超次元ゲイムネプテューヌ ~殺し屋の異世界見聞録~   作:鉄の字

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お久しぶりです!
とりあえず、何とか生きてます!!



Reason for the fight

「ほれほれほれ、さっさと殺せよー。じゃねぇと逆に殺されるぞー」

 

 

「無理です!!絶対無理です!!師匠の刀、重過ぎです!!もう腕とか脚とかガクブルなんですけど!?産まれたてのバンビの如くガクブルなんですけど!?」

 

 

「シレンって修行している時、いつもあんな事されてるの?」

 

 

「あんなの序の序の序の口です。刀持って走り回るだけ。そして、隙あれば敵を倒す。もー超楽チンな鍛錬です」

 

 

「シレンの顔、涙と鼻水でグシャグシャだけど?」

 

 

「普通の汗とちょいと粘着性のある汗です。あれは喜んでいる爽やかな笑顔です 」

 

 

「あ、転けたです。モンスターに群がられてるです」

 

 

「良かった良かった。モフモフならぬカチカチのモンスターに囲まれるとは羨ましい限りです」

 

 

「そんな訳ないでしょうがッ!あの中から『師匠、助けてぇぇええええ!!!!』って聞こえるんだけど!?」

 

 

『早く助けなさいよ!!』とあいちゃんに脇腹を殴られ俺は肩を竦めた。

 

 

「やれやれ、世話がかかる弟子を持つ師匠は苦労するな」

 

 

モンスターが群がる中にワイヤーを放つ。

手応えを感じ、ワイヤーを握り締める。

 

 

「フンダラッ!!」

 

 

ワイヤーを肩にかけて勢いよく引っ張るとモンスターを跳ね除け、中から足にワイヤーを巻かれたシレンが飛び出した。

 

 

「うにゃぁぁぁぁあああ!!!??!」

 

 

すかさず右手を出した俺はシレンの頭を掴むと力を入れてアイアンクロー。

ゴギュリといい音がし、シレンは掴まれたまま四肢をブラーンブラーンとしている。

 

 

「刀振る云々よりまずは冷静になれや。周りをちゃんと分析し相手の隙を突くんだよ。むしろ冷静を欠いたら負けと思え」

 

 

「シレン君、顔が蒼白いです!口から白い泡出てるです!」

 

 

「ん?おいおい、貧弱過ぎんだろ。コンパちゃん、治療お願いしやす。俺はモンスター倒しとくので」

 

 

 

 

 

 

ここはラステイションに来てアヴニールの依頼を初めて受けた時に訪れた施設近くの場所である。

 

 

ここならシレンを拾った洞窟に出てくるモンスターと同じ種類の奴が出て来るかもしれないというあいちゃんの考えでここに来た。

だが、いくら倒せど例の基盤はドロップ(比喩にあらず)せず、俺達は考えあぐねていた。

 

 

「うーん、このままだと洞窟とか行き直すしかないよね?」

 

 

「そんなことしていれば余計に時間を喰っちまう。もうすぐ博覧会だし、とっとと見つけないといけないからな」

 

 

今はシアンちゃんも博覧会の場所の抽選、さらに機械剣アルマックスをネプちゃんから返してもらい最終調整を行っている。

これ以上時間をかけると告発するタイミングどころか、完全にアヴニールが大陸を手に入れる可能性が出てくる。

 

 

「でも、このままだと…………」

 

 

「だったら隠れてコソコソしてる奴に聞いてみるか?」

 

 

俺の言葉にネプちゃん達は何を言っているのか分からないみたいで首を傾げる。

俺はさっきから気配がして仕方なかった場所に銃口を向ける。

 

 

「おい、そこにいるんだろう?バレバレだぜ?」

 

 

草むらから出てきたのは覚えがあるスーツ姿と嫌に気になる笑みを浮かべる男、そうガ○シュだった。

 

 

「おやおや、やはり貴方にはバレていたみたいですね。その他の皆様もお久しぶりです」

 

 

「ハッ、ド素人の隠れ方なんぞ本屋でラノベの棚からホラ○ゾンを見つける並に簡単だわ」

 

 

「それ、簡単なの?」

 

 

ネプちゃんのツッコミを無視し、ガ○シュに『んで、何の為に来たんだ?』と問いかける。

すると奴はおどけた口調で淡々と話しだした。

 

 

