超次元ゲイムネプテューヌ ~殺し屋の異世界見聞録~ 作:鉄の字
「大体、話は分かったわ。つまり三人はその……………イースンって人に頼まれて四つの大陸にある鍵の欠片を探しているのね。………………で、異世界の殺し屋のあんたは記憶喪失のネプ子の護衛を頼まれた、と」
「ああ、そんなところだ」
あの後、洞窟から無言の帰宅。
コンパちゃんの家にお邪魔して優雅なティータイム。
ティータイムの前に放課後と付けたくなるのはご愛嬌。
まぁ、そうなる筈なんだが………………
「(アワアワアワアワ!!)」
「ん~~!このモンブランさいこー!!」
「…………………………」
「…………………………」
状況を説明すると、上から自分のした事に気づいて大慌てのコンパちゃん。
モンブランをパクパク食べながらスマイル全開のネプちゃん。
俺をジーーっと見ているあいちゃん。
換気扇近くで煙草吸っている俺。
とりあえず、ネプちゃんは後で頭グリグリの刑にする。
後ごめん、いーすんちゃん、あの渾名定着しちゃった。
いやいやいや、そんな事よりも今はあいちゃんだな。
俺は台所にもたれ、背中越しにあいちゃんに話しかける。
「あいちゃんよ」
「…………なによ?」
「俺は確かに金を貰えば誰でも殺す殺し屋だ。もし今ここであいちゃんを殺せと依頼がきたら迷いなく殺す」
「……………………」
人殺しをしない殺し屋なんて聞いたことも見たこともない。
俺だって金があれば女子供にだって手をかける自信がある。
事実、殺してきた奴の中にはそういう人もいた。
「だが俺は今、ネプちゃんの護衛の依頼を受けている。だからあいちゃんには手を出さないし裏切りもしない。ネプちゃんもコンパちゃんもそうだ。これは絶対だ。命を賭けても守る。信じろとは言わない。でもそれだけは覚えていてくれ」
俺は受けた依頼は最後までやり通すのが俺のルールだ。
ついでだが、ネプちゃんの仲間だったらその人達も護る。
「お願いです、アイエフ………さん!進さんは殺し屋です!でも進さんは優しくて、私達は進さんに助けてもらったことがあるんです!」
「そうだよあいちゃん!進はヌボーっとしてて、煙草臭くて、筋肉ムキムキで、悪い人っぽいけど本当は悲しい過去を背負って生きているダークヒーローなんだよ!」
ネプちゃん、俺にそんな重い設定ないからな。
そりゃ、ガキの頃に死にかけて師匠に助けてもらって、殺し屋の道に進んだけど。
後、ほっぺた全力で伸ばす刑を追加な。
反応を待ち、チラッと後ろを見るとあいちゃんは無表情から破顔しフッと笑っていた。
「大丈夫よ。殺し屋の事はちょっと驚いたけど、あんたの事は信じてるわ。さっき助けてもらったしね」
「ん、そっか。ありがとうな。じゃあ改めてよろしくな、あいちゃん」
キッチンとリビングが区切られたカウンターから身を乗り出しあいちゃんに手を差し出す。
あいちゃんは俺の手を握り握手した。
「ええ、よろしくね、進」
紅茶を入れ直して話題は再びいーすんちゃんの話になった。
「それでイースンさんのことなんだけど……………」
「うん!いーすんはこの世界のどこかに封印されてて、世界とも呼べる、いわば隠しキャラなんだよ!?」
口にクリームをベッタリ付けて腕をブンブン振りながら熱弁するネプちゃん。
俺はまたカウンターから乗り出し、すかさずハンカチを取り出し口周りを拭いてあげた。
「ほら、口周りベッタリと付いてるぞ」
「んん~~~」
「全く、女の子なんだからちゃんと食べなさい。この子はもうっ!」
「進さん、お母さんみたいです」
「ゴホン!ゴホン!」
話が逸れかけた所であいちゃんの咳払いで元に戻される。
「で、それは何故かモンスターに守られている、と。モンスターが守ってるって事は、その元凶がかぎの欠片を守るよう命令したってコトよね……………………つまりイースンさんは、モンスター騒動の現況にとっても何らかの意味ある存在って事になる。世界を救うって言うのも、あながち嘘じゃないかも 」
