超次元ゲイムネプテューヌ ~殺し屋の異世界見聞録~   作:鉄の字

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遅れた…………
ち、違うんですよ!ジョジョを見て、更に一部、二部を見直したら時間が過ぎ、『え?ばらかもんとアカメが斬る!アニメ化するんだ。じゃあ、漫画買おう』で読んでたら、更に時間が過ぎて………………





すんません………………






Ps.UAが20000突破しましたッッ!!
これも皆様のおかげです。
これからもよろしくお願いします!!


煙草

雲一つない青い空に白い太陽がサンサンと優しく地上を照らしている。

囀る小鳥がとまる木々の枝の隙間から日光が漏れ、薄い影を作る。

そこはまるでヘンデルとグレーテルが迷い込んだ様な明るい森を彷彿させる。

暑くもなく寒くもなく、天気も良く、ピクニックには最高の場所だろう。

 

 

そんな綺麗な森の中、俺は────

 

 

「おらおらおらおら!!こんなトロい岩なんかに当たるんじゃねぇぞ!?」

 

 

「だからと言って頭ぐらいある岩投げる人がどこにいるのですか!!?」

 

 

────シレンに向かって岩を投げていた。

 

 

アヴニールにハメられ親を殺されたガキ、シレンは俺が引き取る形になり、強くするために稽古をつけることにした。

 

 

「かの有名な人はこう言いました。『パンが無ければ岩を投げればいい!』と」

 

 

「意味分からない上に、それ絶対違いまグベッ!!!?」

 

 

お、顔面に当たった。

超エキサイティング!

 

 

「はい、当たったらスクワット五百回!!さっさとやれやボケが!!」

 

 

「は、はいぃぃいいい!!!」

 

 

え?『これって修行?』だって?

ええ、修行ですとも。

シゴキってルビが付きますが。

 

 

 

 

 

 

 

(俺だけが)楽しい時間は光の如く過ぎ鍛練が終わる。

地面に大の字になって倒れているシレンは所謂虫の息だった。

 

 

爺の修行と比べれば天と地の差がある程軽いのにだらしねぇなぁ。

あの爺、俺を木にロープで磔にして人間大の岩を投げて来たからな。

いざロープから抜け出して逃げようとすればSVDで俺を狙撃しだしたのは今でも『爺をブッ殺したくなるヒストリーランキング』トップ5に入る程の思い出だ。

 

 

「し、死ぬ………軽く死ねる………」

 

 

「おいおい、こんなの序の口だぞ?次からは倍に増やすからそこん所夜露死苦」

 

 

「お、鬼………悪魔…………」

 

 

「ククク、俺にとっては褒め言葉だ」

 

 

シレンの皮肉さえ何のその。

ボロ雑巾になったシレンの首根っこを掴んで持ち上げ、肩に乗せて街へと向かう。

 

 

十歳のシレンだが体重は思いの外軽い。

しかもこいつ中性的な顔の上に整っているから将来イケメンになること間違いなし。

 

 

ケッ!滅びよイケメンッッ!!

そして、恨むぞ俺を老け顔に産んだ見たことがない親よっ!!

あーあ、この世全てならぬ全異世界のハーレムなイケメン共(鈍感)が爆発してくれねぇかなぁ!!

 

 

「俺って師匠みたいに強くなっているんですかね?」

 

 

俺が心の中でイケメンを恨んでいると、薮から棒にそんな事を聞いてくるシレンに思わず訝しげに顔を顰める。

 

 

「はぁ?何だよ、俺みたいって」

 

 

「だって師匠は力が強い上に何されても傷つかないじゃないですか。正直、憧れちゃいますよ」

 

 

憧れる、か…………

正義だろうが恐怖だろうが、人間誰にも持つ感情なんだろうな。

 

 

「ガキ、一つだけ先に教えといてやる。憧れと目標は一緒にするんじゃねぇぞ」

 

 

「え?」

 

 

憧れを持つのは別に悪くはない。

だが問題はそれを持った場合の憧れの置き方だ。

 

