ドラえもん のび太の転生ロックマンX   作:赤バンブル

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今月序盤にぎっくり腰になったこともあって予定よりも大幅に投稿が遅れてしまいました。

本当に申し訳ない。


恐竜帝国が動く日

ゲッタードラゴン解体作戦が失敗した後日。

 

ワイリーがゴーラに今度はドラゴン追跡に力を貸してもらいたいと頼んでいる一方、ドラえもんたちは早く早乙女研究所に戻ってエックスたちの行方を探そうと意見が割れていた。

 

恐竜帝国側からしてみれば、被害は最小限とはいえキャプテン三人が死亡したことでゲッター線の脅威が依然として変わらないということでワイリーへの協力はしないという方向性に決まりかけている。

 

下手に関われば今度は帝国全土に悪影響を与えかねないと思っているものが多く、特に大叔母のジャテーゴがゲッター線の後遺症で苦しんでいることもあり、ゴーラ自身もこの件から手を引こうと考えていた。

 

 

 

そんな夜の帝国内にある屋敷。

 

その一室でバットは、鼻提灯を作りながら鼾をかいて寝ていた。

 

一見、普通に寝ているように感じられるが彼は毎晩のように夢を見る。

 

それは遠い過去の記憶だった。

 

 

 

『メカザウルスの被害多数!百鬼獣の侵攻、止まりません!』

 

150年前、早乙女研究所壊滅の事実を把握すべく出発したゴールを見送った後、彼は以前から警戒していた第三勢力『百鬼帝国』の襲撃を受けていた。

 

『マシーンランド、被弾!Bブロックに穴が開きました!』

 

『隔壁を下ろせ!』

 

『Dブロック、Lブロックに火災発生!このままではマグマ層に突入できなくなります!』

 

『ご、ゴール様は・・・・ゴール様のご帰還まで後どのくらいかかる!?』

 

『どんなに見積もっても後20分はかかります。それにゴール様の搭乗しておられるカプセルを追っているものはおそらくゲッターロボで間違いありません。とてもですが・・・・』

 

追い詰められている状況で彼は、現場を指揮する者として二つの選択を取らされることになる。

 

一つは、ゴールの帰還を待たずにマグマ層へと撤退する。

 

甚大な被害こそ受けているものの、今のマシーンランドならまだ逃げることが可能だ。元々、勝手に前線に出たのはゴール自身の責任であり、見捨てたとしても強く責めることはないだろう。

 

もう一つは、ゴールが戻るのをこのまま待って全滅するか。

 

今戦力で残っているメカザウルスの大半は、未完成の個体で襲っている百鬼獣には歯が立たない。全て投入しても寿命が僅かに伸びるに過ぎず、ゴールを追っているであろうゲッターロボの襲撃を受けてしまえば帝国はほぼ壊滅状態になる。

 

『・・・・』

 

『バット将軍、ご指示をお願いします!これでは我々全員死ぬことになります!』

 

『将軍!』

 

『『将軍!!』』

 

部下たちからの催促を前にバットは、ゴールの命と恐竜帝国を比べて自分たちハチュウ人類を全滅させることこそ重罪だと考えていた。

 

『・・・・各ハッチを封鎖しろ。ミサイルを発射した後、深海に潜ってマグマ層へ突入する。』

 

『バット!貴様、ゴール様を見捨てるつもりか!?』

 

彼の命令に対し、同僚のガレリィ長官は思わず反発する。自分たちが今のポストに付けたのはゴールのおかげでもあり、彼に対する忠誠心も高かった。そのため、この選択は恩人を見殺しにするも同然のことだった。

 

『・・・私とてゴール様を切り捨てるのは胸が痛む。』

 

『ならば、ここは意地でも』

 

『だが、かと言ってこのまま待ち続ければ犠牲者どころか致命傷は避けられん。これでは帝国のために忠を尽くした同胞たちが無駄死になる!ゴール様一人のために、ハチュウ人類全てを死なせるわけにはいかんのだぁ!!』

 

『・・・お前』

 

『いつでも潜行できるよう準備を急げ!私はジャテーゴ様にこの件を報告する。それまで頼んだ。』

 

彼はそう言うと司令室から離れて一旦広間の方へと行き、玉座に設置されている通信機を起動させてジャテーゴに事を伝える。

 

『そうか・・・ゴールも一族の長だ。そのぐらい肝に銘じてあるだろう。』

 

『誠に申し訳ございません。私の不甲斐なさに・・・。』

 

『跡継ぎを残しておいてくれたのは不幸中の幸いだった。アイツには気の毒だがお前たちも早くマグマ層へと引き上げろ。冬眠期も近いしな。』

 

通信を終えると彼は、司令室へと戻って撤退を指示した。

 

 

 

 

 

 

その後も後悔の日々は続く。

 

