ドラえもん のび太の転生ロックマンX   作:赤バンブル

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X3オープニングステージ。

ゲームと違う点もあるので注意。


マオー・ザ・ジャイアント

『こちら、イレギュラーハンター本部!ドップラー軍の攻撃を受け、応戦中!!本部周辺のイレギュラーハンターは直ちに帰還し、応戦に当たれ!繰り返す!本部周辺のイレギュラーハンターは・・・・・』

 

現在ハンターベースはドップラー軍の攻撃を受けていた。対するイレギュラーハンターは応戦に当たっていたがドッペルタウン周辺の警戒によって各地に人員を割いてしまっていたため、劣勢を強いられていた。

 

「撃て撃て!敵が既に内部に潜り込んでいるんだぞ!!これ以上内部への侵入を許すな!!」

 

「「「はい!!」」」

 

ビートブードの指揮の元17部隊は対空砲火でメカニロイドをこれ以上寄せ付けないようにしていた。

 

「おりゃ!!」

 

マンドリラーは巨大な瓦礫を放り投げてメカニロイドを撃ち落としていく。

 

「副隊長!外の方は防戦一方です!負傷者も増えてきてこのままだと抑えきれません!」

 

ビートブードは通信機でマーティと連絡を取る。

 

『もうすぐエックスとゼロがそっちにつくはずよ!アタシも内部に侵入した敵を撃退しているからアンタたちも頑張って!』

 

「了解。おい、もうすぐ隊長たちが合流する!それまで何とか持ちこたえるぞ!!」

 

「「「「はい!!」」」」

 

「マンドリラー、もっと敵に瓦礫を投げろ!」

 

「わかったよ~!ほい!」

 

マンドリラーは、さらに瓦礫を投げて行く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、市街地でもメカニロイドによる爆撃が行われていた。

 

幸いシティ全体に警戒態勢を敷かせていたこともあって住民の避難は完了している。エックスは、本部へと向かいながらも飛行中のメカニロイドたちを次々とフルチャージショットで撃ち落としていた。

 

「ドップラー軍め!!こんな市街地まで攻撃するなんて!!」

 

本部へと向かうメカニロイドに飛び乗り、バスターを連射して内部を破壊していく。途中、同じく現場に駆け付けたゼロも飛び乗ってサーベルでメカニロイドの動力を破壊する。機能を失ったメカニロイドは勢いよく落下し、2人はハンターベースの目の前で離れて着地する。

 

「エックス、俺は本部周辺の敵を片付ける。お前は内部を頼む。」

 

「あぁ、敵の数も相当だ。お互い気をつけて行こう。」

 

二人は別れて、ゼロは外へエックスは内部へと乗り込んで行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ハンターベース 通路

 

マーティは警戒しながら通路を移動していた。

 

「・・・・・・この辺はもうイレギュラーはいなくなったようね・・・・」

 

彼女はバスターショットを構えながら歩き回っていると煙で見えないところから何か物音がした。

 

「!?まだ敵が!!」

 

彼女はバスターショットで威嚇射撃をする。

 

「うわぁあ!?いきなり撃ってきたぞ!?」

 

「だからいきなり出てきたらダメだって言ったじゃないか!」

 

「?」

 

反撃する様子がないため、彼女はバスターショットをしまって槍を展開して近づいて行く。すると煙の中からミニドラが飛び出してきた。

 

「ドラララ!」

 

「ミニドラ!?アンタ、どうしてこんなところに・・・・」

 

「ドララ!」

 

ミニドラが来た方を見るとジャイアンたちが両手を挙げていた。

 

「人間?」

 

「あの・・・・・俺たち、テンプラー軍じゃありません・・・・・。」

 

「テンプラーじゃなくてドップラー軍だよジャイアン。」

 

「ジャイアン!?」

 

スネ夫の言葉を聞いてマーティは反応する。

 

「アンタたち・・・・・・・もしかして人間だった時のエックスの知り合い?」

 

「えっ!?何故気づいたの!?」

 

「いや、アンタたちのことはエックスが思い出話で話してくれていたから。」

 

「あののび・・・・エックスさんのお知り合いですか?」

 

しずかは見た目のせいかマーティを少し警戒して質問する。

 

「あ、アタシ?アタシはマーティ、第17精鋭部隊副隊長のA級ハンターよ。」

 

「スネ夫、マーティなんてキャラゲームにいたか?」

 

