今回はおまけコーナーを設けました。
好評だったら続けるかもしれませんが不評だったら消す予定です。
レプリロイド研究所
ガレス本拠地と思われる施設内に侵入したゼロたちは、数々の罠を潜り抜けながらも施設を守護しているガーディアンたちを撃退して行った。
『『侵入者、侵入者、排除、排除！』』
「くっ！デカい割には攻撃に隙がないな！」
目の前に迫ってくる巨大なスフィンクスのような姿をした巨大戦車の猛攻にゼロは近づけずにいた。
『『排除！排除！排除！』』
巨大戦車 イーサ＆ソウェルは、ゼロに向かって光弾を発射して来る。バスターが使えるのであればフルチャージショットで相殺させることも可能だが今のゼロには実質避けることしかできない。
「ひらりマント！」
ドラえもんは、マントをポケットの中から取り出し、ゼロの前に立つ。
「ひらり！」
『『グッオッ！？』』
自分の撃った光弾が戻ってきたことにイーサ＆ソウェルは驚いたように見える。
「ひらり！」
ゼロに目掛けて飛んできた光弾を次々と跳ね返し、ドラえもんはイーサ＆ソウェルの目の前までエアダッシュで急接近する。
「ギガクラッシュ！！」
『『ウゥッ！？』』
目の前で衝撃波を起こされたことで二つの顔に罅が入り、イーサ＆ソウェルの動きが鈍くなる。ゼロは、とどめとばかりに地面を殴りつける。
「アースゲイザー！！」
その瞬間周囲全体に爆風が立ち上り、イーサ＆ソウェルを吹き飛ばした。
『『グオォォオオオオオオ！！』』
イーサ＆ソウェルは、顔が割れたことを苦しむかのような悲鳴をあげながら爆発して行った。
「危なかった・・・・・・」
ドラえもんは、バスターを戻してゼロの元へと行く。ゼロの方もアースゲイザーの使用でかなり体力を使ったようだ。
「すまなかったな、お前の援護がなかったらお陀仏だった。」
「なに、これくらいのこと。のび太くんがいつもお世話になっているんだから当然のことだよ。」
遠くから観戦していたジャイアン達も駆けつけてくる。
「ドラえもん！ゼロ！大丈夫か！？」
「いやぁ・・・・・さっきは危なかったね。」
「あぁ・・・・・・だが、これで奴らの防衛についていたガーディアンはほとんど壊滅だ。後はガレスを・・・・・・」
パチパチパチ・・・・・
「「「「「！？」」」」」
突然聞こえて来た拍手に一同は思わずギョッとする。
「素晴らしい戦いぶりだったわ。やっぱり、私が目に付けたことはあるわね。」
上を見上げると魔女のような容姿をした女性型レプリロイド、そして、その隣ではガレスが腕を組んで浮遊していた。
「ガレス！？そして、もう一人は！？」
「おばさん、誰？」
「お、おばっ！？」
ジャイアンの一言で女性型は愕然とする。
「ジャイアン、レプリロイドは年を取らないんだからおばさんって呼んじゃダメだよ。」
「だって、見た雰囲気がおばさん臭いだもん。」
「・・・・・・プッ。」
愕然としている女性型の隣でガレスは聞こえないぐらいでこっそり笑う。女性型は、動揺したもののすぐに咳払いして平静を装う。
「・・・フ、フッフフフフフ。遂に来てくれたわね坊やたち。私が復活させたガーディアンをこうまであっさりと片付けちゃうとはね。」
「貴様は何者だ！」
「私は、ベルカナ。簡単に言っちゃえば今回の事件の首謀者と言ったところかしら？」
「えっ！？そっちの騎士型じゃなかったの！？」
「・・・・まあ、考えてみれば首謀者が一人だとは考えられなかったからな。」
「やい、この魔女野郎！罪のねえレプリロイドたちの命を奪っておきやがって！！」
ジャイアンは、ベルカナに向かって怒鳴りつける。
「そうだ！レプリロイドだって一人一人がかけがえのない命なんだ！それを奪う事は許されないぞ！」
「クスクス・・・・・・意外に近くで見てみると可愛い顔をしているタヌキね。」
「僕はタヌキじゃない！！」
笑うベルカナに対してドラえもんは怒る。
「フフフフフ・・・・・別に無意味にレプリロイドのソウルを奪ったりはしないわ。み～んな、私たちのパワーの役に立って死んでいったのよ。ただ、ひたすら人間のために生きて行くより余程役に立ったと思わない？」