ゴールを見殺しにした数年後、マグマ層でのゲッター線の大量放出で共に脱出したジャテーゴを除く王族の大半が死亡した。同時刻、別のマシーンランドにいた息子夫婦も死んだ。

 

更に数十年後、自分の元後任で過激派で投獄されていたバジリスクがクーデターを企てて脱獄。

 

人間とのハーフでありながらもゴールの遺児で人間とハチュウ人類の間を取り持つ可能性を秘めた若き王カムイ1世を殺害されるという事件が発生する。

 

当時、バット自身も過激派を鎮圧して現場に急行したもののそこで見たものは血だらけになりながらも泣きくじゃる幼いゴーラに抱き着かれているカムイと胸に剣が突き刺さったバジリスクの死体だった。

 

治療もむなしくカムイが死んだことにより、政治は再びジャテーゴが行うことになったが息子同然に育てていた彼が死んだことで彼女の表情は曇るようになった。

 

こうした事態の積み重なりでバットは、己の無力と不甲斐なさに嫌気が差して現場から完全に身を引くことを決意した。

 

ゲッター線の軽い後遺症といい年頃だったこともあって痴呆が進んだと思われるように演技。

 

世代交代を促して、軍は自分の甥に任せて自分は屋敷に籠るようになった。

 

 

 

 

 

夢から覚めると彼は、ゆっくりと目を開く。

 

時計をチラッと見ると時間が少し早すぎたようだ。

 

世話係が来るまでまだ時間があることもあり、バットはそれまで目を閉じていようと再びベッドに横になろうとした。

 

 

が、ふと後ろに何者かの気配を感じ思わず振り返る。

 

「ゴ・・・・ゴール様!?」

 

幻覚を見ているのか、そこには死んだはずのゴールが立っていた。

 

彼は、とうとう自分が死ぬ時が来たのかとばかりに壁に立てかけてある愛刀を目の前に置き、その場で膝をついて土下座をする。

 

「こ、このバット・・・いずれは裁かれる日が来ることをお待ちしておりました。さあ、この我が愛刀で貴方様を見捨てたこの私に裁きを!!」

 

バットは起き上がり、剣をゴールの前に差し出す。

 

自分は殺されてもおかしくないと考えていた。

 

あの時、『待ってくれ』『置いて行かないでくれ』と彼の悲痛な叫びが脳裏に蘇ってくる。

 

歯を噛みしめながら首を撥ねられるのを覚悟し、短剣を取り出してその場で切腹しようとするがゴールはその手を止めさせ、剣を返した。

 

「・・・・ゴール様?」

 

『この「ジェネラルソード」は、貴様が将軍に昇進した記念に託した代物。自決のための物ではない。』

 

「しかし、私は・・・・私はあの時貴方様を見捨てる選択を取りました。貴方を見殺しにしたのです!それだけではない、跡継ぎであったゴール3世様、もう一人の息子であり先代皇帝であるカムイ様をも守ることができず今日まで惨めに生き延びてきてしまった!今更、貴方に顔向けなど・・・・」

 

『バット将軍、その後悔の念があるのなら今一度、我が孫である「ゴーラ」に手を貸してはくれまいか?』

 

「ゴーラ様に?」

 

怒りを見せないゴールの声にバットは、戸惑いながらも顔を向ける。ゴールの目には怒りや憎しみのようなものはなく、穏やかだった。

 

『恐らくこれから先起こる事態の動向によって恐竜帝国、ハチュウ人類の未来に関わることになるだろう。だが、このまま手を引くことになればより深い後悔をすることになる。』

 

「その選択を変える役目を私めに・・・・」

 

『私も死んでからようやく広い視野を持てるようになった。あの娘に同じ過ちを起こさせてはならん。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数時間後

 

王宮の方では、ゴーラとワイリーたちが面会を行っていた。

 

昨日まで追跡の協力を求めていたワイリーだったが頭を冷やしたのか、今日は打って変わって方針を変えて今回の一件の謝罪と作戦協力の対価について話を進めていた。

 

まだ抵抗してくると内心身構えていたゴーラだったが彼の豹変ぶりに驚いた。

 

「本当に協力はしなくてもよいのだな?」

 

「あぁ、昨日少し考えてみて確かにゼロとドラゴンの行方は心配だが敵が健在である以上他の方へ手を回さないといかんのでな。一旦、研究所へ戻って武蔵共の話を聞いてみようと思う。連中のことだ、エックスと隼人の行方を掴んでいる頃じゃろう。」

 

「・・・そうか。」

 

「作戦は失敗したが今回の協力には本当に感謝しておる。地上の一部譲渡はすぐには厳しいが戦いが終わった後、テラフォーミング技術による環境再生の協力の対価として手に入るよう調整しておくから今度来るまで待っててくれ。」

 

「昨日までギャンギャン騒いでいたくせによく言うよ。」

 

「黙れ。」

 

ドラえもんたちの突っ込みを見ながら彼の切り替えの早さに感心する一方、ゴーラはどことなく寂しそうな表情を浮かべる。

 

