ドラえもん のび太の転生ロックマンX   作:赤バンブル

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チェンゲの作風の独特さは今も


進化の旅立ち

恐竜帝国 マシーンランド ロケット発射場

 

『Z』とタラクによるインベーダー殲滅から3日後。

 

ゲッタードラゴン解体とゼロの救出のための準備は予定通りに進み、ロケット発射場にはコーティングを施されたメカザウルスと共にゲットマシンもロケットに収容されて打ち上げられようとしていた。

 

「なあ、これ俺たちも参加するのか?ゲッターロボ積んでいるみたいだけど。」

 

ジャイアンが魚類の鱗のような煎餅上のお菓子をかじりながら聞いていると答えるために来たのかワイリーがやって来た。

 

「当り前じゃ。ゲッターロボは戦闘以外に宇宙開発で使えることを視野に入れて作られたのだからな。ドラゴンにゲッターエネルギーを吸収されてしまうリスクはあるが宇宙開発用メカザウルスの数には限りがある。指示はワシが出すから言う通りに動けば問題ない。」

 

「ワイリーの言葉ほど信用できないことはないと思うけど・・・」

 

話によると巨大テキオー灯装置を組み立て、固定するための宇宙ステーションはドラゴン近くに待機させていると言う。後は順次に打ち上げて整い次第作戦開始とのこと。

 

静香とカリンカ、二人の護衛を務めるスカルマンを残してドラえもんたちはゲットマシンを積んだロケットへと向かっていく。

 

「ゼロとアイリスさん・・・大丈夫かな?」

 

「さあ。少なくともワイリーは、助けられると思っているみたいだよ。」

 

「おうおう、お前らか?ゲッターロボに乗るって言う三人は?」

 

「「「!」」」

 

声をかけられた方を見るとそこには戦闘服に着替えた恐竜兵士三人が待ち構えていた。

 

「な、なんなんだよお前ら!?」

 

喧嘩を吹っ掛けられたと考えてジャイアンが二人の前に出て牽制する。兵士三人組は、にやけながら近づいてくる。

 

「俺は恐竜帝国キャプテン、地竜一族のギット。」

 

「同じくザット。」

 

「ビットだ。ヒヒヒッ、あの恐ろしいゲッターロボに乗っていると聞いたからどんなやべえ奴が乗っているかと思ったらこんな頼りなさそうな人間二人とタヌキとはな。」

 

「た、タヌキって・・・・」

 

腕を組みながらジロジロ見つめてくる三人に対し、ドラえもんたちは腹立たしく思いながらも我慢する。

 

「そ・・そのキャプテン三人が僕たちに何の御用でしょうか?」

 

「へへっへっ、実は今回の作戦に俺たちも参加することが決まっているんでな。邪魔しねえように忠告しに来てやったのよ。」

 

「じゃ、邪魔って。僕たちは別にそんなことするつもりはないよ。」

 

取り囲まれてビビりながらもスネ夫は、言い返す。するとザットが短剣を取り出して目の前に来る。

 

「そんなつもりはなくても俺たちの近くにいれば邪魔になるのよ。ゲッターロボなんかが近くにいれば撃たれるかもしれねえんでな。」

 

「うぅう・・・・」

 

「やいやいやい!さっきから聞いていりゃ馬鹿にするようなことばかり言いやがって!!選ばれて邪魔するなって言うんだったらむしろ気を付けるのはお前らの方だろうが!」

 

「何!?」

 

「そんなに俺たちが邪魔だって言うならこの間の戦いの時なんてバットの爺さんみたいに出撃してくればよかったじゃねえか?本当はビビって出てこれなかったんじゃないのか!」

 

「コイツ・・・」

 

「アッハッハッハッ!かの地竜三人衆が一本取られたようだね!」

 

突然の高らかな声にギットたちは、ビクッと背筋を震わせる。一瞬誰かと彼らの後方を見ると通路の方からエリマキを思わせるメットを被った女性が鞭を鳴らしながら歩いてきた。

 

「ゲッ、ゴーラ様直属の親衛隊長ユンケだ。」

 

ビットは、顔を歪める。ユンケは、一同の前に来ると持っていた鞭をシュッと伸ばし、ザットが持っていた短剣を絡め取って回収した。

 

「あっ、てめえ!!」

 

「喧嘩するのは自由だが客人、それも今回の作戦に参加する者同士でのやるのは褒められたものじゃないね。それじゃあ、地竜一族の顔に泥を塗るようなものだよ。」

 

「キッ!」

 

「ザット止せ!ユンケ親衛隊長、ここに来たということは今回のゲッタードラゴン解体作戦の指揮官はアンタと言うことか?」

 