「実は私も会社の方針に疑問を抱いていましてねぇ。貴方達が会社の不正を探していると聞いたので待っていたのですよ。なので何でも話すつもりです。その為に来たんですから。基盤も差し上げますよ?欲しかったんでしょう?」

 

 

「いまいち納得がいかねぇな。何故このタイミングなんだ?そして、俺達に基盤を渡したとしても信用して貰えると思ってんのか?」

 

 

「会社の目を盗む為にチャンスを伺っていたら偶然このタイミングになっただけですよ。私は本当の事しか言いませんが信用するかどうかは貴方次第です」

 

 

確かに言葉で言えば説得力があるかもしれない。

だが、こいつの言う“偶然のタイミング”が本当にグッドタイミング過ぎて気味が悪い。

まぁ、こいつが気味が悪いのは元々だけど。

 

 

「基盤が見つかってないですし、今の内に聞いた方がいいです!」

 

 

「ひとまず教院の人達に身柄を預けて話を聞いてもらうなり何なりしてもらおうよ」

 

 

「教院…………そう言えばコリーヌに身を寄せていると聞いていました。分かりました。では直ぐにそちらに向かいましょう」

 

 

「…………まぁ、そうだな。付いて来い。妙な動きをしたら、その部分を切り落とすからな」

 

 

俺達の後ろに付いて来るガ○シュに意識を向けながらコリーヌへと向かった。

 

 

 

 

 

翌日、シアンちゃんが会場へと赴いている間に尋問を終えた教院の奴が来ていた。

今、テーブルでネプちゃん達と話し合っている。

 

 

俺はカウンター席に座りショットグラス片手にネプちゃん達の話し合いをボーッと聞いていた。

 

 

「師匠、お酒って美味しいんですか?」

 

 

俺の隣に座っているシレンはボトルを手に取りながらそう聞いてくる。

 

 

「あー、美味いと言えば美味い。お前が呑みたいと思えば呑めばいいと思うぞ。無理強いはしない」

 

 

懐かしいものだ。

昔にガキの頃、爺にシレンと同じ質問をしたら、スピリッツをボトルごと口に突っ込まれてぶっ倒れた思い出がある。

それで死ななかったのはいるかどうか分からん生みの親から受け継いだ肝臓のおかげなんだろう。

別に嬉しくはないけど。

 

 

昔の思い出と師匠の殺意を懐かしんでいると、向こうでは話の本題に入っていた。

 

 

「それよりもあの従業員は何か吐いたの?それとも黙秘ばっかり?」

 

 

「いや、気持ち悪いぐらいに素直に吐いてくれたよ。あの基盤を調べてみたがアヴニールのモンスターはどうやら遠隔操作で、その操作をするために必要な物らしい。わざわざ機会系のモンスターから抜き取り改造していたみたいだな。おかげでこれで我々もアヴニールに立ち入り調査にこぎつけたよ。できれば君達にも協力をお願いしたい」

 

 

それを聞いたネプちゃんは興奮するように両手の握り拳を上下に激しく動かしながら立ち上がった。

 

 

「おおー!これは敵地に乗り込むって展開だね!だったら主人公の私がいないと始まらないよ!?」

 

 

「うぉーい、明日は予定あるんじゃねぇのかぁー?」

 

 

腕を組んでネプちゃんの頭の上に置く。

ネプちゃんが『頭、重い〜!酒臭い〜!煙草臭い〜!』と言っているが、スルーする。

フハハハ、ずっとこうして苦しむがいい。

 

 

「そ、そうです!私達、シアンさんと博覧会に出る約束をしてるです!」

 

 

「だったら俺が行くべきだな。ムサい男よりも華のある女の子が行けば会場が盛り上がるしな」

 

 

「で、でも…………」

 

 

心配そうにこっちを見るネプちゃんに俺は彼女の頭の頂点に顎を勢い良く下ろす。

 

 

「いだっ!?」

 

 

「ガキが歳上の心配をすんじゃねぇよ。大丈夫だって。パパっと行ってパパっと終わらせてそっちに合流する」

 

 

「うん…………」

 

 

「よしッ」

 

 

ネプちゃんの返事に大きく頷きカウンター席へと戻る。

隣のシレンが何か言いにくそうな素振りを見せていた。

 

 

「師匠、あの…………」

 

 

「お前は来んな。ネプちゃん達と一緒にいろ」

 

 

「でも…………!」

 

 

「うっさい」

 