「おおーっ!!??あいちゃん鋭いってレベルじゃないよ!!もうそんなところまで分かっちゃうの!?」
いやネプちゃんや、考えればそれぐらい分かるだろ…………
「別にフツーに考えたらこれくらい。でも、もしそれが本当なら …………」
言葉を止めて、この面子を見渡すあいちゃん。
ぽわわんとしているコンパちゃん。
モンブランを食べ終え、ショートケーキを食べ始めたネプちゃん。
酒がないか冷蔵庫をあさる俺。
「……………アンタ達三人に任せるのは、自殺行為かもね」
何と失礼な。
的を得ているけど。
おっ、チーズとトマトあるじゃん。
一緒に食うと美味いんだよな。
「ま、いいわ。なら私がサポートしてあげる!そもそも世界中回るつもりでしょ?やっぱり一人くらい旅慣れしたキャラがいないと。それにしても……鍵の欠片ねー。モンスターに守られているって言う条件付なら案外、探すのはそんなに難しくないかも」
「ほ、本当ですか!? じゃイースンさんも、きっとすぐに助け出せるです!」
「何かアテでもあんの?」
「少し前から各大陸の協会がモンスター被害への対抗策を立てるために、分布調査をしているの。心当たりぐらいあるんじゃない?」
そこでネプちゃんが挙手した。
「あのさー、一つわかんないんだけど。協会って………………なに?」
「あーー、俺もそれ気になった」
「ねぷねぷと進さんはまだ説明してませんでしたね。協会って言うのは女神様に仕える人達が運営する神聖な組織ですぅ!主に下界におりてきた女神様のお世話をする教院と、大陸を纏めて政治をする国政院の二つで成り立ってるです」
女神………………
そういえば前にコンパちゃんが説明してくれてたな。
4つある大陸に一人ずつ女神がいて自分の大陸を守護している。
民が女神を信仰し、女神はそれを力とし、女神の守護の力は強まる。
時たま女神も下界に降りるらしいがめったに人前には出ず、重大な式典ぐらいにしか姿を現さないらしい。
こうして聞くと、ゲイムギョウ界はちょっとした王権政治なんだな。
「ねぷぅ~~~~~~………………」
おおっと!
ネプちゃんの頭がオーバーヒートしてる!
これはパフェに続きショートケーキを奪うチャンスか!?
「あー、ストップストップ!どうせならそこんところは協会の人に説明してもらわない?どうせ行くことになるんだし」
「ん?と言うと?」
コンパちゃんの説明をあいちゃんが遮り俺は短くなった煙草を携帯灰皿の中に入れながら質問した。
「 大陸を渡るのに協会の許可がいるの。大陸の接岸場も、管理してるのは教会なのよ」
「じゃあ教えてもらうのは大陸を渡る時か。暫くは路銀稼ぎだな」
冷蔵庫のドアを閉める。
むぅ、やっぱりコンパちゃんは未成年だから酒なんてないか。
後でコンビニかどっか行って買ってくるか。
俺はそう思いながらネプちゃんのショートケーキを食べるのであった。
「うぅ~~~、また記憶飛んだような…………………あーー!!進が私のケーキ食べてる!!!」
流石に二回目はなかったか。
んでもって数日が経ち、やっと大陸が近づいて来た。
来たのだが……………………
何でまたサンドワーム退治なんだよ…………………
大陸接近の知らせが来たとき直ぐに準備を済まして、『さぁ、行こう!』って時に依頼が迷い込んで来た。
またあの洞窟にサンドワームが住みついたそうだ。
ネプちゃん、コンパちゃんは二つの返事でYes!を選び俺達四人は再び洞窟へ。
いや、ネプちゃんは正義感が強いし、コンパちゃんは困っている人を助けたいっていうのは知ってるけどよぉ…………
あーーー、さっさと大陸渡りてぇ…………
まぁ、金の為にやるけどね!!
