第一話で大破してしまったマジンガーZ(´;ω;`)
メカトピア本星
地球のある太陽系から遠く離れた銀河に存在する鉄人兵団の故郷『メカトピア星』。
しかし、その姿はまるで毒々しい紅色に染まっており、地表の大半をスライムのような何かが覆っていた。そこにはロボットたちによって築き上げられた文明の面影はわずかに残され、それを踏み躙るように無数のゲッタードラゴン、インベーダーが巡回していた。
そんなメカトピア星付近において脱出できた部隊は、変貌していく故郷を眺めることしかできなかった。
「クソ、なんなんだあの大型兵器と生物は!?謎の物体を処理しようとした矢先に突然現れた上に最強を誇っていた我ら鉄人兵団を壊滅させるとは。総統にはまだ連絡が取れんのか!!」
留守を任されていた司令官ドランガーは、追撃が来ることに警戒しながら地球にいるであろう本隊の指示を仰ごうと連絡を続けていた。
あの謎のスライムが地表に現れた頃、彼はロボットを無差別に取り込むこの得体に知れない存在を一刻も早く処理すべきと本星で待機していた大型兵器を投入することを決定した。
しかし、いざ処理しようと現場に割り込んできたのがゲッターGとインベーダーの軍団だった。ドラゴン、ライガー、ポセイドンの三形態に分かれて大型兵器を次々と葬り、インベーダーは漁夫の利を利用するかの如く残骸と同化し、メタルビーストとなって襲い掛かってきた。
結果、処理どころの話ではなくドラゴン軍団がメカトピア首都への襲撃を許してしまうことになり、事情を知らなかった国民の大半がゲッタービームで焼き払われ、運よく生き残った者も逃げのびた末にほとんどがインベーダーと例のスライムに寄生・吸収されてしまう末路を辿った。
その光景はまさにこの世の終わりとでも言えるものでゲッタードラゴンが列を組んで蹂躙してくる姿はまさに地獄そのものであった。
責任を感じながらもドランガーは本部に残された部隊と国民を移動船に載せて脱出、本隊への連絡を試み続けていた。
「ドランガー司令官、既に艦内の兵士たちにも疲労が見られています。心苦しいですがここはメカトピアを一旦捨てて民たちを連れて近辺の植民惑星へと撤退しましょう。総統閣下もきっとお許しになってくれるはずです。」
「うむ・・・しかし、国民のほとんどがあの恐ろしい物体と生物に喰われてしまった。母なるメカトピアもこの有様では、寧ろ閣下に合わせる顔がない。」
ドランガーは、頭を抱えながら今後の方針を考える。通信を続けても消耗していく一方で僅かに生き残った民たちを安全な植民惑星へ連れて行かなければならない。かと言って、このまま母星を見捨てて逃げることは逆に問題行為として問い詰められるのではないかと言う恐怖も感じていた。メカトピア内戦から軍に従属し、終戦後も首都防衛の任に今日まで就いてきた身としては身が裂かれそうな思いもあった。
「ですが、司令官。ここは生き恥を晒してでも生き残った民たちの安全を優先にすべきではないでしょうか?この場に留まったとしても危険な状況であるのは変わりありません。メカトピアの民たちのためにも。」
頭部の巨大な砲身を持つブルチェックは、悩む彼に対して自分なりの考えを言う。実際、ブリッジにいるロボットたちは脱出の際の迎撃も含めて連戦の連戦続きのこともあって万全でないことは明らかだった。
「・・・・メディ、この船の残されている修理パーツのストックとかは後どのくらい持つ?」
目の前で治療に対応しているメディは、彼の問いに一瞬硬直するがゆっくり重い口を開く。
「まともに搬入する暇もなく脱出したのでそれほど長くは持ちません。それにエネルギー残量の方もあと一回でも大掛かりな戦闘があれば底尽いて全滅は免れないと思います。非戦闘タイプの民たちを機能停止させて節約しようにもそもそも戦闘要員がほぼ壊滅状態なので・・・」
