ドラえもん のび太の転生ロックマンX   作:赤バンブル

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シグマ戦。


アルティメット

ファイナル・ウェポン 動力室

 

「シグマ!!」

 

エックスは武装を構えてシグマが占拠している動力室へと乗り込む。動力室では不気味な動力音がひたすら響き、シグマが全身を黒いローブで覆いながら死神のように待ち構えていた。

 

「待っていたぞ、エックス。そして、ゼロ。後、十数分もすればこの兵器はハンターベースに向けて照射される。そして、次々と世界各地を火の海へと変えていく。素晴らしいシナリオだと思わんかね?」

 

「素晴らしい・・・・・・・なんて言うと思ってんの?アンタのその壊滅的な発想には反吐が出るわ!」

 

「何?」

 

「アンタは兄貴も含めて多くのレプリロイドの命を弄んできた。最初は人間への宣戦布告・・・・・・・それがいつの間にか同じレプリロイドにすら矛先を向けるなんてアンタのために死んだ兄貴に申し訳が立たねえよ!」

 

「シグマ隊長・・・・・俺はアンタの考えていることは昔からよくわからなかったよぉ。・・・でも、今は少しだけわかる気がするよ。アンタは、間違ったことをしているってね。」

 

挑発的に言うマーティとビートブードに対して、マンドリラーはペースを崩さずに言う。

 

「クックッククク・・・・・人間の飼い犬の分際でよく吠える。今の自分たちが人間に飼いならされているに過ぎんと言うのがわからんとはな。」

 

「ふざけんじゃねえ!このケツアゴハゲ!何度も生き返ってゴキブリ以上にしぶといんだよ!!」

 

「土下座すれば可愛げがあるけど流石にしつこいぞ!」

 

「ふん、愚か者共め。身の程を知るのは貴様らだ!!宇宙の塵となるがいい!!」

 

シグマは、鎌を構えて姿を消す。

 

「消えた!?」

 

「ど、どこに行ったの!?」

 

「あ、あそこだ!」

 

「喰らえ!」

 

一同の背後に一瞬で回ったシグマは、複数の電気玉を飛ばす。エックスたちは回避しながらも攻撃を行うが攻撃はすべてローブに防がれてしまう。

 

「無駄だ!そりゃああああ!!」

 

「うわっ!?」

 

またもや背後に姿を現したシグマの鎌をドラえもんはしゃがんで避ける。

 

「くっ!龍炎刃!!」

 

ゼロは、シグマが消える寸前に龍炎刃を仕掛ける。するとローブの一部が燃え始め、シグマは慌てて姿を消す。

 

「みんな、どうやらあのローブは火に弱いようだ。次に姿を見せたときに一斉に仕掛けるぞ!!」

 

「おのれ・・・・ならば仕掛けられる前に動くまでよ!」

 

シグマは、そう言うと先ほどよりも早く動こうとする。しかし、空中に浮いていたのが仇となった。

 

「チャージバグホール!!」

 

ジェネラルの時のようにビートブードは、小型ブラックホールをシグマの真上に発生させる。シグマは、身動きを一瞬とはいえ封じられる。

 

「ぬっ!?」

 

「アンタがいなくならない以上兄貴やオストリーグのような犠牲者が次々と現れる。怒りの業火に焼かれろ!」

 

「「ダブルライジングファイア!!」」

 

「ファイアチャージショット!」

 

「龍炎刃!」

 

エックス、ドラえもんのフルチャージライジングファイア、マーティのファイアチャージショット、ゼロの龍炎刃でシグマは凄まじい業火に包まれる。

 

「ぬう・・・・・・・これで終わりと思うな!!」

 

シグマは焼かれたローブを自ら破り捨てその全貌をさらす。ボディは各所の装甲が分厚く全身が筋肉質な体付きとなっており、今までと印象が異なる。

 

「いいぞ!楽しませてくれるな、ハンター共!!だが、新たなボディを得たこの私の攻撃を躱しきれまい!」

 

