鋼の不死鳥 黎明の唄   作:生野の猫梅酒

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#34 狂気の不死鳥

 鉄華団団長を標的として白昼堂々に行われた暗殺行為。まさかそんなことはしないだろう、などという甘い考えの間隙を縫うような行いには誰もが驚き震えたものだ。マフィアとも称されるテイワズのお膝元で起きたまさかの事件に、危機感を煽られ歳星中が荒れているのも無理はないことだった。

 

「そんで三日経った現在でも首謀者は見つからずじまいと来たか。こりゃまた、随分と裏工作が得意と見える」

「ええ、そうでしょうね。おおよその当たりは付いてるんですが……」

 

 歳星の艦船ドッグに繋がれているのはタービンズ所有の特徴的な船首を持った艦、『ハンマーヘッド』である。その中に設えられた高級感漂う応接室にて、名瀬・タービンとオルガ・イツカは意見を交わし合っていた。

 この場に存在するのは二人だけ、名瀬もオルガも付き人は無しだ。三日月とジゼルは現在マクマードの下へと向かい、経過報告を行っている真っ最中だろう。

 

 名瀬はテーブルに置かれたグラスを煽ると、おどけたように肩をすくめる。その表情も含めて「既に犯人など分かり切っている」と雄弁に語っていた。

 

「ジャスレイ・ドノミコルス、だろ? お前を標的にして、かつテイワズのお膝元で暗殺ぶちかまして証拠も出ないなんざまずあり得ない。そんだけの地位もコネも持ちながら、鉄華団を目の仇にする奴なんざアイツくらいのもんだろうよ。とんだ災難だったなぁ」

「俺もあの男はあまり好きじゃありませんが……にしても、こんな直接的な手段をこうも早く取ってくるとは思いもしませんでした」

「奴は良くも悪くも行動が早いのさ。ある程度考えがまとまれば即座に行動に移すから対策が取り辛い。そのぶん詰めが甘かったりするのがこっちとしちゃありがたいが」

「俺からすればとても詰めが甘いなんて言ってられませんよ。あの時一人で街中に出ていたらと思うと流石にゾッとします」

 

 少なくともオルガは暗殺の気配など微塵も感じられなかった。もし単独で行動していたのなら、今頃は呆気なく散っていたはずだ。仲間たちへ伝えるべき言葉すら遺せず無為に死んでいくなど、考えるだけでも無念が募る。

 ただそれでも生き残れたのは、ひとえに同じような人間がオルガの傍にも居たことだろう。ジゼルは存在からして殺し屋(ヒットマン)のようなものだから、同類には人一倍鼻が利くのも頷ける話だ。

 

「んで、お前はどうするよオルガ。このまま”やられっぱなし”じゃ終わらねぇんだろ?」

「当然です。今回の件の首謀者には、なんとしても落とし前を付けさせます。ただ──」

「ま、今のままじゃ難しいわな。ジャスレイがやったなんて証拠は何処にもなし、現状じゃ手出しできねぇ。かといってここに残ってもいつまた狙われるかも知れたもんじゃないと」

「ええ、ですので一度火星に戻ろうかと。向こうに戻ればひとまず態勢を整えられますし、むざむざ殺されてやる心配もぐっと減りますから」

 

 この歳星が暗殺者一派──おそらくはジャスレイ一派にとってのホームグラウンドというなら、火星はオルガ達にとっての地元である。戻りさえしてしまえば、まず間違いなく暗殺される危険性は無くなるはずだ。少なくとも本部から動かない限り当面の間は安全が約束される。

 

「だが足はどうする? そっちは今回イサリビじゃなくて、最低限MS二機が積める小型艦艇一隻で来たんだろ? 帰り際を狙われようものならどうしようもねぇと思うが」

 

 俺が送ってやることも出来ないしな──名瀬が苦笑交じりに零した。その言葉にオルガの顔が一段と険しくなる。

 