「そうか。・・・止むを得ん。現在位置から行ける植民惑星を確認して一度メカトピアを放棄する。心苦しいがここは一旦引き上げ、態勢を整え次第増援を引き連れて奪還することとする。準備急げ!」
命令されると兵士たちはすぐに宇宙図を開いて計算を行う。幸いいくつかの候補地が見つかり、ワープをすればすぐにでも行けそうな距離にあった。
「司令官、メディカルスタッフの一人として一言申したいのですができれば精密検査をすぐに行うことができ、尚且つ一時的に隔離が可能な施設がある星に行くべきだと思います。」
「ん?何故だ、メディ。民たちを休ませるのなら規模の大きい場所の方が良いのではないか?」
「脱出後に止むを得ず破壊した者たちの残骸を調べたのですがあの生物、無機物である我々の体さえも同化することが分かったんです。断言はできませんがこの艦内全員が既に感染している危険性があります。下手に行けばそれこそパンデミック規模に・・・・」
「うぅうむ・・・我々自身も既に奴らと一体化しているリスクがあるということか。分かった。この件に関しては民たちに伏せておけ。混乱すれば元も子もないからな。至急、研究プラントのある惑星を検索しろ。」
メディの発言に一瞬恐怖を感じながらも索敵班は、移動先をリストアップする。
「惑星バードス。地表のほとんどが海水で占められた辺境地ですが、プロフェッサー・ヘルが運営している大型研究プラントがあります。精密検査などの対応を速やかに実行できるかと。」
「ヘルか。あの爺さん、苦手なんだよな。科学者タイプのくせに近接戦強すぎるし。しかし、我儘を言っている事態でもないか。よし、進路をバードスに向けろ。エネルギーが溜まり次第ワープだ。」
「了解、エネルギー充電開始。進路、バードス。航路に障害物の有無を確認。」
「各員、その場で固定。衝撃に備えよ。」
「航路クリア。エネルギー充電率、80%。ワープ可能域まで後30秒前。29、28、27・・・」
秒読みが開始されていく中、ドランガーは、再度メカトピアの方を見る。
(・・・これでしばらく見納めか。まさか、戦争が終わった矢先にこんなことになるとはな。これが更に悪化しなければいいが。)
「エネルギー充電完了。」
「ワープ開始!」
「ワープします!」
移動船は、一瞬光を発すると光速を超えた速度へと到達して宙域を離脱して行った。
そして、入れ違うようにビアンコ率いる船団がメカトピアに到着した。
ビアンコは、かつての故郷を見るや不敵な笑みを浮かべる。
「おぉ・・・予想以上に成長が早いではないか、プロトよ。」
「解放されるまでの時間をゲッター線増幅装置で無理やり早めたがここまで成長するとはね。君もすごいと思うだろう?スティンガー君。」
「う、うん!そうだね、コーウェン君。やっぱり、あの星の住人はどの道こうなる運命だったんだよ。」
船団がメカトピアの前に停止するとブリッジからゲッタードラゴンが掌に三人を乗せて発進。地上へとゆっくりと降下していく。
「その通り。遅かれ早かれ事が進めばこの星は愚か、全てのメカトピアの民が消えるまでプロトはいずれ星系そのものまで喰い尽くそうとするだろう。それはこの銀河の最期を意味する。だが、そんなことはさせん。例えそれが創造主たる神の意志だとしても我々はその遺志に断固として反抗する。」
ドラゴンは、破壊尽くされた首都に着地するとかつてのビアンコの研究所跡地へと歩み、腕を突っ込む。引き上げるとその手にはカプセルが掴まれていた。
「セラよ、待たせたな。ようやくお前を迎える時が来た。本来ならリルルとジュドにこの役割をやってもらいたかったが・・・何、心配することはない。お前が目を覚ます頃にはこの世界、宇宙は生まれ変わっておる。選ばれし進化した者たちによる新世界がな。」