「そんな・・・・・・なんてひどいことを。」
ベルカナの言葉に対してしずかは彼女の冷酷さを思い知らされる。
「ここで立ち話をしているのも仕方ないわ。私とガレスの部屋に来てゆっくりと話さない？私の部屋はこの階の上、ガレスは少し下の方にあるわ。どちらに行きたいかは坊やとタヌちゃんに任せるわ。」
「だから、僕はタヌキじゃないって！！」
「ウフッフフフフ、では御免あそばせ。」
ベルカナは笑うと転送装置でその場から消える。
「・・・・・・ゼロ、来るのはお前の自由だが私は、貴様との決着を望む。待っているぞ。」
そう言い残すとガレスも転送装置を使ってその場を後にした。
「ゼロさん！ここは二手に別れましょう！！僕はあの女の方へ行きます！！」
ドラえもんは鼻息を荒くして言う。
「僕のことタヌちゃんって・・・・・・ううう！！！」
「・・・・・・わかった。俺もあぁいう女は苦手だからな。ベルカナはお前たちに任せる。」
「無茶はしないでくださいよ。」
「あぁ。じゃあ、また生きて会おう。」
ゼロは一足先に飛び、この先へと進んで行く。
ドラえもんはポケットから何やら物騒な武器をジャイアンたちに渡す。
「はい！ジャイアンは『ジャンボガン』、スネ夫君は『熱線銃』、しずかちゃんは『地球は・・・・・」
「落ち着けよドラえもん！？」
怒り狂ったドラえもんを見てジャイアンたちは必死に落ち着かせようとするのであった。
ドラえもんルート
まだ怒りが収まらないドラえもんに怯えながらもジャイアンたちはベルカナが待ち構えている部屋に辿り着いた。時間が随分経ってしまっているせいか部屋に入り込むと暇つぶしに読書をしていた。
「あら？やっと来たのね、タヌちゃん。待っていたわよ。」
「また・・・・・」
「あ～ああ！！そんなことより早く善良なレプリロイドたちのＤＮＡソウルを開放するんだ！！」
ドラえもんの言葉を無理矢理遮らせてスネ夫はベルカナに向かって言う。
「お、おうよ！それとイレギュラーのものはとっとと捨てちまいやがれ！！」
「貴方達も無駄な話が好きなようね。そんなことを言われたら余計反抗したくなるわ。さあ、私の研究の成果を試させてちょうだい。最後の実験よ！」
ベルカナは、宙を舞い、杖から光弾を飛ばしてくる。
「うわぁあ！？」
そのうちの一発がドラえもんに命中する。
「どうしたのタヌちゃん？もっとあなたの本気を見せてちょうだい！」
「もう～！！！こうなったら、もう容赦しないぞ！！喰らえ！！」
ドラえもんはバスターを展開してベルカナに向けて撃つ・・・・・・・・・
「あら？」
ところがバスターはなぜが発射されなかった。
「ど、どうしたんだよドラえもん！？」
「バスターが出ない・・・・・・」
「えぇ！？」
「もしかしてさっきの攻撃で壊れちゃったの！？」
「フッフフフフフ・・・・・どうかしら？私の攻撃に当たればそのレプリロイドはどんどん機能が麻痺して最終的にはただの人形になるのよ。」
「「「「なっ！？」」」」
「貴方は特別に私の抱き枕にしてあげる。さあ、行くわよ！」
ベルカナは、ニコニコしながらドラえもんたちに攻撃する。
「「「「うわあぁぁぁぁぁ～！！」」」」
「待ちなさ～い！」
「「「「わあああぁぁぁああ～！！」」」」
「逃げても無駄よ～！」
ドラえもんたちはとにかく必死に逃げ惑うがベルカナが空中に浮遊している以上逃げ場がない。
「スネ夫、お前何か考えはないのかよ！？」
「無茶言わないでよ！？こんな時にドラえもんに一発逆転の策なんて・・・・・・・！でも、ちょっと待てよ・・・・」
スネ夫はポケットの中をいじり始める。
「もう逃げられないわよ！」
壁際に追い詰められ目の前では目を光らせるベルカナが迫り来る。
「あわわわわわわわ・・・・・」
「よし！これなら！」
スネ夫はポケットの中から何かを取り出し、ベルカナに向かって投げる。それは、ベルカナのとんがり帽子の上にくっつく。
「あら？何かしら？」
ベルカナは帽子に付いたそれを手に取ってみる。その瞬間、ドラえもんの顔が真っ青になった。
「ぎゃああああああああああああああ～！！！」
