最近バンドリにハマったはいいものの、EXPERTが全くクリアできません。
泣きたい。
そろそろデート・ア・ライブも投稿しないと不味いなぁ・・・
読み切ってないラノベもあるし、徐々に消化しないと。
ではどうぞ。
魔術競技祭 競技決め
放課後のアルザーノ帝国魔術学院。
その中の一クラスは今、びっくりするほど盛り下がっていた。
「『飛行競争』に出たい方いませんかー?」
壇上のシスティーナが皆に呼びかけるが、誰も応じない。
「・・・じゃあ『変身』の競技に出たい人ー?」
しかし誰も応じない。
クラスメイト達のほとんどが俯いたまま顔を上げようとしない。
「困ったなぁ・・・来週は魔術競技祭なのに全く決まらない・・・・・・」
そう言いながら頭をかくシスティーナを見て、ルミアは穏やかながらに良く通る声で皆に語りかける。
「ねぇ、皆。せっかくグレン先生が今回の競技祭は『お前たちの好きにしろ』って言ってくれたんだし、思い切って頑張ってみない?」
それでも皆返事をしない、それどころかほとんどの人は目を合わせようとしない。
「・・・無駄だよ二人共」
そう言って席を立った眼鏡の少年はギイブル。
このクラスでシスティーナに次ぐ優等生だ。
「皆気後れしてるんだよ。他のクラスは例年通り、クラスの成績上位陣が出場するに決まってるんだ。最初から負けるのがわかっている戦いは誰だってしたくない・・・・・・そうだろ?」
「・・・・・・でも、せっかくの機会なんだし」
「おまけに今回、僕達二年次生の魔術競技祭にはあの女王陛下が賓客として御尊来になるんだ。皆、陛下の前で無様をさらしたくないのさ」
ギイブルは嫌みな物言いながらも、クラスの心情を突いていた。
「それよりもシスティーナ。そろそろ真面目に決めないかい?」
「・・・・・・私は今も真面目に決めてるんだけど」
「ははっ、冗談上手いね。足手まとい達にお情けで出番を与えようとしているのに?」
さらにギイブルは持論を展開していく。
競技祭に出場する資格の有無。
競技祭の種目を成績上位者でさっさと埋めたほうがいい。
競技祭は絶好のアピールの場所であり、成績上位者にこそ、機会が多く与えられるべきだ。
楽しさよりも勝つことを重視したほうがいい。
そして、それがクラスの為でもある、と。
「ギイブル・・・・・・あなた、いい加減に────」
とうとう我慢出来なくなったシスティーナが怒声をあげようとしたとき。
ドタタタタ──と廊下を走る音が迫ってくると思えば・・・・・・次の瞬間、ばぁん!と派手に扉が開かれた。
「話は聞いたッ!ここは俺に任せろ、このグレン=レーダス大先生様になぁーーーーッ!!」
クラスの皆が目を向けると、人差し指を前に突き出し、不自然なほど胸をそらして、全身を捻り、流し目で見得を切るという謎めいたポーズをしたグレンがいた。
「・・・・・・ややこしいのが来た」
呆然とするクラスメイトの中でシスティーナは頭を抱えた。
「喧嘩は止めるんだ、お前達。争いは何も生まない。それに─────」
きらきら輝くような爽やかな笑みを浮かべて続ける。
「俺達は優勝という目標を目指して共に戦う仲間じゃないか」
「グレン兄、キモいぞ」
クラス全員を代表するようにノラが言った。
「おいノラ、キモいとはなんだキモいとは」
「いや、余りにも合ってなくて」
「・・・・・・サラッと酷くね?」
すると、開かれた扉からセラが入ってきた。
彼女は事件後、グレンと一緒に正式な講師になり、グレンのクラスの副担任として勤めることになったのだ。
「もう!グレン君いきなり飛び出すからびっくりしたよ・・・」
「なんかあったの?」
近くにいたタクスがセラに聞くと、セラはノラとタクスに事情を説明し始めた。
□□□□
それは十数分前の学院長室に遡る。
「───と、いうわけで。給料の前借り、もしくはお小遣いをプリーズ」
「《ふざけんな・この・馬鹿野郎》ーーーー!!」
突如、紅炎の渦と衝撃が走り、爆砕音が響く。
セリカの爆裂呪文がグレンを容赦なく襲ったのだ。
「ごほっ!?がほごほげほっ!?なにすんだよテメェ!?」
「やかましい!重大な相談だと聞いて来てみればそんなことか!?」
「お、落ち着いてくださいセリカさん!グレン君も!」
取っ組み合いを始めたセリカとグレンをセラが慌てて止めに入る。
「あー、つまりグレン君は生活費・・・主に食費としてのお金が必要なのかな?」
「さっすが学院長!話がわかる!とにかく俺、今月結構ヤバイんっすよ!このままいくと明日から半強制的な
「しかし、昨日給料日だった筈じゃろ?一体何にそんな使ったのかな?」
その問いに、グレンは憂いを湛えた表情で窓際に歩み寄り、外の景色を眺め始めた。
「何に使ったかですか──────それはもちろん、未来に投資したんですよ」
「未来に投資?」
「ええ、明日という無限の可能性のため、そしてより多くの希望を掴むために────」
