ドラえもん のび太の転生ロックマンX   作:赤バンブル

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ドラえもんサイドのお話。

大山世代の自分にとってはわさドラは嫌いじゃないけどコレジャナイ感がある(映画は好きだけど)。


ドッペルタウン

19XX年 野比家

 

「「「お邪魔しま~す!!!」」」

 

高校の卒業式を終えて数日後。

 

ジャイアン、スネ夫、しずかちゃんの三人は野比家に来ていた。

 

「あら、みんないらっしゃい。」

 

「いらっしゃい!」

 

「おばさん、お邪魔します!」

 

三人は玉子に挨拶すると玉美に連れられて二階ののび太の部屋・・・・・現在の玉美の部屋へと上がる。

 

「やあ、みんな準備はできているかい?」

 

「おうよ!」

 

「こうやってみんなでタイムマシンに乗るなんて本当に久しぶりだね。」

 

「玉美ちゃんは初めてだものね。」

 

「うん!」

 

「じゃあ、みんな机の中に入って。」

 

ドラえもんが机の中へと入ると全員続いて入って行く。

 

「懐かしいな~!」

 

「本当、最後に乗ったのっていつだっけ?」

 

「もう、6年近くになるのね。」

 

三人は懐かしむように言う。

 

「それでは、三人の高校卒業と玉美ちゃんの幼稚園卒園を記念して僕の故郷22世紀への記念旅行へ出発したいと思いま~す!」

 

「いよ~!待ってました!!」

 

スネ夫は煽てる様に拍手する。

 

「じゃあ、一応念のために最低限のルールを言っておくけど絶対に破っちゃいけないよ。」

 

「おう!何でも来い!」

 

「まず一つ、僕の言う事にはちゃんと従う事。これから行くのは飽くまでも未来で歴史を狂わすとまではいかないけど過去の人間がそう易々と行ってもいい場所じゃないんだ。もうこれから大人になる君たちならわかるね。」

 

「「うんうん。」」

 

「次にもう一つ、バラバラに行動しない。行きたいところがあったら僕にちゃんと声を掛けること。」

 

「そんなもん中学の時とかの修学旅行で先生に言われてるって!」

 

「いくら何でもそこまではやらないよ。」

 

「じゃあ最後に一つ。玉美ちゃんが行きたい場所があるときは誰かが一緒に行ってあげること。僕が場所を外す場合もあるからその時は誰か一人は一緒について行くこと。」

 

「任せとけって!そんなのこの剛田武、ジャイアンがお守りしますって!!」

 

「ジャイアン調子がいいな・・・・・・」

 

「よし、それじゃあ、早速出発進行!!」

 

「「「「おぉ!!」」」」

 

ドラえもんはタイムマシンを起動させて移動を始める。

 

「そう言えばドラえもんの時代に行くのはこれが初めてなんじゃないかな?」

 

「そうだな、行くって言ったら恐竜時代や石器時代とか大抵は過去だからな。」

 

「私もドラちゃんの未来の世界この目でちゃんと見て見たいわ。」

 

「いやあ~そんな大したものじゃないよ・・・・・ん?通信?22世紀から?」

 

タイムマシンの通信機に着信が入っていることに気がつきドラえもんは出てみる。

 

「はい、もしもし・・・・・・」

 

『お兄ちゃん?』

 

「あぁ、ドラミか。そっちに着くのは・・・・・・・」

 

『お兄ちゃんもしかしてもうタイムホール移動中なの!?』

 

「えっ?そうだけど・・・・・」

 

通信先のドラミの態度があまり芳しくない様子だった。

 

『悪いことは言わないわ。一回引き返して!』

 

「え~!?」

 

「「なんだって!?」」

 

「ドラミちゃん、一体どういう事?」

 

『最近、どういう原因なのかはわからないんだけど時々、時空間の歪みが発生するの。ねじれゾーンみたいに人体に影響を与えるようなことはないんだけど歪みに飲み込まれたらどこの時代に飛ばされるかわからないのよ!』

 

「「「「えっ~!!」」」」

 

「?」

 

『今、タイムパトロールが発生の原因について調査しているんだけど詳しい実態が把握されるまでタイムマシンの使用はせ・・・・・・・・・げ・・・・・・・ズッ、ズズズッ・・・・・・』

