超次元ゲイムネプテューヌ ~殺し屋の異世界見聞録~   作:鉄の字

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シリアスは本当に難しいです。
安西先生、文章力が欲しいです………………


怖い

 

 

「決着をつけるわ、ネプテューヌ!!」

 

 

突如現れた謎の少女。

 

 

少女はネプテューヌに向かって剣を突きつける。

突然の強襲にネプテューヌは反応が遅れ、避けようとしても眼目には刃の先が吸い込まれるように自分に向かっている。

 

 

思わず目を閉じる。

 

 

 

 

 

 

 

だが、いくら待てど痛みはない。

 

 

恐る恐る目を開けると、刃の先が自分の前で制止していた。

驚くネプテューヌ。

だが、彼女は視線を動かし、更に驚愕した。

 

 

さっきまで離れた所にいた筈の進が、自分の目の前にいて素手で刃の部分を掴んでいるのだ。

無論、握りしめた手からはポタポタと赤黒い血が滴り落ちている。

その行動に相手も驚きの表情を浮かべていた。

 

 

「ネプちゃん」

 

 

進はネプテューヌに顔を向けず小さくネプテューヌの名を呟く。

ネプテューヌは何故か、その言葉だけで進が次に何をしようとしているか分かった。

 

 

「やっぱり俺は『殺さない』ってことができねぇみてぇだわ」

 

 

言い終わると同時に進は相手の腹を蹴る。

女は顔を苦痛で歪めながら奥の方へ吹き飛ばされ、進も奥へと向かう。

 

 

「進!だめっ!!」

 

 

ネプテューヌは直ぐに変身して進の足を止めようとするが、一足遅かった。

 

 

進は思いっきり振り上げた拳を地面に叩きつけた。

進を中心に洞窟は揺れ、天井に亀裂が入り岩石が落ちてくる。

 

 

「進、待って!!」

 

 

「すぐに終わらせる」

 

 

進は振り返らず手をブラブラと振りながら進んだ。

 

 

やがて落ちる岩石は積み上がり、丁度、進とネプテューヌを隔てる壁となった。

 

 

 

 

 

「やってくれたわね……………」

 

 

「おーおー、案外頑丈だな。結構強めに蹴ったつもりだけどな」

 

 

開いた場所の丁度真ん中に壁ができたので少し狭くなった場所で進は少女と対峙していた。

 

 

「舐めないで。それよりも、仲間と離れていいのかしら?私と一対一で勝てると思ってるの?」

 

 

「負けると分かってたらこんな事しねぇよヴァーーーカ。それに、テメェ如きだったら指先一つでノックダウンだっつーの」

 

 

舌を出しながら中指を立て、相手を挑発する進。

挑発通りに少女は怒りを露わにした。

 

 

「言ってくれるじゃない……………!」

 

 

「まぁ、事実だしな。それに、俺はテメェが何者か分からねぇ。ネプちゃんに関係あるみたいだな。だがなぁーーー

 

 

 

 

 

ーーーテメェが組織だというなら、潰すまでよ!!

テメェが化け物だというなら、戦うまでよ!!

テメェが俺を殺そうとするのなら、迎え撃つまでよ!!

テメェがあの子達を殺そうとするのなら、殺すまでよ!!」

 

 

刀を抜刀し、相手の眉間に剣先を向けて叫ぶ。

 

 

依頼のために相手を必ず殺す。

それが、殺し屋である彼の唯一持っている確固不抜の決意である。

 

 

「……………………そう。なら覚悟はいいわね」

 

 

「ああ、さっさと始めようや。この壁も長くは保たないようだしな」

 

 

壁の向こうからネプテューヌとアイエフの斬撃音とコンパの銃声が響いている。

 

 

「そうね。あんたを倒してネプテューヌとの決着をつけないとね」

 

 

「自分が殺されることを考えた方がいいぞ?慢心は油断の元だぜ?」

 

 

「言ってなさい。私が勝つのに揺るぎはないわ」

 

 

相手は剣を構え、進は足を一歩引いて肩幅程度に広げる。

 

