サブタイは、新ゲから。
21XX年 早乙女研究所
帰還して早々、身を案じていたドラえもんたちは嬉し泣きしながらエックスたちの元へ駆け寄って来た。
「のび太くぅ~ん~!!」
「のび太さん!」
「「のび太~!!」
「あ、あぁ・・・・みんな、ただいま。」
向こうでの出来事もあってかエックスは、ぎこちない返事をする。彼は仲間たちに自分が無事であることとマーティの体調が優れていないことを伝え、ライト博士に診てもらうべく彼女を抱えてメディカルルームへと向かった。
部屋に入ると丁度ライト博士が休息を取っているところだった。
「エックス、無事に戻って来たか。よかった。」
「博士、ただいま戻りました。急なんですけどマーティのことを」
「ワイリーから話は聞いておるよ。お前も何か影響を受けているはずだ。診てあげるから少し待ちなさい。」
診察台にマーティを寝かせると彼は、簡単なボディースキャンを行ってもらう。
「ふむ・・・・」
「俺の体はどうなっていますか?」
「バスターを始めとする武装機能に変化はないが真ゲッターと同化した影響なのか体の至るところが組み替えられている。特に炉心や一部の構造は未知のものになっている。」
「元の状態に戻すことは?」
「今は何とも言えない。少なくとも今回の騒動が終わるまでは厳しいだろうな。」
「・・・・」
エックスは椅子に座り、淹れてもらったコーヒーを口に含む。自分の体さえこれだけ変化しているのだから彼女の方はどれだけいじられてしまっているのか。もしや直せないかもしれないという恐怖を感じずにはいられない。
「エックス、今は感情を抑えることも必要じゃ。悪いと思うがここは耐えておくれ。」
「はい。けど、マーティの方は優先的に治療してあげてください。俺は・・・今、自分でやれることをやります。」
「分かった。シグナスからの報告では、政府が恐竜帝国との軍事同盟の締ぶことを決めたそうだ。近いうちに彼らの軍と顔合わせすることになるだろう。」
「彼らとですか。」
恐竜帝国とは、ついこの間竜馬の家族諸共殺されかけたこともあってあまりいい印象がない。そして、自分たちの時代まで残っていたと分かるとあまり気分が良くなかった。
「・・・彼らは信用していいんでしょうか?」
「彼らの長であるゴーラ女王は人類と敵対する意思はない。国民も彼女に忠誠を誓っている。少なくともこの戦いの最中に裏切るということはまずないと思う。」
「・・・俺は、過去で竜馬さんの命を狙っていた帝国兵士たちと会いました。人間を下等な生き物としか見ていない恐ろしい連中だった。そんな奴らの仲間が果たして俺たちと協力してくれるのでしょうか?」
エックスは、過去での出来事もあって共闘できると思えなかった。
どこかしらで綻びが起きて最悪潰し合いに発展するのではないかと感じずにはいられなかったのだ。
「確かに帝国がお前たちを狙ったのは紛れもない事実だ。だが、ゴーラ女王と彼女の父である先代帝王の尽力で考え方は大きく変わっている。だから、彼ら全員が我々を見下しているとは思わないでやってほしい。」
「・・・はい。けど、少し時間をください。気持ちの整理が必要なので。」
ライト博士の言葉に対し、彼は納得しきれていない顔ながらもコーヒーを一気に飲み干し、ソファーから立ち上がり部屋を後にする。
「彼女をお願いします。」
エックスが部屋から去るのを確認するとライト博士は、スキャンした写真をもう一度見直す。
「まさかここまでとは・・・・ワイリーから聞いていたがゲッター線の影響と考えると計り知れないものだ。果たしてマーティがどれほど変化しているのか。」
格納庫の方ではゲッター戦艦から運び出された二機の真ゲッターが鎮座していた。手足が吹き飛ばされたこの時代の機体はクレーンで釣り上げられ、その痛々しい姿が目に入る。
「こうやって見ると随分派手に、ぶっ壊れてたんだな。」
竜馬は、吊り上げられた状態で運ばれていく機体を見上げる。奥では既に組み立てがほぼ終わった新型ゲッターロボが待機しており、炉心の移植を今かと待ちわびているように見えた。
「ところで隼人、お前と敷島博士でよく新しいゲッターを作れたな。当時の資料は、みんなアルバートが処分しちまったんだろう?」