シグマは、先ほどまで使っていた鎌を回転させながら投擲する。エックスたちは鎌を避けるがゼロは、そのすきにシグマの懐にまで急接近する。

 

「疾風牙!!」

 

「ぬおっ!?」

 

ゼロの反撃に驚きつつもシグマはジャンプをして戻ってきた鎌を手に取る。

 

「私を甘く見るなよゼロ!」

 

シグマは鎌を床に投擲して突き刺す。すると鎌のビーム刃から電流が床全体に走り出す。

 

「タケコプター!!」

 

ドラえもんはポケットから複数のタケコプターを取り出してみんなに投げる。ジャイアンたちは、受け取るとすぐに頭に取り付け浮遊して回避するがアイリスは手を滑らせて落としてしまう。

 

「あっ!」

 

「クッククク・・・・・・カーネルの元へ逝くがいいアイリス!」

 

「アイリス!」

 

ゼロは電流がアイリスに到達する寸前に彼女を抱きかかえて空円舞で二段ジャンプする。

 

「かかったなゼロ!」

 

シグマは空中で自由に身動きが取れないゼロを見て肩や脚などに装着された小型のブーメランを複数飛ばす。ブーメランはゼロの背中に次々と突き刺さる。

 

「ぐうぅっ!?」

 

「ゼロ!!」

 

「フッフフフ・・・・痛かろう。エックスと違い貴様は強化アーマーを装着していないのだからな。」

 

「シグマ!!」

 

エックスは、シグマに向かってフルチャージライトニングウェブを放つ。

 

「むっ!?」

 

「必殺石頭!!」

 

ドラえもんは、身動きを封じられたシグマのボディに向かって頭突きを行う。シグマのボディはいともたやすく貫通した。

 

「ぬうぅ・・・・・ここまで強固にしたボディをあっさり貫くとは・・・・恐るべし石頭・・・・・」

 

「今だ!全員で総攻撃だぁ!!」

 

「「おぉ!!」」

 

「今度こそくたばりなさい!!」

 

「ブラララアアアアア!!」

 

腹部に穴をあけられて動きが鈍くなったシグマに向かって全員で総攻撃を仕掛ける。攻撃で次々と体が吹き飛ばされシグマは徐々に追い込まれていく。

 

「こ、こんなバカなことが・・・・・・・・」

 

「のび太!とどめを刺せ!!」

 

「しっかり決めろよ!!」

 

エックスはアーマーに蓄えられたエネルギーを全開放してシグマに向かってノヴァストライクを仕掛ける。

 

「今度こそ!消えてなくなれ!ノヴァストライク!!」

 

「ぬおおおおおぉおぉっぉ!!」

 

シグマはエックスのノヴァストライクのエネルギーに耐え切れず大爆発した。エックスはエネルギーを消耗してふらつきながらもゼロの元へと行く。

 

「ゼロ、大丈夫かい?」

 

ゼロは、アイリスに必死の手当てを受けているがここまでの戦闘によるダメージもあり、傷口は痛々しいものだった。

 

「心配するなぁ・・・・・・ちょっと無理しただけだ・・・・・・」

 

「ごめんなさい、ゼロ。私のせいで・・・・・・・」

 

「悪いのは僕の方だよ。ちゃんとタケコプターを投げなかったばかりに。」

 

ドラえもんは申し訳なさそうに言う。

 

「おい、ドラえもん。タイムふろしきはねえのか?」

 

「すみません。今故障気味だからケイン博士に預けちゃってるの。」

 

「こんな時に使えないんだから・・・・あ、あら!?」

 

スネ夫が文句を言いかけた時、床が崩れ落ちエックスたちは、下の空洞へと落とされる。

 

「みんな、怪我は!?」

 

「俺たちは大丈夫だ!」

 

「エックス隊長!あれを!」

 

ビートブードは目の前を指さして叫ぶ。そこには頭部にシグマの巨大な顔を刻んだビーム砲を装備したメカニロイドが待ち構えていた。

 