その様子に気づいたカリンカと静香は、このまま引くのは流石にと思って声をかけた。

 

「あのう、ゴーラ様。あまり顔色が良くないようですが・・・・何かあったんですか?」

 

「ん?あぁ・・・・ちょっと、夢で父上のことを思い出してな。」

 

「お父さんですか。」

 

「父上はハチュウ人類と人間のハーフだったが民たちと強い信頼関係を築いた良き王だった・・・・あんなことがなければ」

 

「あんなこと?」

 

これ以上話させては悪いと傍にいたザンキは、慌てて会話に割り込む。

 

「失礼、陛下はここ最近の業務で疲れ気味なのだ。あまり深く詮索しないでもらいたい。」

 

「「す、すみません。」」

 

「陛下、帰りの護衛にキャプテン・グランとキャプテン・ラドラを同行させます。」

 

「構わない。途中で襲われて死なれては話が無くなるからな。」

 

「では、港まで私とカンパニアでお供しよう。」

 

そう言うとザンキは、ワイリーたちを王宮から連れて行こうとする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「待てぇい!!」

 

「!?」

 

そこへ怒鳴り声と共に目の前に何かが慌ただしく駆けつけてくる。

 

何事かとみるとそこには車椅子に乗ったバットがやってきていた。

 

まさかの祖父の来訪にカンパニアは唖然とし、ザンキはまた始まったとばかりに頭を押さえる。

 

「叔父貴!また、屋敷から抜け出してきたのか!?一体何しに来たんだ、そこをどいてくれ。」

 

彼は、呆れながらもバットに向かって退くように言う。

 

「退かん。」

 

「何?これから客人を地上へ帰しに行くんだ。頼むから・・・・・うおっ!?」

 

無理やり退かせようと手を伸ばすとバットは、老人とは思えない握力でザンキの腕を握りしめて身動きを封じた。

 

「お、叔父貴・・・・」

 

「ザンキよぉ、貴様も一軍の将ならば帝王に誤った選択を取らせないのもまた役割だと自覚せねばならんぞ?」

 

その目つきにザンキは、かつて自分に訓練を施していた頃の彼を思い出した。

 

戦士として例え訓練であろうとも容赦しないあの鋭い眼差し。

 

まさに今目の前にいるのはかつて恐竜帝国で名将として活躍していた頃のバットそのものだった。

 

「叔父貴・・・・まさか、正気に戻ったのか?」

 

呆然とする彼の手を放し、バットは愛刀『ジェネラルソード』を手に取り、車椅子から降りてゴーラの前に歩み寄る。

 

「ゴーラ様!ご無礼ながらこのバット、お考えを改めていただきたく参上いたしました!」

 

彼は、王座の前まで来ると膝をついて頭を下げた。

 

ほぼ隠居状態だったバットの登場にゴーラは、動揺しながらも心を落ち着かせて声をかける。

 

「元帥、来た目的を答えよ。祖父の代から帝国に尽くしてきた其方がここまでして来たのだから理由があるのだろう?」

 

「はっ!恐れながら今回の一件、このまま彼らを帰したところで我々の悲願は叶うことはないでしょう。」

 

「どういう事だ?ワイリーが嘘を付いているとでも?」

 

ゴーラは、ワイリーに指を指しながら言う。

 

当の本人は首を横に振りながら全力で否定している。

 

「いえ、この男はよく大衆を欺きますがこの期に及んで嘘を付くことは致しませぬ。」

 

「では、なんと」

 

「その約束が果たされる前に地上も我らも滅ぶという意味です。」

 

「!?」

 

まさかの発言にその場にいる全員が凍り付く。

 

彼の言っていることが正しいのなら自分たちよりも強力な戦力を持っているゲッター艦隊が敗北することを意味する。

 

「おい、貴様。流石にそれはでたらめじゃろ。いくら連中が強いと言ってもゲッターそのものが敗れることなんぞ」

 

「あるわけないとでも言うのか?敵はゲッター線を糧にして果てにゲッターロボまで手中に収めてしまっている。最早人類にゲッター線の加護はないに等しい。それで戦いに勝てると?」

 

「バット元帥。ならば、どうしようというのだ?」

 

痺れを切らしたゴーラは、結論を求める。

 

「地上人類とあの異星ロボット軍との一時的三国同盟を結成することを提案いたします。」

 

「同盟?いきなり何を言い出すんじゃ、お前。」

 

彼のことをある程度知っているワイリーからしてこの提案は想定外だった。おそらく地上人類の枠にはゲッター艦隊もカウントしているだろう。

 

「同盟・・・・何を言い出すかと思えば其方の口からそんな言葉が出るとはな。余がその提案を受け入れると思うか?」

 

彼女は冷たい眼差しでバットを見下ろす。

 

同盟を結ぶということは、長年敵対していた地上人類と手を組むという事になり、当然不満を持つものが現れる。

 