「可愛い弟分を火星まで護衛がてら送ってくなんざ安い仕事なんだがな。なんと面白い事にこのタイミングで急ぎの仕事が来やがった。悪いが俺も明日には出なきゃなんねぇ」

「ちょいと出来すぎてる気がしますね……もしかして、そいつも根回しってやつっすかね?」

「だろうな。周到なこったよ、忌々しいぐらいにな」

 

 武力でこそパッとしないジャスレイ一派だが、そのぶん経済的には強いのだ。タービンズに唐突に舞い込んだ急ぎの輸送依頼は間違いなく彼らの思惑とみて良いだろう。名瀬がどうしようもなく天を仰いで悪態を吐くのも道理と言えた。

 そして火星から鉄華団の艦艇である『イサリビ』か『ホタルビ』が来るには、少なく見積もっても二週間はかかると見て良い。その間に歳星内で何もないと考えるのは少々楽観が過ぎるだろう。

 

「正直なところ、今回の仕事依頼は断っても良いと考えてる。多少名前やら信頼度やらに傷は付くだろうが、ここで万が一にもお前に死なれる方がよっぽど困るからな。どっち取るかなんざ悩む余地もねぇ」

「──いえ、その必要はありません。どうあれ兄貴は兄貴の仕事があるんすから、そっちを優先してください」

 

 やけにキッパリと断られてしまい、しばし名瀬の目が点になる。だがすぐにその意図を読み取ると、今度は口元がにやけ始めたのだ。

 

「ははぁ、手中に策有りって感じだな。もしかしてあの嬢ちゃんの入れ知恵か?」

「まあそんなところです。向こうが提案してきた策をベースに話し合って、この状況でどう振舞うか決めましたから」

「なるほどな。そんじゃあ、ここ数日ずっと俺んとこや自分の艦に引きこもってたのも策の一環ってことか。まったく、随分とあの嬢ちゃんを信頼してるもんだ」

 

 暗殺されかけたのだから街中に出ないのは当然の事なのだが、今回のオルガの場合マクマードへの報告すらジゼルを代わりに行かせているのだ。非礼を承知で組織のトップに会いに行くことすらしない徹底した露出の無さ、普段のオルガからは考えられないと感じてはいたがやはり作戦あってのことだったか。

 

「せっかくだし聞かせてくれよ。どんな手を使ってこの窮地を乗り切るつもりなんだ?」

 

 好奇心に駆られ愉快そうに問う名瀬に、オルガは困り顔で頰を掻いた。別に言うのも憚られるような作戦ではない。ただどのように伝えるべきかしばし言葉を探して、結局上手い滑り出しが見つからずストレートに語り出す。

 

「まず手始めに──俺が死にます」

「……は?」

 

 突拍子の無さすぎる第一声に、さしもの名瀬もグラス片手に言葉を失ってしまったのだった。

 

 ◇

 

「歳星からの出発は五日後に決まりました。ジゼルのフェニクスの改修が済み次第発つ予定です」

「そうか。悪いがこっちもまだ首謀者の特定は出来てねぇんだ、ほとぼりが冷めるまではそっちで対処してもらうしかねぇ」

「構いませんよ。荒事は鉄華団の望むところですから」

 

 歳星、マクマードの屋敷にて。経過報告の為に訪れていたジゼルと三日月は、主であるマクマードと対面していた。内容自体はどうということはない。未だに首謀者は見つからずじまいだから、鉄華団はひとまず歳星を離れるという旨のものだ。

 ただし違うのは、この話を聞いているのがマクマード一人ではないということだ。

 

「つまり鉄華団は尻尾巻いて逃げるってこった。怖くて引き篭もっちまった団長といい、こいつは武闘派組織の名が泣くぜ」

 

 ジャスレイ・ドノミコルス。嫌な笑みを浮かべる彼は本来ならこの話とは無関係であるが、テイワズの二番手としての力を買われマクマードに呼び出されている──とジゼルは説明を受けていた。実際のところは知らないが、別に興味はない。

 ともあれこの場にジャスレイまで居るというのは、ジゼル達にとっても非常に都合が良いのは確かなのだ。彼の安い挑発に乗りさえしなければ、ではあるが。

 