 

「ん?ドラミどうしたの?ドラミ?」

 

妹の声が聞こえなくなってドラえもんは不安そうな表情をする。

 

「一体どうしたのかしら?」

 

「わからない。でも、どうやら一旦引き返した方がよさそうだ。」

 

ドラえもんはタイムマシンを戻そうとレバーを引く。

 

「・・・・・・・あれ?」

 

しかし、タイムマシンは進路を変えない。

 

「おい、どうしたんだよドラえもん?」

 

「まさか・・・・・こんな時にタイムマシンが壊れたなんて言わないよね?前に白亜紀であったみたいな・・・・・」

 

「そんなはずないよ!?この日のために無理に修理しに行ってきたんだから!でも一体・・・・・・・」

 

「ねえ!あれを見て!」

 

しずかはタイムマシンの進路先を指差す。その先は時空間が異常なほどの歪みを生じていた。

 

「こ、これは一体・・・・・・・」

 

「これがまさかドラミちゃんが言っていた歪みじゃ・・・・・・・」

 

スネ夫が言いかけたときタイムマシンはこれまでにないほど大きく揺れ始める。その勢いのあまりに全員放り出されそうになる。

 

「みんな、しっかり掴まって!!」

 

ドラえもんはどうにかしようとタイムマシンのレバーを握る。今までにない揺れに幼い玉美は愚かスネ夫やジャイアンは涙目状態だった。

 

「母ちゃ~ん!!」

 

「ママ~!!」

 

「ドラえもん~!!こわいよぉお!!」

 

「玉美ちゃん、離れちゃダメよ!」

 

しずかは怖がる玉美を抱きしめながら振り落とされないように掴まる。

 

「みんな頑張って!!」

 

ドラえもんは必死にタイムマシンを操縦する。 

 

タイムマシンは、機体の限界を迎えたのか強制的にタイムホールを開いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

21XX年 ドッペルタウン 郊外の森

 

タイムマシンは地面に激突すると五人を放り出した。ドラえもんは地面に顔を埋めながらも砂を吐き出して四人の無事を確認する。

 

「ゲホッ、ゲホッ・・・・・・・・・・みんな、無事?」

 

「あぁ・・・・・」

 

「はあ、し、死ぬかと思ったよ・・・・・・・」

 

「うわぁ~ん!!ママ~!!」

 

「玉美ちゃん、泣かないで。」

 

四人の無事を確認し終えるとドラえもんは、どの時代に流れ着いたのかタイムマシンの方へと向かいメーターを確認する。

 

「『21XX年』・・・・・・あれ?おかしいな?」

 

「どうしたんだよ、ドラえもん。」

 

「まさか、変な時代に飛ばされたとかって問題じゃないんだろうね?」

 

ジャイアンとスネ夫は心配そうな顔でドラえもんを見る。

 

「いや、そうじゃないんだ。タイムマシンのメーターは確かに22世紀を差しているんだ。」

 

「なぁんだ、ちゃんと着いたんじゃないか。」

 

「それが変なんだ。22世紀に着いたんならドラミが心配して連絡してくるはずなんだよ。それなのに連絡が全く来ない・・・・・」

 

「もしかして、さっきの歪みに入ったせいで壊れちゃったんじゃないかしら?」

 

「うん、そうかもしれない・・・・・・でも、どの道すぐには元の時代へは帰られそうもないよ・・・・・・・」

 

ドラえもんはボロボロになってしまったタイムマシンを見る。白亜紀の時に比べれば修理の余地はあるがここでは修理のしようがない。

 

「じゃ、じゃあ、僕たち・・・・・・このまま帰れないの?」

 

「そんな!そりゃあ、ないぜ。」

 

「いや、少し部品を取り換えれば動くようにはなるよ。ただ・・・・・今は夜で視界も悪いし、場所が悪い。もう少し見栄えがいいところへ移動して修理をしよう。」

 

ドラえもんはタイムマシンをポケットにしまうと人数分のタケコプターを出す。

 

「とりあえず近くに町がないか調べてみよう。」

 

「うん。」

 

全員頭にタケコプターをつけると森から飛行を始める。少し上昇するとドッペルタウンが見えた。

 

「見て、街があるわ!」

 

「はあ・・・・・・随分大きな街だね・・・・」

 