「いや、聞いたことないよ。そもそもXシリーズは女性キャラがいないのが事実だし。」

 

「ところでなんでアンタ達がここに・・・・・ん?はい、こちらマーティ。」

 

マーティが話しかけたとき彼女の通信機に着信が入る。

 

『マーティ副隊長~まずいことになったよ~。』

 

「マンドリラー?一体何があったのよ!?」

 

「「マンドリラー!?」」

 

『巨大なメカニロイドが本部に向かって迫ってきているんだよ~。いくら撃ってもキリがないしこっちに突撃して来るのも時間の問題なんだな~。』

 

呑気そうに言っているがそれどころではないのは確かなようである。

 

「わかったわ、アンタ達はできるだけ守りを固めて!アタシも中の敵を一通り片づけたら合流するから!」

 

『あっ、後もう一つ。エックス隊長が本部の中へ入ったそうです~。』

 

「エックスが!?」

 

『外ではゼロ隊長も応戦してくれているみたいだけどどこまで持つか・・・・・』

 

「とりあえず何とか持たせといて。無理だったらその場を放棄して本部から脱出しなさい!」

 

マーティは通信を切ると四人の方に向き直る。

 

「四人ともアタシに付いて来て!急いで本部の外に出るわよ!」

 

「一体何があったんですか?」

 

「巨大なイレギュラーがここを目指して来ているの。ここを攻撃されたら堪ったもんじゃないわ!急いでエックスを見つけるわよ!!」

 

マーティは四人を連れてエックスを探し始める。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ハンターベース 留置所

 

「おーいー、一体何がどうなっていやがんだよー。」

 

留置所に監禁されているカメリーオは拘束されたまま何が起こっているのか看守に聞こうとするが誰もいないため聞けずにいた。

 

「ミーたちはこのまま生き埋めってか!?冗談じゃない!?」

 

「・・・・・・・」

 

隣の部屋ではギーメル、さらにその隣にはザインが閉じ込められている。二人が騒いでいる間にも天井が崩れるのではないかと心配していた。かと言っても武装は既に没収されてしまっているため出られない。

 

「ニニニニ~!!俺はこんなところで死にたくねえ!!頼むから出してくれ~!!」

 

「もう、悪いことしないって誓うからどうか出してくれ~!!」

 

「・・・・・・・・・万事休すか。」

 

三人が言っている中、留置所の入り口が開いた。

 

「「「!?」」」

 

入口の方を見るとそこにはマックが立っていた。マックはゆっくり歩きながらカメリーオの部屋の前で止まる。

 

「・・・・・・・」

 

「マック!?てめえ何しにここへ来た!?俺の死にざまを笑いに来たって言うのか!?」

 

「し、死!?やっぱりミーたちはここで殺されるのか!?」

 

「・・・・・・」

 

マックは黙って牢の鍵を開けるとカメリーオの拘束を解く。

 

「に?」

 

「・・・・・これでお前は自由の身だ。」

 

「てめえ・・・・どこの風の吹き回しだ?」

 

「お前にはドッペルタウンに行ってもらう。」

 

「ドッペルタウン?最近噂に聞いていたドップラーが作ったって言う平和都市か?なんでそんなところへ・・・・・」

 

「そこへ行けば偉大なるドップラー博士がお前にさらなる力を授けてくださると言っておられるのだ。」

 

「・・・・・・条件は?」

 

「いいから行け。好き勝手にするのは構わないがまたエックスに無様に負けるだけだぞ。」

 

「・・・・・・ちっ。」

 

カメリーオはマックから端末を受け取るとマップを確認し始める。

 

「このルートを行けばいいんだな?」

 

「あぁ。ここはもうすぐ陥落する。急いで行け。」

 

「ににに・・・・・・・俺を逃がしたことを後悔するんじゃねえぞ!」

 

カメリーオは光学迷彩を使って姿を消す。それを確認するとマックはギーメルとザインの方を見る。

 

「お前たちにも利用価値がある。お前たちが乗るというのなら自由にしても構わんぞ?」

 

「ほっ、本当か!?」

 

「・・・・・っで、何をすればいい?」

 

マックから武器を受け取ると二人は留置所から出て行く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ハンターベース 戦闘機格納庫

 

「この辺りはもう敵はいないようだな・・・・・」

 

エックスは周囲を確認しながらメカニロイドを破壊し終える。

 

「ん?」

 