「確かに書類とデータは、アイツが全部処分した。だが、俺もそうだが敷島博士はこの研究所の中ではかなりの古株だ。ここにしっかり残している。」
隼人は、頭に指を指しながら答えた。
研究所の事件後、博物館に戻された旧ゲッターを始めとするゲッター線にまつわる研究資料はワイリー自身の手で厳重に処分された。
しかし、ここで予期しなかったのは隼人と敷島博士の存在だった。
敷島博士は元々早乙女研究所の地下室に閉じこもっていたため、ゲッターに関してはあまり詳しくないように見えて実際は早乙女博士と打ち合わせて多くの武装を開発していた。
更に隼人は、博士の元でゲッター線研究に関わっていたこともあって真ゲッターの開発図面やデータに目を通して記憶しており、書き直すことは容易だった。
旧ゲッターに関してもゲットマシン状態にされて処分されそうになった際、秘かにジャンクパーツで組み立てた偽物としてすり替えたことで難を逃れ、今日まで改修され続けながら生き残った。
もし、この二人が生き残っていなかったらワイリーの狙い通りになり、今回の事件はより悪い方向になっていたのかもしれない。
「お~い~!竜馬、隼人、弁慶!準備はできておるか~?」
感慨深そうに見ている三人の前に敷島博士が楽しそうな顔でやって来る。
「準備?何のことだ?」
「なぬ?弁慶、お前ちゃんと伝えとけって言っといたじゃろうが。」
「あっ、いけね。恐竜帝国との模擬戦やるから準備しておけって言うの忘れてた。」
「「弁慶!!」」
大事な用事を忘れていた弁慶に対して二人の拳が容赦なく飛んだ。
鏡面世界 ハンターベース
鏡面世界のハンターベースの敷地にゲッターザウルスが待機している中、本部の屋上では人間政府高官、シグナス、メカトピア政府、ゴーラたち恐竜帝国勢が席に座って何かを待っていた。ちなみに武蔵も単独で同席している。
「し、シグナス総監、本当にここで模擬戦をするのかね?」
政府高官たちは鏡面世界でこれから行う予定の模擬戦の必要性に懐疑的な様子だった。それに対し、同席していた総統が答える。
「この辺りはビアンコたち、インベーダーの勢力圏から離れている。半径20キロ圏内には特殊センサーを設置しているから奴らが侵入してくることがあればすぐに退避できるようにしてあるから問題ない。」
「しかしだね・・・」
「もし連中が攻撃してくるようなことがあれば貴方方を優先的に現実世界に避難させますのでご安心ください。」
渋ろうとするところをシグナスの一言で場を収める。
いつ敵が襲ってくるかわからないことに不安を感じるそんな彼らをにゴーラは、面白そうに眺めていた。
「この期に及んでまだ怖気づくとは・・・人間は皆こうなのか、ガレリィ?」
「いえ、これからザウルスチームが相手する奴らは一味も二味も違いますぞ。それもあの三人が腰を抜かすほど。」
「お前と元帥が言うのなら余程の相手なのだな。」
談笑していると屋上に渋い顔をしたワイリーがやって来た。
「Dr.ワイリー、彼らの方は?」
「弁慶の馬鹿が言い忘れてたから少し遅れておる。まっ、竜馬たちのことだから開始時間までには来るじゃろう。」
彼は、そう言うとシグナスの傍に来て耳打ちで別件を話し始める。
『シャドーマンに命令して奴らの基地を捜索したがゲッターどころかインベーダー一匹も見つからなかったそうだ。宇宙艦も破損して使えなくなったものを除いて全て発進済みでもぬけの殻になっていた。』
『っとなるとやはり・・・・』
『恐らく、この星にはもう用はなくなったと言ったところじゃな。この模擬戦が終わったら連中と再度打ち合わせだ。気に入らんが武蔵の方も・・・・』
「分かっているぞ。この模擬戦が終わったら我々の艦でミーティングだ。」
小声にも拘らず返事をする武蔵を見てワイリーは、嫌そうな顔をしながら自分の席に着いた。
しばらくすると上空からゲッター1の姿が見え、敷地内へと勢いよく着地した。
『悪い悪い、弁慶がドジっちまったおかげで遅れた。』
モニター越しでパイロットスーツ姿の竜馬が頭を掻いて謝罪する。パイロットを降りてから随分着ていなかったが彼の体形が当時とほとんど変わっていないのか昔と同じだった。
竜馬の拍子抜けの態度に政府高官たちが戸惑っている間、ゲッターザウルスはゲッター1の目の前に近づいて通信を送る。