 

 

 

 

 

 

「はぁっ!」

 

 

暫くの静寂の内、最初に動いたのは少女。

一瞬に詰め寄り剣を振り下ろす。

 

 

進はそれを防ぐが、少女は直ぐに離れると進の後ろに回り込む。

 

 

(………………速ぇな)

 

 

刀を逆手に持ち替え、刀を背中に回す。

その直後に金属と金属がぶつかる甲高い音と共に手に僅かな重みが走った。

 

 

暫くの均衡状態の後、進が後ろに飛び、体ごと押し出す。

相手が離れたのを感じた進は体を大きく回転させて横に一閃するが、相手は進よりも高く上がり避けられてしまう。

 

 

(……………機動力ではこっちが圧倒的に不利。その上、相手の行動範囲が広い。どんな攻撃も避けられる。だったら相手の動きを止めて一撃で仕留めないといけない、か)

 

 

頭でそう考え、懐に手を伸ばす。

 

 

(弾の出し惜しみはしねぇ方がいいか)

 

 

ホルスターからデザート・イーグルを抜き取り、セーフティーを解除。

標準を相手に合わせて引き金を引いた。

 

 

発砲音と銃口から吹く炎と共に飛び出した弾丸は空中を飛ぶ少女に軽々と避けられるが、進は気にした様子もなく間髪入れずに少女の進行方向の前に合わせて次の弾丸を放つ。

 

 

引き金を何度も引いて相手の動きを止める。

進も撃ち続けながら走り出した。

やがて、相手の間合いに入り、刀で扇の軌跡を生みながら振り下ろす。

 

 

「ッッッダラァァァァアア!!!」

 

 

地面にひびが入り小さなクレーターを生み出し土埃が舞う。

だが、進には相手の手応えがなかった。

 

 

「どうやら高速で動く相手には慣れてないようね!」

 

 

「………………チッ」

 

 

煙幕を突き破り進の右側に回り込む少女。

後ろに飛んで刀で防ごうと腕を上げるが、相手の剣が早く、刀は弾かれ進の手から離れる。

 

 

「うおっと!?」

 

 

「もらった!レイシーズダンス!!」

 

 

相手の放った斬撃が進を切り刻む。

 

 

諸に攻撃を喰らった進は吹き飛び、地面を水切りの様に何度かバウンドしながら壁に激突した。

 

 

「どう?少しは効いたかしら?」

 

 

ーーー手応えはあった。

そう確信した少女は進が激突した場所に向かってそう言う。

 

 

しかし、聞こえたのはこの場に似合わない明るい声だった。

 

 

「んーーーー、惜しかったなぁ、お嬢ちゃん」

 

 

「っ!?」

 

 

煙が晴れるとそこには両手にベルトを持ち壁を背もたれにして胡座をかいて座っている進がいた。

 

 

「そんな…………たかがベルト一つで……………!」

 

 

「超合金Z入りのベルトだ。そんな攻撃だと傷一つ付かねぇぞ?」

 

 

立ち上がりコートに付いた塵をパンパンと叩く。

手に持ったベルトを右手に巻き、それを握り締める。

 

 

「さぁて、体も温まってきたし、そろそろ反撃させてもらうぜ」

 

 

体の力を抜き、前へ倒れる。

顔が地面につくギリギリの所で地面を足で力強く踏み込む。

瞬発力により高速の速さで走る進は一瞬の内に相手の懐に入り込んだ。

 

 

「そらよっ!!」

 

 

脚を踏ん張り、勢いを全てベルトを巻いた拳に乗せる。

腰を捻り繰り出されたボディーブローは相手の剣にぶつかる。

 

 

「クッ………………」

 

 

そのあまりの威力に少女は少し仰け反り体勢を崩す。

少女は後ろに下がるが、それを追うように進は拳を振るいまくった。

ジャブ、ストレート、フック、ボディーブロー、アッパー、裏拳、正拳突き。

進の体に覚えている全ての拳を叩き込む。

 

 

「そらそらそらそらそらぁぁぁぁああ!!!」

 

 