そんな風に語るグレンを見て、セリカがボソリと呟く。
「要するにギャンブルでスッたのか。本当に救えないなお前」
「やめてよね、せっかく人が格好良くキメてるのに水を差すの」
身も蓋もないセリカの物言いに、グレンは口を尖らせて抗議する。
「だからギャンブルは駄目だってあれほど言ったのに。グレン君買い物するとか言ってすぐ居なくなるんだもん。帰ったら帰ってきたでこの世の終わりみたいな顔してたし・・・」
セラは頭を抱えながら話す。
なんかもう、ダメ人間の見本と言ってもいいぐらいだった。
「──というわけで、助けてくださいお二方」
「しかしなぁ・・・規則は規則なわけで、給料の先払いはできんのだよ」
望みを絶たれたグレンは両手で頭を抱え、溜め息をこぼす。
そんな様子を苦笑いしながら見ていた学院長は、一つの提案をする。
「給料の先払いはできんが、特別賞与ならだせる可能性があるぞ。グレン君」
「特別賞与ですと!?」
一瞬で学院長の前に馳せ参じ、グレンはその話に食いついた。
「それは一体、何なんですか!?」
「来週、学院で開催される『魔術競技祭』じゃよ」
「ま、『魔術競技祭』・・・・・・それは一体・・・?」
「うむ。アルザーノ帝国魔術学院で年に三回行われる、生徒同士の魔術の競い合いじゃ。総合的に最も優秀な成績を収めたクラスの講師には、恒例として特別賞与が出ることになっている。グレン君のクラスが勝った場合、グレン君だけでなく、セラ君にも特別賞与は与えられるぞ」
「まじっすか!?そんな素晴らしいイベントがあったなんて・・・くっ!もっと早く教えてくれれば!」
一人盛り上がるグレンをセリカは冷ややかな呆れ顔で、セラは苦笑しながら見ている。
「ええい!こうしちゃいられん!あいつらが残っていればいいが────さらば!!」
そのままグレンは踵を返し、慌ただしく学院長室を出て行った。
「あっ!グレン君、どこ行くの!?もう・・・・・・セリカさん、学院長、それでは!」
セラはグレンを追うように学院長室を後にした。
□□□□
「────というわけなんだよ」
「あー、つまり・・・」
「・・・金に困ってるから生徒利用して特別賞与ゲットしたいってこと?」
セラの説明を聞き終えたノラとタクスは、グレンのろくでなしっぷりに呆れていた。
そんな三人をよそに、グレンは次々に種目に出る生徒を決めている。
「まず、一番配点の高い『決闘戦』──これには、白猫、ギイブル、そして・・・カッシュだ」
クラスの誰もが(三人を除いて)首を傾げる。
普通、『決闘戦』は成績上位者で固める筈だ。
このクラスなら、上から順にシスティーナ、ギイブル、ウェンディとなる。
しかし、グレンはウェンディよりも成績を下回るカッシュを指名した。
教室を困惑が支配するが、それを無視してグレンは続ける。
「次・・・『暗号早解き』。これはウェンディ一択だな。『飛行競争』・・・ロッドとカイが適任だろ。『精神防御』は・・・こりゃルミア以外あり得んわ。それから『探知&開錠競争』は───『グランツィア』は───」
指名されていくうちに、生徒達はグレンが四十ニ人全員を、何らかの競技に出場させるつもりだと気付いた。
だが、勝ちにいくなら成績上位者を使い回したほうがいい。
未だに困惑は拭われていなかった。
「『変身』はリンに頼むとして・・・・・・『タッグロワイヤル』・・・これはノラとタクスだな。よし、これで全部埋まったな。何か質問は?」
結果、生徒の中であぶれた者は誰一人としていなかった。
「
いかにもお嬢様然としたツインテールの少女、ウェンディが荒々しく抗議する。
「あー、確かにお前は成績は優秀だが・・・ちょっとどん臭ぇトコあるからなー。たまに呪文噛むし」
「なッ───!?」
「その代わり『暗号早解き』、これはお前の独壇場だろ?お前の【リード・ランゲージ】は文句無しのピカイチだからな。ぜひ点数を稼いでくれ」
「ま、まぁ・・・それでしたら・・・・・・言い方がちょっと癪ですけど・・・・・・」
文句も反論もできず、すごすごとウェンディは引き下がった。
他にも自分が競技に選ばれた理由がわからない生徒が手を挙げる。
それをグレンはセラ、ノラ、タクスに協力してもらい、的確に返していく。
「そりゃあ【レビテート・フライ】も結局は【グラビティ・コントロール】と同じ重力操作の呪文だし、エネルギーなんかを操るんだから根底は一緒なんだよ。だからカイならいけると思うぞ?」
「テレサちゃんはこの間、錬金術実験で誰かが落としかけたフラスコを咄嗟に【サイ・テレキネシス】で拾ったでしょ?テレサちゃんは、自分が思っているよりも念動系の白魔術、特に遠隔操作の魔術と相性がいいんだよ」
「・・・『グランツィア』は個人の力よりもチームワークの方が重要だ。お前らいつも一緒にいるんだし、一番いいんじゃないか?