『アンタが流竜馬か?昔の恐竜帝国を恐怖のどん底に叩き落としたって言う伝説のパイロットは?』
『お前らハチュウ人類の間でそんな不謹慎な呼ばれ方してたのか、俺?まあ、当時はけっこうやってたけどよ。』
竜馬は所定の位置に付きながら屋上にいる恐竜帝国の面子で唯一ゴーラが人間と変わらない姿を見て隼人に問う。
「隼人、あの女もハチュウ人類か?」
「女帝ゴーラ2世。百鬼に殺された帝王ゴールの孫でハチュウ人類と人間のクォーターだ。父親が人間とのハーフだった影響であの見た目で生まれたらしい。」
「・・・・ゴールの孫か。恐竜帝国も随分変わったんだな。」
「間接的に弁慶とドラゴンのせいでもあるけどな。」
「えっ、また俺が悪いの!?」
二人に殴られたことで顔がボロボロになっている弁慶は、冷や汗を掻く。そこに更に付け加えが入る。
「元々予定していた跡取りを始め、多くのハチュウ人類がゲッター線で死んだらしい。奴らも必死に生き延びてきたって訳だ。」
「・・・俺を殺しに来た奴らはそんな風には感じられなかったけどな。」
二機が対峙すると間にバット元帥の搭乗しているメカザウルス・ギンがやってきた。
『これより、ゲッターロボとゲッターザウルスの模擬戦を始める。舞台はこのハンターベース敷地を中心とする半径10キロ圏内。本部を除く各所に双方のサブウェポンコンテナが設置してある。単独で挑むもヨシ、サブウェポンを駆使して挑むもヨシ。勝敗は、どちらかが戦闘不能になるか、この私が「待った」をかけた時点で決めるものとする。』
「わざと待ったかけて俺たちの判定負けとか言う気じゃないだろうな?」
「おい!元帥に向かって失礼」
『案ずるな、流竜馬。この試合は、若造どもの特訓も兼ねて行うのだ。わざと止めてしまっては元も子もない。本気で相手をするがいい。』
そう言うとメカザウルス・ギンは、本部の方へと下がる。
ゲッター1とゲッターザウルスは、トマホークとシュルテンを展開して斬り合いを始める。
「向こうは強化改修を受けているとはいえ、100年以上も前の機体だ。ゲッターザウルスの実力を見せつけるぞ!!」
「「おう!」」
バイスは、シュルテンを回転させながらパワーでゲッター1を押していく。
対する竜馬は、相手の動きを見極めようと避けきれない攻撃をトマホークで受け止めていく。
「竜馬、こんな調子じゃ奴らになめられちまうぜ。」
「焦んなよ、弁慶。こっちだってブランクがあるんだ。慣らし運転ぐらいさせてくれよ。」
屋上から見ると戦闘はゲッターザウルスが優位に見えていた。
「・・・ガレリィ。あのパイロットたち、本当に爺様たちを追い込んだゲッターのパイロットなのか?旧式で相手にもならないように見えるが。」
「ゲッターザウルスは、ゲッターGのデータを元にメカザウルスの規格に設計を最適化させたもの。よって、設計機構自体はゲッターGと似通っており、スペックもそれ以上のものとなっております。いくら近代改修をしたとはいえ、旧ゲッターでは相性が悪かったのかもし」
「いや、多分違う。」
「うん?」
戦い方に違和感を感じたゴーラに解説するガレリィの言葉をワイリーが否定する。
「どういう事じゃ?」
「いくら機体性能に差があるとはいえ、ひたすら攻撃を受け続けるほどアイツらは馬鹿じゃない。」
「だが、流竜馬にはブランクがあるじゃろう。」
「並の人間なら元の感覚を取り戻すために長い時間を費やす。じゃが、竜馬は例外じゃ。昔、記憶喪失になった時期数か月以上操縦桿を握っていなかったにもかかわらず、記憶が戻ってからすぐに操縦できるほどの回復した。若いからとかそういう理由じゃない。アイツは実戦の僅かな間に勘を取り戻し、すぐに戦える状態になれる。」
「では、今の状況は」
「おそらく勘を取り戻すために受け身を取っているだけに過ぎん。もうすぐ、向こうの三人の悲鳴が響くことになるぞ。」
彼が深刻な表情で言った直後、ゲッター1は攻撃を受け止めるのをやめて不意に懐に潜り込んで顔面に拳を打ちつけた。ゲッターザウルスは、突き飛ばされたことで態勢を崩してしまい、次に繰り出された回し蹴りを受けてしまった。
「グッ!?」
バイスは、衝撃を受けてめまいを起こしたもののすぐに目の前にいるゲッター1へと向き直る。自分たちの攻撃を受けている間にコンテナの場所を把握したのか、両手にゲッターマシンガンが握られていた。