また、人類の味方をしているゲッター艦隊からしてみれば自分たちハチュウ人類は眼中にない存在だ。共に行動すれば、すれ違いが起こるのは確実で最悪戦闘中に仲間割れを起こして被害を出しかねない。

 

また、有機生命体は格下の存在と考えているメカトピア兵士たちもいるとなれば烏合の衆もいいところである。

 

「リスクが生じるのは覚悟の上。しかし、ここで手を組まねば念願である地上への進出は愚か、あの忌々しい化け物共に全てを奪われかねませぬ。それは歴代の帝王は勿論、先代で貴方様のお父上であるカムイ様も望んではおりますまい。」

 

先代の名前を出されるやゴーラの表情が僅かに歪む。

 

「・・・そのことは言うな。」

 

「カムイ様は、地上人類とのハーフと言う前代未聞のハンデを背負いながらも帝国の改革に尽力してきました。ジャテーゴ様の頃から始められた政策を引継ぎ、その欠点を見直し今日までの恐竜帝国の礎を築き上げられた。もし、あの方がご存命であられればこの老いぼれの策も真摯に受け入れていただけましたでしょうぞ。」

 

「余は父上ではない。」

 

何とか話を逸らそうとし始める彼女に対し、バットは更に突き詰めていく。

 

「ゴーラ様、いつまで目を逸らすおつもりか!先代が死んだあの日から貴方様は失うことを極度に恐れるようになっておられる。それ故に」

 

「言うなと言っている!!」

 

ゴーラは、声を荒げながら睨みつける。そこには普段の彼女の姿はなく、顔から冷や汗を流し、手がガクガクと震えていた。

 

「余は、父上からこの帝国を託された・・・父が守って来た国を危険に晒すわけにはいかぬ!既に前の作戦でキャプテン三人が犠牲になった。この期に及んで更に犠牲を出しかねないようなこと」

 

「守ってばかりでは国は守れませぬぞ!ジャテーゴ様とカムイ様は立て直しと意識改革に力を入れてきた。おかげで今の恐竜帝国は先々代のゴール様の時代以上の勢力へと成長することができました。今動かずにして、いつ動く」

 

バットが言い終わる前にゴーラは、玉座のブザーを鳴らして衛兵たちを呼び出す。

 

「ゴーラ様、いかがいたしましたか?」

 

「・・・・元帥が疲れておる。悪いが屋敷まで送ってやってくれ。」

 

「畏まりました。では、元帥。我々とご一緒に。」

 

衛兵たちは、恐らく業務中に迷い込んだのだろうと思って彼を拘束して連行しようと近づく。

 

「いい歳なんですからいい加減」

 

「戯けぃ!!」

 

「ブベラッ!?」

 

バットは衛兵たちを体術で圧倒、一瞬にして蹴散らすと剣を手に取り、振り上げゴーラに向かって駆けて行く。

 

「叔父貴!?」

 

「このバット、恐竜帝国のためならば例え逆賊となろうとも構わぬ。あの時のように・・・・王であろうとも腰抜けには退場してもらう!!」

 

彼は、王座の前に来ると思い切って剣を振り下ろそうとする。

 

「げ、元帥!?」

 

「お命、頂戴!!」

 

「「ゴーラさん!!」」

 

「「あぁ!!」」

 

「不味い!お前たち、行け!!」

 

この状況にドラえもんたちは口を開けて唖然としていたが、ワイリーは咄嗟に合図を送る。

 

すると彼の影から何かが飛び出し、彼女に剣が振り下ろされる前にバットの動きを封じた。

 

「ムッ。」

 

彼の剣を止めたのは、シャドーマンで更にクイックマンが背後に回り込んでクイックブーメランを首元にチラつかせていた。

 

「貴様・・・・自分の主に向かってなんという事を。」

 

余程力が強いのか、シャドーマンは腕に痺れを覚える。

 

ゴーラの方はと言うとあまりの出来事に放心状態になって身動きが取れなくなっていた。

 

「おい、貴様!貴様、仮にも自分の主を殺しにかかるなんぞゲッター線に支配されてついにおかしくなったか!!」

 

ホッとしたのも束の間、ワイリーは怒声を上げる。

 

騒ぎを聞きつけたのか王宮に来ていたガレリィたちも部屋に入ってくる。

 

「何事だ・・・!こ、これは!?」

 

「バ、バット元帥!一体何を・・・・」

 

護衛に付いていた兵士たちは、気を失っている衛兵を回収する傍ら硬直状態になっているバットを包囲する。

 

「バット!貴様、ゴーラ様に向かって何の真似だ!」

 

ガレリィは、かつての同僚の行為に対して冷や汗を流して声を荒げる。

 

「見て分からぬか?この腰抜けとなっている帝王に喝を入れたまでよ。」

 