カプセルを回収すると今度は、巨大なスライム・・・否、成長したプロト本体へと向かって行く。近づくとプロトは口を開き、その奥には大量に設置されたゲッター線増幅装置が脈打っていた。
「今こそ一つとなる時だ、プロトよ!」
ビアンコが声をかけるとスライムの触手がドラゴンに巻き付いていく。
「「新世界、創造のために!!」」
触手は、チューブに変化し、蓄えていたゲッターエネルギーをドラゴンに供給する。ドラゴンの体が緑の光を発しし始め、プロトと一つになるべくコアに向かって沈んで行く。そして、ビアンコたちも続く。
「ヌッフフフ。さあ、プロトよ。ドラゴンと我らを取り込み、破壊神の更に先の進化へと進むのだ。」
プロトに吸収される影響で彼らの体が溶けていく。
「ウオォオ・・・この星のすべての意識が僕の体を突き抜けていく・・・これが本当の進化なんだろうね・・・そう思うでしょ?スティンガー君。」
「う、ウン・・・・僕にも見えるよ。これから何をすべきか・・・だから、進化が必要なんだねコーウェン君。」
三人の体は完全に溶け込み、カプセルを持ったドラゴンはコアへと到達。コアに触れるとプロトは、ドラゴンを包み込むように取り込み、巨大な繭のような形状へと変化する。
(クッククク、ヌッフフフ・・・・フ~ハッハッハッハ!!)
地球 ハンターベース
時を同じくしてハンターベースでは、完成したばかりの宇宙戦艦『ゲッターエンペラー』が早乙女研究所から着艦し、補給とこれからの旅路への準備を進めているところだった。
「全く、よくこれだけの物資を取り寄せることができるもんだ。まだ、各地で復興作業すらままならない状況だって言うのに・・・・上のお偉いさん方も今回の件に関して余程重く見ているようだな。」
ダグラスは、エンペラーに搬入されていく荷物のリストを確認しながら厭きれる。
シグマによるユーラシアコロニー落下未遂事件後、政府は各地の復興とヤコブ計画などの新規プロジェクトを展開するためにイレギュラーハンター側への物資の供給を渋ることが多くなった。
確かにレプリフォース大戦ほどの大きな戦争こそ起こらなかったが終戦後、耐シグマウィルス用のウィルスワクチン配布に予算をもう少し回してくれれば、被害は最小限に済んだし、エニグマとシャトルの一か八かの破壊作戦を実行することもなかった。
更にイレギュラー化するリスクがあるとして戦闘タイプのレプリロイドの開発に消極的になり、エックスとゼロを除いて前線に赴くことができるハンターが不足する事態に関してもうまく濁されて改善されなかった。
それが今こうして頼んだらすぐに寄こしてきたのだ。
鉄人兵団との交戦時も対応こそ早かったがそれならいつもこのぐらいでやってくれと文句も言いたくなるものである。
「いつもこのぐらい早くしてくれればエックスとゼロの負担が軽くなるのによぉ・・・・まあ、そう言って不良品送りつけられちゃ話にならねえしな。今後はできるだけ早く送ってくれるようにしてもらいたいもんだぜ。」
彼は、ため息をつくと早速不良品が混ざっていないかコンテナの中身を一つ一つ確認し始めるのであった。
一方、本棟ではエックスを始めとする乗組員として乗艦するハンターたちが会議室で今後の作戦をシグナスたちから聞いていた。