血の気の多いザットを制しながらギットは、感情を抑え込んで彼女に聞く。ユンケは、鞭を腰に掛けると首を横に振る。

 

「いや、今回指揮するのは飽くまでDr.ワイリーさ。私は飽くまで監視を務めるだけに過ぎない。」

 

「女王陛下直属にしては随分と不名誉じゃないのか?」

 

「さあね。まっ、ゴーラ様の考えていることなんざ私にはわからないさ。だけど、あの方とは長い付き合いなんでね。多少の我儘は付き合ってやるもんだよ。」

 

彼女は、短剣を回すとザットに返した。

 

「アンタらも喧嘩する暇があるならメカザウルスの手入れでもしておきな。出た時に動作不良起こして動けないなんてシャレにならないからね。」

 

「チッ。」

 

「ご忠告に感謝するよ、親衛隊長殿。だがな、かと言って手柄をアンタに譲るつもりはないぜ?俺たちはもっと上に上がってみせる。絶対に。行くぞ、二人とも。」

 

ギットたちは、捨て台詞を吐くと二人を連れて去って行く。

 

ドラえもんたちは、助けてくれたユンケに頭を下げてお礼を言った。

 

「ありがとうございます、おかげで助かりました。」

 

「礼なんざいらないよ。あの三人、元々地竜一族の中でも貧しいところ出身でね。出世に強くこだわっているのさ。」

 

「でも、ザンキさんの話だと改善されたって。」

 

「それでも満足できないから軍に入るのよ。地竜一族は、身体能力ではピカ一だからね。運が良ければキャプテン以上の位に付ける可能性もある。」

 

「ハア・・・」

 

「もうすぐロケットが打ち上げられる。アンタたちも早く乗り込みな。宇宙じゃ作業で忙しくなるんだ。休めるときに休まなきゃ体がもたないよ。」

 

本人なりの気遣いと言うべきか、ユンケは軽く手を振ってその場から離れていった。彼女のサバサバした対応にドラえもんたちは、呆然とするがこうしている間にもロケットの発射時間が迫っているため走った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???

 

ゲッタードラゴンに取り込まれたゼロは、薄い意識の中で自分の身に何が起こったのかを思い出し始めていた。

 

(俺は・・・・そうだ。あの怪物との戦いで負傷してその後・・・・・だが、ここはどこなんだ?ロボットの中とはとても思えない。それに・・・・)

 

どういう訳か痛みは愚か手足の感触がなかった。

 

目を開けようにも力が入らず、まるで体そのものが無くなって意識だけが取り残されたようだった。

 

(今の俺の状態はどうなっているんだ?ダメージの影響ではなさそうだが。)

 

『見ようとするんじゃない。感じるのだ。そうすれば見えないものも見えてくる。』

 

(誰だ?)

 

脳裏に直接語り掛けてくる声にゼロは、警戒する。

 

『アルバートの息子よ、警戒せずともよい。ここでは誰もが受け入れられる。』

 

(・・・・・)

 

彼は試しに自分を落ち着かせて感覚を研ぎ澄ましてみる。すると徐々に視界が見え始めた。

 

『これは・・・』

 

『ここはドラゴンの体の中。今のお前は儂ら同様にゲッター線と一つになっている状態なのだ。』

 

『!』

 

後ろを振り向くとそこには早乙女が立っていた。

 

『貴方は早乙女博士!?俺は一体・・・・』

 

『ドラゴンがお前たちを選んで取り込んだのだ。』

 

『どういう意味だ?』

 

『これから起こることに必要だからだ。ドラゴンを進化させるためのな。』

 

『進化?話が見えてこないぞ。それより、俺たちと言うことはアイリスも取り込まれたのか?彼女は』

 

『あそこだ。今はまだ眠っておるがいずれ目覚めるだろう。』

 

早乙女が指を指した先には、アイリスが目を閉じたまま倒れていた。まるで人形のように動かない彼女にゼロは不安を感じる。

 

『俺と同じように起きるのか?』

 

『心配いらん、ドラゴンがお前と一緒に選んだのだからな。』

 

『・・・取り込んだと言っていたよな?っと言うことは俺たちの体は無くなってしまったのか?』

 

自分の意識がゲッター線と一つになっているということは、彼のように肉体を失っている可能性がある。

 

早乙女は、しばらく黙るが付いてくるように合図して歩き始める。ゼロは、不安に駆られながらも付いて行った。

 

『・・・本来、ドラゴンは自力で進化を行い、母なる星から旅立つはずだった。だが、アルバートの抵抗で大きくズレ込むことになった。そこでドラゴンは別の選択を選ぶことにした。』