 

「憧れに目標を置いて、そこに辿り着いたとしてもお前はそれ以上行けなくなっちまう。そこでいいのだと思ってしまうからだ。だから、『強くなる』一点で目標を置いて、憧れを持ったとしてもそれを追い越すつもりで鍛えろ」

 

 

「は、はい…………」

 

 

「それに、だ────」

 

 

顔を少しだけ上げて空を仰ぐ。

 

 

「────お前は俺なんかになるな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「博覧会に参加するですか?国政院とアヴニールの息が掛かってるですぅ」

 

 

ボロボロのシレンを風呂場に叩き入れて、食堂で集まってご飯を食べているネプちゃん達+シアンちゃんの輪の中に入った

 

 

今頃シレンは犬○家よろしく下半身丸出しで風呂を堪能してるだろう。

ああ、何と素晴らしい師匠だろうか、俺は。

 

 

「もう参加表明してしまったから戻るなんて事はできないさ。それに、優勝を決めるのはブラックハート様だ。流石の国政院も何も言う事ができないはずだ。というか、もう試作品はできているんだけどな」

 

 

国政院がアヴニールを優勝させる為に八百長をさせるような気がするがノワちゃんならそんな事はしないだろう。

 

 

俺が心の中でうんうんと頷いているとシアンちゃんは布に包まれた細長い物を机に置き、布を取り払うとそこに現れたのは機械質な剣だった。

それを見た俺達はおぉー、と声が漏れた。

 

 

「機械剣アルマックス。俺の四年間の結晶だ。まぁ、まだ試作段階なんだけどな」

 

 

手にとって刀身を眺めてみる。

無骨なデザインながらも如何なる物でも斬るというオーラが顕れている。

俺にはちょっとと軽過ぎるし刀身が短いからネプちゃんが使うのが丁度いいな。

 

 

「へぇー、結構斬れそうな剣じゃねぇか。機械剣って事は何か付いてるのか?」

 

 

「ああ、なるべく攻撃力にこだわってどんな物でも斬れ易い仕様になっているし、それをサポートする機能も搭載している。後、柄を押すと剣先から醤油が出るぞ」

 

 

「最後の絶対いらないよね?何だ、その天然パーマ侍が持ってそうな武器は?」

 

 

「凄ーーい!醤油が出るんだ!」

 

 

「とても便利ですっ!」

 

 

「へぇ、中々使えるじゃない」

 

 

「え?この世界だと醤油はそんなにリスペクトされてる調味料なの?そんなに偉大なの?それとも俺がおかしいの?」

 

 

「んで、博覧会の話に戻るけど、お前達に博覧会のコンパニオンを頼みたいんだ」

 

 

「こ、コンパニオン!?無理無理無理!!絶対嫌よ!人の見世物なんて絶対やだ!!」

 

 

俺のツッコミはボットン便所に流されてしまい話は博覧会へと戻る。

シアンちゃんの頼みにあいちゃんは顔を横にブンブンと振り両手を前に突き出して拒否しまくる。

 

 

「そうだぞ、コンパちゃんはまだしもネプちゃんとあいちゃんを見てみろ。こんな貧相なボディじゃオス豚でさえ誘えな痛い痛い痛い痛い痛い、カタールと試作品で突つかないで下さい」

 

 

俺は頷きながら両サイドにいるネプちゃんとあいちゃんを指差すと両脇腹に鋭い痛みが走った。

本当の事を言っただけなのになぁ、ちくせう。

 

 

「コンパニオンガールをやらせようとしてるわけじゃねぇよ。武器の威力のデモンストレーションをしてもらいたいんだ。お前達だったら武器を使い慣れているし、更に追加報酬でその武器をそのままあげてもいいんだぜ?」

 

 

「うっ…………ま、まぁ、お金が浮くならいいかもしれないけど…………」

 

 

人間誰しも無料って言葉に弱い。

シアンちゃんの魅力的な提案にあいちゃんは口篭る。

 

 