「戦略的撤退、というやつですよ。場当たり的に突撃していくだけが戦いではありません」

「そうかいそうかい、なら構いやしませんがね。あんま鉄華団が情けない振る舞いしてくれると、テイワズの名にも傷が付くんだ。そこんとこよーく理解してくれよ?」

「ジャスレイ、おめぇだってまだ犯人を見つけられてないんだろ? 自分のこと棚に上げて人様笑うたぁ随分と偉くなったじゃねぇか」

「……ッ、悪かったよ親父」 

 

 今回の件の犯人探しはジャスレイが主に動いている。しかしまだ何の成果も得られていないのだ。故にマクマードからその点を詰られてしまえばジャスレイに言い返すことなど不可能である。

 その取り返しなのだろうか。今度はジャスレイの方から鉄華団へと提案を持ち掛けてきた。

 

「んで、火星まで帰んのに護衛はいらねぇのかい? 手頃な傭兵団くらいなら紹介してやってもいいが」

「それもいりません。護衛はジゼル一人で問題ありませんので」

「上手く団長を守れたからって大した自信じゃねの。その言葉が法螺じゃなきゃいいんだがな」

「だってジゼル、強いですから。団長さんを狙う相手なら誰であれ皆殺しです」

 

 そこらの傭兵団より自分の方が強い──素面ではとても言えないことを気負いのない真顔でジゼルは答えた。たまらずジャスレイが笑い出す。とても彼女の言葉を信じているようには見えなかった。

 だが、それで構わない。ここで肝心なのはジャスレイにジゼルのことを『自分の力を過信した小娘』と感じてもらうことなのだから。実力的、精神的に隙があると思わせればそれで良いのだ。

 

「ではそろそろジゼル達は行きますね。さようなら」

「用心だけは怠んじゃねぇぞ。テイワズの威信にかけて、今回の相手は見逃せねぇ手合いだからよ」

 

 目的は達した。軽く頭を下げてから、三日月の座った車椅子を押しつつ出口へと向かう。

 扉に差し掛かった時、ふと三日月が後ろを振り向いた。察してジゼルが立ち止まる。彼の青い瞳は真っすぐにジャスレイへと向けられていた。

 

「心配しなくとも、オルガは絶対に逃げないよ。相手が誰であろうと受けた恩も恨みも忘れない。俺も、オルガの道を阻む奴は逃がさない」

「なら精々上手く事を収めてくれよ? 新入り組織のせいで幹部陣がゴタゴタしてるなんざつまらねぇにも程があるからな」

「うん、だから俺たちも最短で行く。期待してくれていいよ、ケツアゴの人」

 

 今度こそ部屋から退出した。閉められた扉の向こうから一拍遅れた怒鳴り声が聞こえてくるが、ジゼルも三日月も特に気にするような人間ではない。ジャスレイのことなど頭の片隅にも置かず、のんびりと帰路に着いたのだった。

 

 ◇

 

「こっちの準備は終わりましたよ。火星本部の方はどうですか?」

「問題ねぇよ。イサリビはもう出してもらったとこだ。火星と歳星(こっち)の中間地点までひとまず来てもらう予定だ」

「仕込みは上々ですね。後は予定通り、ジャスレイ氏が殺しに来てくれれば良いのですが……」

「それはいいんだがよ、一つ良いか?」

「おや、なんですか?」

「なんで俺がアンタの髪を梳かなきゃなんないんだ。自分でやれよ自分で」

 

 我慢しきれないとばかりにオルガが言った。その手には櫛が握られていて、ジゼルの長い髪の毛に差し込まれている。少し前から強制的に彼女の髪を梳かされているのだ。

 はっきり言ってジゼルの髪は馬鹿みたいに長い。なにせ赤銀の髪が膝裏近くまで伸びているのだ。管理が大変そうなのは一目瞭然だが、まさか自分が梳いてやる羽目になるとは思わなかったオルガである。

 