「ドラえもん、ここがお前の生まれた22世紀なのか?」

 

「いや、僕の生まれた22世紀はもっと機械化が進んでいたよ。それにしてもこの世界は一体・・・・・・とにかく街に人がいるかもしれない。行ってみよう。」

 

ドラえもんたちは飛行しながらドッペルタウンを目指す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドッペルタウン

 

ドラえもんたちは街に着くと早速人を探し始めた。

 

「おかしい・・・・・・・誰もいない。」

 

「こんにちわー!誰かいませんか!?」

 

あまりの静けさにジャイアンの声が虚しく響く。

 

「もしかしてここゴーストタウンじゃないの?」

 

「いや、それにしては町があまりにもきれいすぎる。」

 

ドラえもんは一つのビルに指をさす(とは言っても指はないが)。

 

「ほら、あのビルの状態を見てごらん。最近できたばかりだ。それに周りの建物も同じように新品同然だよ。」

 

「じゃあ、最近まで人はいたという事か。」

 

「でも、どこへ行っちゃったのかしら?」

 

「ドラえもん・・・・・・早く帰ろうよ・・・」

 

ドラえもんにしがみついて玉美は言う。余程さっきの揺れが怖かったらしい。

 

「うん・・・・・・・でも、代用できる部品が見つけない以上は帰れないからね・・・・・機械の部品が置いてありそうな店を探して手に入れないと。」

 

「よーし!それじゃあ、探検と行こうぜ!!」

 

「行くって誰と?」

 

「そりゃあ、俺とスネ夫。ドラえもん、しずかちゃんと玉美ちゃんの二手でだ!」

 

「えぇ~!?」

 

「何だよスネ夫!文句あるのか!?」

 

「い、いや・・・・そんなことはないよ・・・・」

 

スネ夫は不満そうな顔をしながらもジャイアンに文句を言う事はなかった。

 

「そうだね、ジャイアンの言う通りここは二手に別れよう。」

 

ドラえもんはポケットの中から道具を取り出す。

 

「空気砲!もし危ないのに会ったらこれで威嚇して逃げるんだ。」

 

「まっかせとけ!!」

 

ジャイアンは空気砲を受け取ると右手に着ける。

 

「とりあえず30分後にさっきの森で合流しよう。この街が安全とは限らないからね。」

 

五人は二手に別れて街の探索を始める。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???

 

『人間がのこのことこの街に来るとはな・・・・・・』

 

薄暗い研究室の中で一人の老人型レプリロイドが街を探索しているドラえもんたちの姿を見ている。

 

『・・・・・・しかし、あのタヌキのようなレプリロイド。あのお方の報告にあった赤いチビのメカニロイドとよく似ている。もしや、イレギュラーハンター・・・・・・・・ケインが作った新しいタイプのレプリロイドか?』

 

老人型は、メンテナンスカプセルを開く。

 

そこには二体のレプリロイドが眠っていた。

 

『目覚めよ、ヴァジュリーラ。マンダレーラ。』

 

老人型が言うと二体のレプリロイドの目が光る。

 

『最初の仕事だ。あのタヌキのようなレプリロイドを捕まえてこい。できるだけ無傷でな。』

 

二体はドラえもんの姿を見る。

 

「・・・・・・奴の周りにいる人間はいかがいたしますか?」

 

『放っておけ。あんなガキどもに興味はない。それに直にイレギュラーハンター本部への強襲作戦が開始される。抵抗するのなら殺してしまっても構わん。』

 

「わかりました、Dr.ドップラー。」

 

「我ら“ナイトメアポリス”必ずや任務を果たしてまいりまする。」

 

そう言うと二体は一瞬にして姿を消す。ドップラーは、再び椅子に座ると首を傾げる。

 

『・・・・・・そう言えば、街のバーでは奴がまだ寛いでいたな。邪魔をせねば良いが・・・・・・・・』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドッペルタウン ジャイアン&スネ夫ペア

 

「ジャイアン・・・・・もう、この辺探し回っても誰もいないよ・・・・・・」

 

スネ夫は周りをビクビクしながら確認する。反対にジャイアンはまじめに探し回っていた。

 

「何言ってやがんだ。部品がなくちゃ帰れないんだぞ、お前も真面目に探せ。」

 