「地球を発った後我々は、ゲッター艦隊の護衛に守られながら鉄人兵団が保有する各惑星の基地に寄りながら彼らの仲間と合流、最終的に惑星バードスで最後の補給を受けてメカトピアに向かう。メカトピア本星の状況は分からないが恐らくDr.ビアンコ率いるインベーダー勢力が万全の準備を整えて待ち構えているはずだ。双方ともに総力戦になる可能性が高いが何か隠し手があるのは間違いないだろう。今回の作戦では、これまで前例のない組織同士で共闘することになる。レプリフォース、アチモフ一味、早乙女研究所に鉄人兵団、恐竜帝国とゲッター艦隊。組織の規模の差もそうだがかつて敵対していた者同士で特に鉄人兵団とはこの間まで戦ったばかりだ。お互い納得できない点があるだろうが今回の戦いは地球どころか全宇宙の命運が掛かっていると言ってもいい。敵対心を捨て、共に戦うことにベストを尽くしてほしい。」
シグナスはそう言うと敬礼し、エックスを始めとするメンバーたちも続いた。
「本来なら私も共に向かうべきだが、イレギュラーハンター全員が宇宙へ行くわけにはいかない。そこで代理は早乙女研究所の神隼人君、そして、トーマス・ライト博士に指揮を任せる。後、オペレーター代表としてエイリア、この場にはいないがメカニックスタッフのチーフとしてダグラスにも乗艦してもらう予定だ。それとゲイト、君にはエックスたちの専属メディカルスタッフとして行ってもらう。ライト博士だけでは負担が大きいからな。出発は物資の搬入が終わる明日の早朝とする。それまでに各々準備を整える様に。以上、解散!!」
話を終え、全員が退室すると唯一部屋に残った彼は、一息ついて椅子に腰を下ろした。
「・・・あんなことは言ったが全員が行ってくれるだろうか?一応、辞退もできると説明したが旅先の不安に耐えられない者が続出するかもしれない。時空間を超えた時とは訳が違う。最悪、全滅の可能性すらある。それならいっそ・・・」
「総監様たる者が随分弱ごとを言うじゃねえか。」
そこへレッドが部屋に入ってきた。
レプリフォース側からも何人かの士官候補が乗艦することが決まっており、総責任者であるフクロウルの説明が終わったとこもあって足を運んできたのだ。
「レッド・・・」
「自分も行くべきだったんじゃねえかってか?そんなもん、フクロウルのじいさんも俺も同じだ。っかと言って、この星をがら空きにするのはまずい。」
「あぁ。しかし、ゼロとアイリスが行方不明と言うだけでも不安に感じている者が多い。アチモフ一味も元はこちらの構成員だったのだから尚更。」
「あのキバトドスのクソ野郎もな。アイツと一緒に行動なんてしたら目の古傷が疼いて仲間割れ起こしかねえ。じいさんがメンバーから外しといてくれてよかったぜ。」
レッドは、そう言うと席に腰掛けながら煙草で一服する。
「シグナスよぉ、俺はアクセルの件でお前たちとひと悶着やった時の言葉を聞いて・・・正直、ジェネラルの爺が喜んでるんだろうなって感心したんだぜ?あの頑固そうな対応・・・まさに爺の教え子だって分かるぐらいにな。」
「私はそこまで・・・」
「実際、お前はコロニー事件を含めてエックスとゼロを指揮して事件を解決させるのに貢献した。それだけでもお前が指揮官としての才能を発揮しただけではなく、イレギュラーハンターっていう組織に信頼されている証拠だ。前任のポンコツ総監はわからねえが、少なくともお前を裏切るような輩はこの組織にはいねえと言うのが俺の考えだ。」
「そう思うか?」
「明日になれば分かるさ。さて、俺も明日行く予定の連中の様子を見に戻るとするか。ボバの奴、辞表出してやめようとしたからな。脱走したら元も子もねえ。」
彼は、タバコの火を消して部屋を去る。
部屋に一人残されたシグナスは、ポケットから端末を取り出してレプリフォース時代の写真を眺める。
「・・・貴方も今の私を見てそう思われますか?ジェネラル将軍。」
解散後、エックスは部屋に戻ってマーティと共に必要な荷物をまとめていた。
「・・・あのさ、マーティ。」
「うん?」
作業する手を止めてマーティは、夫の方を見る。
「どうかしたの?」
「その・・・・ゲッターに乗った影響だと言うのは分かるけど。なんて言うかさ・・・・こう、私服でいるのがなんか違和感感じるなって。」