 

『別の選択?』

 

『自ら衰退を選んだ人類に代わり、『レプリロイド』が次の世代を担う存在へと進化させる。その第一世代となるのがお前たち二人と言うことだ。』

 

『人類に代わる新たな世代?』

 

『見ろ。』

 

早乙女が足を止めるとゼロは、その先を見る。そこには無数のケーブルに絡まれている自分とアイリスの体があった。

 

『俺たちの体・・・・・!?』

 

彼は自分の体に近づくが一目見て思わず後ずさる。

 

アーマーどころか内部フレームも分解されて手足はなく、首から下を作り直している状態で、炉心以外の回路と思われるものが生物の臓器のように脈を打っていた。アイリスの方も自分と同じ状態であり、まるで人間を一から作っているように感じられる。

 

『一体どうなっているんだ?』

 

『作り変えておるんだよ。』

 

『作り変える?』

 

『人間を含め、全ての生命体には寿命が設けられている。どれだけ延命しようがいずれは死ぬ。だが、無機物から生まれた機械には決まった寿命がない。』

 

『何が言いたい?』

 

『ゼロ、人間は何故子供を産むと思う?』

 

『次世代へ自分たちの遺伝子を残すための手段だろう。』

 

『そうだ。親から子へと様々なものが引き継がれていく。それが孫に子孫に・・・・次々と生命のバトンを手渡す。そうやって生物は進化してきた。だが、人類はその選択を誤った。』

 

『誤った?』

 

『アルバートとトーマス・ライトによって引き起こされた「ロボット革命」。二人の天才によってもたらされた技術でロボットは飛躍的に人間に近い思考を持てるようになった半面、人類は今まで担ってきた自分たちの役割を彼らに押し付け、任せっきりにした。』

 

『確かに爺たちの技術で人は豊かで不自由ない生活を送れるようになった。それがいけないことなのか?』

 

『生命の進化と言うものは役割を放棄してしまえば路頭に迷い、やがて衰退するようになる。人口が増えれば子供が必要なくなり、出生率が下がる。同時にこれは次世代の人口が大きく減少することに繋がる。人手はロボットがいれば事足りる。そうなれば・・・・』

 

『次世代の子供は更に減る。そして、最終的に人類は滅んでレプリロイドだけが残る。・・・・馬鹿な、いくら俺たちに任せきりとはいえ、人間はそこまで愚かじゃない。』

 

『そこで拍車をかけるのがお前たちレプリロイドの欠点だ。お前たちは、人間に近い思考を持ちながら子を残す手段を持ち合わせていない。死ねばスクラップ工場に送られ、別の機体が工場から製造される。これは戦争などの悲惨な経験を後世に伝える輩が少なくなると同時に愚かな行為であることを知らない次の世代を増産することになる。今までの戦いを振り返ってみるがいい。お前たちは、過去からの経験を活かしきることなく、地上を荒廃させていった。』

 

早乙女の言葉には、確かに分からなくもない。

 

100年前、人類は自分たちに近い存在となったロボットたちの反乱を恐れて感情のないロボットを生産して『ロボット狩り』を実行した。

 

更にその100年後、『シグマの反乱』から始まる幾多の戦争を経験したのも関わらず、レプリロイドは人類が引き起こした過去の大戦以上の速さで戦いを繰り返している。

 

これは新しく生まれた個体が飽くまでもデータとしてしか認識していないことが原因であると同時に人間に備わっていた『闘争本能』を潜在的にラーニングしてしまったことを意味する。

 

ゼロやエックスのように何度も経験をして伝える存在がいるとしても全ての世代に伝えることは容易ではない。どこかしらで歪められ、間違った解釈をして新たな火種になりかねない。

 

『だが、機械である故それが仕方のないことだ。レプリロイドは人間がいてこそ存在できる。』

 

『それもまた一つの答えにしかすぎん。ドラゴンが選んだ以上、お前たちの何らかの可能性を見ているのだろう。人類にとって代わる新たな生命体か、それとも彼らと寄り添う隣人へとなるのか。』

 

『・・・』

 

『今すぐ答えを出せとは言わん。そういう選択を迫られる時が来ると言うだけだ。』

 

話を終えて元の場所に戻ると丁度アイリスが目を覚ましていた。

 

『ゼロ!よかった、貴方もここにいたのね。』

 

『あぁ・・・。』

 

『どうしたの?』

 

『いや・・・・あの博士に難しい話を聞かされただけだ。』

 

『そう。・・・・ところで私たちの体どうなったのかわからない?どうやって移動すればいいのかよくわからなくて。』

 