「そんなこと言ったって・・・・・・・・」

 

「おっ?」

 

ジャイアンの動きが止まる。いきなり止まったためすぐ後ろを飛んでいたスネ夫はジャイアンにぶつかってしまう。

 

「いた・・・・・・いったいどうしたの?」

 

「あれを見ろよ。」

 

ジャイアンの見ている先にはバーがあった。他の建物とは違って中から明かりが見えている。

 

「人がいるかもしれないぜ。」

 

「でも、なんか怪しいよ。ここまで街はずっと無人なのにこの店だけ開いているなんて・・・・・・」

 

「ゲームでだって酒場は情報を集めるのにぴったりの場所だろ?だったら覗きに行く価値はあるぜ。」

 

「もう・・・・・・僕は知らないからね。」

 

二人は、降りてバーの中へと入って行く。中は薄暗く人がいる気配が全く感じられない。

 

「やっぱり誰もいないのかな?」

 

「ごめんくださーい!!」

 

「わあぁ!?」

 

ジャイアンが大声を出したためスネ夫は慌ててジャイアンの口を塞ぐ。

 

「なにしやがんだよ!」

 

「もし変なのがいたらどうするのさ!」

 

「こっちには空気砲があるんだ。心配ねえって。」

 

「でも・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『うるせえな・・・・・・・・・誰だ?騒いでいる野郎は?』

 

「「!?」」

 

店の奥から声が聞こえてきた。そして、2人に向かってくる足音が聞こえだす。しかし、それは人間の足音ではなくロボットの歩く音だった。

 

「な、なにが来るんだ・・・・・・」

 

『うぅ・・・・・・また頭が痛んでくる・・・・・野郎に殴られて死んでからずっと響いてくる・・・・・・酒で誤魔化そうとしてもいつまでも感じる・・・・・・・・・・』

 

足音はどんどん近づいてきた。

 

「ジャイアン、まずいよ・・・・」

 

「・・・・・とりあえず威嚇で一発撃つ。そして、相手が怯んだら一気にドラえもんが言った場所に逃げるぞ。」

 

ジャイアンは、空気砲を構えて現れる敵に備える。はっきり言えば射撃はそこまで得意なわけではない。それでも相手を怯ませることぐらいはできると考えた。

 

「スネ夫、逃げる準備はできているか?」

 

「わかってるよ。」

 

やがて店の中から何者かが出ようとする。

 

「行くぞ!」

 

ジャイアンは、空気砲を構えて相手に向かって撃つ。しかし、相手の方は別の物に見えていた。

 

『エックスか!!』

 

相手は肩に備え付けられているキャノン砲を構えてレーザーを放った。レーザーはスネ夫のすぐ脇を通り過ぎると後ろにあったビルが破壊され倒壊して行った。一方で相手は空気砲をまともに受けてもビクともしていない。

 

「く、空気砲が効いてない!?」

 

『そんな玩具で勝てると思っているのか?』

 

相手は薄暗くなった闇の中で一つの光を灯して迫ってくる。

 

「ジャイアン、ヤバいよ!」

 

「お、おう!逃げるぞ!!」

 

ジャイアンとスネ夫は急いでその場から離れて行く。

 

『おい待て・・・・・っ痛!?まただ・・・・・・・また痛みが・・・・・・・・』

 

店の外に出てきたレプリロイドはまた頭を押さえてその場に倒れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドッペルタウン ドラえもんペア

 

「ん?あっちの方で何か騒がしい音が!?」

 

爆発音が聞こえてドラえもんたちは足を止める。

 

「武さんたちに何かあったのかしら?」

 

「心配だな、一回戻ってみよう。」

 

ドラえもんたちは反転してジャイアンたちがいる方へと向かおうとする。

 

その直後、三人の目の前に突然黄色いボディに額には勾玉、飛鳥文化の人みたいな髪型という奇抜な外見のロボットが立ちはだかった。

 

「わっ!?なっ、なんだ!?」

 

慌てて元来た道を引き返そうとするが後ろには既に別の赤いボディにチョンマゲをした、力士のような巨漢のロボットが待ち伏せていた。

 

「な、なんなんだコイツらは!?」

 

「怖いよ~!!!」

 