「自分でやるとムラができるんですよ。それにほら、これから数日は艦艇の中にすし詰めですし。できるだけ綺麗に整えておきたいと言いますか」

「なら髪を切ったらどうなんだよ。つかこの前髪触られて怒ってたろ」

「あれは全く知らない人に触られたから怒っただけです。切らないのは一種の願掛けとでも言いますか」

「願掛け?」

 

 何か願い事でもあったのだろうか。それもこうまで髪を伸ばすまで叶わないような願いが。

 

「昔の話ですよ。自分の中の殺人欲求が消えたら切ろう、そう考えていたのですが。結局叶わないままズルズルと伸ばしっぱなしになってしまいました」

「なるほどな。確かにこりゃあ、一年二年程度じゃねぇ蓄積が必要か」

 

 なんとなく髪の中に手を差し入れてみる。まるで滝のようにサラサラと流れる長髪は美麗の一言だ。こうまで美しい髪の束が、結局は叶わなかった願いのせいで形成されたものと考えるとどこか物悲しくもなってしまう。

 

「ジゼルの髪の毛が気に入りましたか?」

「なんだか変態みたいな言い方は止してくれ……ま、綺麗だとは思うがな」

「そうですか。なら切りません」

「なんだそりゃ。好きにすりゃあいいと思うがな」

 

 頼まれたから渋々やっているだけで、それ以上の感情は特に存在しないのだ。彼女自身は割かし好ましく思っていても、なんでも頼みを聞いてあげるかと言えば話は別である。

 そうして一通り髪を梳き終わってから、ジゼルが椅子から立ち上がった。ばさりと赤銀の髪をなびかせてオルガの方へと向き直る。

 

「さてと、ジゼルが居ない間に勝手に死なないでくださいよ。もし死んだらもう一度殺しに行ってあげますからね」

「こっちにはミカも居んだ、問題はねぇよ。それと筋は必ず通す。そんだけだ」

 

 不敵な笑みを浮かべた二人は、共に金の瞳を交わらせたのだった。

 

 ◇

 

 暗い宇宙空間を、一隻の小型艦艇が進んでいく。

 

 MSが二機乗る程度の大きさしかないその艦は、四日前に歳星から火星へと向かい出発したものだ。乗組員は鉄華団団員が三名、積載MSは歳星出発直前に改修が終わったというフェニクス一機だけとなる。マクマードの前でジゼルが語ったように、テイワズ滞在から二週間程度で彼らは歳星を後にしたという訳だ。

 

『情報通りの艦だ。アイツで間違いないな?』

『ああ、大丈夫だ。識別反応もバッチリ、アイツを粉々にすれば大金が舞い込んでくるんだ、気張っていくぞ』

『おうよ』

 

 その小型艦艇をデブリの陰から観察しているのは二機の風変わりなMSだ。四角形のような独特のシルエットに、膝が通常とは逆方向に向いている。ヘキサ・フレームの一種、ユーゴ―と呼ばれる汎用性の高さが売りのMSだった。

 彼らは静かに合図を取ると気取られないよう慎重に艦艇に近づき出す。途中で更に物陰から一機、二機と増え、最後には総勢七機ものユーゴー、そしてマン・ロディが小型艦艇の周囲を取り囲んでいたのである。

 

 この場に居るのは全員傭兵、それも護衛などではない荒事専用に雇われる一団の者たちだ。腕利きの集まる彼らは集団戦において優れた実力を発揮し、半ば宇宙海賊のように縦横無尽に稼ぎを得る手練れとして知られている。

 そんな彼らの依頼は鉄華団の乗った小型艦艇の撃墜だ。依頼主はさるテイワズの大物、報酬も弾んでくれるとなれば断る理由もない。相手の護衛MSは一機だけ、実力者ではあるらしいが数でかかれば目的を達するのは容易いことだ。後は数の差で護衛とやらも黙らせてしまえば終わりだろう。

 

『よし、やれ』

 

 リーダー格のユーゴーが合図を送ると、七機ものMSが一斉にマシンガンを構えた。狙いは当然小型艦艇、碌に反応も回避もせず等速で進む様子からは気取られているように感じない。