戦闘機の裏で人の気配がしたためエックスはバスターを再展開して近づいて行く。

 

「動くな・・・・・!?」

 

しかし、姿を見るやエックスはバスターを戻す。そこにはマックがギーメルとザインを拘束し終えていたところだった。

 

「きみは ゆくえふめいになっていたマック じゃないか。」

 

「・・・・・・」

 

「マック、ドッペルタウンから逃げられたのか?ホーネックは・・・・・・・・!?」

 

エックスがマックに近づこうとしたときマックはバスターから拘束用プラズマブラスターを放つ。不意打ちされたことによりエックスは、身動きがとれなくなった。

 

「・・・・・フッフッフッフ、相変わらず甘いなエックス。」

 

「ぐあぁ!?マック!こ、これは一体・・・・・・・・」

 

「ケケケ!ミーたちが捕まったと思ってやっぱり油断しやがったな!!」

 

ギーメルは笑いながらザインと共に自分でロープを解く。捕まったふりをしていたのはエックスを油断させるためだったのだ。

 

「俺は、もうイレギュラーハンターではなく、ドップラー軍の一員だ。こいつ等も含めてな。」

 

「何だと!?」

 

「ケケケ!ミーたちはあんな薄汚いドブネズミの住処からおさらばできるならどこだろうと構わないぜ!!」

 

「・・・・・・お前の首が取れないというのは残念だがな。」

 

三人はエックスを見下ろしながら言う。

 

「悪いがお前を捕獲する。」

 

輸送用のメカニロイドがエックスを捕らえると浮遊しながら移動を始める。

 

「ケケケ!無様なもんだな!!」

 

「・・・・・アイツはどうするんだ?」

 

「さあな、ドップラー博士の命令だから詳しいことは俺にもわからん。だが・・・・・・」

 

「マック!!」

 

「ん?」

 

マックは聞き覚えのある声に顔を向ける。

 

そこにはジャイアンたちを連れたマーティがいた。

 

「これはこれは・・・・・・・お久しぶりですな、マーティ副隊長殿。」

 

「マック、アンタ・・・・・・自分が何やってんのかわかってんの!!」

 

「えぇ・・・・・俺はもうイレギュラーハンターじゃありませんからね。」

 

激怒しているマーティに対してマックは冷淡に答える。ジャイアンたちは運ばれていくエックスの姿を見て唖然としていた。

 

「この野郎!!のび太をどこへ連れて行く気だ!!」

 

「?」

 

ジャイアンはその辺にある鉄パイプを手に取るとマックに向かって行こうとする。

 

「あっ!ジャイアン無茶だよ!?」

 

「武さん、危ないわ!」

 

「武お兄ちゃん!」

 

「・・・・・やれ。」

 

「フン!」

 

マックの命令でザインは大剣を床に叩きつけて衝撃波を起こさせる。すると天井が崩れ始め、瓦礫が降り注ぐ。

 

「みんな、伏せて!!」

 

マーティの叫びで四人は伏せる。その間にマックたちはギーメルの凧に乗ってその場から脱して行った。

 

「ケッケッケケケケ!!ざまあねえな鬼マーメイド!!そこでてめえの彼氏がノコノコ攫われていくのを眺めているんだな!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

少しして、振動が収まるとゼロが天井の穴から降りてきた。

 

「さっきの振動は何だったんだ?エックスからの通信が途切れたから妙だと思って来てみたが・・・・・・・・」

 

辺りを見回してゼロは、エックスが残した僅かな反応を頼りに移動しようとする。

 

「キイィィイイイイイイイイイ!!あのクソイレギュラー!!!」

 

瓦礫の中からマーティが出てきた。

 

「マーティ!?お前、無事だったのか?」

 

「ゼロ!・・・・・はっ!エックスは!?」

 

マーティは、エックスを探すべく辺りを見回す。その後からジャイアン達が命からがら瓦礫の中から出てくる。

 

「くそ!みんな、怪我はないか!?」

 

「僕は大丈夫だよ。」

 

「私も。」

 

「玉美も大丈夫だよ。」

 

「ドラララ・・・・・・・」

 

「お前たち・・・・・なんでこんなところに?」

 

ジャイアン達を見てゼロは驚く。民間人である彼らがここにいること自体が驚きだがよりによってマーティと一緒に瓦礫の中から出てくるとは思わなかった。

 

「あっ!ゼロさん。」

 

「お前たち、こんなところで何をしている?民間人はさっさと避難しろ。」

 