ゼロは、先ほどの組み替えられている体のことを思い出す。

 

今の自分たちは、精神体のようなものなので気絶してしまったらどうなるかわかったものでもないことから伝えるべきか迷う。

 

『アイリス・・・その俺たちの体なんだが』

 

『えっ?バラバラにされて組み替えられているの!?』

 

『なっ!?』

 

戸惑う様子を見せる彼女に彼は、口にしていないのになぜ伝わったのか驚く。

 

『驚くことはない。今の我々はゲッター線と一つになっていることで互いの思考を共有することも容易いことだ。』

 

『最初から分かって俺にあんなものを見せたのか?悪趣味すぎるぜ。』

 

『フン、遅かれ早かれこの事態を受け入れてもらわねばならんからな。』

 

『・・・・』

 

『ゼロ、怒っちゃダメ。』

 

『お前だって、見ず知らずの存在に体をいじられるのは嫌だろ?』

 

『そうだけど・・・』

 

今の状況を何とか受け入れようと苦悩する二人に対し、早乙女は気にすることなく会話を続ける。

 

『どうやらドラゴンがお前たちに見せたいものがあるらしい。』

 

『うん?』

 

目の前にゲッタードラゴンの顔が現れたことで二人は目を丸くする。

 

ドラゴンは彼らを手で掬うと目を光らせ、その光を照射した。

 

『何をするつもりなんだ!?』

 

『何もしやしない。だが、知る権利はある。有り得たかもしれない可能性と・・・・これから起こりうることも。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

宇宙 ドラゴン近辺 

 

宇宙に上がったワイリーと恐竜帝国軍は、事前に呼び寄せておいたワイリーステーションを拠点にドラゴン解体の作業を開始していた。

 

まず、テキオー灯を浴びたメカザウルス各機がドラゴンから一定以上離れた場所からアンカーを発射して身動きを封じる。

 

次に索敵機を搭載した小型メカザウルスが接近し、全身をスキャン。ゼロとアイリスのおおよその位置とゲッター炉心がある部位を把握する。

 

そして、最後に待機していたゲッター1がゲッター線放出装置を指定の位置に撃ち込み、ゲッター線を放出させて弱めていく。

 

活動が完全に停止したのを確認したら作業員たちで外部からこじ開けて解体すると同時にゼロたちを救出するといった手法だ。

 

既に拘束は完了し、小型のロケットブースターを装着したヤモリ型メカザウルス数匹が張り付いてスキャンを行っている。

 

『どうだ、反応はあるか?』

 

通信越しでワイリーは、ゼロたちの反応があるのかどうか確認する。

 

「いいえ、ゲッター炉心の反応はありますが二人の反応は検出されません。」

 

『そうか・・。』

 

「各機撤収。ゲッター1、作戦第三フェイズへ移行お願いします。」

 

 

 

撤退してくるヤモリ型を見ながらワイリーは、頭を抱える。

 

「・・・思っていた以上に事態は重大になっているようだ。」

 

「なら、作戦中止するかい?それとも救助対象諸共破壊するか、アンタに任せるよ。」

 

ユンケは、容赦なく聞くが彼は首を横に振る。

 

「いや、ゲッター線を放出させれば同化も解除される可能性がある。その時を狙って救助する。」

 

「そう来なくちゃね。作戦第三フェイス開始。ちゃんと狙って撃つんだよ!」

 

 

ユンケの指示を受けてゲッター線放出装置が組み込まれたバズーカを装備したゲッター1がドラゴンへと近づいていく。

 

「ドラえもん、外すんじゃねえぞ。」

 

「分かってるよ。僕だって射撃の腕に自信があるんだから。」

 

ドラえもんは、射程距離に入ると銃口を構えてドラゴンへと狙いを定める。索敵チームの調査によるとドラゴンのゲッター炉心は胸部に存在する。

 

「・・・・ゼロさんたちの次はのび太君たちを探さないとな。」

 

照準が合うと同時に引き金を引く。

 

砲弾は勢いよく飛び、ゲッタードラゴンの前に着くと外装が外れ、放出装置が胸部に撃ち込まれる。

 

「撃ち込み成功!」

 

『ゲッター線放出開始!すっからかんになるまで搾り取れ!』

 

胸部から中で凝縮されていたゲッターエネルギーが放出されていくのが分かる。

 

『よし、砲弾を装填。次の放出装置を撃ち込め!』

 

二機目の装置に撃ち込まれ、エネルギーを大量に抜かれたことで姿勢を崩さなかったドラゴンはぐらりと力なく態勢を崩し始めた。

 