「シグマ!」

 

「アンタ、一体どれだけやれば気が済むのよ!?」

 

流石のしぶとさにエックスとマーティは呆れたような口調で言う。

 

「フハハハハッ!!どうだ凄まじいパワーは!!このまま全員そろってとびっきりの恐怖を味わいながら宇宙の海へ散るがいい!!」

 

「くっ・・・・・・」

 

シグマガンナーのビーム砲を回避しようとするエックスたちだったが突如目の前に三機のシグマの顔を模したオブジェが現れる。その内の一機にぶつかりエックスは壁に打ち付けられる。

 

「ありっ!?」

 

青いオブジェの冷凍ガスでマンドリラーはたちまち凍ってしまう。

 

「マンドリラー!?」

 

ビートブードはすぐに救出しようとするが真上に待機していた黄色のオブジェの電気玉をもろに受けてしまう。

 

「うわぁあ!?」

 

「コイツ!」

 

マーティは、ラッシュに乗りながらオブジェを破壊するがすぐに全く同じ姿をしたものが現れる。

 

「無駄だ!このオブジェはいわゆる私の体の一部同然。私が意識すれば何度でも蘇るのだ!!」

 

「この野郎!卑怯なマネしやがって!!」

 

『複数を相手に卑怯もあるかね?』

 

「わぁあ!?出た~!!」

 

床に出現したシグマの巨大な顔を見てジャイアンたちは慌てて逃げていく。アースシグマはまるでどこぞのピンクボールのように周囲の瓦礫を吸い込み始め、エックスたちに向かって発射する。

 

「ゼロ危ない!きゃあっ!?」

 

「アイリス!」

 

ゼロを庇い彼を押しのけたアイリスは瓦礫に両足を吹き飛ばされる。

 

「アイリス!」

 

ゼロは急いでアイリスを回収する。

 

「大丈夫か!?」

 

「平気。でも、もう歩けない。」

 

「俺から絶対に離れるなよ・・・・・・うわあ!?」

 

ゼロはアイリスを抱きかかえながら瓦礫を受ける。

 

「ゼロ隊長!?アイリスさん!?ぐわわああっ!?」

 

二人を助けようとするホーネックも赤いオブジェの攻撃で燃える。

 

『ワオォッ!?』

 

「きゃあっ!?」

 

「マーティ!」

 

ラッシュが被弾して墜落するマーティをエックスは急いで回収する。

 

「怪我は?」

 

「大丈夫よ・・・・・でも、エックスの方もエネルギーが・・・・・」

 

二人はシグマの猛攻に追い詰められていく仲間たちを見る。もうすでに自分たちも攻撃を受け、全滅してもおかしくない。

 

「・・・・・・ここまで来たというのに・・・・俺たちはここでやられるのか・・・・・・」

 

「エックス・・・・・・」

 

悔しい表情をするエックスを見てマーティは何も言えなくなる。最終手段である波動拳と昇龍拳はここで使うのにはリスクが高い。使えば全員そろって宇宙に放り出されてしまう危険性がある。かと言ってこのままでは全滅するのを待つようなものである。

 

「何か・・・・・・何か方法はないのか・・・・・ここで諦めるわけにはいかないのに・・・・・・」

 

その一方ではどんなにダメージを受けてもアイリスを手放さず戦うゼロ。

 

「ゼロ、私のことはいいから!これ以上私を持ったまま戦ったら・・・・・・・」

 

「俺は、諦めない!カーネルや・・・・多くの仲間の命を弄んだ上に奪ったこの戦いに終止符を撃つために負けられないんだ!!そして・・・・・・お前と一緒に未来を掴んで見せる!!平和な未来を!!」

 

「ゼロ・・・・・・・」

 

「フン、平和な未来だと?イレギュラーであったお前が良く言うわ。」

 

「落ちぶれた貴様が言う事か!!」

 