「そうは行かねえ!のび太を助けるんだ!!友達をこのまま見捨てるわけには行かないんだ!」

 

「のび太?・・・・・・・・お前たち、じじいから聞いたのか。だが、そういうわけにもいかない。人間を危険な目に遭わせるわけには行けないからな。」

 

「そんなこと言わずに頼むよ!こうしている間にものび太が・・・・・・」

 

ジャイアンは土下座して頼み込む。

 

「・・・・っと言われてもな。俺とマーティはともかくお前たち移動手段がないだろ?」

 

「あっ、それならタケコプターで何とかなります。」

 

四人は揃いに揃ってタケコプターを出した。口で言っても止められないと悟ったのかゼロはため息をつきながら四人を見る。

 

「・・・・・仕方ない。但し、俺たちから離れて勝手な行動をするんじゃないぞ?何かあっても責任は取れないからな。」

 

「「「「は~い!わかってま~す!」」」」

 

「ドララ~!」

 

 

 

 

 

 

 

六人は、天井から落ちてくる瓦礫に気をつけながら移動をした。メカニロイドはゼロとマーティが破壊し、ジャイアンたちはとにかく二人の迷惑にならないようにミニドラから受け取ったミニ空気砲をビッグライトで大きくして使っていた。

 

「ミニドラから道具を出させる奴を見たのは初めてだな・・・・・」

 

自分たちが相手の時はエックスの躾もあってか何も出さないにもかかわらず彼らに対しては力を貸しているのだ。それだけ彼らとエックスの絆は強いのだと何となく納得できた。

 

壁を昇って部屋に入るとマックたちが拘束していたエックスを転送装置にかけようとしていた。

 

「マック!」

 

「何ッ!?あの瓦礫の中で生きていただと!?」

 

やってきたゼロたちにマックは動揺する。

 

「キー!!二度も牢屋に戻ってたまるか!!」

 

「・・・・死ね!」

 

ギーメルとザインは、一斉にゼロたちに襲い掛かる。

 

「ダブルチャージウェーブ!!」

 

ゼロは、フルチャージショットを二発連続で放つ。ギーメルは吹き飛ばされるもののザインは大剣でどうにか持ちこたえる。

 

「コイツ・・・・・」

 

「アタシがいることを忘れているんじゃない?」

 

「!?」

 

ザインが防御を解くと目の前でマーティが槍を構えていた。しかし、槍の刃先がビームを帯びていた。

 

「な、なんだその槍は・・・・・」

 

「チャージロッド!!」

 

マーティがザインの体に槍を突き刺すと槍は彼の体を貫通して壁の方へと固定して動きを封じる。

 

「がああぁぁぁぁ!!!」

 

「ちっ!どいつもこいつも役立たずばかりだ!!」

 

マックは再び拘束用プラズマブラスターをゼロたちに向けようとする。

 

「そうはさせるか!!」

 

「何ッ!?」

 

ジャイアンは先ほど拾った鉄パイプでマックの顔面を殴りつける。

 

「があああああ!!!目が!目があぁ!?」

 

ダメージで視覚センサーが故障したのかマックはもだえ苦しみ始める。ジャイアンはすかさずパイプでマックの後頭部を叩きつけた。

 

「あ・・・・・・あぁ・・・・・・」

 

マックは、気を失ったのかその場で倒れる。ゼロは、輸送用メカニロイドをサーベルで破壊し、エックスを開放する。エックスは一瞬跪いたもののすぐに立ち上がる。

 

「大丈夫か、エックス?」

 

「あ、ありがとうゼロ。おかげで助かったよ。」

 

「礼ならマーティとあいつらに言うんだな。はっきり言って俺一人だったら脱走していた二人はどうにかなったのかもしれないがマックにやられていたかもしれないからな。」

 

「アイツら?」

 

エックスは、ゼロに後ろにいるジャイアンたちを見て目を丸くする。

 

「じゃ、ジャイアン!?スネ夫!?しずかちゃんまで!?」

 

エックスは信じられない光景に一瞬見間違いなのではと思ってしまう。自分がのび太だった頃と比べて大分変わっているがすぐに三人だとわかった。ジャイアンたちは心配そうな顔でエックスの前に来る。

 

「のび太、大丈夫か?」

 

「!?み、みんな・・・・・どうして俺のことを・・・・・・」

 

「ケイン博士って言う人にあなたのことを聞かせてもらったの。」

 

