!オェエッ!!」

 

発作的な吐き気に襲われた彼女は、近くに置いておいたビニール袋を広げて嘔吐する。

 

「怖い・・・何か変わっちゃったように感じて怖い・・・・怖いよぉ・・・・・」

 

何か得体の知れない病気にかかってしまったと思っているのか、自分だけ置いていかれてしまっていることに劣等感を感じているのかマーティが弱々しく泣き始めた。そんな彼女を落ち着かせるためにエックスは、背中を摩りながら優しく慰める。

 

「大丈夫・・・・大丈夫だから。きっと良くなるよ。だから、安心して。俺が傍にいるから。」

 

「うぅう・・・」

 

あやしながら彼は、ふと祖母が亡くなる直前のことを思い出す。

 

彼女も今の妻のような感情で死を恐れていたのだろうか?

 

幼くいつも泣いていた自分のことを気遣って隠していたのだろうか?

 

そんなことを考えながらもエックスは、一刻も早く元の時代に帰らなければと感じていた。




ここで加勢してきたメカザウルスの解説


『メカザウルス・ギン』

東映アニメ版ゲッターロボの第22話『悲劇のゲッターQ(クイーン)』に登場するメカザウルス。
ゴールの一人娘であるゴーラ(アニオリキャラ)が成人の儀でゲッターロボを倒した後に記念として早乙女研究所を墜とすために開発された機体。
頭部にクイックマンに似た三日月状のブーメランを装備している。
性能はかなり高く、初戦ではゲッター1のゲッタービームを正面から受け止め、投げてきたトマホークをブーメランで跳ね返した上に中破レベルのダメージを与えている。
最後はゴーラの乗るゲッターQを援護するために出撃したが人間に情が移った彼女に巻き込まれる形で倒された。
ちなみに乗っていたのは名のなきモブキャプテンでゲッターチームが手も足も出せなかった相手だった。


この回に登場するギンは、元は地上侵攻用に開発された初代の後継機。

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