ゼロは空いた右腕で思いっきり地面を殴りつける。

 

「アースクラッシュ!!」

 

「ぬうっ!?」

 

衝撃波でアースシグマは怯む。

 

「くっ・・・・・・・・アイリス、俺と一緒に戦ってくれ!!」

 

「えぇ!」

 

ゼロはジャンプをするとセイバーを痺れて力が入らない右腕でアイリスと一緒に持ってアースシグマの顔に突き刺す。

 

「「氷烈斬!!」」

 

「小賢しい!!」

 

アースシグマは、瓦礫を吐き出し、ゼロたちを吹き飛ばす。

 

「うわあぁあ!!」

 

「きゃああ!!」

 

「ゼロ!アイリス!!」

 

エックスは吹き飛ばされる二人を見て唖然とする。

 

「俺たちだって諦めねえぞ!!」

 

ジャイアンたちも秘密道具をもって勇敢に立ち向かっていく。

 

「俺も腕取れちゃったけどまだ戦えるよ。」

 

氷漬けになった影響で利き腕が取れてしまったマンドリラーも残った腕をドリルに変形させて攻撃を再開する。

 

「兄貴・・・・・俺は絶対にあきらめない!!隊長たちとみんなとこの世界を!!」

 

ビートブードもボロボロになった体に鞭を撃って挑んでいく。

 

「・・・・・・・みんな。」

 

エックスはあきらめない仲間たちを見て自分も願うようになる。

 

(頼む・・・・・・・何か・・・・・何かこの事態を打開できる方法がある筈だ。この世界を・・・・・・・未来を掴むための・・・・・・)

 

『・・・・・・その意気じゃ、エックス。』

 

「「!?」」

 

突然聞こえてきたライトの声にエックスとマーティは驚く。

 

「ら、ライト博士!?」

 

「ど、どこにいるのよ!?ここにはカプセルはないのに!?」

 

『エックス。この力は本来あってはならないものだがとうとうお前に渡すときが来たようじゃ。禁断の力ともいえる究極のアーマー・・・・・・アルティメットアーマーを与える時が。』

 

「アルティメットアーマー?」

 

『アルティメットアーマーはその名の通り、お前の潜在能力、特に戦闘能力を限界以上に引き出すために作り上げたものじゃ。未完成であるゆえにお前の体に激しい消耗を与えてしまう事になるが・・・・・・』

 

「ちょっと待ってよ!?ってことは・・・・・・最悪な場合エックスが死ぬ危険性もあるって言う事なの!?」

 

『その心配はない。じゃが、体に大きな負担がかかってしまうのは確実じゃ。』

 

「・・・・・構いません。博士、俺にその力を与えてください。」

 

「エックス、アンタ自分で・・・・・・・」

 

「俺は、もう誰も死なせたくはない。君やゼロ、ドラえもん達を守るために・・・・・・」

 

「エックス・・・・・・わかったわ。でも、絶対に無理しちゃダメよ。」

 

マーティはそう言って顔にそっとキスをするとエックスから離れる。

 

『・・・・では、フォースアーマーのプロテクトを解除して本来の姿に戻す。いいな?』

 

「はい。」

 

〈プロテクト解除、承認。“アルティメットアーマー”、再構築〉

 

フォースアーマーがカプセルに入った時のように分解され、新たな形状となって再構築されていく。

 

「う、うぅう!?」

 

「エックス!」

 

凄まじい力に押されながらもエックスはコントロールしようとする。

 

「う、うおぉおおおお・・・・・・・」

 

かつてドップラーの反乱で「鬼」に目覚めたときのように力に呑み込まれそうになりながらも自分を失わず、アーマーの再構築を続行させる。純白だったアーマーが徐々にダークブルーに染まったものへと変化していく。

 

「ウオオオオオオオオオオオ!!!」

 

アーマーの再構築が完了し、エックスは、目を開けてゆっくりと立ち上がる。その眼は破壊衝動に押されることなく優しさと強さを兼ね備えた戦士の眼だった。

 