「いや、驚いたな・・・・・・のび太がロックマンXだなんて。」

 

「みんな・・・・・・・」

 

エックスは思いがけない再会に涙目になりかけていたが先にジャイアンが号泣し始めた。

 

「うおぉ~!!心の友よ~!!会いたかったぜ~!!」

 

「うわぁ!?」

 

ジャイアンに抱きしめられてエックスは苦しそうだった。

 

「全く俺たちよりも先にいなくなっちまうなんて・・・・・・・・・こっちの身にもなれよ・・・・・」

 

「はっ、ははっはは・・・・・相変わらずだな、ジャイアンは。」

 

「でも、のび太とまた会えるなんで思ってもみなかったな。」

 

「スネ夫・・・・・」

 

「姿は違うけどのび太さんに会えるなんて・・・・・本当に夢みたいだわ。」

 

「しずかちゃんまで・・・・・・・」

 

エックスは久しぶりに見た三人を見て嬉しそうだった。そして、マーティの後ろに隠れている玉美に気がつく。

 

「?あの子は?もしかして、しずかちゃんの妹?」

 

「違うわ。あの子は・・・・・・」

 

その直後、エックスに通信が入る。

 

「ん?こちら、エックス。」

 

『エックス隊長~!!助けてください!!もう巨大メカニロイドがハンターベースのすぐ目の前にまで迫っています!!』

 

「なんだって!?分かった!すぐに俺も外に出る。」

 

エックスは通信を切ると三人に向き直る。

 

「みんな、すまない。直ぐに行かなくちゃいけないんだ。話はまた後にしよう。」

 

「何言ってんだ!お前ひとりに任せられるかよ!俺たちも一緒に行くぜ!!」

 

「ジャイアン、でも・・・・・・」

 

「俺たちは親友だ!敵の一人や巨人の二体や三体が来たって逃げたりはしないぜ!なっ、スネ夫?」

 

「えっ!?う・・・・・うん・・・・・・」

 

「・・・・・・確かに今から外に出ても間に合わないな。しずかちゃんはその子と一緒にマーティと来てくれ。二人は俺とゼロと。」

 

「よっしゃあ!大船に乗った気でいてくれよ!!」

 

「・・・・・・全く、ジャイアンったら・・・・・・」

 

「バカというべきか勇敢というべきか・・・・・・お前の仲間は不思議な連中だな。」

 

一同はハンターベースの屋上へと向かって行く。屋上に辿り着くと既に超大型メカニロイド マオー・ザ・ジャイアントがすぐ目の前にまで迫っていた。

 

「あれは・・・・・・ドッペルタウンの平和のシンボルのはずのメカニロイドじゃないか!?」

 

「ドップラーの奴・・・・・・どうやら本気でここを潰す気みたいだな。」

 

「なんだい!あんなでっかいロボット、さっさとやっつけちまおうぜ!」

 

「そんな簡単に言わないでよっ!?僕たちの何十倍あると思っているんだよ!?」

 

一同がそんなことを言っている間にもジャイアントは腕に装着されている鉄球を発射してきた。

 

「みんな、避けるんだ!!」

 

全員急いで回避する。エックスはその間にもバスターを構え、急所を探すべく攻撃し始める。

 

「かなり装甲が分厚いな・・・・」

 

ジャイアントは、そんなエックスたちに構わずハンターベースを攻撃する。ジャイアンとスネ夫は鉄パイプをバットの代わりにしてジャイアントの攻撃でできた瓦礫をバッティングでジャイアントにぶつける。

 

「こんにゃろう!!」

 

「ジャイアン・・・・・・いくら何でもあんな大きいロボットに瓦礫は通じないよ・・・・・」

 

「喋ってる暇があったらさっさと瓦礫を集めろ!のび太を援護するんだ!!」

 

「そんなこと言ったって・・・・・・・」

 

「スネ夫さん、今はできることをやりましょう。」

 

「う、うん。」

 

しずかに言われてスネ夫は渋々作業を再開する。そして、そのうちの一つが頭部の目に入るとジャイアントは一瞬動きが遅くなった。

 

「あれ?アイツ、突然動きが鈍くなったよ?」

 

「そうか!あいつは顔が弱いのか!!」

 

ジャイアン達の声を聴いてエックスは目標を顔に集中させる。ジャイアントは頭部を攻撃されるたびに動きが鈍くなり、攻撃もだんだん遅くなってきた。

 