「俺はどっちでもいいぞー。どうせ刀身の長さ的にネプちゃんが使うしな」

 

 

「いいじゃん、やろーよ!折角タダで貰えるんだしさー!やらなきゃ損損!」

 

 

「そ、それはそうだけど…………コンパも嫌よね、そんな水商売みたいなの」

 

 

「でもこれからもモンスターと戦っていくなら強い武器が必要です。それに私達がしなかったら困るのはシアンさんです…………」

 

 

あいちゃんはコンパちゃんに援護を求めるもコンパちゃんはコンパニオンを手伝う気満々だった。

 

 

「はい、三対一でネプテューヌの勝ちー!」

 

 

「俺はどっちでもいいって言ったんだけどなー………………って、ちょっ、こんな所で試作品を振り回すなって。危ない危な…………ネプちゃん、ちょっと当たったんだけど」

 

 

しかし、おニューの武器か…………

俺もいい加減この刀使うのも飽きたんだがな…………

物は試しでテーブルに立てかけた俺の刀をシアンちゃんの前に置いて聞いてみる。

 

 

「シアンちゃん、この刀、ガンブレードとかに改造できたりする?」

 

 

「できるぞ」

 

 

「マジかッ!?」

 

 

割とあっさりと答えたシアンちゃんに思わず声が出た。

そ、それってつまり某ファイナルでファンタジーに出てくるあの武器を使えるってことか!?

 

 

「まぁ、そうなるとこのぐらいの値段になるけどいいのか?」

 

 

「……………マジか」

 

 

パチパチとシアンちゃんが電卓をいじくり、それを俺に見せる。

その画面に写った数字はネプちゃんパーティーの金を全員集めてやっと届くかどうかの値段だった。

 

 

「金、節約しねぇとなぁ…………」

 

 

「節約するなら進が煙草を禁煙すればいいだけの話じゃないの?あんたって結構色んな場面で吸ってるし、一日に一回は煙草買いに行ってない?」

 

 

「あいちゃん、それは俺に死ねと言ってるのか?」

 

 

え?そんなに死ぬまで吸ってたらヘビースモーカーだって?

もういいよっ、ヘビースモーカーで!!

だって口元が寂しいんだもん!!

吸わないとイライラするもん!!

 

 

「あ、煙草発見」

 

 

「ぬおっ!いつの間に!?」

 

 

いつの間にかネプちゃんは俺のコートのポケットから煙草を抜き出していた。

よく色々な物が物理的法則を無視して入っているコートから取り出せたな。

俺は慌ててネプちゃんの手の中にある煙草に手を伸ばすがネプちゃんの行動が早かった。

 

 

「シレン、パース!」

 

 

ネプちゃんの投げた煙草の先には悪いタイミングで出てきたシレンの手の中に収まった。

シレンは突然飛んで来た煙草に困惑しながらも煙草をまじまじと見る。

 

 

「は、はい?な、何ですかネプさん………これって師匠がよく吸っている煙草………」

 

 

「オイゴラァ糞ガキ、俺にそれを渡すのと閻魔大王にお前を渡すの、どっちがいいんだ、ア゛ァ?」

 

 

「えぇぇええ!?何ですか!?本当に何ですか、この状況!?何が起こっているんですか!?」

 

 

大慌てのシレンに俺は埒があかないと思い無理矢理奪おうとするが、またもやネプちゃんがヒョイっと煙草を掴んだ。

 

 

「悪い煙草はゴミ箱にダンクシュートォー!」

 

 

「俺の最後のニコチンちゃんがぁぁぁぁぁぁあああ!?!?」

 

 

俺の煙草を持った手を勢いよく上に上げると某ゴリラ似の高校バスケット選手よろしくゴミ箱に突っ込んだ。

悲鳴を上げながら急いでゴミ箱に駆け寄り煙草を救出するが箱はひしゃげてしまい、中の煙草は真ん中からポッキリと折れていた。

どんだけ勢いよく突っ込んだらこうなるんだよ…………

 

 

「ぬぉぉおお!?タバ子!!死ぬのはまだ早いぞ、タバ子ォォオオオ!!!」

 

