ロクでなし魔術講師と二人の叛逆者   作:影龍 零

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どうも、影龍 零です。

今回はノラパートですね、因みにノラも誰かが使っている武器を使います。

ハンターハンターまた休載・・・頼むから作者仕事してくれぇ!!
まだ大陸に上陸すらしてないのに・・・
早く再開してくれることを祈ります。


ではどうぞ。


襲撃 後編

グレン達が教室に到着する少し前。

ノラはルミアを救出するべく全速力で走って────

 

 

「・・・あーあ。なんでこんなにボーン・ゴーレムがいんだよ・・・ったく」

 

 

────おらず、絶賛歩いてボーン・ゴーレムを相手にしていた。

 

 

 

「【練】」

 

これは自身のオーラを高める業。

これを殺気として用いることもある。

 

 

「・・・ふっ!」

 

そのままノラはオーラを拳6割、体4割の割合で振り分け、ゴーレムに攻撃する。

右ストレート2閃、回し蹴り一発で三体を破壊。

続いて切りかかってきたゴーレムをいなしてそのまま背負い投げの感覚で地面に叩きつける。

後ろから迫ってきたゴーレムの頭部を裏拳で壊し、振り向きざまに蹴りを放つ。

 

5分と掛からずにゴーレム達を殲滅してしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・なんか手応えがないな~・・・・・」

 

ノラが身体を軽くほぐしていると、念のため使っていた【円】に反応があった。

振り返ってみると、ルミアを連れて行ったダークコートの男がこちらに向かって歩いてきていた。

男の周りには剣が五本浮遊している。

 

 

普通の魔術師なら最大まで警戒するだろう。

だがノラは警戒もせず、むしろ楽しそうに口角を上げていた。

 

 

「・・・なに?今度はあんたが相手してくれるの?」

 

 

「ふむ・・・まさか学生がこうもボーン・ゴーレムを圧倒するとはな。これは誤算だった」

 

 

 

(・・・浮いてる剣は恐らく手練れの剣士の業を記憶しているんだろう・・・そして自動で動くはず)

 

ますます口角を上げるノラを男は表情を変えずに見る。

 

「・・・これからやるんだし、名前でも名乗ってくれよ」

 

「ほう・・・では冥土の手向けに教えてやる。俺はレイク=フォーエンハイム」

 

「・・・俺はノラ=ルイカス。・・・じゃあ、とっとと始めようぜ?」

 

「言われなくても!」

 

レイクが指を鳴らすと、五本の剣がノラめがけて殺到した。

 

 

だが、ノラはその場から動こうとせず、トランプを一枚取り出した。

 

 

「無駄だ。どんな魔導器かは知らんが、そんなものでは──」

 

 

「・・・剣は止められないってか?」

 

 

ノラはトランプを構えると、凄まじい速さで剣を叩き落とした。

右上、左下、背後、正面、その全ての方向からの攻撃を寸分違わず正確にトランプで迎撃する。

 

「何・・・ッ!?」

 

レイクはその光景にただ絶句するしかない。

一方ノラは満足そうにトランプを見ていた。

 

「なんだ、そのトランプは?」

 

 

「・・・これはお前の言うとおり魔導器だ。ちょっとした工夫を加えてそこらへんの金属よりは硬くなってるよ」

 

 

レイクはそれを聞いても未だにあの光景が信じられなかった。

レイクの周りに浮いていた剣は付呪(エンチャント)によって魔術は効かず、並大抵の金属では防ぐことも出来ないものになっている。

ましてや叩き落とすことなど不可能だった。

 

 

「・・・わからないって顔か。教えてやるよ。これは俺の固有魔術。俺はあらゆる力を自在に操れるんだよ。重力、身体能力、耐久力、さらには生命力(・・・)でさえも。それが俺の固有魔術───

 

                         ───【力の支配】」

 

 

聞けばとてもシンプルな固有魔術だが、それ故に恐るべき固有魔術だ。

あらゆる力を操作できる。つまり、相手が何をしようとも全くノラにとって脅威にならないことを示している。

 

 

「貴様・・・それで本当に学生か?」

 

 

「・・・さぁね?あんたのご想像にお任せするよ」

 

そしてトランプを三枚投げつける。

レイクはすぐさま剣を引き戻してクロスさせ、防御の体勢をとる。

 

今度はトランプをはじくことに成功したが、ノラは相変わらず飄々と構えている。

 

