ドラえもん のび太の転生ロックマンX   作:赤バンブル

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前回の続きを期待していた方には申し訳ない。
バランスの都合で21XX年に部隊が一旦変わります。


交渉

海底 恐竜帝国 マシーンランド 

 

「ダイが港に入る。注水開始しろ。」

 

「整備班はすぐにドッグに集まれ。後、メカザウルス・ギンは念のため除染作業をするように。」

 

「ゲッターザウルス並びにゲッターロボの取り扱いには気をつけろ。ゲッター線が漏れ出したら一大事だ。」

 

ダイがマシーンランド内に入ると港の方では多数の恐竜兵士たちが駆けつけていた。彼らの対応に戸惑いつつもドラえもんたちは、運ばれていくゲッターロボを見ていた。

 

「あのう・・・持っていかれて大丈夫なの?あれ。」

 

「敷島のことだからな。バラしたら自爆するように細工しておるだろうから下手にいじらんじゃろ。」

 

更にゲッターザウルスのパイロットであるバイスとゴズロは医療班に運ばれていくガンリューを見送っていた。

 

「じゃあ、俺はしばらく治療で休むわ。」

 

「しっかり治して来いよ。」

 

運ばれていくのを見届けるとバイスは、兵士たちに指示を出しているガレリィの元へ行く。

 

「長官、申し訳ありません。自分のせいで仲間を負傷させた上に危うく全滅する事態を招いてしまいました。」

 

謝罪を交えながら報告するに彼に対し、ガレリィは特に激怒する様子なく聞き返す。

 

「・・・・それでどうするというのだ?」

 

「責任を取ってパイロットを降ります。今回はバット元帥が加勢していただいたおかげで運よく生き残れましたがこのままチームでいたらゴズロとガンリューを今度こそ無駄死にさせてしまうかもしれません。そうなるんだったら・・・」

 

「お、おいバイス!?それはねえだろう!」

 

まさかのパイロットを降りる選択にゴズロは、動揺する。彼の答えにガレリィは、しばらく黙り込む。

 

「・・・・ふむ、降りるか。確かに失態を犯した者にメカザウルスに乗る資格はないな。」

 

「はい。」

 

「だが、お前はその失態を巻き返す形で援護した。ガンリューが負傷したのも事実だがゲッターザウルスは息が合う三人が乗らなければ性能をフルに発揮できん。つまり、お前が降りたらまた三人選び直すことになる。」

 

「えっ。」

 

「今回のミスは傲慢になっていた自分への戒めとして覚えておけばよい。昔の地上侵攻ではそんな反省をすることなく戦死した者が多い。暫く馬鹿にされるだろうがそこは我慢しろ。」

 

「長官・・・・」

 

「気晴らしに実家にでも帰って休んでおけ。ガンリューが戻ってからだと暇がなくなるかもしれんからな。」

 

「「あ、ありがとうございます!!」」

 

二人は、頭を下げてその場から離れる。彼は、遅れて運ばれてきたバット将軍を見る。余程疲れているのかいびきをかいて寝ている。

 

「グゥウ~~~ヌグググゥ~~~」

 

「全く、これがかつていがみ合っていた相手だと考えると何とも言えんな。さて、そろそろ・・・・」

 

「やっと見つけたぞ、叔父貴!」

 

そこへ甲冑にマントを羽織った男がバット元帥と似た青年を慌ただしく連れてやって来る。

 

「おぉ、来たかザンキ将軍。」

 

「ガレリィ長官・・・・叔父貴がご迷惑をかけました。まさか、屋敷からいなくなったと思ったら勝手にメカザウルスに乗って出撃するとは。今後はこのようなことがないように監視を強化しておきます。カンパニア、叔父貴を屋敷に連れて行ってくれ。」

 

「はい。では、爺様戻りましょう。」

 

「ヌググ。」

 

カンパニアは、言われるとバット元帥を車椅子に乗せてきた道を戻っていった。ザンキは、その後姿を見ながら頭を押さえてため息をついた。

 

「お前も苦労しているな。」

 