「「あっ！」」
それを見てジャイアンとしずかは悟った。
ベルカナの手にあるもの。
それは、スネ夫が気まぐれで組み立てたネズミの玩具だった。ハンターベースにいた時、たまたま暇つぶしで作ったものだ。まだ、未完成のため動きはしないが見た目はネズミそのものだった。
「ネズミィ～！！！！」
ドラえもんはポケットから巨大なあれを取り出してベルカナに向かって投げる。
「えっ？」
「みんな伏せろ！？」
ジャイアン達はスネ夫の叫びでその場で伏せる。
ドガァァアアアン！！！
ものすごい爆発が起こり、一同は吹き飛ばされそうになりながらも必死に床にしがみつく。レプリロイド研究所は爆発の勢いで一部が吹き飛んだ。
「「「・・・・・・ドラえもん？」」」
三人は恐る恐る顔をあげてドラえもんを見る。顔は真っ黒になっているもののアーマーのおかげで無事だった。
対するベルカナは
「ケフッ・・・・・・・ゴフッ・・・・・」
全身真っ黒こげになり、風に吹き飛ばされた紙のようにヨレヨレと降下して、その場に倒れた。
「・・・・・死んだのかな？」
スネ夫は、ベルカナの杖を拾って彼女を突いてみる。反応する様子はない。気を失っているのか本当に死んでいるのかはわからないが。
「と、とにかく・・・・・これでいいのかな？」
「でも、肝心のＤＮＡソウルはどこにあるんだ？」
三人は倒れているベルカナの体を調べ始める。しばらく探すと身体の回路から恐ろしいほど輝いているＤＮＡソウルが見つかった。
「うわぁ・・・・・こんなに光ってんの。」
「これ作るのに一体どれだけのレプリロイドたちを利用したのかしら？」
「まあ、いいじゃねえか。これでこっちの仕事は終わり。早くゼロの所へ急ごうぜ！」
倒れたベルカナをそのままにしてジャイアンたちは移動しようとする。
「あれ？ドラえもんなんで動かないの？」
全く動く様子を見せないドラえもんにスネ夫たちは近づいて行く。よく見ると白目を剥いて気絶をしていた。
「気絶してるわ。」
「世話が焼けるな・・・・・」
ジャイアン達は仕方なく、ドラえもんを背負ってガレスの部屋を目指して行った。
〈おまけコーナー〉
コントパロディ「ネオ・アルカディアの母ちゃん」
注意！
・このコーナーはかの伝説のお化け番組のコントのパロディです。
・基本的にはマーティ⇒母ちゃん、ネオ・アルカディア四天王⇒子供
・エックスはおそらく出ません。
・キャラ崩壊
・この未来になるとは言っていない（つまりパラレルワールド）
22XX年。
レプリロイド同士に長きに渡る戦い「イレギュラー戦争」は「妖精戦争」へと移り変わり多くのレプリロイド・人間が犠牲となった。戦争終結後、エックスは、「レプリロイドと人間の理想郷」を目指して「ネオ・アルカディア」を建国した。しかし、そのすぐ後にエックスは消息を絶つ。
ネオ・アルカディア 中枢部
「あ～あ～。今日もいい天気ね～。」
ネオ・アルカディアの中にある神殿の外で青いローブを纏ったマーティが空を見上げながら箒で掃除をしていた。
「マーティ様！そんなことをされなくても我々でやりますから！」
「いいの！アンタ達は早く次の仕事をやってなさい。」
「し、しかし・・・・・」
「それにもうすぐ子供も戻ってくるんだから。いいじゃない。」
「は、はあぁ・・・・・・・」
部下であるパンテオンたちは、オドオドしながらも次の作業へと戻って行く。
妖精戦争が終り、犯罪者「ドクター・バイル」をあるレプリロイドと共に追放してまだ日が浅い上にネオ・アルカディアの秩序はまだまだ不安定だ。まだ、安心できない日々を送りながらも彼女たちは一歩一歩未来を歩んでいた。
「・・・・・エックス・・・・貴方、今どの辺にいるのよ・・・・・もう。私たちを置いて！」
「お～い～！お母さん～！！」
そこへ翠緑アーマーのレプリロイドが走ってきた。
「お腹空いた！なんかない？」
「こら。」
マーティは、箒で彼の頭を軽く叩く。
「いたっ！？」
「お行儀しなさい、ハルピュイア。帰ってきたら『お～い！』じゃなくて『お母さん、ただいま』。ちゃんと言いなさいって言ったでしょ？」