玉美は泣きながらドラえもんに抱き着く。

 

「貴方たちは何者なんですか?」

 

しずかが聞くと黄色い方のロボットが先に答えた。

 

「私の名はヴァジュリーラ。偉大なるドップラー博士によって生み出されたレプリロイドだ。」

 

「「レプリロイド?」」

 

「同じく、我が名はマンダレーラ。ドップラー博士の生み出した『ナイトメアポリス』なり!」

 

「「ナイトメアポリス?」」

 

聞き覚えのない単語にドラえもんたちは動揺する。

 

「ナイトメアポリス・・・・・・・悪夢警察か・・・・・・・一体僕たちが何をしたというんだ!?」

 

「理由などない。ドップラー博士はそこのタヌキ。お前に興味をお持ちだ。」

 

「僕はタヌキじゃない!!」

 

ヴァジュリーラの言葉にドラえもんは怒る。

 

「フン、まあいい。博士からの命令で貴様を連行する。」

 

「なんだって!?」

 

「覚悟!」

 

マンダレーラとヴァジュリーラは一斉にドラえもん目掛けて襲い掛かってくる。ドラえもんたちは慌てて避けて逃げ始めるが二人の移動速度は尋常にない速さだった。

 

「まずい!あの二人のロボット・・・・・・僕たちよりも速い!」

 

「ドラちゃん、何か道具はないの!?」

 

「えっと・・・・・待ってて!!」

 

ドラえもんは急いでポケットから道具を出そうとする。スモールライトで小さくするという手もあるがあの動きの速い相手だ。当てる前に捕まってしまう。

 

「えっと、空気砲!!」

 

ドラえもんは咄嗟に空気砲を装備してヴァジュリーラに照準を向ける。

 

「ドカーン!!」

 

空気の砲弾はヴァジュリーラ目掛けて飛んでくる。

 

「フン!」

 

ヴァジュリーラは、ビームブレードを展開して空気砲の砲弾を叩き斬った。

 

「ダメだ!奴に有効な道具が見つからない・・・・・・」

 

「フン!!」

 

マンダレーラが勢いよく体当たりをかましてくる。三人は急いでバラバラになって事なきを得たがマンダレーラはビルに激突して辺りは砂ぼこりだらけになる。

 

「みんな、早くこっちへ!!」

 

ドラえもんたちはすぐに別のビルの陰に隠れる。砂埃が晴れるとヴァジュリーラとマンダレーラは三人を探し始める。

 

「奴らめ・・・・・・どこへ行った?」

 

「どこかに潜んでいる可能性がある。」

 

「よし、別れて探すぞ。見つけ次第捕獲だ。」

 

「御意。」

 

2人が分かれて探し始めたのを見るとドラえもんはまたポケットから道具を出す。

 

「石ころぼうし!」

 

石ころぼうしを三人分取り出し、頭に被る。

 

「これで僕たちの姿は見えないはずだよ。見つからないうちにさっきの森まで急ごう。」

 

三人は再び移動をし始める。ヴァジュリーラとマンダレーラは周囲を探し回っているが見つけられない。

 

「奴等・・・・・・まさかもう逃げ切ったとでもいうのか?」

 

「慌てるなマンダレーラ。あの移動速度だ。そう遠くへは行っていないはずだ。」

 

「では、どうしたというのだ?」

 

「姿を消せるとしたらどう思う?」

 

「ん!?」

 

「現にレプリロイドの中には姿を消せるものもいる。私にはそう言う輩に対処するための機能がある。」

 

ヴァジュリーラの目が赤く変化する。そして、しばらく辺りを見回すと不意に一角に目を止める。

 

「・・・・・・・あそこか。」

 

ヴァジュリーラは、捕縛用のリングを投げる。捕縛用のリングは高速で移動し、透明化しているドラえもんを捕らえた。

 

「うわあぁ!?」

 

「ドラちゃん!?」

 

ドラえもんの悲鳴を聞いてしずかは足を止める。

 

「ドラえも~ん!!」

 

「しずかちゃんたちは早く逃げて!!」

 

ドラえもんは自分に構わず逃げるように言う。しずかは戻ろうとする玉美を抱くと急いで逃げて行った。

 

「ドラえも~ん!!」

 