 

「誰よ、タバ子って」

 

 

「ま、どっち道オッサンの刀は硬すぎて加工できないから無理だけどな…………って聞いてないか。そう言えば、今日、お前達はコリーヌに行くんだろ?あそこは大陸の端にあるから電車の数が限られているし、早く行かないと乗り遅れるぞ」

 

 

シアンちゃんの言葉にあいちゃんはハッとなって壁に付けられた時計を見て慌てだした。

 

 

「あっ、後十分で出発じゃないっ!!これ逃すと次は夜よ!皆、早く行くわよ!!」

 

 

「お、お金はここに置いとくです!」

 

 

「え、俺、まだご飯食べてないのですけど!?」

 

 

「ほら、進、煙草は諦めてさっさと行くよ!!」

 

 

「ちょ、引っ張るなって!せめて煙草を……………煙草をーーー!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

電車を何回も乗り継いで数時間。

もはや三車両しかない電車から無人に近い駅に降りてそこからひたすら歩く。

辺りには草しかない。

所謂草原。

時々木。

 

 

そして目の前には草原の中にポツンとボロい洋館があった。

庭に生えている雑草は腰くらいまで伸成長しており、ひび割れた壁からは草が侵食するように伸びていた。

窓は至る所割れており屋根の一部は崩れている。

どっからどう見ても人が暮らせる要素が全くない。

 

 

「本当に教院の人達がいるですか?何か最初の洞窟からどこか外へ出かける度に段々と怖い所に来ているですぅ」

 

 

……………そう言えば、煙草ってタバコって草を熟成させて紙に巻いてできるんだよな?

こんなに草が生えているんだからニコチン成分を含んでいる草くらいあるよな?

あーーーー、煙草吸いてぇ…………

もうそこらの草が煙草に見えてきた。

煙草煙草煙草煙草煙草煙草煙草煙草煙草煙草煙草煙草煙草煙草煙草煙草煙草煙草煙草煙草煙草煙草煙草煙草煙草煙草煙草煙草煙草煙草煙草煙草煙草煙草煙草煙草…………………

 

 

「進、さっきから目の光が消えているけど大丈夫?」

 

 

「ん?あ、おう。大丈夫だ、問題ない」

 

 

そう、俺は大丈夫だ。

そう、煙草を吸いたい以外問題ない。

そう、吸いたい以外は。

そう、煙草。

そう、煙草煙草煙草。

そう、煙草煙草煙草煙草煙草。

そう、煙草煙草煙草煙草煙草煙草煙草煙草煙草煙草煙草煙草煙草………………

 

 

「う、うん…………今の進に頭撫でられても逆に怖いのは何でだろう…………?」

 

 

怖い?

何を言っているんだ、ネプちゃん?

俺は至って平常運転だぜ、HAHAHA。

それどころかWRYYYYYYYYYYYY!!!最高にハイってやつだ!!!って言っちゃうぐらいテンションアゲアゲですよ、はい。

 

 

「師匠、本当に大丈夫ですか?」

 

 

「うるせぇ、その銀髪全部逆立ててポルポル君にして『ブラボー!』って言わしてやろうか、アァン?」

 

 

「俺だけ扱い酷くないですか!?」

 

 

酷いだと?

そんなのシレンだからに決まってんだろうが。

ポケットの中からワックスを取り出して本格的にポルポル君にしようと思いシレンに近づいた時、背後から何かが近づいて来る音が聞こえそちらへ振り返る。

草原の奥から

 

 

「も、モンスターです!」

 

 

「しかも、機械系のモンスター…………おかしいわね。ここには機械系は出て来ない筈なんだけど」

 

 

携帯を弄りながらモンスターの情報を見るあいちゃん。

確かにそれもそうだが、どうもこの館を狙って来たかのように見える。

 

 

「よしっ、ここはこのシアンの作った剣の性能を試して………」

 

 