「あーらよっと!」
そんな俺の鬱憤を晴らすための一撃を最後のサンドワームに叩き込みサンドワームは相変わらず気持ち悪い声と共に倒れた。
「これで依頼は完了ね」
周りに倒れるサンドワームを一瞥しながらあいちゃんはカタールを袖の中にしまった。
因みにカタールって呼び方は誤りでジャマダハルが正しい。
暗殺者が使うイメージがあるが実際に使ったという文献は無い。
だが、カタールを使って暗殺を繰り返したアサシン組織が実在していたらしい。
「しかし、倒したと思ったら、またすぐに現れる。これ絶対誰か裏で糸引いてるだろ…………」
「進、何か言った?」
「いんや、ちょっと考え事だ」
俺の呟きに反応したあいちゃんに適当にはぐらかす。
こりゃ、本当にネプちゃんが言った通りモンスターを出しているボスがいたりしてな。
まぁ、今時そんなテンプレなボスがいるわけがーーー
「ハーッハッハッハッハッハ!!!見つけたぞネプテューヌ!まさか本当に下界に降りていたとはなっ!!」
「誰!?この時代遅れの笑い声は……?」
「時代遅れは余計だ!………………だが、人をおちょくる意地の悪さも相変わらずだな?」
うわぁ……………………
テンプレなボスはいなかったものの、テンプレな悪党がいた。
真っ白を通り越し少し青みを帯びた肌に魔女のような服装をして薄い紫の髪にいかにもこれから悪さをするような顔をしたババァ。
あえて言おう、俺好みではないとッ!!
しかし、誰だ?
ネプちゃんの知り合いか?
えらく気持ち悪…………ゴホンゴホン
個性的な知り合いがいたもんだ。
知り合いかどうかさえ怪しいが。
「これなら、なんの躊躇いもなく……………潰せるッ!!覚悟しろッ!!!」
ババァが手に持った杖をネプちゃんに向けるとそこから氷柱が現れ、ネプちゃん目掛けて放たれる。
俺は瞬時に駆け出し間に入り氷柱を斬り伏せる。
「ネプちゃん、無事か?」
「うん!ありがとう進!」
俺の突然の乱入にババァが目を細める。
「貴様、何者だ?」
「ククク、おいババァ」
「ば、ババァ!?」
「この子を狙うって事は………………俺に殺される覚悟があるってことだよな?だったら殺されてもなんの文句はねぇよな!!」
俺から滲み出る殺気にババァは警戒するように杖を持ち直す。
さぁて、この世界での対人戦は初めてだが、どうなるだろうな?
「チッ……………殺されるのは貴様だ!!」
「ちょっと私達を放ってない?」
横からあいちゃんがカタールで斬りかかる。
ババァは杖で防ぐが体術は専門ではないのか体勢が崩れる。
「お注射の時間ですぅ!!」
あいちゃんはすぐにその場を離れ、コンパちゃんの弾丸がババァに命中する。
「クッ!」
「シャァァァラァァァア!!」
コンパちゃんに意識が向いている所に俺が間合いを詰め横に刀を振るう。
「クソッ!」
ババァが手を翳すとそこに幾何学的模様の魔法陣が現れ俺の攻撃を防いだ。
さっきの氷柱といい、この世界は魔法も発達してるのかよ?
ならーーー
「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァァァァア!!!」
ーーーババァが離れる前にこれをぶっ潰す!!