「将軍とは、お前さんも随分出世したな若造。」

 

ワイリーは、久しぶりとばかりに二人の元へ来た。ザンキは呆れた顔で彼を見る。

 

「Dr.ワイリー、ゲッターロボを持ち込んでくるとは聞いてないぞ。」

 

「敷島が勝手に送ってきたからワシのせいではない。」

 

「それが頼みに来た奴の言うことか?・・・まあいい。後ろに付いているのがお前の連れか。人間はともかくドクロとタヌキとは随分個性的な作品だな。」

 

「た、タヌキッ!?僕はタヌキじゃない!!」

 

自分のことを言われてドラえもんは、カッとなるがスカルマンに取り押さえられて止められる。

 

「ムググッ」

 

「ここで喧嘩したら生きて帰れねえぞ、多分。ここはあのジジイの用事が終わるまで我慢しろ。」

 

「ムウ・・・」

 

「では、案内しよう。帝王もお待ちかねだ。」

 

ザンキの案内でドラえもんたちは、恐竜帝国内へと足を踏み入れる。通路を歩いていくと多くのハチュウ人類の姿が見え、中には人間に近い容姿の者や鱗があることを除いてほぼ人間の者がいた。

 

「みんな爬虫類みたいだと思っていたけど人間っぽい人も結構いるね。」

 

スネ夫は、歩きながら感想を述べる。

 

以前、出会ったことがある恐竜人は全員がほぼ同じ外見をしており、ここまで種族が分かれていなかった。また、人間に近い形をしているのならともかく、ほとんど人間にしか見えない輩がいるのは極めて珍しく感じた。

 

「あれは人間のハーフやクォーターだ。人間との混血だから容姿も近くなっている。中身は我々とそう変わらないが。」

 

ザンキは、淡々と答える。彼らは、かつて帝国に連れてこられた人間たちとの混血でハチュウ人類の強靭な肉体と長寿を引き継ぎながら地竜一族よりも高いゲッター線への耐性を持ち合わせている。確認された当初は、ハチュウ人類を脅かす存在として恐れられていたが現在は地竜一族同様に扱いが改善されているのだという。

 

「人間と爬虫類って子供作れるんですか?」

 

「先々代の帝王ゴール様がゲッター線に免疫を持つ次世代を生み出す実験で分かったことらしい。尤も当時は非人道な方法で行われて出生率が低いうえに途中で死亡する確率が高くて失敗と見做されていたそうだ。今は、技術の発達でそんなことは起こらなくなったが。」

 

「ふん、それ以前にサルにまで退化させたり、脳ミソ取り出して実験していた奴らの口から非人道なんて言葉が聞けるとは思わんかったわい。」

 

説明するザンキに対し、ワイリーは皮肉を交えながら言う。

 

実際、ゴール時代の人間の扱いはまさに虫けら同然だった。実験だけではなく地上の人間を容赦なく焼き尽くす「北海道灼熱地獄作戦」を始めとする戦略によって当時死んだ人間の数は計り知れない。それこそ、現在のハチュウ人類の総人口ぐらいかもしれない。

 

「・・・戦いに犠牲は付き物だ。貴様もロボットは自分の子供だとか言いながらあのロックマンというガキに差し向けていたじゃないか。」

 

「フフッ、ワイリーが論破された。」

 

「フン、ワシはちゃんと直すもんね~!」

 

スネ夫に笑われて彼は、アッカンベーしてを言い返す。そうしている間に王宮に辿り着き、一行は玉座の前へと連れてこられた。

 

「間もなく帝王が参られる。」

 

「ほれ、頭を下げるぞ。舐めたら話しどころではなくなるからな。」

 

ワイリーに言われてドラえもんたちは、膝をついて頭を下げる。

 

「ゴーラ陛下のおな~り~!」

 

臣下たちも全員頭を下げて王を迎え入れる。足音がゆったりと聞こえ、それは玉座へと座った。

 

「苦しゅうない、面を上げい。」

 

王の許しで一行はゆっくりと上げた。

 

「「えっ?」」

 