シアンちゃんが作ったアルマックスを取り出し構えようとするネプちゃんだが、それを遮るように俺は皆の前に出る。

モンスターの中で先頭を進んでいた一体が小さく跳び俺に向かって腕部を振りかざそうとする。

しかし、俺はそれよりも早く一歩間合いを詰め頭を後ろへと仰け反らせる。

 

 

「ドラァ!」

 

 

頭突きで怯んだモンスターの頭を片手で鷲掴みしてゆっくりと持ち上げる。

ミシミシッと頭部分に指がめり込む。

指が突き刺さった部分からスパークして静電気が走るがそんなの痛くも痒くもない。

モンスターは苦しむように俺の腕を握り締め無理矢理離そうとするが俺の手は離れない。

 

 

「ククク、オイ、モンスター共。俺ァ、今凄ぇイラついてんのよ。何でか分かる?それはな────」

 

 

指の力を込め、更に指が突き刺さる。

 

 

「────煙草がねぇからだよ、ボケェェェエエエエ!!!」

 

 

体を横に回転させモンスターごと振り回し遠心力を加え地面に叩きつける。

地面が陥没する程の衝撃は俺の指がめり込んでいたモンスターの頭部を粉々に破壊した。

 

 

仲間が殺られた光景を目の当たりにしたモンスター達は俺が一番危険と判断したのか集団で俺に向かって来る。

 

 

「ククク、甘ぇ…………ババァが作った玉子焼きに炭酸が抜けたコーラをぶっかけた物より甘ぇよ」

 

 

犬歯を剥き出しにして笑う俺は近くにあった木を指がめり込むくらいの握力で掴む。

先程モンスターにやった様にゆっくりと持ち上げる。

 

 

メキメキメキと細かい木の根が引きちぎられ細かい土と共に引っこ抜く。

そして、それを野球選手よろしくバットを持つように構え────

 

 

「この木何の木………そこら辺の木ィィィィィイイイイ!!!!」

 

 

────思いっきりスイングした。

ヒットの感触と共にモンスターは悲鳴を上げる事すらできずに全て空の向こうへと飛んでいき夕方の少し早い星となった。

 

 

それを見届けた俺は持っていた木をそこら辺に投げ捨て、大きく深く息を吸ってゆっくりと吐く。

 

 

「ふーーー、スッとしたぜ。イライラした時のバッティングは良いストレス解消方法だな。よし、じゃあボロ屋敷に入るとしますかね?」

 

 

清々しい程爽やかなスッキリした笑顔を四人に向けると四人共青ざめた顔をしてその場から一歩下がる。

 

 

おいおい、イライラしてるからって俺は女の子には手を出さねぇよ。

俺はちゃんとしたフェミニストだからな。

シレンならケツバット入れてるけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「動くなっ!アヴニールか国政院の手の者か!?」

 

 

屋敷の中に入ると恐らく教院関係者であろう人達が様々な銃を持って、その銃口をこっちに向けていた。

俺は刀を置いて両手を上げ、敵意がない事を示す。

 

 

「安心しな。俺達は敵じゃねぇよ。ほら、ここに無抵抗の目に入れても痛くない可愛い子供達もいるよー」

 

 

「子供を人質にとるとは何て卑怯な奴だ!」

 

 

「聞けや。つーか、俺かよ。確かにこの中で一番年上だし怪しいけどよ……………」

 

 

国政院の奴然り、洞窟の爺さん然り、この大陸にはまともに話を聞く人はいねぇのかよ。

 

 

「この人は一見顔が怖くて映画の悪者に出てきそうに見えるですけど本当は多分優しい人です」

 

「多分って何?多分って?純粋なコンパちゃんに言われると悲しく…………あれ?ずっと不名誉なことを言われたせいか全く悲しくない。いよいよヤバイな、これ」

 

 

コンパちゃんの庇っているのかどうか全く分からない弁明が効いたのか協会関係者は銃を下ろした。

 

 

「そうか………それならすまない。ここに来るのはアヴニールの無人兵器しかないからな。向こうも我々が生きてたら枕を高くして眠れないからな…………ここからは立ち話はやめて奥で話をしようか」