猛攻に少女は後ろに下がり避けるか、剣で防ぐかで、反撃の余地はなかった。

 

 

後ろに下がり続け、少女の背中に壁の感触がした。

 

 

「あっ!」

 

 

「よいしょッッ!!」

 

 

好機に進は相手の顔面狙って拳を突き出すが、寸前で少女は首を傾け、拳は狙いを外れて後ろの壁に突き刺さった。

 

 

「ヤアッ!!」

 

 

「おっと!」

 

 

すかさず少女は剣を振るうが進は屈んで避け、後ろに飛び下がる。

そして、すぐに少女に向かって走り出す。

 

 

少女は上へ飛ぼうとするが自分の片脚が何かに引っ張られ飛ぶことができない。

 

 

「……………え?」

 

 

即座に自分の脚に視線を向けると進が持っていた筈のベルトが自分の脚に縛られ、その先には先程弾いた進の刀が地面に突き刺さっており、それに結ばれていた。

 

 

「いつの間に……………!?」

 

 

「殺し合いは気づいたら詰んでいる。そこには卑怯も下劣もねぇ。死んだら糞野郎も偉人も英雄も一緒の単なる死体になる。そんな世界だ」

 

 

声がして少女はハッと顔を上げる。

目の前には進がただ無表情に突っ立っていた。

ただそれだけなのに、それは逆に少女に得体の知れない恐怖を抱かせる。

 

 

進は動けない相手の腹にそっと手の平を添え、足を一歩引く。

 

 

「キツいのを行くぞ。覚悟しな」

 

 

そして、コンマ一秒。

筋力、体重、両脚、腰の回転、肩のひねりを相乗してまさしく全身の力を拳面に込めて前方に放つ。

 

 

「……………寸勁ッ!!」

 

 

パアンッと炸裂音と共に相手の体はくの字に曲がり壁に叩きつけられ、少量の胃液を吐いてしまう。

 

 

「カハッ……………!?」

 

 

地面にうずくまり、苦しそうに悶える少女。

 

 

「おい、誰が休んでいいと言った?」

 

 

だが、進にはそんな事は関係ない。

屈んで少女の髪を掴んで自分の顔の位置まで持ち上げる。

 

 

「お前は何者だ?そして、ネプちゃんの何を知っている?」

 

 

「言うわけ……………ないでしょ……………!」

 

 

「言えや」

 

 

「アァ!?」

 

 

進は壁に少女の顔を叩きつける。

崩れ落ちた所を脚で全身を満遍なく容赦なく蹴る。

 

 

「…………………ぁ………………うぅ……………」

 

 

「時間がない。これ以上無駄な解答は避けたいから次に答えなかったら…………………殺す」

 

 

脅しの殺気でなく、本気の殺気。

 

 

しかし、少女は屈せず進を睨みつけた。

 

 

「…………………地獄に…………墜ちなさい…………!」

 

 

「ククク、気高いな。嫌いじゃないぜ?あぁ、後なーーー」

 

 

微笑を浮かべた進は地面に刺さった刀を手にとり、振りかぶる。

 

 

「ーーー俺の地獄行きは俺が物心付いた時点で確定している」

 

 

そして、相手の首を目掛けて振り下ろす。

 

 

 

 

 

 

 

だが、進の手に伝わるのは肉を断つ感触ではなく、硬い何かにぶつかった感触だった。

 

 

そして、その原因を見て溜め息を吐く。

 

 

「ネプちゃん…………………」

 

 

「クッ…………………!」

 

 

進と少女の間に入って来たネプテューヌ。

太刀で進の刀を防いだのはいいが、進の怪力に苦悶の表情を浮かべている。

 

 

「ネプテューヌ!?」

 

 

「早く………………逃げなさい…………!!」

 

 

少女は一瞬は迷うが今の状況ではネプテューヌに従うのがいいと考え、直ぐに飛んで、逃走を開始した。

 

 

だが、進はそれを許さない。

 

 

デザート・イーグルを取り出すと少女に照準を合わせる。

 

 

「こんのっ、馬鹿が!!」

 