 

グチグチうるさいガキにカウンターに置いたボトルを口に突っ込む。

 

 

「もごォっ!?」

 

 

ゴキュンゴキュンといい飲みっぷりを披露するシレンからボトルを抜き取ると顔を真っ赤にして目を回しながら地面に倒れた。

倒れたシレンの首根っこを掴んで二階の部屋へと行く。

 

 

こいつは自分の親を殺した奴に復讐をしたいのだろう。

ああ、俺はそういうのは大賛成だ。

もう、どんどんさせても構わない。

だが、今回だけは駄目だ。

 

 

「悪い。今回はデカい何かが裏で動いている。お前では扱い切れねぇだろうからな」

 

 

こいつはガキだ。

まだ裏を見せるのは早すぎる。

これから嫌と言う程、見るのかもしれない。

 

 

その時は、コイツに“童貞”を捨てさせないといけないがな。

 

 

 

 

 

 

 

 

博覧会当日、シアンちゃんの工場から少しだけ武器を盗………ゲフンゲフン、もとい拝借してから、指定された場所に来ていた。

 

 

「来てくれたか。あれがアヴニールの本社ビルだ」

 

 

「何とも自己主張が激しいビルだなぁ。それに人の気配がまるでなくて少し不気味だな」

 

 

中に入ると社員どころか少し期待していた麗しい受付嬢すらいなかった。

しかし、それの代わりに溢れんばかりのモンスターがいた。

 

 

「こいつはどういう事だ…………?」

 

 

「クッ…………どうやらアヴニールはここに来て健全な一企業の仮面を捨てたらしい」

 

 

「なら話は早い。正面突破だ。あんたらはそこにいろ。俺がここに連れて来る」

 

 

教院の奴にそう言い、俺は奥へと進んで行く。

群がるモンスターが俺に気づき襲いかかってくるがそれを問答無用で斬り捨てる。

 

 

エレベーターが止まっているので階段で上がり、更に次々と湧いて来るモンスターを殺しながら進むのは骨が折れたが、何とか社長室らしい部屋に辿りついた。

 

 

その間に金になりそうな装飾品や小物類はポケットに入れるのを忘れてない。

だって、戸締りしてない奴が悪いのですからね(キリッ

 

 

扉をノックする意味もないので蹴りを入れて開ける。

 

 

「チワーッス、三河屋でぇーす」

 

 

「おやおや、まさか貴方が来るとは…………ネプテューヌさんが来られると思っていましたが…………」

 

 

ドラマとか漫画とかで見るような社長室。

その奥にある社長机に座っているのはサイ○リアではなく、何故か今は教院側に囚われているはずのガ…………ガ…………何だっけ?

 

 

「その様子だと入れ違いだったようだな…………いや、何でテメェがここにいる?」

 

 

「えぇ、先程出ていかれまして…………大変でしたよ?教院の方々の目を盗んでここまで来るのは」

 

 

「貴方達を博覧会へと行かせるためにここに来たのですが…………まぁ、ネプテューヌさん達が博覧会にいるのならば、それはそれで計画通りですので」

 

 

「あ?何を企んでいやがる」

 

 

「どちらかと言うと全て終わって傍観しているところですね。あ、言っておきますが、アヴニールの命令ではありません。実はこれまでの事は全て私が仕組ませて頂きました。守護女神戦争の存在を知った三年前から」

 

 

守護女神戦争は女神達だけで行わられてきた。

なので知っているのは女神達と協会の極一部の奴等だけだろう。

故にそれに属していないこいつが知っているのは明らかにおかしい。

 

 

「大変でしたよ。小さな会社をラステイション一の企業にして国政院と提携を組み、反論を唱える人を黙らせるのは…………確か………シレン君でしたね?彼の両親はここの優秀な技術者でしたが会社の方針に猛反対でしてね、色々と会社に不利な情報を持っていたので消させてもらいましたよ」

 

 

やっぱりシレンをここに連れて来なかったのは間違いではなかった。

ここにシレンがいればアイツは何をするか分かったものじゃない。

 

 

「単なる一社員がここまでできるわけがねぇ。お前…………一体何者だ…………?」

 

 

「私はルウィーで生まれていながらブラックハート様を信仰する過激派ギルドのリーダー。そして、目的はプラネテューヌの女神、ネプテューヌを倒すこと!」

 

 