「悪いな、ガキ共。サービスの時間は終了だ。」
ゲッター1は、容赦なくマシンガンを放つ。無数の弾丸がゲッターザウルスを襲い、反応が遅れて左足が蜂の巣にされ、歩行が不自由になった。
「しまった、避けなかったら全身蜂の巣にされてたぜ。うおっ!?」
突然視界が封じられた上に引っ張られる。
ゲッター1は隙を逃さずゲッターウイングを展開、長く伸ばしたかと思えば鞭のように飛ばして頭部に巻き付けたのだ。
「さっさと態勢立て直さねえと早く終わっちまうぜ。」
引き寄せると同時に竜馬は、腹部にチョップをお見舞いした。ゲッターザウルスは、そのまま吹き飛ばされるとゲットマシンに分離し、上空へと逃れる。
「大丈夫か、バイス?」
「あぁ・・・あれがゲッターのパイロットって奴なのか。本当に地上人類なのか疑わしいぜ。」
「ここでいう話じゃねえけどよ、親父から死んだ爺ちゃんが早乙女研究所奇襲作戦に参加していたのを聞いたことがあるんだ。」
ゴズロは、後ろから付いてきているかもしれないという恐怖を感じながら口を開く。
その昔、彼の祖父は当時の地竜一族の長である二オンに率いられて早乙女研究所並びにゲッターロボ破壊のために作戦に参加した。参加したメンバーの多くは、特殊な体質の持ち主ばかりでうまく行けば自分たち一族の境遇が改善されると信じて名乗り出た。
しかし、身体能力が並外れたゲッターチームに対しては相手が悪く、全員が死亡。
ゴズロの祖父もまた搭乗していたメカザウルス諸共隼人の乗るゲッター2の攻撃で戦死したと言われている。
「爺ちゃんを始めとする参加メンバーは、当時の精鋭ばかりだったそうだ。それが早乙女研究所とゲッターロボ一機相手に全滅したんだ。親父は爺ちゃんの戦死報告を聞いたとき、信じられなかったって言ってたぜ。」
「・・・ゴズロ、お前もうちょっと場所考えて話せよ。」
バイスは、頭を押さえて打開策を考える。このままでは三機揃って撃ち落されない。
「ガンリュー、目が治ったばかりだけどいけるか?」
「はあ・・・逃げて撃ち落されたんじゃゴーラ様の顔に泥塗りかねないからな。少しでも抵抗しねえと。」
反転し、三機のマシンは飛んでくるゲッター1に向かう。
「チェンジ、ザウルス2!!」
合体すると同時にゲッターザウルス2は、高速移動で背後に回り込んでドリルで突こうとする。
「おっと!」
竜馬は、先ほどのようにウイングを伸ばしてドリルに絡ませることでダメージを防ぐ。そして、触手に捕らえられそうになるとゲットマシンに分離してその場から離脱した。
「どうする、竜馬?俺が変わってやるか。」
「そうだな、このまま俺一人でやってもいいが連中がかわいそうだからな。隼人、遊んでやれよ。」
「フッ、少し本物のゲッターの実力を見せてやるか。チェンジ、ゲッター2!!」
ジャガー号を頂点にゲットマシンが合体、ゲッター2となって地上に着地すると高速戦闘が始まる。その戦いは最早肉眼で捉えるのは不可能で遠くから本部からではもう何が起こっているのかさっぱりだった。
「・・・行ける!僅かだがザウルス2のスピードの方が一枚上手だ!!」
斬り合いの中でガンリューは、勝機を見いだせたと次の接触で触手をゲッター2のドリルを絡め取った。
「うん!?」
「今だ!!」
すかさず右腕のドリルを胴体に突き刺そうと振り被る。
これが直撃すれば、無事では済まされないはずだった。
「なるほどな。」
考えを読んだのか隼人は、ゲッタードリルの接続を解除して拘束から逃れる。更にドリルから伸びたチェーンでザウルス2の体に巻き付け、動きを封じた。
「なっ!?」
「接近して相手の武器を封じるまではいい作戦だったがドリルが外すまでは計算していなかったようだな。」
彼は、チェーンを外すと左腕のパワーアームで頭部を掴んで投げ飛ばす。
「どれ、そろそろ終わらせるか。」
「ちょ、ちょっと待ってくれよ隼人!?これじゃあ、俺の出番なしじゃねえか!せっかく久しぶりに三人乗ってるんだからよぉ、俺にもやらせてくれよ~!!」
止めを刺そうとした隼人に対して弁慶がねだり始める。
正直、ここで変わっても構わないが何かしでかして逆転負けする可能性がある。