 

 

えらく無防備だが子供がいる事で警戒を解いたようだ。

こちらに背中を向け奥の通路へ入って行く教院関係者に付いて行く。

奥へ行くと全面ガラス張りでまるで劇の舞台みたいな煌びやかな部屋に辿り着いた。

 

 

「これはまた綺麗にしているな」

 

 

「ああ、女神様がまたここに来るように綺麗にしているが…………今の状況ではいつになるか…………」

 

 

「はい!しっつもーん!!女神様は今どこにいるの?」

 

 

A:つい数日前に貴方達会ってます。

 

 

「確かな状態では女神様は今はアヴニールの息がかかった協会で軟禁状態にあるらしい」

 

 

「自分の大陸の女神様を拘束するなんて…………罰当たりも程があるわ!」

 

 

A:俺達、ボコボコにしてました。

 

 

「我々も不正を探そうと頑張っているんだが権力や武力で抑えられ結果は乏しくてな。何か決定的な証拠があればいいんだが…………」

 

 

決定的な証拠……………

それならここにいるシレンが証拠人そのものなんだがそんなの権力で直ぐに揉み消すだろうしな。

他の証拠みたいな物と言えば…………

 

 

「そういや前の依頼に死にかけの機械系のモンスターを運んでいたな。曰くそのモンスターから採れる基盤が必要だとか何とか言ってたような気がする」

 

 

「進さん、それ本当です?」

 

 

「ああ、色んな事があったから何となく憶えていてな」

 

 

首を傾げて聞いてくるコンパちゃんに頷いて答える。

本当はガ○シュの下衆の様な顔が忘れられなかったのが理由だけど。

 

 

「それが本当ならアヴニールに繋がる確かな証拠になるかもしれないな」

 

 

「アヴニールが送り込んでくるモンスターって機械系だよね?だったら倒せば出てくるかも」

 

 

つまり出てくるまで倒しまくらないといけないってことだよな?

また面倒くさい事をする羽目になりそうだ……………

 

 

「……………会ったばかりの君達に頼むのはおかしいと思うかもしれないが、私達はさっき話した通り国政院のせいで全く動けない。だから、私達の代わりにその基盤を採ってきてくれないか?もちろん強制なんてしない」

 

 

本当に申し訳なさそうにする教院関係者。

俺はパーティーのリーダーであるネプちゃんに判断を委ねる事にした。

 

 

「だとさ。俺は金にならない事をするのは嫌だが、どうするんだ、ネプちゃん?」

 

 

「モチのロン!それで不正が暴けるなら軽いものだよ!」

 

 

本当にいつも平常運転でなりよりです。

 

 

「協力感謝する。もし、その基盤が見つかったらもう一度こちらに来てくれ。我々の方でも摘発の準備を進めておこう」

 

 

「よっしゃぁぁああ!!今度こそシアンの武器の威力を見せる時!皆、一狩り行こうぜ!!」

 

 

「もう夜遅いから、また明日な」

 

 

今にも夕陽に向かって走り出しそうなネプちゃんの服の後ろ襟に付いてあるフードを引っ掴む。

 

 

「ぶぅ〜〜、いいじゃん少しくらい遅く帰ってもー。別にシアンは心配しないよぉ〜」

 

 

「若い者が夜遅くそこら辺をフラフラして…………悪い人に捕まってもお母さん、知りませんよっ!!」

 

 

「進、あんた男よ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時は過ぎ今は電車の中。

ガタンゴトンと揺れる心地よい振動に三人娘は夢の中だ。

一番背の高いコンパちゃんの肩に両隣にいるネプちゃんとあいちゃんが頭を乗せているという何とも微笑ましい光景である。

そうだ、写真を撮ろう。

 

 

携帯を取り出しカメラで三人娘を撮ろうとした時、俺の隣にいるシレンに目が入る。

一番年下なのに何故か起きているシレンはどこか忙しなく張り詰めた雰囲気だった。

 

 