「・・・・・さあ、出動だ。」

 

背中のブースターを利用してエックスは、シグマに向かって飛んでいく。シグマは、その手数の多さで今にも一同にとどめを刺そうとしていた。

 

「とどめだ・・・・・・何ッ!?」

 

突如目の前に現れた無数のエックスにシグマは動揺する。

 

「これは・・・・・ソウルボディか!?しかし、どれが本も・・・・・・」

 

「うおぉ!!」

 

動揺している隙にエックスは、シグマガンナーに向かってプラズマチャージショットを放つ。プラズマの威力はフォースアーマーと比べ物にならないほど向上し、シグマガンナーの両腕を捥ぎ取った。

 

「なんだと!?だがこちらにはオブジェが・・・・・・・」

 

「ノヴァストライク!」

 

エックスはすかさずオブジェにノヴァストライクを繰り出す。すかさずよみがえったオブジェに対しても繰り出し、オブジェは次々と破壊されていく。

 

「馬鹿な!?その技は一回が限度のはず・・・・・・」

 

「このアーマーは何度でも撃つことができる!俺の体が持つ限り!!」

 

エックスは、アースシグマに向かってバスター口部からビームブレードを発生させて顔面に突き刺す。

 

『グオッ!?』

 

「戦う相手を間違えたな、その顔を剥いでやる!!」

 

ブレードでシグマアースの表面を剥ぎ取ると口内にグランドハンターを乱射する。アースシグマはたちまち大爆発を起こす。同時に動力炉にも影響が出たらしく非常警報が鳴りだした。

 

「クックックックッ・・・・・・・・・」

 

両腕を失ったシグマガンナーはまるで勝ち誇ったかのように笑い出す。

 

「何がおかしい!?」

 

「クックックッ・・・・・・・確かに今度も私の負けのようだ。ここまで追い詰めておきながら。だが、この兵器は既に地球への攻撃準備を完了した。最早誰にも止めることはできん!」

 

「くそ!」

 

「フハッハッハッハ!!さらばだエックス!ゼロ!愚かなハンターどっ!?」

 

シグマが笑いきる前にエックスはビームブレードでシグマの顔面を一刀両断する。

 

「エックス!?」

 

「・・・・・・俺の手でもう一度地獄に落ちろ・・・・・シグマ。」

 

シグマが完全に爆発して消滅するとエックスはその場に倒れる。

 

「エックス!?」

 

マーティは急いで駆け寄る。

 

「・・・・・・流石究極のアーマーだよ・・・・・・短時間の使用で体が思うように動かない・・・・・・」

 

「グスッ・・・・もう、バカ。」

 

マーティは涙目で彼を抱きしめる。一同は何とか動力室に戻ろうと部屋を出るとそこにはジェネラルが待っていた。

 

「ジェネラル将軍!?」

 

「アイリスか・・・・・・どうやら、我々はシグマにまんまと利用されてしまっていたようだ。カーネルも含め、君にもすまないことをしてしまったな・・・・・・」

 

「そのことはもういい!それよりもこの兵器を止めるのが先決だ!」

 

「早くしないと地球が危ないよ!?」

 

ドラえもんたちはエックスを背負ったマーティも含めて向かおうとするがジェネラルは巨大なボタンを渡す。

 

「これは?」

 

「私のシャトルの簡易転送装置だ。それを使えば全員で私が使っていたシャトルに転送され、ここから脱出できる。」

 

「将軍は!?将軍はどうするおつもりなんですか!?」

 

「・・・・・・・この兵器を止める方法は一つだけ残されている。それは私自身が動力炉に身を投げて自爆させることだ。」

 

ジェネラルは、顔を青ざめるアイリス含めるドラえもんたちを見ながら言う。

 

「ま、待ってください!?僕たちもお手伝いしますから・・・・・・・」

 