───と、そんな感じで生徒の質問に答えていく。
グレンだけでなく、セラ、ノラ、タクスも皆の尖っている長所を見抜いている。
システィーナはその光景に驚きつつも、黒板に書かれた名前を見ていた。
基本的には、各生徒の長所を最大限生かせるようにし、得意分野ではなくとも、各々の長所からの応用が効くように良く考えられている。
生徒の得意不得意を熟知していなければ到底叶わない編成だ。
セラはともかく、普段自分の生徒に興味がなさそうなグレンや、授業を真面目に受けず別のことをしているノラとタクスも、一応ちゃんと見ていたらしい。
(先生って、基本ダメ人間だけど・・・たまにはこういうこともあるからなぁ・・・・・・)
システィーナはどこか微笑ましい笑みを浮かべていた。
「───さて、他に質問は?」
グレンが辺りを見渡すが、もはや反論は一つも出ていない。
しかし、グレンは死活問題があるため、なんとしてでも特別賞与を貰わなきゃいけない。
そうしなければ餓死は免れない。
(ふっ・・・あざといとか言うことなかれ、勝利以外に価値は有らず、勝てば官軍なのさ・・・・・・まぁ本当は白猫とかを使い回したいけど・・・流石に反則だろうなぁ・・・・・・)
グレンがそんなことを考えていると────
「やれやれ・・・・・・先生、いい加減にしてくれませんかね?」
ギイブルがゆらりと席から立ち上がった。
「何が全力で勝ちに行く、ですか。そんな編成で勝てるわけないじゃないですか」
「ほう?ギイブル。ということは、俺の考えた以上に勝てる編成が出来るのか?よし、言ってみてくれ」
「・・・・・あの、先生。本気でいってるんですか?」
苛立ちを隠そうともせず、ギイブルが吐き捨てるように言う。
「そんなの決まっているじゃないですか!全種目を成績上位者で固めるんですよ!それが毎年の恒例で、他の全クラスがやっていることじゃないですか!」
すると、グレンはポカンとした顔になったが、すぐに後ろに振り向き悪どい笑みを浮かべた。
どうやら思いっきり成績上位者を使い回すらしい。
そしてグレンがギイブルの意見に賛成しようとした、その時だ。
「ギイブル、それじゃ最後の方で消耗しきってダメだろ。効率や個々の全力を考えるならこれがベストだ」
タクスが不意に反論し始めた。
タクスはグレンの事情を知っている。
なのにこんなことを言うのは、単に彼が祭り好きだからだ。
祭りは楽しむもの。そんな考えを持つ彼は、たとえ義兄が餓死の危機だとしても、楽しむことを優先する。
「いくら成績が上でも限界ってのはある。全種目で使い回すなら個々で全力を出した方がよっぽど勝つ確率は高い。それに、今回は女王陛下も来るんだろ?成績上位者だけの競技祭なんて一番つまらない、それこそ陛下がガッカリするぞ?」
(ちょっ!?タクス止めろ!俺の餓死がかかってんだぞ!?皆も納得しないで!?)
「そうよ!それこそ陛下に顔向け出来ないじゃない!全員で優勝するからこそ意味があるのよ!」
(白猫も同調しないで頼むから・・・・・・)
しかし、グレンの思いに反してクラスはシスティーナ追従モードに入っていた。
グレンは縋るようにギイブルを見るが─────
「・・・・・・まぁ、いい。それがクラスの総意なら、好きにすればいいさ」
ギイブルは冷笑しながら席に着いた。
もうグレンに退路は存在しなかった。
「ま、せっかく先生がやる気出して考えてくれたみたいだし、精一杯頑張ってあげるから、期待しててね?先生?」
「お、おう・・・・任せたぞ・・・・・・」
もう引きつった笑みを浮かべるしかないグレンと、珍しくご機嫌なシスティーナ。
「なんか・・・噛み合ってないような気がするなぁ・・・なんでだろう?」
「あはは・・・頑張ってね?グレン君」
「まぁ、グレン兄なら生き延びるだろ。生きることに関してはしぶといし」
二人の様子を、ルミアとセラは苦笑いしながら見ていた。
ノラは他人事のように気にも止めていなかったが。
アキバ行ったときに、つなこ画集を買ったんですが・・・最高でしたよ、はい。
二亜と六喰と澪さえいれば文句無しだったけど・・・あと全員の反転体も。
『タッグロワイヤル』はオリジナルです。
競技内容は後でわかりますのでご安心を・・・
ではまた。