エックスが気になっていたもの。
それは妻が珍しく私服を着ていることだった。
当たり前だと言えそうだが二人は、イレギュラーハンターで都合で常に戦闘できる格好でいるのが普通で見慣れたビキニアーマーでなくなったことに違和感を感じざるを得なかった。
もしやこの間研究所で太ったのかと聞いてしまったことを根に持ってしまっているのではないかとやや心配になる。
「あっ、これね。まあ、出発すればイレギュラー事件のような業務はしばらくないだろうし。それならちょっとおしゃれしてもいいかな・・・・・なんて。変?」
彼女は目を泳がせながら笑って言う。エックスは、しばらくそんな妻の姿を見ながら首をかしげる。
「・・・そもそも普段の恰好に慣れているせいかもしれないな。本来、それが普通の恰好だからね。認識がずれているのかなぁ。じゃあ、私服も多めに持っていくようにしようか。」
「そうねぇ・・・・うん、宇宙に出ちゃったらゲットマシン操縦するぐらいしかないし、体調おかしくなると困るから普段着として持ってってもいいわよね!?うんうん!」
マーティは、段ボールに荷物を詰めるとお先にとばかりに部屋から出て行く。
「今日のマーティ、やけに元気だな。ライト博士が診てくれたおかげかもしれないな。」
この間と比べて良くなったと思ったエックスは、彼女の後姿を眺めながらホッと表情を緩めた。
「危なかった。違和感持たれないようにここ最近は、服を着るようにしたけどまさか、普段の恰好が仇になるなんて思わなかったわ。」
部屋を後にした彼女は、その足でライト博士のところへ行って検査を受ける。
「・・・育ちは順調と言ったところか。今のところは問題なさそうだな。」
スキャンで成長している胎児の動きを見ながらライト博士は、記録しながら伝える。
「お腹周りとか目立ち始めるのはいつからなの?」
「そうじゃな・・・人間同様の経過だとするなら2、3か月は目立たんじゃろう。しかし、飽くまでも同じならだ。ゲッター線の影響を考えるとそれ以上に早く成長するかもしれん。」
「つまり、早く出っ張ってくるってこと?」
「それに四つ子だからな。この時期に服を着るようにしたのはよかったと言ったところか。エックスも途中で着る様になったらもっと疑っていただろうし。」
彼は、データを見ながら胎児の成長速度を計測する。人間の女性ならともかく、これまで『出産』と言う過程とは無縁であった機械なので慎重に経過を診て行かなければならない。
「今は容態が安定しているが定期的な検診は必要じゃな。わしも同行するから数日に一回は必ず受ける様にしておくれ。もし、作戦前にパイロットが務められないと判断した場合は・・・・悪いとは思うが地球に一足早く帰ってもらうよ?」
その一言に彼女は、一瞬固まる。
「乗らないで艦内にいるって言うのはダメなの?」
「子供の安全もあるからね。敵が侵入してこないと言う保証がない以上残っているのは非常に危険だ。それを守れないなら最初から残るか、エックスに本当のことを伝えるかの二択になる。こんなことは言いたくないが。」
ライト博士は、彼女に釘を刺すように言う。マーティは、納得できないようであったが下手にバラされれば元も子もないため、頷くしかなかった。
「・・・分かったわ。でも、できる限り彼の傍にいさせて。後悔したくないから。」
「作戦が始まる前までなら構わないよ。・・・わしも君のことを我が子のように思っておる。エックスを支えてやっておくれ。」
彼女は、部屋を出ると腹部を摩りながら一言呟く。
「離れたくないわよね?パパと・・・・」
翌日