「いいぞ、あのロボットが弱り始めているぜ!」

 

ジャイアンは、作戦大成功だとばかりに喜ぶ。

 

しかし、そんなことも束の間でドラゴンは目を光らせると撃ち込まれた放出装置をゲッター線の放出から吸収に作り替えて、逆に放出した以上の量のゲッター線を吸収し始めた。

 

 

 

「ドラゴンのゲッター線数値急上昇!撃ち込んだ放出装置を利用して周囲に集まっていたゲッター線を吸収しています!!」

 

「クッ、あの化け物!いったいどれだけわしらを苦しませれば気が済むんじゃ!!」

 

ステーションの司令室の中からワイリーは、顔を歪ませる。その隣ではユンケがすぐに各メカザウルスに命令を下す。

 

「作戦中止!各機、アンカーを切除して宙域から撤退せよ!」

 

彼女の指令が降りるとメカザウルス各機は急いでアンカーを切除して離脱しようとする。

 

ドラゴンが動き出すと拘束していた鎖を掴み、思いっきり振り回す。メカザウルスは切除する間もなく振り回され、宇宙へと放り出された。

 

「チッ、この過去の亡霊め!」

 

地竜三人衆が乗るメカザウルス・ゴドは、ゲッタードラゴンへ急接近し左腕のドリルをめり込ませる。

 

「ザット、このまま奴の胸に穴を開けてやれ!ビット、尻尾を分離させて動きを封じろ!」

 

「OK!」

 

ギットの合図でビットは、尾のコックピットに乗り込んで分離させる。

 

ゴドの尾はゲッタードラゴンの首を絞めつけ、動きを封じた。

 

『ギット、何をしている!?撤退と指示を出したはずだぞ!』

 

通信越しでユンケが激怒しているのに対し、ギットは言い返す。

 

「黙って見てなユンケ隊長さんよ!俺たち三人が忌々しいゲッターを葬って帝国の英雄としてアンタを追い越すところをな!」

 

口からさらに熱線を吐き出してゴドは、ドラゴンに猛攻をかける。

 

攻撃を受けるままだったドラゴンだが、しばらくするとゴドを押さえて抵抗を始めた。

 

「馬鹿め、今更抵抗しても手遅れだ。このまま全身」

 

言いかけた直後、ゴドのドリルが動きを止めた。

 

「ザット、何故ドリルの回転を止めた!?」

 

「俺じゃない、勝手に止まったんだ!」

 

「なんだと?」

 

『ギット!ザット!』

 

通信機からビットの悲鳴が聞こえる。

 

何事かとゲッタードラゴンの首を見るとゴドの尾が体に吸収されていくのが分かった。

 

「馬鹿な!?コイツ、メカザウルスの体を喰っているというのか!?」

 

『助けてくれ!!周りがどんどん吸い込まれていく!あっ、足が!嫌だ!喰われるのは嫌だぁ!!うわああああ!!!』

 

「「ビット!!」」

 

ビットの断末魔を最後に尾は完全に吸収されてしまった。ゴドの体も徐々に同化を始め、ドラゴンに吸収されていく。

 

「・・・・脱出はもう間に合わないか。ザット、こうなったら自爆だ!ゲッターを道連れにしてやる!」

 

「おう!」

 

完全に取り込まれる前に二人は操縦席に戻り、自爆装置を作動させる。

 

出世できないことは悔しいがゲッターを道連れにすることができれば死後、英雄として自分たちの存在が語り継がれるはずだ。

 

「ビット、これで俺たちは英雄だぜ。地竜一族から英雄が生まれるんだ。これほど光栄なことはないだろうぜ。」

 

「行こうぜ、ギット!俺たちの派手な死に様を!!」

 

自爆ボタンが押されるとゴドは、吸収していたドラゴン諸共大爆発を起こした。

 

 

煙が晴れるとそこには無傷のドラゴンのみが残されていた。

 

「あれだけの至近距離の自爆を受けても無事だなんて・・・」

 

あまりの耐久性にユンケが言葉を失っている中、ゲッタードラゴンは体を発光させ、目の前にいる者たちに構うことなく地球圏外へと飛び去り、一瞬にして消えてしまった。

 

「ゲッタードラゴン、消失・・・・これは一体!?」

 

「まさか、自力でワープをしたというのか・・・・クソ!」

 

ワイリーは機材を叩きつけながら歯を食いしばる。

 

 

恐竜帝国の協力の上で行われた『ゲッタードラゴン解体作戦』は失敗と言う形で幕を下ろしたのであった。

 




最後の吸収、なんかジョジョの柱の男みたいになっちまったぁ。
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