目の前の人物にスネ夫とジャイアンは、きょとんとする。そこにいたのは豪華な装束にマントを羽織った長い金髪の女性でハチュウ人類特有の鱗らしきものが見られなかった。てっきり、トカゲ顔の魔王みたいな容姿を想像していたこともあってドラえもんたちも驚いていた。

 

「あ、あのう・・・・貴方がこの国の王様ですか?」

 

ドラえもんが恐る恐る聞く。すると女性は少し笑いながらギザ歯を見せて答えた。

 

「そうじゃ、余が恐竜帝国女帝ゴーラ2世じゃ。」

 

「は、はあ・・・」

 

「どうした?グロテスクなトカゲだと思っておったか?」

 

「そ、そ、そんなこと思っていないですよぉ。ね、ねえみんな。ハッ、ハッハハハ・・・・」

 

スネ夫は、冷や汗を掻きながらも内心を見透かされたことについて笑って誤魔化す。どうやらこのゴーラと名乗る女性、かなり友好的な人物らしい。

 

だが、そこへジャイアンが余計な一言を言ってしまう。

 

「いやぁ、てっきり俺は蛇やトカゲの化け物かと」

 

「「「ジャイアンっ!?」」」

 

ドラえもんたちは、ジャイアンの口を塞ぐ。今の一言で彼女の機嫌を損ねてしまったのかもしれない。最悪、ここで捕まってしまう可能性すら有り得る。びくびくしながら後ろを振り向くと幸運にもゴーラは、特に怒っている様子はなかった。

 

「なんじゃ。お主たち、そんなこと期待して来たのか?まあ、別に見せられんわけでもないがな・・・」

 

「「「「えっ?」」」」

 

「カアアアア・・・・」

 

玉座から立った彼女は、構えを取ると声を張り上げながら全身に力を入れる。すると、それまでなかった尻尾が生え、体の筋肉が膨張し人間だった顔が変形し、蛇をそのまま人間の体に変えたような姿へと変貌した。その変わり様にドラえもんと静香は顔を真っ青にし、ジャイアンとスネ夫は歯をガタガタ震わせながら抱き合った。

 

「ハア・・・ハア・・・気を付けろよ、こうなってしまったら首の一つか二つ無くなるかもしれんぞ?」

 

「「は、はわわわ・・・・・」」

 

ゴーラは、蛇のように二股に割れた舌を出して一向に重圧をかける。

 

ただし、ワイリーだけは特に驚く様子は見せず若干呆れた顔をしていた。

 

「・・・・おい、小娘。お前、今いくつになったんじゃ?流石にそんな変顔やってもリアクションに困るだけじゃぞ。マンガの読みすぎだ。」

 

「「へ、変顔!?」」

 

「プハーッ、せっかくやったのに一人だけ引っかからんのはつまらんのう。」

 

一息つくと彼女は元の人間の姿に戻った。いったい何が起こったのか一行は混乱に陥る。

 

「え、え、えっ!?一体どういうこと!?変身したと思ったら一瞬で元に戻った!?」

 

「今のは驚かし方の一つじゃ。コイツの親父は人間とのハーフだったからな。親父がゲッター線に強い耐性があったせいか、余計に人間に近くなってあの姿になれるのは頑張って4、5分ぐらいが限度ってもんじゃ。」

 

「なんでそんなに詳しんだよ?アンタ、この女王様と知り合いだったのか?」

 

ジャイアンは、ゴーラに指を差しながら言う。ワイリーは、嫌そうな顔で渋々答える。

 

「・・・コイツがガキの頃、よくワシの研究所に遊びに来ていたんじゃ。まだ、ロックマンとやりあっていた時期にな。」

 

「「「えぇっ!?」」」

 

「いやぁ、あの頃は余もわんぱくだったからのう。帝国からよく抜け出して遊びに行ってたわ。あの土下座も見物だったぞ。」

 

「余計なこと思い出さんでいいわい!・・・・ガキだったとはいえ、会う度に頭に噛みつきおってからにぃ。」

 