メカトピアの艦では、最終段階としてマジンガーZとザンダクロスが格納庫に移動していた。ザンダクロスに関してはゲッターエンペラーに入れる予定だったがゲッター線を動力源としているわけではないことと取扱いに関しては兵団側の方が慣れているということもあって変更となった。当然パイロットとして搭乗していたアクセルもこちら側に乗ることになり、ハッチから出るとジュドとリルルがお出迎えをしてくれた。
「どうだい、アクセル。メカトピアの戦艦に乗った感想は?」
「うん、僕は船自体あんまり乗ったことがないからどういえばいいのか微妙だけど・・・・軍艦ってこんな感じなんだね。格納庫が広いと言うか。」
「ここは元々大型兵器を乗せていたところなの。ビアンコ博士の裏切りでかなり消耗しちゃったけど。」
通路では先に降りたネロがマジンガーZを眺めていた。
「あれがリルルのお兄さんだよね?」
「えぇ、総統閣下は別の艦に乗船しているからここの指揮は、兄さんが執るの。」
「そっか。じゃあ、挨拶しないとね。」
アクセルは、彼の元へと駆けて行く。
「うん?」
「初めまして。僕はアクセル、今日からこの艦でお世話になります。」
「あぁ、君がか。俺はネロ・Lだ。リルルとジュドが世話になってたな。」
ネロは、初めて会うアクセルに戸惑いながらも軽く握手を交わす。
「これから長旅になる。カリキュラムは君担当のオペレーターに渡しておいたから後で確認しておいてくれ。」
「あっ、パレットもそう言えば一緒に行くんだったけ。また、居眠りしそうな雑学にならなければいいけど。」
一方、恐竜帝国側が乗る艦の方では地球に残ることになった兵士たちが名残惜しそうに乗艦するゴーラを見送っていた。
「ゴーラ様、どうかご無事で!」
「我々一同、懸命に使命を全うします!!」
「ゴーラ様!」
「「「ゴーラ様!!」」」
「・・・・見送ってくれるのは嬉しいがなんか暑苦しいのう。」
号泣している兵士が何人か見える中、彼女は小さくなった『王』を引き連れて中へと入る。同行する兵士たちが次々と乗っていく中、バット元帥は甥であるザンキに別れの言葉を交わしていた。
「ザンキよ、地球の方はお前に任せる。すまぬがカンパニアのことも頼むぞ。」
「そのことに関しては心配いらない。だが、叔父貴。別にアンタが行かなくても・・・」
「フッ、ゴール様の姿を見た時からこの体、もう長くはないと悟っている。ならば、最後まで帝国のために忠を尽くすまでよ。」
「そんな縁起でもないこと言わないでくれ。俺は、アンタの足元にも及んでいない。まだ、帝国にはアンタが必要だ。」
艦に運び込まれるメカザウルスの一体が足を止めて二人の元へと歩んでくる。
「俺が直々に調整に関わったメカザウルス・ゼンの最新モデルだ。アンタの乗機として使ってくれ。」
「何を」
「この間使ったギンよりは扱いやすいはずだ。帝国のために行くならそれなりの足が必要だろう?」
「・・・・」
「まだ、テスト稼働数回ぐらいしかやっていないからな、叔父貴が乗り慣らしておいてくれ。叔父貴の操縦から取れるデータなら技術班が大喜びするだろうからな。大事に扱ってくれよ。」
「・・・フッ、いつになっても喰えん奴だ。いいだろう、お前のメカザウルス。しばらく、このバットが預からせてもらう。無駄にはせんぞ。」
バットは、しばらくザンキと固く握手をした後に艦へと向かう。
ゲッターエンペラーの前では、全ての準備が整ったことでシグナスが搭乗員の最終チェックを終えようとしている。
「・・・私は、正直集まってくれただけでも感謝している。ここまで辞退をする者が一人のいないのは諸君ら一人一人が任務の重大さ、全うしようとする真剣な態度にある。だが、今回の戦いは全員が生きてここに戻ってこれる保証はない。作戦が失敗すればいずれこの星も絶望に包まれることになる。しかし、今なら引き返すこともできる。無理をすることはない。地球に残って後悔がないように生きるのも選択の一つだ。降りたい者はいるか?」