「ごめんなさい。」
「ほら、もう一度ちゃんとやってみなさい。」
「は～い。」
ハルピュイアは、一旦距離を取り直して戻ってくる。
「お母さん、ただいま。」
「はい、よくできました。」
マーティは、ハルピュイアの頭を撫でながら言う。
「いい子にするのよ。」
「は～い。」
「お母様～！！」
ハルピュイアが家に入って行くと今度は青色のアーマーを纏った女性型レプリロイドが走ってきた。
「お小遣いちょうだい！」
「帰ってきていきなり何言ってんの！」
マーティが箒で叩こうとすると少女はUターンしてまた戻ってくる。
「ちゃ〇買うからお小遣いちょうだい！」
「何なの！？その態度は！」
マーティの攻撃を回避して少女はまた催促する。
「ねえ、100ゼニーでいいから・・・・・・・」
「だから、頼む態度じゃ・・・・・あら！？」
箒で攻撃しようとすると少女は軽くジャンプして回避し、マーティは滑る。
「レヴィアタン！！」
「はいっ！？」
流石に怒ったマーティにビビったのかレヴィアタンと呼ばれた少女はビビる。
「もう！アンタは兄弟の中一人女の子なんだからしっかりしないと駄目でしょ。」
「は～い。」
「あら？ファントムはどうしたの？一緒に帰ってくると思ったけど？」
「ファントムならお母様のすぐ後ろにいるわよ。」
「えっ？・・・・・うわぁあ！？」
マーティはすぐ後ろにいた仮面を被ったレプリロイドに驚く。
「ただいま、帰りました母上。」
「ファントム・・・・・・貴方は普通に帰ってくるってことができないの？」
マーティは落ち着きながらファントムを見る。
「でも、母上が言っていたではありませんか。父上の様になりたかったら修行しろと。」
「場所をわきまえてやりなさい！もう・・・・なんでもやればいいってわけじゃないのよ。」
マーティがため息をついていると赤いアーマーのレプリロイドがヨロヨロと困った顔で近づいてきた。
「あの～～～」
「はい？」
「ちょっと聞きてえぇんだけど・・・・・・」
「はぁ。なんでしょう？」
「エックスさんのお宅はどこだ？」
「ここですけど。」
「あぁ・・・・・ここが俺の家か。」
「「「「ブッ！？」」」」
レプリロイドの反応に四人は滑る。
「こら、ファーブニル。」
「はい？」
「アンタはまだ自分のお家が覚えられないの？」
「ちょっと忘れちまってたの。」
「もう・・・・アンタは遠くに遊びに行くんじゃないの。」
「ごめんなさい。」
「ほら、アンタもお行儀よくして・・・・・」
「はい。」
ファーブニルは、ハルピュイア同様に距離を置いて戻ってくる。
「お母ちゃん、またいだ。」
ズデッ！？
ファーブルは滑ったマーティの上をまたいでいく。
「誰が母さんを跨げって言ったの！？」
「えっ？違うの？」
「お母さん、ただいまって・・・・・」
「お母ちゃん、まただいた・・・・・」
「お母さん、ただいま！」
「オカマちゃん、また抱いた。」
「オカマじゃないの！お母さん、ただいま！！」
「おかさま、まただのたの・・・・・・・おかさま・・・・・・わぁ！」
混乱してファーブニルは思わず叫ぶ。その光景にマーティは呆れながらもファーブニルの頭を撫でながら優しく言う。
「・・・・いい？ファーブニル。」
「うん？」
「病院のドップラー先生が言ってたよ。」
「なにを？」
「アンタはね・・・・・お父さんと同じぐらい体が丈夫なんだって。」
「そうなのか？」
「だけどね・・・・・目の前のことに夢中になると他のことが考えられない癖があるの。」
「あらま。」
「お母さんね、アンタのことよくわかっているからこれ以上は言わないけどもうちょっと、覚える努力するのよ。」
「あいよ。」
「ほら。みんな、こっちに来て。お母さん、さっきまでお掃除してたんだからみんなお手伝いしてちょうだい。」
「「「は～い。」」」
ハルピュイアたちは、箒を持ってマーティの手伝いをする。
結婚してもうすぐ100年。
マーティは、四児の母になっていた。
次回はガレスとシグマ戦かな？
最近スランプ気味で執筆の進行が遅いけど何とか頑張るつもりです。