 そして、合図と共に全ての銃口が同時に火を噴いた。吐き出された弾丸は吸い込まれるように艦艇へと殺到し、あらゆる箇所を穴だらけにしてしまう。最後には推進剤に誘爆したのか大爆発を起こし、呆気なく宇宙の藻屑と散っていったのだ。

 小型艦艇だったモノの破片がユーゴーやマン・ロディの装甲を叩く。心地よい微かな振動が達成感をいっそう増幅させる。

 

 これで仕事は終わり、後は帰るだけ──とは誰も考えていなかった。

 爆散した小型艦艇の煙の中に反応があるのだ。エイハブ・リアクター、それも反応の強さからして間違いなく無傷のものが。おそらくは話に聞いていた護衛のMSだろう。今更慌てて動き出すのは滑稽の極みだが、無視するわけにもいかない。

 

『聞こえているか、そこのMSよ。既にお前の守るべき相手はいない。もしお前が無駄に抗うというのなら、容赦なく撃墜させてもらう。大人しく投降すれば命までは取らないと約束しよう』

『……ふふっ』

 

 返答、なのだろうか。通信越しに笑い声のようなものが届いた。なんとも薄気味悪く、そして底知れぬ不安感に襲われる笑い声だ。傭兵団のパイロット達は皆、反射的に自らの腕を摩ってしまう。沸き立つ鳥肌が抑えられそうにない。

 未だ爆煙の中に隠れたMSへの恐怖心が一秒ごとに増加していく。

 ──このタイミングで倒し切れなければ、次に死ぬのは自分だと。誰もが歴戦の勘で察してしまい、半ば無意識の内にマシンガンの銃口を煙へと向けたのだ。

 

『応答無きようなら、敵対の意志ありとして撃つ!』

 

 ハッキリと大義名分を宣言できたのは奇跡のようなものだった。訳も分からず沸き立つ恐怖心を必死に抑え込みながら向けた銃口が、待ちわびたかのように火を噴いて煙を貫いた。

 煙のに無数の穴が空けられる。段々と切れていく煙、その中に潜む敵の正体を見極めようとして、

 

『なっ──』

 

 一人のユーゴ―が唐突に沈黙した。

 なんの予兆もなく飛来したのは、おそらく大口径の砲弾だろう。それがユーゴ―のコクピット部を叩きパイロットを気絶させたのだ。すさまじい精密射撃である。

 それと共に煙の中から敵機体が姿を現す。急速な加速と共に闇を切り裂く赤と金の影。巨大な翼と背部に接続されたブースターユニットがかろうじて確認できた。あまりの速度にMSのカメラも追い切れていない。

 

『なんだ、やる気なのか!?』

『こっちはまだ一人やられただけだ!』

『六人居るんだ、落ち着いていつも通りやれば勝てる!』

 

 口々に言葉を交わし、励まし合って平静を図る。直感が危機を促しているが、目の前の相手が逃がす気が無いのも承知していた。

 その間にも敵MSは止まらない。手に持っているのは巨大な大剣だろうか、中心が砲となった変わった武器である。更に目を引くのは長大なブースターユニット、そこには長剣二つに砲身二つの計四つの武器がマウントされている。まるでウェポンラックとして使うことこそ正しいと言わんばかりの過剰積載だ。

 

『それでは団長さんの敵討ちと参りましょう。ガンダム・フェニクスフルース、鏖殺を開始します』

 

 赤い敵MSからそんな通信が届いた。楽しそうな声音にどこか白々しいような響きを含んでいる事には誰も気が付けない。だってそうだろう。一瞬でも気を抜けば即座に死ぬと、感覚でどうしようもなく理解してしまっていたのだから。

 

 ──かくして不死鳥は新生を果たし、”狂気の不死鳥(フェニクスフルース)”として再び宇宙(そら)へと羽ばたいたのだ。

 




新たに登場したフェニクスフルースの武装やらについては、次回に描写しようと思います。だいたい察したでしょうがフルアーマーユニコーンやサイコ・ザクの系譜です。

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