 

「だめですぅ~~!!」

 

 

引き金を引く瞬間、腰にコンパがタックルし、銃を持つ腕にアイエフの蹴りが入った。

 

 

「くぅ……………本気で蹴ったのにこっちが痛いってどういう体してるのよっ!?」

 

 

「あうぅぅ~~~~……………岩にぶつかったみたいですぅ~~…………」

 

 

痺れる脚を抑えるアイエフと目を回すコンパ。

だが、そのおかげで進は倒れはしなかったものの、僅かに照準がずれ、弾丸は少女の髪を掠り、近くの壁に穴を空けた。

 

 

「逃がした………………か」

 

 

相手が逃げたのを確認すると刀をネプテューヌの太刀から下ろし鞘に収め、デザート・イーグルを懐にしまう。

 

 

「どうしてなの?」

 

 

「ん?」

 

 

煙草を吸おうかと思った矢先、ネプテューヌから声をかけられ視線をそちらに向ける。

 

 

「どうして、人を殺そうとするのっ!?」

 

 

ネプテューヌは怒り、荒々しく進の胸倉を掴む。

 

 

「……………可笑しな事を聞くな?俺は殺し屋だ。殺しに来る敵を殺そうとしたまでだ」

 

 

「だとしても、さっきの子は何か情報を持っていたわ!」

 

 

「ああ、俺もそう思って聞いたけど何の情報も吐きもしなかった。だから殺そうとした」

 

 

「情報を言わなかったとしても、殺す必要はなかったはずよ!!どうしてそこまで殺すことに執着するの!?」

 

 

そう叫んだ瞬間、進が纏っていた空気が変わる。

 

 

 

 

 

 

「いい加減にしろやッッ!!」

 

 

「ッ!?」

 

 

今まで見たことのない形相の進の怒鳴りに辺りの空気がピリピリと揺れ、ネプテューヌは思わず胸倉を掴んでいた手を離してしまう。

コンパとアイエフも同じように肩を震わせる。

進はそんなことをお構いなく少女が逃げた方向を指差した。

 

 

「いいか!?あいつはネプちゃん達を殺そうとした!それを逃がすのはどういう事なのか分かるのか!?分からねぇか!?もう一度、ネプちゃん達の前に現れるってことだぞ!?プラネテューヌのババァもそうだ!!生きている限り何度でも立ちはだかるぞ!?俺だって常に一緒にいるわけじゃねぇんだ!!何かあったからでは遅いんだぞ!?」

 

 

「でも、私達だったら………………」

 

 

「私達だったら、何だ!?何でも防げるのか!?遠くにいるスナイパーの射撃も阻止できるのか!?大人数の巨大な組織も潰せるのか!?コンパちゃんやあいちゃんを護れるのか!?できないからこそ、少しでも狙われる可能性を減らすんだろ!!敵対する意志は早急に摘み取る!!それが俺のやり方だ!!」

 

 

「進………………」

 

 

「だから、ネプちゃん、俺はそうでもしねぇといけねぇんだよ…………俺はーーー」

 

 

ネプテューヌの両肩を掴み、顔を俯かせる。

そして、少しだけ顔を上げた。

 

 

 

 

 

 

「ーーーまた、失うのが怖ぇんだよ…………」

 

 

 

 

 

 

 

「えっ?」

 

 

一瞬聞こえた、周りの空気に消えそうなほど弱々しい声と悲しみを含んだ表情にネプテューヌは思わず声を漏らす。

 

 

進はネプテューヌから離れると頭をボリボリと掻いて、洞窟の出口へと向かって歩き出した。

 

 

「悪い。言い過ぎた………………先に帰っててくれ。夜には戻ると思う」

 

 

歩きながら淡々とそれだけ言って去る進。

ネプテューヌ、コンパ、アイエフは余りにも突然のことにその背中を無言で見ることしかできなかった。

 

 

 

 

 




超合金Z入りのベルト……………元ネタわかる人いるかなぁ?


次回はオリジナルと言うより、『その頃の進は』っと言った感じになります。
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