右に左に縦に横に右斜め下に左斜め下に左斜め上に右斜め上に。
刀を縦横無尽に我武者羅にただ振り回すだけ。
俺の斬撃のラッシュに魔法陣は至る所にひびが入り始める。
「グッ………!しつこい男は嫌われるぞ!」
「アァ?そういう台詞はーーー」
俺は体を仰け反らして、今にも崩壊しそうな眼目の魔法陣に向けて頭を振り下ろした頭突きをかました。
「二十代、または三十代に若返って俺好みになってから言いやがれ糞ババァァァァァア!!!」
硝子が割れるような音を立てて崩れる魔法陣。
これでババァを守る者はなくなった。
「行きな、ネプちゃん」
背後が光ったと思うと俺の横を通り、変身したネプちゃんがババァに突撃する。
そして、ババァに太刀を袈裟斬りで振り下ろした。
「ハアアアアアーーー!!!」
「ぐわぁぁぁぁあ!!?」
流石に杖で防ごうとしたが間に合わず杖は弾かれ、ババァは壁に叩きつけられる。
「ナイス攻撃、ネプちゃん」
「えぇ、皆もありがとう。それにしても、あの女に襲われるなんて、記憶を失う前の私は何をしていたのかしら?少なくとも恨みを買うようなことはしてないと思うけど」
心底呆れ顔でネプちゃんはババァを睨みつける。
「え!?進、その人誰!?」
あ、そう言えば、あいちゃんは変身後のネプちゃん見るの初めてだったな。
「今この場にいない人」
「ここにいない人って…………………もしかしてネプ子!?」
あいちゃんは目を大きく開いて仰天する。
おーー、予想通りの反応。
「うん、すんげぇ変わってるけど同一人物です」
「私達も最初はビックリしたですぅ」
「今は談笑している暇はないわ。まだあの女がいるわ」
ネプちゃんの言葉に皆の注目はババァに向かれる。
ババァは弾かれた杖を使いよろよろと立ち上がる。
「クソッ!あの男の馬鹿力は何だ!?」
「人のこと馬鹿って言うな魔法熟女コスプレババァ」
「「「ッ……………!!」」」
俺の発言に仲間三人は吹き出し、ババァはポカーンとした後、顔を俯かせてプルプル震えだした。
あり?
もしかして怒っちゃった?
「…………そうか。そんなに死にたいなら望み通り殺してやる!!」
ババァが杖を振ると俺達の周りに炎が天井まで吹き上がり俺達を閉じ込めた。
「その中でジワジワと焼かれていくがいい!!ハーッハッハッハッハッ!!!」
ババァの笑い声に苛立ちを覚えるが今はこの状況の脱出が最優先だ。
「あーーー、どうする?このままだとタンドリーチキンになるぞ?いや、むしろ北京ダックか?」
「何であんたそんなに冷静なの!?自分で撒いた種ぐらい自分で何とかしなさいっ!!」
なんかあいちゃんに怒られた。
上を見てみると炎の壁が薄い所が見える。
「ネプちゃん、俺達担いで上まで上がれる?」
「ごめんなさい、流石に三人を持ち上げるのは無理よ」
一人ずつだとババァに気づかれて攻撃されるかもなぁ。
高速でこの炎を抜ければ何とかなるかもしれないが、一番機動力があるネプちゃんでもこの狭さだと抜けるのはキツいだろうし。
「暑いですぅ………………」
「コンパ!しっかりして!」
コンパちゃんもあいちゃんもしんどそうだし、これ以上時間はかけられなぁ。
んーーーーーーーー…………………
ポクポクポクポクポクポク…………………チーン
俺の頭の上にある電球の灯りが点いた。
あ、そうだ。
俺は昔読んだ漫画のワンシーンを思い出した。
「一個だけ方法がある」
「「「え?」」」
「本当にやるの?」
「本気と書いてマジです。つーか、これしか方法がないんだからな」
不安そうに見つめるネプちゃんの視線の先には鞘に収めた刀を肩に担いでいる俺。
「ほら、乗りな」
「……………頼むわよ」
「大丈夫大丈夫、ババァに攻撃できればそれでいいから。ここは年上を信じなさい。年上の70%は全て正しいでできているから」
ネプちゃんは浮き上がり、俺の刀の上にそっと降り立つ。
……………ん?
乗ってるんだよな?