最早生きて戻ってこれないかもしれないと説明しながら彼は、メンバーに最後の選択肢を与える。
少なくとも地球に残れば、作戦が失敗しても地球の最期の日が来るまでは生きることができる。
「皆、俺たちに気を遣わなくても大丈夫だ。降りたいなら降りたいで構わない。」
エックスも同調するように振り向いて言うが『降りたい』と言う者は一人もいなかった。
「エックス隊長、僕たちは一緒に行きます!いや、行かせてください!!あんな得体の知れないものに怯えながら毎日過ごすぐらいならこっちから攻めてみんなで死んだほうがまだマシです!」
「俺もです!隊長たちだけ行かせて自分たちだけ残っても仕方ないですよ!!」
「私たち戦闘は、からっきしですけど全力でサポートします!!」
「自分も!!」
「僕たちも!」
その場にいる全員が寧ろ行かせてほしいと言い始める。その反応にシグナスは、口を開けて驚くもののエックスに声をかけられて我に返る。
「シグナス、皆降りる気がないみたいだよ。」
「フッ、そのようだな。ずっと、お前とゼロたちの姿を見ていたおかげかもしれないな。」
彼は、軍帽を直すと仕切りなおして大声を上げる。
「よし、それでは各員乗艦を開始!!目標はメカトピア星だ。君たち、一人一人の行動が今後の未来を左右することになる。全員、無事に帰ってこい!!」
「「「はい!」」」
「「「シグナス総監、行ってきます!!!」」」
敬礼すると各ハンターたちへ歩幅を合わせてエンペラーへと乗り込んで行く。エックスもドラえもんたちと共に艦の中へと歩み始める。
「ドラえもん、皆も本当にいいのかい?今回ばかりは・・・」
「水臭せえな、のび太。俺たちの仲だろ?遠慮するなって。なっ、スネ夫?」
「まあ、危なかった冒険なんて一つもなかったしね。どうせやられるならみんなで一緒にいた方がマシだよ。」
「お前~~~何負けるの前提で言ってんだよ!?」
「いたたたた!?やめてよ、ジャイアン~!」
ジャイアンがスネ夫をしばく中、ドラえもんも彼の手を握って答える。
「玉美ちゃんやママたちの方はドラミに任せているから心配いらないよ。寧ろ、のび太君を置き去りにする方が心配だよ。ゼロさんとアイリスさんも行方不明だし。」
「そ、そこまで言う?」
「入院していた時、みんな心配していたんだから当然よ。マーティさんだけだと大変だわ。」
「しずかちゃんまで・・・・」
思っていたよりも心配されていたことにエックスは、ショックを受ける。
一時間後、全員の乗艦が確認されるとメインブリッジでは隼人を司令官に各艦と合わせて発進シークエンスへと進める。
「各自チェック完了、問題ありません。」
「メインエンジンのゲッター線出力、安定稼働領域に到達。」
「システムクリア、ゲッターエンペラー発進準備完了。」
ブリッジの乗組員の報告を聞き終えると彼は、各艦の状況を確認して発進の合図をかける。
「よし。これより、各艦はメカトピア星を目指して発進する。敵は何を仕掛けてくるかは分からん。不審なものを見たら躊躇わずに報告しろ。後の判断は俺が下す。」
「了解。」
「シグナス総監、地球の方はあなた方に任せます。」
『作戦の成功を祈る。』
通信を終えるとゲッター艦隊に囲まれながら一隻一隻が空へと飛んで行く。
ゲッターエンペラーも浮上すると空へと飛んで行き、やがて宇宙へと飛び出した。
「各艦、大気圏離脱を確認。続いて第一回目のワープ航行へと移行します。」
「各員に通達。これより最初のワープ航行へと入る。衝撃に備えよ。」
彼らは次々はワープし始め、耐規模の艦隊は一瞬でその姿を消した。
目指すは、鉄人兵団の本星であるメカトピア星である。
ヘルさんいる惑星の名前、結構悩んだ。