「残念ながらもう時間は残されていない・・・・・私もカーネルや多くの部下たちを死なせてしまった・・・・・・せめてこの兵器を道連れに罪を償おう・・・・。」

 

「ジェネラル・・・・・・」

 

「エックス、ゼロ・・・・・・そして、その仲間である若者たちよ。こんな愚かな私を許してくれたまえ。さらばだ。」

 

「「「ジェネラールゥウ!!」」」

 

「ジェネラル将軍!!」

 

一同は動力炉に向かって落下していくジェネラルを止めようとするが同時に襲い掛かってくる爆発でどうすることもできず、全員彼から渡された簡易転送装置で彼のシャトルに乗り込むと衛星から脱出して行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

脱出すると同時にファイナル・ウェポンは、各所が爆発していき、最終的に花を散らすかのように爆発する。

 

一同はシャトルをハンターベースへのコースにセットするエックスを残し、各部屋に入り、それぞれの手当てを行っていた。

 

ゼロは、アイリスの足の切断部分を取り敢えず応急処置し、今度は彼女の手当てを受けていた。

 

「うぅ・・・・・」

 

「ごめんなさい、ゼロ。取り敢えずこれで痛みは少しは引くと思うけど・・・・・・」

 

アイリスは背中に突き刺さったブーメランを引き抜き、修理を続ける。その直後、操縦席にいるエックスから通信が入る。

 

「ん?どうしたエックス?」

 

『いや、丁度ハンターベースへの航路をセットし終えたところなんだ。』

 

「そうか。」

 

『・・・・・・なあ、ゼロ。』

 

「ん?」

 

『・・・・・・・もし・・・・俺がまたあの時のようにイレギュラー化したら・・・・どうする?』

 

「!?な、なにをいきなり悪い冗談を言っているんだ!?」

 

『今回のダブルの件もあってね。ハンターと言えどレプリロイドはいつイレギュラーと見なされるのか分からないから・・・・・・』

 

「もう、ダブルのことは忘れろ。切るぞ。」

 

『待ってくれ!真剣に聞きたいんだ!』

 

通信を切ろうとするゼロに対してエックスは真剣な目で言う。

 

「・・・・・・」

 

『ゼロ・・・・・・もし、俺がイレギュラー化して・・・・マーティ達に手を出そうとしたら、君が処理してくれ。』

 

「・・・・・・・お前も疲れているんだ。早くゆっくり休め。」

 

そう言うとゼロは回線を切る。

 

「・・・・・・エックス、怖いのはお前だけじゃないんだ。俺だって、いつ“本当の俺”になるのか分からないんだ。・・・・・ひょっとすればアイリスにまで手をかけてしまうのかもしれない。だから・・・・・」

 

「・・・・・・ゼロ。」

 

ゼロは、アイリスを抱きしめながら震える。そんなゼロをアイリスは、拒むことなくそっと頭を撫でた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

操縦席

 

「・・・・・・・約束だよ、ゼロ。」

 

エックスは、シャトルの信号を敵と誤解されないよう自分たちのものに切り替えを始める。

 

「・・・・・・・」

 

その様子をそっとマーティが見守っていることを知らずに・・・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・戦いは終わった。

 

しかし、エックスの心を例えようのない不安がよぎる。イレギュラーとは、一体何なのか?

 

もしかしたら、自分自身もイレギュラーとなってしまうのか?

 

そして、ゼロもまた蘇りつつある過去の記憶が迷いを生じさせる。

 

・・・・・・・イレギュラーを許せないハンターとしての自分・・・・・。「アイツ」を倒す定めを負った、本当の自分・・・・・・。

 

全く異なる二つの運命・・・・・・

 

 

不吉な予感は現実となり、二人のハンターとその仲間たちを運命の戦いへと導く。

 

そう遠くない未来で・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

でも、二人を大切に想っているパートナーがいる。

 

 

彼女たちの存在が運命を大きく変えてくれるのかもしれない・・・・・・・

 




次回は・・・・・・やるか?

ゼロアイ結婚式?

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