っと、言うのも弁慶がゲッター3に乗った経験がかなり少ないことが要因である。
100年以上前、恐竜帝国残党にゲッターGが盗まれた際に三人で今のように旧ゲッターで挑んだのだが粘った竜馬と隼人に対して弁慶はこれと言った活躍もなく、危うく合体ミスしかけている。尤も前任の武蔵も実戦で合体ミスをしたことが度々あったのだが。
「お前、100年も寝てたのに合体できるのか?寝ぼけて失敗するかもしれないぞ?」
「そんなことしねえよ!?俺だって無駄に眠ってたわけじゃねえんだ。だからよ、やらせてくれよ。ゲッター1と2が出て、3が出ないって締まらないじゃん。ねえ?」
「・・・どうする竜馬?」
「まあ、いいんじゃねえか?コイツは100年以上ドラゴンとおねんねしてなにか変わったのかも知れないからな。少しは利口になってるんじゃないか。」
「そうか。」
「なんか二人揃って俺の事を馬鹿にしてない?」
ゲッター2は分離し、後方でゲッター3へとチェンジした。
「ゲッ、ゲッター3だと?」
「俺たちにチャンスをくれてやるってのか・・・・舐められたもんだぜ!!」
バイスたちは、悔しそうな表情を浮かべる。
ゲッター3と言えば、ゲッターロボの形態の中で水中戦がメインと言うこともあってそこまで活躍のイメージがない形態だった。
それは、弁慶の前任である武蔵が操縦が下手で中々日の目を見ることがなかったこともあり、ゲッター3はゲッターの中で一番弱い形態と言われている。
つまり、自分たちからしてみれば『お前らなんてゲッター3でも勝てる』と馬鹿にされているようなものだ。
「クソ・・・・ゴズロ、こうなったらザウルス3でゲッター3を倒すしかない!」
チェーンを解いて脱出するとゲッターザウルスは、パワータイプのザウルス3へとチェンジ。取っ組み合いを始める。
「ギギギ・・・・・」
「見ろ!やっぱりパワーならゲッターザウルスの方が上だ!このままねじ伏せてやるぜ!」
「弁慶、圧されているぞ!」
「分かってるよ!・・・技を借りるぜ、武蔵先輩。」
ゲッター3は、キャタピラを後方へと動かしてか回転を始めるするとザウルス3の体が浮き始め、引っ張られる形になる。
「な、何が起こっているんだ!?」
ゴズロは、やばいと感じて分離しようとするが機体の制御ができなくなっていた。
「行くぜ、大雪山おろし!!」
回転力が一定に達するとザウルス3は、そのまま上空へと放り投げられた。
「「「うわああああ~!!」」」
「よし、とどめのゲッターミサイル!!」
「おい、弁慶!これは模擬戦だと言うことを忘れたか!?」
「あっ」
既に勝負がついたにもかかわらず、ゲッター3はミサイルの追撃を行ってしまう。
ミサイルは、一直線に目標へと向かっていくが命中する寸前で別方向から飛んできたブーメランに切断され、当たることなく爆散した。ゲッターザウルスは、そのまま地面に叩きつけられてダウンした。
『そこまで、腕は落ちていないようだな。』
メカザウルス・ギンが駆けつけると活動停止したザウルス3を抱える。
「悪いな、弁慶がドジっちまった。」
『心配無用。これぐらいでやられるようではこの先の戦いで無駄死になりかねん。この三人にもいい経験となっただろう。』
「そうかい。」
『お前たちも戻って休むがいい。旧ゲッターなら問題ないが真ゲッターとなればそう簡単にはできまい。』
「まあな。隼人、弁慶。戻るぞ。」
「お、おう。オープン、ゲット!!」
ゲッター3は、分離して上空へと引き上げて行く。その後姿を見届けるとギンは、ザウルス3を抱えてハンターベースの方へと引き返していった。
二機の模擬戦が終了して視察していたメンバーたちが各々の感想を述べて退散していく中、ゴーラはガレリィにゲッターザウルスの修理とバイスたちパイロットのケアを行うように伝えた。
ちなみに遅れてきた敷島博士は、『コンテナに入った武装をもっと使え!』と不満をぶちまけたとか。
早乙女研究所 メディカルルーム
「・・・・」
エックスとの会話を終えた後、ライト博士は検査を終えたマーティをベッドに寝かせて一人黙々と調査を行っていた。
(エックスにはあんな風に言ったが未だに信じられん。いくらゲッター線が進化を促す存在だとしても無機物であるロボットにここまでの変化をもたらすというのか?)