玉美は必死に呼びかけるが最後に見たのは石ころぼうしを外されて二人に連れて行かれるドラえもんの姿だった・・・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドッペルタウン 郊外の森

 

「ドラえもん・・・・・・ドラえもぉおん・・・・・・・」

 

玉美は泣きながらしずかと一緒に最初に来た森へと戻ってきた。現場にはジャイアンとスネ夫が先に待っていた。

 

「お、おい!?ドラえもんはどうしたんだ!?」

 

ジャイアンはドラえもんの姿がない事に驚く。しずかは申し訳なさそうに言う。

 

「私たちを庇って二人組のロボットに捕まってしまったの・・・・・・・」

 

「何だって!?それじゃあ、僕たちはドラえもんの道具なしで一体どうやって帰ればいいんだ!?」

 

「喚くなスネ夫!」

 

「喚きたくなるじゃないか!!僕たちはこのわけわからない世界に取り残されちゃったんだぞ!?それをどう・・・・・」

 

「二人ともやめて!」

 

言い合いになっていた二人をしずかは必死で止める。

 

「喧嘩したところでドラちゃんは戻ってこないのよ?今はどうやってドラちゃんを助け出すのかを考えるのが大事なんじゃないの?」

 

「そ、それはそうだけど・・・・・」

 

「そうだ!まず、ここにいるとしずかちゃんたちを襲った連中が追いかけてくるかもしれねえ。一旦、場所を変えて態勢を立て直そう。」

 

「うん・・・・・でも、どうする?僕たちの手元にあるのはタケコプター、空気砲、石ころぼうしだけだよ?」

 

「今までいろんな冒険があったけどどうにかなっていただろ?」

 

「そ・・・・・・それは・・・・・・」

 

「よし!それじゃあ、ドラえもん救出のために行くぞ!!」

 

ジャイアンの言葉で四人は移動を始める。タケコプターだと見つかる危険性と電池切れがあるため、あえて徒歩で移動する。幼い玉美は長時間の移動が困難なため疲れた場合はジャイアンが背負って移動することに。

 

四人は、半日かけて移動するがこの世界に着いてからまともに食事をとっていなかったこともあり、疲労がどんどんたまっていく。

 

 

「はあ・・・・・・・腹減ったな・・・・・・」

 

「仕方ないよ。今の日から見てもう昼時だから2食分はとっていないんだから。」

 

「スネ夫・・・・・お前なんか持っていないか?」

 

「持ってるわけないでしょ・・・・・・」

 

四人はフラフラしながらも歩き続ける。そして、しばらくすると一本の道路に出る。

 

「しめた!これに沿って歩いて行けばきっと別の街に行けるはずだよ!」

 

「でも、またあの危ないロボットたちみたいなのが出てきたら・・・・・・」

 

「この際ロボットでも何でもいいよ・・・・・俺、腹ペコペコ・・・・・」

 

四人がそう嘆いていると一台のライドチェイサーが走ってきた。

 

「あっ、バイクだ・・・・・・・」

 

「お~い~助けてくれ~・・・・・・・」

 

「私ももう・・・・・ダメ・・・・・」

 

四人はその場で倒れてしまった。それに気がついたのかライドチェイサーは四人の前で止まる。

 

「なんだ?こいつ等は・・・・・・」

 

ライドチェイサーから降りてきたのはゼロだった。ゼロは、倒れている四人を確認すると通信機で呼びかける。

 

「こちらイレギュラーハンター ゼロ。倒れている人間を四人見つけた。現場からしておそらくドップラー軍に襲われて逃げてきたものだと思われる。至急じじ・・・・・・じゃなくて、ケイン氏と問い合わせてくれ。」

 

ゼロは、連絡すると救急班が来るまで四人を見る。

 

「はあ・・・・・・・ホーネックの奴がいなくなってから碌なことにならねえな。エックスたちには散々奢らされるし、ビートブードの野郎には白い目で見られるし・・・・・はあ。早く戻って来い、もう青汁の刑は受けてもいいから・・・・・・・・・」

 

ゼロはため息をつきながら空を見上げた。

 

 

 

 

 

 

 




次回、ジャイアンたちが驚愕する。

ドラえもんの誕生が2112年。
ロックマンXの時代が21XX年。

何気に時代がほぼ一致しているんだよな・・・・・・。

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