「喝じゃと!?ワシから見たらどう見ても貴様が小娘を斬ろうとしたようにしか見えんわ!!クイックマン、コイツを捕まえろ!!」

 

ワイリーは、彼の首を捉えているクイックマンに命令を出す。

 

「・・・・」

 

しかし、どういう訳かクイックマンは首にかけていたブーメランを外して開放してしまった。

 

「なっ!?貴様、何しているんじゃ!?」

 

「・・・・殺気は本物だったがこの女の命を刈り取ろうとするものではなかった。寧ろ、殺す気も更々ない。」

 

「うんっ!?」

 

「フッ、貴様の作った機械人形の中にも分かる奴はいるようだな。」

 

バットは、自分の真意を察したクイックマンを見て、勘の鋭い彼を称賛した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

放心状態になったゴーラは、過去の記憶を回想していた。

 

それは幼い日の光景。

 

母親の一周忌で実家に戻った次の日の夜、王宮内が騒がしいと感じて寝巻のまま広間に行くとそこには倒れた兵士たちと滴る血だまり、更に頭部の角が特徴の隻眼の男とボロボロになった父カムイが対峙しているところを目にする。

 

実はこの日、ある一件で長い間幽閉されていたバジリスク元将軍が看守を丸め込んで脱獄、自分の息がかかった精鋭を連れてゴーラ達親子を抹殺しに来ていたのだ。

 

一周忌と言うこともあって王宮内の警備はやや手薄になっており、ここに来るまでの衛兵たちは簡単に始末することができた。

 

だが、玉座にいたカムイが想定外の強者だったため、引き連れていた兵士たちは全滅。ボロボロになりながらもまだ余力を残していた彼に対してバジリスクは焦りを感じていた。

 

『バジリスク、これ以上無駄な抵抗はやめろ。お前と私とでは技量の差がありすぎる。』

 

『なによぉ!若造が生意気なことを言うな!!本来、その玉座は俺が与えられるはずだったのだ!それをハーフである貴様に・・・・』

 

両者は、剣を交えて攻防を繰り広げるがカムイは隙をついて彼の左腕を斬り飛ばした。

 

『グワアッ!俺の・・・俺の腕が!!』

 

バジリスクは、無くなった左腕を見ながら後ずさりを始める。

 

この男の実力は既に自分を上回っている。このまま逃げ出したとしても間もなく駆けつけてくるであろう増援に捕まるのは既に目に見えていた。

 

『私は、ハチュウ人類どうして殺し合うつもりはない。だが、それでも向かってくるのなら容赦なしない。』

 

『グウゥウ・・・・・!』

 

追い詰められた彼は、ふと背後で唖然としているゴーラを見つける。

 

『・・・へ、ヘッヘッヘ・・・どうやら、運は俺を見放していなかったようだな。』

 

彼は、剣を強く握りなおす。

 

『カムイ、確かに貴様は強い。だが、肉親を見殺しにできるほどの冷酷さは備わっているかな?』

 

『何・・・・!ゴーラ?』

 

遅れて彼女の存在に気づいたカムイは、ふとした瞬間に突き飛ばされて態勢を崩してしまう。

 

バジリスクは、そのままゴーラへと向かっていく。

 

『あ、あぁ・・・・・』

 

『先にこの出来損ないの小娘から消えてもらう!死ねっ!!』

 

彼は勢いよく剣をゴーラに向かって振り下ろした。

 

ゴーラは、逃げようにも足が震えており身動きを取ることができなかった。目を見開いた彼女に向かって太い剣が迫ってくる。

 

 

 

 

 

 

 

 

『グッ!』

 

だが、寸でのところでカムイが彼女の前に立って庇うように背中に斬撃を受けた。

 

『なっ!こ、コイツ!!』

 

追加で更に背中を斬り刻まれて彼は、吐血しながらゴーラを庇うように倒れる。

 

『ち・・・父上?』

 

倒れた父親に彼女は、恐る恐る口を開いた。

 

父が自分を庇うなんて想像もしていなかった。

 

いつも政治で付きっきりで相手にもしてもらえず、亡くなった母と揃って自分を愛していないと思っていた。

 

周忌の時もあまり喋らず、ワイリーのところから帰って来た自分に対してぎこちない態度しかとらなかったことから彼にとってはその程度の存在でしかないと考えていた。

 

それが今、自分を庇って重傷を負っている。

 

『ちっ、だがこれでもう満足には動けまい。残りはそっちのガキだ!』

 

我に返ったバジリスクは、再度剣を振り上げて攻撃しようとするがカムイの抵抗で防がれてしまう。

 

『!!』

 

『む・・・娘に手を出すな・・・』

 

彼は多量出血しているにも拘らず立ち上がり、バジリスクの剣を弾き飛ばすと止めとばかりに彼の胸に剣を突き刺した。

 

『ガッ・・・・・ガハッ』

 

バジリスクは、剣を押さえながら倒れ込むとしばらく痙攣して動かなくなる。

 