彼は、つい昨日の出来事のように100年前のことを思い出す。

 

 

まだ世界征服計画を実行していた頃、ゴーラは幼少期から帝王学を学んでいたが、わんぱくな性格であることもあって、どこで知ったのか定期的に訪問して顔見知りになっていたワイリーところへと遊びによく帝国から抜け出していた。

 

そして、彼が研究をしている傍らオフ中のワイリーロボたちで遊び倒すこともあれば、研究室に侵入して研究物を誤って爆破してしまったりとトラブルをよく起こしていた。ちなみにこの犠牲になった物の中には、フォルテや制作中のゼロも含まれる。

 

ワイリーには迷惑なことだったが、ゴーラにとっては親戚のおじさんのような感覚で特に隔たりもなく接することができたのだろう。

 

 

「ハッハッハッ、そんなこともあったな。余も幼かったがあの頃は我儘をよく聞いてくれたのう!他には・・・」

 

「やめろ!これ以上、やばい黒歴史を暴露しようとするな!?」

 

愉快そうに話すゴーラに対し、ワイリーは顔を真っ赤にしながら止めに入る。その様子に周りにいた臣下たちもいつもの彼女と様子が違うとばかりに動揺している。

 

「なんか回りがあたふたしているんだけど。」

 

「陛下は昔から型破りな性格だったからな。現役時代の叔父貴も頭を抱えるほどにな。」

 

困った顔をするスネ夫に対し、ザンキは同情するような目で答える。

 

この二人の漫才とでも言える茶番が終わるまで10分ぐらい時間がかかることになる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

10分後、ようやく騒ぎが収まってワイリーの交渉が始まった。

 

月軌道で沈黙を守っているゲッタードラゴンの排除並びに中にいるであろうゼロとアイリスの救助の協力を引き換えに地上の一部を帝国に譲渡、一線を超えない限りはその権利を束縛しないなどの条件を取り付けた。

 

長らく地上侵攻を止めていたハチュウ人類側にとっては戦力を消耗することなく、自分たちの領土が手に入ると好都合の取引に見えるが宇宙に出ればそれだけ多量のゲッター線を浴びることになるため、危険が伴う。ゴールの時代ならば部下の犠牲も厭わないだろうが今やれば大騒ぎになる。

 

「・・・余としては取引内容は悪くない。だが帝国としてはリスクが大きいな。」

 

「ゴーラ様、大きいではすみませんぞ!?ゲッタードラゴンの近くとなれば非にならないレベルのゲッター線に曝されます。」

 

「それどころか国民から非難を浴びる危険性が。作戦参加の志願者を募集してもどれだけ集まるか。」

 

「各メカザウルスには、『ゲッター線防御装置』を常備させていますが進化しているであろうドラゴン相手ではパイロットの命が保証できませぬ。ゴール様の時代でさえ、パイロット生命を無視した総攻撃で大きな問題となりました。王家の信用に関わりますぞ。」

 

臣下たちは、メリットと比べてデメリットが大きすぎると猛反対だった。

 

実際、ゲッタードラゴン周囲は多量のゲッター線が収束しているのが確認されている。このドラゴンに近づくだけでも命がけなのに更に内部に侵入してロボット2体を回収するというのだ。そんな事をすればパイロットは数分もしないうちに絶命、最悪作業中に動き出せばもっと甚大な被害が出かねない。

 

彼らの意見を汲み取ったうえでゴーラは、困った顔で返答を出すのに悩む。

 

「ふむ・・・父上がせっかく築いてきた民との信頼をここで失うのは耐え難いのう。」

 

「小娘、ドラゴンを放置すればそれこそ恐竜帝国の未来にかかわるぞ!!アイツをこのまま宇宙に放置すれば勝手に進化するし、将来地球全体がゲッター線に汚染されてとんでもないことなるぞ!」

 

「う~ん~、爺様の時代なら簡単に下したであろうが時代が時代だからのう。突撃隊なんか編成して送ったら民たちから大ブーイングを受けてしまうぞ。」

 