彼は、もう一度エックスのスキャンデータを保管していた設計データと比較してみる。
本人の前では変わっていないと言ったが実は体の構造は恐ろしいほど歪に変化しており、最早ロボットと呼んでもいいものなのかどうかわからない状態だった。
(武器の変形機構などは辛うじて原形をとどめているが、ある程度の消耗なら部品を交換せずとも時間と共に回復していく・・・・これはもう機械と言うべきものではない。)
『そう、それもまた「生命への進化」と言うべき代物よ。』
「!?」
聞き覚えのない声にライト博士は、画面から目を離して振り向く。
そこにはソファーに腰を掛けた早乙女の姿があった。
「貴方は・・・・早乙女博士。」
『お前とアルバートは無機物であるロボットに感情を与え、一つの疑似生命体として存在を確立させた。そして、ゲッター線はそれを更に次のステージへと推し進めつつある。それが人類にとって、この世界にどういった影響を与えるのかは分からんが。』
早乙女が腰を上げると同時に彼は、席から立ち上がって向き合う。
「・・・次のステージ、貴方は今そう言いましたね。しかし、これがいいと言えるのでしょうか?ロボットが生物として人間に近づいていくことが。」
『ワシらがドラゴンと共に眠っている間、人は弱い存在へとなった。だが、それもまた選んだ選択の一つと言ったものだろう。』
「それで次にロボットに目を向けたと。」
『かつてワシらがゲッター線の研究をしていた頃、ロボットは飽くまで満たすための「器」程度の存在でしかなかった。それをお前たちが生命を吹き込んだ。無機物の塊でしかなかった「器」が「人の子」として生まれた瞬間だ。』
「私は、ロボットを人間とこれからの世界を共存するパートナーとして作った。それはワイリーも同じ。だが、このエックスたちの体はどういうことなんです。『ロボット』を『人造人間』へと作り変えることが進化と言えるのですか!?」
ライト博士は、これを進化として認めるべきなのかと彼を問い詰める。
『人造人間』とは、一種の人間を模倣して生み出された存在で機械から作られた『アンドロイド』と人工的に細胞から培養して生み出す『バイオロイド』など様々な解釈がある。
レプリロイドは、前者に該当するが真ゲッターに取り込まれた後のエックスたちはその両者でもない異質なものへと作り変えられていた。
『機械』なのか、『生物』なのか?
最早、それらの境界を越えた『新生命体』と言うべきか。
それだけゲッター線の与えた影響は凄まじいものだった。
『なら、「否定」するか?進化した我が子をその手で葬ることでなかったことにして。』
「・・・・できません。例え進化しようとエックスたちは私の子供同然、自らの手で破壊するなど・・・・けれど、だからこそ恐ろしいのです。全く異なる存在へと変わってしまった彼らが果たしてこれから先、今まで通りの関係を持つことができるのか・・・・それとも自ら閉ざしてしまうのか。」
『別にお前が急ぐことない、判断するのは奴らだ。否定するのも肯定するのも己自身で決めればいい。それもまた選択肢の一つでもある。』
早乙女は、軽く笑うとその場から消える。
「確かにエックスたちにはその権利がある。しかし、ゲッター線による歪な進化を受け入れられるほど世界は甘くない。最悪、かつてのロボット狩りのように迫害を受けることになる。そして、次の世代が増えれば憎悪と共に報復しかねない・・・・私はそんな関係にしたくない。」
彼の言葉にも一理あると感じる一方、これから起こりうる事態に不安を隠せない中、ライト博士はマーティの体調不良の原因を調べ始めるのであった。
更に驚愕な事実が出ることも知らず。
ゲッター線は何でもあり。