相手が息絶えたのを見届けるとカムイは、ふらっと倒れた。

 

『父上!』

 

ゴーラは、倒れた彼の元の体を起こす。

 

カムイは、弱りながらも彼女の無事に安堵した。

 

『ゴーラ・・・・怪我はないか?』

 

『どうして、私を助けてくれたの?』

 

自分のことをどうでもいいとばかりに思っていたゴーラは、震え声で聞く。

 

『・・・・自分の子供を・・・・助けない親はいない。』

 

『でも、私・・・・父上にも母上にも似てない。だから』

 

『生まれたものに似ている似ていないは関係ない・・・・私たちが望んだからお前が生まれたんだ・・・。』

 

カムイは、体を何とか起こすと彼女の顔を見ながら話す。

 

『私は・・・お前のように親子で過ごす経験をしたことはほとんどない。生まれてすぐ母上から離されて育ち・・・後継者になった後も立場故に会うことができなかった。本当は・・・アイツのためにもお前を寂しがらせないよう・・・ゴフッ!』

 

『父上!』

 

血を吐く彼にゴーラは、半べそを掻く。カムイは、もう自分は長くないと悟る。

 

『私やお前のような子供を作らないために・・・・伯母上と私は、この国を一つに・・・差別をなくすために動いてきた。そうすれば・・・こんな思いをする者は居なくなる。難しい話かもしれないが母上のような人間たちとも・・・・共存できる可能性を・・・・ウゥ・・・・見つけたかった・・・』

 

『うっ、う、うぅ・・・・』

 

『ゴーラ・・・・私は・・・俺はできるのはここまでだ。後はお前が・・・・お前自身がこの国を守るんだ。恐竜帝国を・・・・私たちが作ってきた国を・・・・頼む。』

 

意識が朦朧としかけている中、彼は娘を強く抱きしめてその頭を優しく撫でる。

 

『本当なら・・・・お前にこんな重荷を背負わせたくはなかった。ひどい父親で済まなかった・・・・母親であったアイツも・・・・こんな気持ちで最後は泣いていた・・・・強く・・・・生き・・・・』

 

『・・・父上?父上!父上!!』

 

ぐったりと動かなくなったカムイにゴーラは、何度も声をかけるが反応がない。

 

その後すぐに増援の衛兵たちが駆けつけ、緊急で集中治療が行われたが多量出血による衰弱により、彼は帰らぬ人となった。

 

顔伏せを被せられた父親の遺体の前で立つゴーラはいつの間にか現代の姿と入れ替わり、ここでようやく意識がはっきりした。

 

『・・・そうだ。あの時、父上は自分を犠牲にして私を守ってくれた。父上に言われた通り、私は国を守るために動いてきたつもりだったが・・・・怖くて何もできなかった。大きな騒動になるようなことを起こせば父上のような犠牲者が・・・・また何か大切なものが無くなってしまうんじゃないかって・・・だから、地上で何が起ころうと静観することを選び続けた。それが一番無難だと思っていたから。』

 

彼女は、寝かされている父を見ながら手を震わせた。

 

『でも・・・守ってばかりじゃ国は守れない。このままでもいずれはあの得体の知れない化け物共に蹂躙されてしまう。元帥に斬られて当然。私は・・・王としてはあまりにも弱すぎる・・・・』

 

ゴーラは、その場に膝をついてあの時のように泣き出した。

 

『・・・・私じゃ、私じゃ無理だよ父上・・・・本当はもっと一緒にいたかった。もっと色々知りたかった!まだ、何も話していなかったのに・・・・会いたいよぉ・・・・』

 

バットの予想外の攻撃で今まで抑え込んでいた感情と後悔を吐き出すように彼女は、嗚咽する。

 

表では帝王を名乗っているが自分はあの頃から何一つ成長していない。

 

拒まれるのが怖いと不安と孤独をずっと持ち続けている。

 

もし、この実態を知られてしまえば皆が落胆して自分を見捨ててしまうのではないかと恐れていた。

 

子供のように泣いている中、周囲が暗闇に包まれていく。斬られたのだから恐らくもう死ぬのだろうと感じつつ、ゴーラはこの状況を受け入れようとする。

 

 

ところがふと視界の先が明るくなり、彼女は顔を上げる。

 

そこには死んだはずのカムイがしゃがんで自分のことを見ていた。

 

『父上・・・・』

 

『いつまで泣いている?早く立て。そして、お前が正しいと感じた道へ進んでいけばいい。』

 

彼は、娘にやさしく説いた。

 

『で、でも・・・・もし判断を誤るようなことをすればたくさんの犠牲が出てしまう。父上のような存在を』

 

『政治も戦いも犠牲なしに動くことはできない。かつて、私がお前や母上との時間ではなく、国に尽くすことを選んだように今の情勢と未来のどちらかを選ぶ必要がある。』

 