説得するワイリーの言葉に理解しつつもゴーラは、首を縦に振らない。ただでさえ自分たちには有害なゲッター線の塊に突っ込むような作戦なのだ。行きますなど言うはずがない。

 

頭に血が上る彼を見かねて、カリンカはフォローを入れるべく前に出る。

 

「あの・・・女王陛下。」

 

「ゴーラでよいぞ。」

 

「ゴーラ様、貴方が民を思う気持ちは察します。ですが、ワイリーが言っていることも一理あります。放っておけば進化して手に負えなくなりますし、それこそこの国の存亡に関わる。重い病気でも症状が進まないうちに治療すれば完治とまでいかなくても軽くすることができます。ですから」

 

「・・・ふむう。」

 

「お嬢さん、この男に肩を貸すのは構わないがゲッター線はそれだけ我々にとって脅威なのだ。ゴーラ様の叔父に当たるゴール3世は、100年前のゲッター線大放出に巻き込まれて幼くして亡くなられている。それだけではない、当時のハチュウ人類全体の3割以上が死亡した。これを聞いてもまだ我々に協力してくれと?」

 

「それは・・・・」

 

「すみません。僕からも一言いいですか?」

 

臣下の一人に言われたことで返答できない彼女の代わりにドラえもんが口を開く。

 

「何かね、タヌキ殿?」

 

「だから、僕はタヌキじゃありません!!宇宙にはかなりの量のゲッター線があるんですよね?」

 

「あぁ。だから、宇宙に上がる際には宇宙用の特殊コーティングを行った上でメカザウルスを打ち上げているのだ。現在進めている火星のテラフォーミング計画用の奴をな。」

 

「じゃあ、宇宙に上がること自体は可能なんですね?」

 

「だが、ドラゴン周辺はそれ以上のゲッター線量がある。いくらコーティングや防御装置を駆使しようとあまり長く持たん。」

 

返答を聞くとドラえもんは、ポケットに手を突っ込んで道具を一つ取り出す。

 

「これ、僕の持っている秘密道具の一つ『テキオー灯』と言います。これを浴びれば24時間という制限時間付きですけど一時的な無力化ならできると思います。」

 

「なんと?」

 

「しかしねえ、そんなちっぽけな大きさではパイロットは何とかなるにしても作業用のメカザウルスまで使おうとしたらあっという間に時間が無くなってしまうよ。」

 

「・・・・いや、何とかなるかもしれん。」

 

そこへワイリーが何かを思いついたのか顔を上げる。

 

「ゴーラ、帝国の科学班の力を貸してほしいんだが構わないか?これがうまく行けばリスクが大幅に減らせる。」

 

彼が思いついた案は以下の通りだ。

 

まず、恐竜帝国科学班と共にメカザウルス複数体が入れるテキオー灯を組み込んだ装置を作り、分解してパーツ毎に宇宙に打ち上げる。

 

そして、ドラゴンからある程度離れた場所で組み立て作業用メカザウルスが浴びた順に作戦を開始。長期戦になった場合は時間切れ2、3時間前に装置の方へ戻り、待機している組と交代して行うと言ったものである。メカザウルスごとテキオー灯を浴びることで時間を短縮し、交代で行うことによってパイロットの疲労を軽減することができる。

 

これには流石とばかりに臣下たちも彼の優秀さに感心する。

 

「別に構わんが・・・・その装置を作るのにどれくらいかかるのじゃ?」

 

「4、5日欲しいところじゃがここの科学班の協力があれば2、3日もあれば十分じゃろう。その間に宇宙へ上がるための輸送ロケットを何台か回してほしい。」

 

「・・・・皆はどう思う?反対する者はおるか?」

 

ゴーラの言葉に異を唱える者は一人もいなかった。デメリットが無くなるのならこれほど良い条件を振るなどまずない。誰でも喰いつきたくなるだろう。

 

「まあ、安全だと言うのなら。」

 

「一部とはいえ、地上を手に入れられる・・・・帝国建国以来の大功績になりますぞ。」

 