全く重さを感じねぇぞ。
こんなに軽いのによくあんな重い一撃放てるよな。
「準備いいかネプちゃん?」
「ええ!思いっきりやって!!」
俺は手に力を入れ、肩の力を入れ、足を踏ん張り、思いっきり刀を振り下ろした。
「ッッダラァァァァァア!!!!」
そして、刀の上にいたネプちゃんは高速でババァに向かい飛ばされる。
弾丸の如く発射されたネプちゃんは襲いかかるGに耐え、炎の壁を突破する。
「エクスブレイド!!」
「グァァァァァアア!!??」
ババァの悲鳴と共に炎が消え、目の前には太刀を持ったネプちゃんと倒れているババァが見えた。
「クソッ!大して強くないのに何故!?」
ババァが何かほざいているが俺は走り出し、うずくまるババァの顔面にヤクザ蹴りを喰らわす。
首につられ、体が仰け反り仰向けに倒れたところを次に腹を踏みつける。
「………………アッ……………ガッ………!?」
「ババァ、あんたは何者だ?モンスターを出しているのはお前か?それとネプちゃんについて何を知っている?」
「…………………やめ……………ろ……………!」
「聞いてんのはンな事じゃねぇんだよ」
俺は足をどけるとババァの横腹を死なない程度に何度も何度も何度も何度も一定のリズムで蹴り上げ、腹を何度も何度も何度も何度も一定のリズムで踏みつける。
ババァは激痛の中、震えながらもゆっくりと杖に手を伸ばすが寸前の所で手の甲を踏み潰した。
「がぁ!?」
「普通だったら指を切り落としてるが、テメェが女だから特別に優しくしてやってんだ。ほら答えろよ。流石に次はねぇぞ?」
グリグリと靴の裏ですり潰すように動かす。
だが聞こえるのはババァの苦しそうな呼吸音だけだった。
………………これ以上の追求は無駄か。
「答えねぇか。答えねぇなら……………さっさと死ねよ」
俺は刀を振り上げ、ババァの首目掛けて振り下ろそうとする。
「進、やめて!!」
「っ!?」
突然聞こえた声に思わず動きが止まってしまう。
ババァはチャンスと思ったんだろう、杖を掴み、俺を睨みながら霧のように消えてしまった。
……………逃げられたか。
俺は声の主であるネプちゃんの方へ顔を向ける。
「ネプちゃん、どういうつもりだ?」
「あなたの言いたいことは分かるわ。でも、今は殺さないで」
おい、今何て言った?
殺さないで?
この俺に殺さないでと言ったのか?
この殺し屋に殺さないでと言ったのか?
はて?
ネプちゃんは何か冗談でもほざいているのか?
確かにいーすんちゃんには“なるべく”殺さないように言われている。
だが、それは『捕獲が困難な場合、情報が聞けない場合は殺せ』と俺は解釈した。
なのに……………殺すな、だと?
呆れを通り越し、怒りを通り越して逆に笑ってしまいそうになる。
何か言おうかと思った。
だが、視界の端に怯えるコンパちゃんとそれを庇うように立っているあいちゃんが見えた。
……………………今は得策ではないな。
「……………………甘い、な」
俺は聞こえない程度に小さく喋り、刀を鞘に収めて、ガシガシと頭を掻きネプちゃんに向き直る。
「考えとく」
「………………………」
ネプちゃんは俺の返事に納得はいかなかったようだが変身を解き、いつものネプちゃんに戻った。
「ごめんなコンパちゃん。怖がらせちゃったな。あいちゃんも」
「い、いえ、大丈夫です……………」
「でも、あんた本当に怖かったわよ。二度とあんなことしないでね?」
「ああ、善処しとくさ。さて、さっさと帰ろうか。あ、そうだネプちゃ………………」
「………………………(ムスッ)」
後ろを振り返ると腕を組み頬を膨らませて斜め上を向いている見ても分かるほど超不機嫌なネプちゃん。
ネプちゃんが拗ねるとは珍しい。
最初に機嫌をとろうと頭に手を置いたが、ぺしっと払われる。
次に膨らむ頬に指を突っ込む。
プヒュウっと息が漏れ、思わず笑ってしまったが、ネプちゃんの睨みが五割増しになった。
仕方ねぇ、最終手段だ。
俺は口をネプちゃんの耳に近づけボソッと口を開く。
「後でケーキ奢るぞ?」
「ッ!」
おっ、反応あり。
「モンブランか?ショートケーキか?何でも何個でも買ってやるぞ?」
「わーーーい♪」
ククク、チョロいチョロい。
「やっぱり進さん、悪ですぅ………」
「ある意味最低な大人ね……………」
フハハハハ!!
今日の煙草は何時もより数倍美味いわ!!
進が読んだ漫画は某漂流者の国盗り物語です。
自分も大好きです!
いつになったら新刊発売するんでしょう?