『私にはできない・・・・私にはできないよ、父上じゃないと・・・』

 

襲われたことが余程響いたのかゴーラは、弱気で言う。

 

『バット元帥は、お前に敵意があるわけじゃない。ただ、恐れずに自分の行く道を見せてほしいだけだ。』

 

『私の・・・行く道?』

 

『選択肢に正しい答えはない。父上や伯母上、私のようにその選択が正しいかどうか分かるわけではない。決めるのはそれを見届けた民衆次第だ。お前の本当にしたいことを選べばいい。』

 

『父上・・・』

 

立ち上がらせるとカムイは、背を向いて光が差す方へと去って行く。彼女が追いかけようとすると彼はそれを制する。

 

『お前の来るべき道はまだこっちではない。帰りを待つ者、信じる者たちがいる。時が来ればいずれはまた会うことになる。それまで強く生きろ。かつての私のように。』

 

『父上!』

 

ゴーラは、最後に一言叫ぼうとするがその前に視界が光に阻まれてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・父上・・・・ハッ。」

 

現実に意識が戻った彼女は、泣いた顔でワイリーに介抱されていた。目が覚めたのを確認すると彼は、ほっとした顔で体を起こさせる。

 

「ふう、急に泣き出したかと思ったらようやく目を覚ましおったか。」

 

「どのくらい気を失っていた?」

 

「10分ぐらいじゃ。これ以上伸びていたら治療室へ運ばねばならんかったわい。」

 

「・・・バット元帥は?」

 

「うん。」

 

ワイリーが指さす先には、先ほどと打って変わって剣を置いて鎮座しているバットの姿があった。

 

本来ならザンキが兵士たちに命令して連行するはずだったが、バット自身が『女王自らの裁きを受けてからにしろ!』と権幕を張ったため、今に至った。

 

ゴーラは、起き上がると顔を拭くことなく彼の前にまで歩んでいく。バットは彼女が目の前に来ると愛剣を差し出した。

 

「・・・・私の役目は終わった。後は貴方自身の手でこの反逆者に最後の裁きを。」

 

剣を受け取るとゴーラは、無言でその刃を彼の顔に向けた。

 

「元帥、其方に聞くことがある。」

 

「何なりと。」

 

「お前は余を・・・・私を試すためにあのような行動をした。そうだな?」

 

「仰る通りです。」

 

「何故、今になって動く気になった?」

 

「貴方の祖父、ゴール様からのお告げです。貴方に手を貸せと。」

 

「爺様から・・・・」

 

彼女は、しばらく考え込むと剣を下げた。

 

「なら、もう一つ聞く。恐竜帝国、ハチュウ人類のために動く意志はあるか?私が共に朽ち果てろと命令したとしても最期まで尽くすか?」

 

「へ、陛下・・・流石にそれは・・・・」

 

年老いて先が見えかけている叔父に対してそれは酷すぎるとザンキは、言おうとするがバットの言葉で遮られる。

 

「この老いぼれの命でよろしいのならば喜んで貴方様と帝国に捧げましょうぞ!!」

 

「叔父貴っ!?」

 

「・・・お前の覚悟は分かった。ならば、その命使わせてもらおう。」

 

ゴーラは、剣を彼に返すと顔を拭く。

 

何か決心したように感じる彼女の顔にワイリーは、謎の寒気を覚える。

 

「ワイリー、地上の政府との会談は行えるか?」

 

「な、何をする気になったんじゃお主?」

 

「戦いに敗れるようなことがあればしわ寄せを受けるのはこの星全てだ。それなら戦力が増えた方がいいだろう。帝国全土に通達、今日の午後に重大な話があるとな。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

女帝自らが重大な話があるという事態を知らされた国民は、全員がその姿を見るべく、全ての作業を一時中断してある者は各自宅のテレビや大型スクリーンで、ある者は直接王宮前に集まって聞くことになった。

 

彼女の口から出た長年自分たちを苦しめ続けているゲッター線を糧とする新たな脅威の出現、その脅威が全宇宙に及ぼうとする事実からの未だに敵対している人類並びにロボットであるメカトピア政府との三国同盟に国民は困惑する。

 

「皆がこの言葉を聞いて困惑しているのは分かっている。人類は、私の祖父であるゴールと多くの同胞たちを葬った過去を持ち、鉄人兵団も自分たちの都合のためにこの星を家畜にしようとした。だが、思い出してほしい。祖父の代、この恐竜帝国もまた差別の多い国だった。同じ同胞と思わず、使い捨ての駒として多くの死者を出し、最後の総攻撃では多大な犠牲を晒すことになった。その報いのように彼は地上で命を落とし、帝国内の情勢は極めて不安定な状態に。先々代である女帝ジャテーゴ、先代の父であるカムイがこれらの問題を解決するのに途方もない時期を費やすことになった。そして、その中で父は最後まで人類との共存の可能性を模索していた。共存することができれば、祖父の頃のような血塗られた歴史を繰り返すことなく、皆がかつての故郷へ帰還できると信じていたからだ。その志半ば・・・・彼は死んだ。娘である私にその望みを託して。」