「お主ら軽いな。まあ、余と其方の縁だしそのぐらいは手配しておこう。ただ、作戦が破綻する事態になれば帝国のことを優先してお前たちを切り捨てることを忘れるな。」

 

ゴーラは、真面目な顔で忠告する。ドラえもんたちは、その様子に身震いするがワイリーのみ依然と態度を変えることなく、わかったと一言で済ませた。

 

交渉がひとまず終わるとドラえもんたちは、ザンキの手配で帝国内の宿泊施設を貸し与えられることになった。ザンキ自身はまだ業務が残っているため、代行としてカンパニアが呼ばれて案内してもらうことに。

 

「ワシはまだ用事が残っておるからお前たちは先に行け。大抵の物は頼めば出してもらえるだろうが我儘言うなよ。」

 

ワイリーと別れた彼らは、カンパニアに付いて行く形で王宮を後にする。仕事と割り切っているのかあまり喋らない彼にぎごちなさを感じたのかジャイアンは、気になったことを聞いてみる。

 

「えっと・・・・パンパカニアさん」

 

「カンパニアだ。」

 

「あっ、すんません。俺たちと一緒に戦ってくれたあのじーさんに何となく似ていたからどういう関係なのかなって。」

 

「あぁ、爺様のことか。あの人は私の祖父で元恐竜帝国の将軍だ。」

 

「だから、似ていたんだ。」

 

ドラえもんは、その言葉に納得する。それだけの実力者ならあの恐るべき怪物とも渡り合えたわけだ。

 

「隠居してからは痴呆症が進んで屋敷からよく抜け出して困っているが。私も将軍も暇じゃないのに・・・・」

 

「あれ、お父さんとお母さんは?」

 

「両親は、100年前の事件で亡くなりました。」

 

「そ、そうなんだ・・・なんかすみません。」

 

歩きながらドラえもんは、気まずいことを聞いたと謝罪する。一方の静香は、地底深くにまでは届かないはずのゲッター線が何故放出したのか疑問に感じた。

 

「でも、あの女王様のところで聞いたんですけど100年前の事件って何なんですか?ゲッター線が大放出したと言っていましたけど。」

 

「当時の帝国内は、混乱状態で詳細についてはわからないが早乙女研究所を中心に発生したことから地中深くに潜っていたゲッタードラゴンが原因だと言われている。実際、地上もただでは済まなかったそうだからな。」

 

「げ、ゲッター線ってすごくヤバイものなんだね・・・・」

 

スネ夫は、予想以上のゲッター線の猛威に寒気を覚える。エックスたちと同化して進化した真ゲッターにも驚愕したが一瞬で多くの命を奪い去ってしまうのを見ると正直乗るのも怖くなる。

 

「そう言えば、ワイリーはどうして私たちを先に行かせたの?」

 

「それは・・・・私からは何とも。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同じ頃、ワイリーはゴーラと共に王宮の一室へと向かっていた。

 

「バットの奴は相変わらずだが・・・奴の方はどうなんだ?」

 

「ここ数年、集中治療を行っておるが体は、弱っていく一方じゃ。余が即位してから寝たきりで・・・」

 

部屋に入るとそこには植物園を思わせる温室が広がっていた。その中心では場にはふさわしいとは思えない医療機器がいくつか置かれており、スタッフたちが動き回っていた。

 

「これはゴーラ様、本日のお仕事は終わったのでございますか?」

 

「まだ、やることがあるが顔を見ておきたいのでな。・・・・容態はどうなっておる?」

 

ドクターに対し、彼女は小さい声で聴く。彼は、一瞬困った顔になるが意を決して答える。

 

「再生治療などで最善を尽くしていますがやはり高齢な上に全身ゲッター線に侵されているので・・・・回復する傾向がありません。後、1年持ちこたえられるかどうか・・・」

 

「・・・そうか。話せるか?」

 

「はい、意識は少し朦朧としていますが貴方のことは分かると思います。くれぐれも興奮させるようなことはご遠慮ください。容態を悪化させる危険性がありますので。」

 

「わかっておる。すまぬが席を外してくれまいか?三人だけで話したい。」

 