「よし、これで決められる!」

 

エックスは、ゼロとマーティと並んでバスターをチャージする。

 

「「ダブルチャージショット!!」」

 

「ダブルチャージウェーブ!!」

 

三人の攻撃が命中するとジャイアントの頭部が吹き飛びさらにボディの方も誘爆し崩壊をし始めた。

 

「「「やった~!!」」」

 

「ドララ!」

 

「やった!やった!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ハンターベース 屋上 朝

 

「はあ・・・・・・・・・どうにか乗り切れたな・・・・・」

 

エックスは、腰を下ろして朝日を眺めていた。直ぐ近くではマーティとゼロが見ている。

 

「おーい!のび太~!」

 

「のび太~!」

 

「のび太さ~ん!」

 

そこへジャイアン達もやってくる。エックスは腰を上げると四人の方を見る。

 

「ジャイアン、みんなありがとう。おかげで何とか本部を守れたよ。」

 

「いいってことよ!親友なんだからよ!」

 

「でも、のび太もカッコよかったな・・・・・ゲームのエックスのまんまだよ。」

 

「のび太さんカッコよかったわ。」

 

「いや~、しずかちゃんに褒められるなんて~。」

 

エックスは昔ののび太のようなしぐさをして照れる。それを面白くないと思ったのかマーティは不満そうな顔でエックスの隣に立つ。

 

「エックス。」

 

「ん?」

 

エックスは、少し不満そうなマーティの顔を見てギョッとする。

 

「ま、マーティ?一体どうしたんだ?」

 

「・・・・・その子に褒められて何照れてんのよ?」

 

「えっ?いや、別にそんな深い意味は・・・・・・」

 

「・・・・ふ~ん。」

 

マーティはしかめっ面をしてその場を後にしよとするが足元でくっついている玉美を見て足を止める。

 

「・・・・・・ところでエックス。この子は誰なの?」

 

マーティは、玉美を抱き上げるとエックスに見せる。

 

「いや、俺もわからないんだ。しずかちゃんの従妹かい?」

 

「もう・・・・・空気が読めないな、のび太は。」

 

「もっと別な解釈はないのか?」

 

「?」

 

スネ夫とジャイアンの反応を見てエックスはキョトンとする。

 

「その子はね・・・・のび太さんの妹なのよ。」

 

「妹・・・・・・・・・・妹!?」

 

「えっ!?」

 

しずかの言葉を聞いてエックスとマーティは驚く。後ろにいたゼロも少し驚いているようだった。しずかはとりあえずいきさつを教える。

 

玉美は、のび太・・・・つまりエックスが亡くなってすぐに生まれた子でのび太の存在自体は両親から聞いていたとのこと。そして、一度も見たことがない兄に会ってみたいと思っていたことを話してくれた。

 

「俺の妹か・・・・・・・・どうもいまいちピンとこないな・・・・・・」

 

エックスは戸惑いながらも玉美を見る。玉美はマーティから放してもらうとエックスのことを興味津々に見ていた。

 

「・・・・・・・えっと・・・・・玉美ちゃん・・・・・でいいかな?」

 

エックスは玉美を見ながら言う。

 

「・・・・・お兄ちゃん。」

 

「ん?」

 

「のび太お兄ちゃんなんだよね?」

 

「・・・・・・まあ、姿はすっかり変わったけど。」

 

エックスは、困った顔をしていたものの玉美は嬉しそうだった。

 

「お兄ちゃん!!」

 

玉美は思い切ってエックスに抱き着いた。エックスは少し驚いたものの嬉しそうに抱き着いてきた玉美を優しく撫でてあげた。

 

「・・・・・・確かによく見てみるとママとパパに似ているような気がするな。」

 

「はっははは。」

 

「ねえ、アタシにも見せてよ。」

 

 

 

 

 

その様子を見ている三人は、少し不思議に思ったことがあった。

 

「・・・・・なあ、スネ夫。」

 

「何?ジャイアン。」

 

「気になっていたんだけどよ・・・・・・マーティさんってのび太とどういう関係なんだ?」

 

「さ、さあ?」

 

「ん?じじいから聞いていなかったのか?あの二人、恋人同士なんだぞ。」

 

「「恋人同士!?」」

 

ゼロの言葉を聞いて唖然とする三人であった。

 

 




次回からボス戦かそれとも別のエピソードにするか・・・・・迷うな。

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