「オメェ、何緊張してんだよ?」

 

 

「だ、だって、こういうのは初めてですし、よくよく考えてみたら俺って結構国の裏側を見ているんじゃないか、と思って……………」

 

 

「見ているぜ。現在進行系でな。恐らくだがこれからもこんな場面見ていくと思うぞ。汚い所や下手すりゃ泣きたくなる所、吐きたくなる物だって見せられるかもしれないぜ?怖くなったか?」

 

 

「い、いえ、逆にこれくらいでビビっては何も出来なくなりますので平気です」

 

 

「ククク、そりゃぁ、結構」

 

 

返事をしながらシャッターボタンを押す。

あ、ブレた。

 

「師匠はそう言うのを見た事あるんですか?」

 

 

「ハァ?見過ぎて今まで食ったパンの数ぐらいに覚えてないわ」

 

 

「そ、そうですか…………」

 

 

「最近だと…………ああ、何処ぞの国の官僚がいたんだが、そいつが加虐趣味でな。どっかで好みの女見つけては濡れ衣着させて捕まえ拷問してたっけな。殴ったり、鞭で打ったり、熱した鉄を体に押し付けたりして悲鳴を楽しむ。んで、飽きたら殺す。そんな野郎だったな」

 

 

「そ、それでその人は…………?」

 

 

「ああ、ブッ殺したよ。元々標的だったしな」

 

 

実際は四肢に鉛玉ぶち込んで手、足の順で輪切りにした後は耳を吹き飛ばし最後に頭と胴体をサヨナラして終わりだけどな。

 

 

まぁ、女を玩具として扱ったんだ。

当然の報いっちゃぁ報いだな。

あれは久々にスカッとする仕事だったなぁー。

 

 

もう一度、シャッターボタンを押す。

よし、今度はちゃんと撮れた。

 

「師匠って何だか正義の味方みたいですね」

 

 

俺はシレンから出たその言葉に思わず目を丸くしてキョトンとしてしまう。

そして、段々と奥から燻る感覚が胸を刺激し、肺からは笑い声が飛び出した。

 

 

「ククク……………クハハハハ……………ギャハハハハハハハハハ!!!!」

 

 

太腿をバンバンと叩き、大声で笑う。

いけないいけない、ネプちゃん達が起きてしまう。

収まらない笑いを押し殺し、目尻に溜まった涙を指で拭う。

 

 

「おいおいシレン、この俺は正義の味方なんて糞で面倒くさい事なんてするわけがねぇだろ!俺がやってるのはどんな題目付けても殺しだ。それがどう足掻いても変わらねぇ。正義の味方が正義を執行する名目の元、人を殺せばたちまち英雄扱いだ。だがな、俺達殺し屋が人を殺しても犯罪者扱いだ。正義の味方は殺人を正義と正当化して、それだけで片付けちまう。殺し屋は死体を片付けるのに遺体を爆破して粉々にするか、地面に埋めるか、海に沈めねぇといけない。立場が違うだけで扱いが天と地の差程あるんだぜ。元より正義の味方と殺し屋は相容れない物なんだよ」

 

 

言いたい事を全て言い尽くし深く息を吸い込む。

あー、ガキ相手に興奮し過ぎたな。

しかし、シレンは真剣な眼差しで俺を見てくる。

 

 

「じゃあ師匠は何故ネプさんを護るのですか?」

 

 

何故、か……………

そりゃそうだな。

ネプちゃんはどう見ても正義の味方だろうな。

俺とは真逆の存在だろう。

なのに俺は嫌がる素振りもせずにネプちゃんをしっかりと護衛している。

 

 

本当に何故だろうな?

だが、曖昧な答えならある。

強いて言うなら──────

 

 

「似ているから、かね………?」

 

 

 




もう進はネプちゃんに甘々ですね。


いやはやジョジョは面白い。
ネプテューヌとジョジョのクロス作品やってみようかな?
と言うか何となく脳内では出来ていますが…………荒木感を出せているか心配だ。
勿論、オリ主、オリスタンドになりますが。


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