 

ゴーラは、王宮前に集まった民衆に向き合って複雑な表情をしながらも真剣に話す。

 

「正直言って今回の話、地上で何があろうが帝国には関係のないことだと静観しようと考えていた。しかし、後ろにいるバット元帥の言葉で目が覚めた。ここで静観することを選べば、いずれハチュウ人類も奴らによって淘汰されることになる。寿命が延びる程度でそう遠くない未来で。これは人類を忌み嫌った祖父を始めとする歴代帝王も望んでいないことだ。この同盟は人類のためでもロボットたちのためでもない。我々恐竜帝国の未来を掴むためのものだ!その先が楽園であろうと地獄であろうとも歩みを止めるつもりはない!」

 

彼女は、仕草で合図すると後ろで待機していたバットが隣に歩み寄る。

 

「ここで同志を募る!今の話を聞いて私に力を貸してくれる者がいるなら勇ましく名乗り出てくれ。バット元帥は、この演説の前に朽ち果てようとも共に戦ってくれることを誓ってくれた!敵の戦力は底知れない。一人でも力になってくれるのなら心置きなく受け入れよう。嫌だというのなら強制はしない。戦いに参加せず逃げ出しても私は、帝国の代表として責はしない。それも一つの選択として認めよう。例え、一人で戦地へ赴くことになろうとも私は長として最後まで戦う!!それが亡くなった父上への手向けであり、私自身の答えだ!」

 

その言葉に下から見ていた民衆たちが一斉に静まり返る。いきなり同盟を結ぼうとする上に戦争になるというのだ。普通はパニックを起こし、バッシングを起こすだろう。

 

「ゴーラ女王陛下!」

 

その中で大衆を押し退けて一人の甲冑戦士が前に出る。彼は真下に来ると仮面の上部を開き、半透明な皮膚に浮き出た血管、充血した目が特徴の素顔を見せた。

 

「私はキャプテン・バルキ!今の貴女様の決意に嘘偽りはないか!?」

 

「キャプテン・バルキ、今の言葉に嘘偽りはない!どうしても信じられぬのなら今後の動向次第で遠慮なく私を斬るがいい!!お前たちの命を預かるのだから貴様にもその権利がある!!」

 

ゴーラの鬼気迫る言葉にキャプテン・バルキは、一旦目を閉じるとその場で膝をつく。

 

「なら、このキャプテン・バルキ。最後まで貴方に付いて行きましょう!!」

 

「感謝する!」

 

キャプテン・バルキの様子を見て他のキャプテンたちも前に出て忠誠を誓い始める。

 

「キャプテン・ルーガ、同じく貴方様に忠誠を誓います!」

 

「同じくキャプテン・バミラ!帝国の未来のために戦うことを貴方に誓います!」

 

「同じくキャプテン・ガルマ!例え、この身が滅ぼうとも貴方と帝国のために戦います!!」

 

「自分もまた同じく!」

 

軍部が次々と付いて行くことを告げていく中、彼女の決意を聞いた国民たちも声を上げた。

 

「俺も一緒に戦うぞ!」

 

「俺も!」

 

「私も!」

 

「そんな怪物どもに滅ぼされてたまるかってんだ!」

 

「ゴーラ女王陛下万歳!!」

 

「ゴーラ様!」

 

「「ゴーラ様!!」」

 

大衆の反応を見てゴーラは、父が築いてきた絆をようやくこの目で見ることができたと思わず嬉し涙をうっすらと流した。

 

「・・・父上、これが貴方が成そうとしたことなのですね。貴方の遺志は今も生き続けている。そして、これからも。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後ろではガレリィとワイリーが呆れた顔で眺めていた。

 

「まさか、バットの奴があんなことをして陛下を動かすことになるとはなぁ。」

 

「お前、アイツが演技をしていたのを知っていたのか?」

 

「確かにハチュウ人類は、地上の人間たちと違って老化が遅いうえに長寿だから早々ボケることはないがアイツは軽微とはいえかなりのゲッター線を浴びたからな。」

 

「ハア、地上の政府の馬鹿どもになんて言い訳しようかのう・・・・全員腰抜かして大騒ぎになるぞ。」

 

この日、長い沈黙を破って恐竜帝国が再びその姿を見せることになった。

 

 




恐竜帝国の人物紹介

カムイ一世(カムイ・ショウ)

『ゲッターロボアーク』の登場人物で正史ならゲッターキリクのパイロットになるはずだった。
こちらの世界線では義兄に当たるゴール三世が死亡していることとジャテーゴの計らいでハーフでありながら帝王の座に就いた。
娘のゴーラに対しては愛情こそ持っていたものの、不器用なこともあってうまく伝えられずにいた。

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