そう言うとドクターはスタッフたちを退室させ、ベッドに寝かされている患者にやさしく声をかけた。

 

「ジャテーゴ様、ゴーラ様が来ました。我々は一旦退室します。」

 

「・・・・」

 

ジャテーゴは、呼吸器に指を指して何かを催促すると彼は外してそのまま退室する。

 

ゴーラはベッドの傍へと行き、彼女に声をかけた。

 

「ばあば、余のことがわかるか?」

 

その問いに対してジャテーゴは体中にチューブを繋げられている体でありながらベッドの上部を少し上げて彼女の方を見た。

 

「ゴーラ・・・・よく来てくれたのう・・・・ゴホ、ゴホッ・・・」

 

「無理に動かなくていい。もう、ばあばはゆっくりしてていいんじゃ。」

 

ゴーラは、咳き込む彼女の背中を摩りながら言う。その光景にワイリーは、感慨深い表情を浮かべた。

 

「ふう・・・・もう落ち着いたからよい。それよりも珍しい客人が来ておるようじゃのう・・・・Dr.ワイリー。」

 

「随分、弱っているようじゃな。バットの奴が元気じゃったからここまでだとは思わなかったわい。」

 

「バット元帥は、私よりも汚染がマシだったからな。ところでゴーラを唆して何を企んでおる?」

 

「あの悍ましいゲッタードラゴンを解体するための協力要請だ。」

 

「ほう?私はてっきり、お主の言う『息子』を助けるために来たと思っておったが。」

 

「何?」

 

ジャテーゴの言葉に彼は、眉を顰める。ゴーラの前においてゼロたちの救出は、飽くまでおまけのような感じで話したはずだ。それにこの場で彼女にこの件について知らせるものは誰もいない。

 

なのになぜ知っているのか?

 

「誰から聞いた?少なくともここにこ奴以外の者は来ていないはずだぞ。」

 

「ゴールじゃ。ゴールの奴めが夜な夜な私の枕元に現れて呟くのよ。お主がここへ訪れるのをな。」

 

「・・・・お前さんも取り込まれかかっているのか?」

 

ワイリーは、深刻な顔になってジャテーゴに詰め寄る。早乙女研究所以外でこんな現象が起こるのは考えてもみなかった。ゲッター線の脅威が徐々にレプリロイドは愚か、かつて滅ぼそうとしたハチュウ人類にまで及ぼうとしている。

 

「ばあば、爺様が枕元に現れたというのはどういうことじゃ?爺様、余が生まれるはるか前に・・・」

 

「私にもあれがゴールだったのかどうかはよくわからん。だが、ここまで生きてきた身としてはこれだけは理解できる。間もなく、この恐竜帝国・・・・否、地球が大きな事態へ巻き込まれようとしているのをな。」

 

ジャテーゴは、それだけ言うとまたグッタリとなってゴーラに寝かされる。

 

彼女の言う通り、今地球は大きな危機に見舞われつつあった。

 




恐竜帝国の主要人物紹介

女帝ゴーラ2世

21XX年の恐竜帝国を統率する帝王。
父親はハーフ、母親は純血のハチュウ人類だったのだが父親のゲッター線耐性が強かった影響か外見は何故かほぼ人間の状態で生まれて当時の帝国上層部を混乱させた(後にDNA検査などを通じてちゃんとクォーターだということが判明した)。ハチュウ人類としての姿に変身可能だが数分しか持たない。
母親は生まれてすぐ病死し、父親は政治で構ってもらえなかったこともあって寂しがり屋な一面があり、当時帝国と交流を持っていたワイリーに懐いてよく地上に遊びに行っていた。現在は、帝王として君臨しているがまだ幼さが残っている。ジャテーゴは大叔母なのだがおばあちゃん扱いで「ばあば」と呼んでいる。

年齢は人間に換算して20代前後(ハチュウ人類は冬眠期が存在している他、技術の発展で寿命の延長が可能な模様)。

外見は『東方天空璋』の第6面、EXボスの摩多羅隠岐奈。

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