ギルド…………あいちゃんから小耳に挟んだ程度だが自分の生まれた大陸とは違う別の女神を信仰する奴等の集まりだと聞いている。

そして、やはりこいつの狙いはネプちゃんか。

あの洞窟にエンシェントドラゴンがいたのはシレンの両親の口封じ、そして、ネプちゃんが殺せれば良いからって話か。

 

 

「全てはネプちゃん、パープルハートを倒す為か?」

 

 

「ええ、そうです」

 

 

「プラネテューヌで教院の奴に化けていたのはネプちゃんが本当に下界に落ちてるかどうか確かめる為か…………?」

 

 

「あら、バレていましたか。そうですね。いやはや、あの時は姿が違うから焦りましたよ」

 

 

「この大陸の女神を軟禁したのも…………!」

 

 

「はい。あれはアヴニールが勝手に行なった事で計画外でしたがね。ブラックハート様には辛い思いをさせてしまいました」

 

 

「アヴニールを操って大陸全部を乗っ取ろうとしたのもか…………!!」

 

 

「勿論計画です。アヴニールは捨て駒で、あのアヴニールが作ったロボットは後でも使い続けます。ブラックハート様も喜んで下さるでしょう。結果的にこの国のシェアが上がるのですから」

 

 

 

 

 

 

 

──────お願い…………この国を、ラステイションを助けて…………!

 

 

 

 

 

 

 

脳裏に響く、あの子の声。

気づけば俺は屑野郎の太腿に銃口を向けて引き金を引いていた。

 

 

「ギッッ!?…………アアアア!?!?」

 

 

「…………ふざけんな……ふざけんじゃねぇぞ、このクソ野郎がッッ!!」

 

 

喚く屑野郎に蹴りを入れ、壁に叩きつける。

崩れ落ちる奴に俺は刀を抜いて太腿の銃創に突きつけ、地面に縫いつける。

 

 

更に奴は叫び声を上げるが俺はそれ以上に柄にも無く叫んでしまう。

 

 

「彼女がそれを望んだのか!?彼女はそれをしろと命令したのか!?彼女はそれをして喜んだのか!?彼女の事を知らねぇくせに勝手な事吐かしてんじゃねぇ!!」

 

 

ノワちゃんにとってネプちゃんはライバルだ。

ネプちゃんを倒す事は己のプライドの為だけではなく、己の愛する国の為でもある。

だから彼女は単身でも俺達に勝負を挑んで来たのだ。

彼女には彼女の揺るがぬ覚悟を持っていた。

だが、こいつはそれを踏み躙り、更にこの国を混乱させやがった。

 

 

正直な所、コイツには脳天に鉛玉をぶち込みたいが、コイツはこの事件の黒幕である。

故に裁かれるべき場所へ送るのが真っ当な処置なのだろう。

 

 

頭を引っ掴み引き摺りながら社長室へと出ようとした時、微かに聞こえる爆音を俺の耳が捉えた。

 

 

「あぁ?」

 

 

窓へと視線を向けると遥か向こうの方から黒煙が巻き上がっているのが見えた。

あそこは確か博覧会の会場だった筈……………

おいおい、あそこにはネプちゃん達がいるんだぞ?

俺が視線を向けていると野郎から腹が立つ笑い声が聞こえた。

 

 

「フ、フフ…………この時の為に………展示会のロボットに少し………細工を…………これも全てブラックハート様の為…………」

 

 

「テメェ…………!」

 

 

こいつにいくら言ってもいくらぶん殴っても意味がねぇ。

俺も人の事を言えたことじゃねぇが、完全に狂ってやがる。

野郎を投げ捨て、窓へと向かう。

 

 

「貴方、確実に死にますよ………ハード・ブレイカーは女神様さえ敵わない様に設計されたロボット…………なのに何故だ?何故、ただの人間の貴方は戦おうとする………」

 

 

痛みに耐えながらそう言う奴に対して俺は社長室の窓を刀の柄で割り、窓枠に乗り込む。

 

 

「ああ?んなの簡単な答えだろうが」

 

 

そして、奴に振り返り俺は当然の答えを言う。

 

 

 

 

 

 

「彼女が助けて、と泣いていたからだ」

 

 

 

 

 

 

それだけ言い、俺は飛び降りた。




ボーッと書きながら思った事

進のイメージボイス……………
歳上、頼りになる感じ、おちゃらけた所。


平田 広明さん、かな?
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