 

「では、《吠えよ炎獅子》」

 

レイクは黒魔【ブレイズ・バースト】を放つ。

炎で形作られた獅子がノラを飲み込む。

しかし、ノラに大したダメージは見受けられない。

 

あの一瞬でノラは威力と火力を本来の十分の一まで抑えたのだ。

だが、そのままレイクが終わる訳もない。

ノラめがけて再び剣を放つ。

 

炎から出てきたノラに剣が迫る。

 

ノラは動揺もせずに一言放つ。

 

 

 

「【堅】」

 

 

これはオーラによる防御力を向上させる業。

全身を包む為、綻びが無いことも利点である。

 

そしておもむろに右手を突き出し、剣を掴んだ。

 

「ちっ・・・これでも決め手にならんか」

 

「・・・これはこれは、かなり強い付呪(エンチャント)がされているな・・・でも剣が弱い。これじゃあ俺は突破出来ないぞ?」

 

 

あくまで楽しそうに喋るノラにレイクは少しばかり戦慄した。

普通魔術師同士の戦いは、喜怒哀楽を押し殺し、冷静に自分や相手、状況を分析するものだ。

 

ノラはそんなことを微塵も考えず、娯楽の一種と言わんばかりに楽しそうにしている。

戦闘狂のように聞こえるが違う。

戦いでは無く、他のことを楽しんでいるように見えて仕方ないのだ。

 

 

「・・・つーかあんたの剣、二本くらい手動なんじゃない?」

 

図星だった。

レイクが操る剣の内、三本は自動で動くが、残り二本はレイクが操作していた。

それを少しの戦闘で見抜いたのだ。

全く恐ろしい奴である。

 

 

「だが、それが分かったとして何になる?」

 

「・・・?あんたを倒すには十分過ぎる情報だが?」

 

そう言うとノラはトランプを取り出し、ばらまくようにレイクへ飛ばした。

レイクも負けじと瞬時に剣を操作し、トランプをはじいていく。

 

しかし、十枚ほどはじいたところで変化が訪れる。

 

剣にひびが入り始めた。

 

「何・・・ッ」

 

しかし、トランプはまだまだある。

はじくごとに亀裂が入る。

レイクははじく内にノラの狙いを見抜いた。

 

 

 

一枚一枚がとても硬いのではない。

だんだんとトランプが硬くなっていたのだ。

 

(物量でその変化をごまかしたのか・・・・・・ならば!)

 

「《吠えよ炎獅子》」

 

 

レイクは黒魔【ブレイズ・バースト】でトランプを焼き払い、そのまま剣を飛ばす。

炎とトランプで視界が遮られているが、流石に剣を止める為のトランプや魔術は無いと踏んだレイクの戦略。

 

 

 

 

 

 

 

 

それらが全て、ノラの思惑通りだと知らずに。

 

 

 

ノラはレイクが【ブレイズ・バースト】を使った瞬間、【陰】を発動。

これは【絶】の応用業でオーラを限りなく見にくくさせる業。

 

トランプが炎獅子に飲まれる直前に【力の支配】で身体能力と瞬発力を強化、その後タクスと独学で覚えた暗殺術の一つ【暗歩】でレイクの背後に音も無く忍び寄る。

そして【力の支配】で強化した手刀をレイクの心臓めがけて突き刺した。

 

 

 

その結果──────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ガハッ・・・・・・!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

    ────────レイクはなす術もなく崩れ落ちた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・聞いたことがある」

 

 

「・・・・・・ん?」

 

どこか納得した声で喋るレイクにノラは首を傾げる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「帝国宮廷魔導士団に凄腕の二人組がいると。どんな術かは知らんが、一人はどんな魔術を使っても倒れず、もう一人はどんな魔術もことごとく避けてしまう」

 

 

ノラは黙って聞いている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あるときは数で囲んだが意味を成さず全員が殺され、あるときは暗殺しようとしたが失敗し殺され、またあるときは人質を取ったが瞬く間に解放されて外道魔術師達は殺された。確かコードネームは《皇帝》と《塔》。ペアネームは・・・・・・《叛逆者》」

 

 

 

 

 

 

「・・・これ以上喋るな」

 

 

ザシュッ!

 

ノラはレイクの首をトランプで切り裂いた。

レイクはその場に倒れ、それっきり動かなかった。

 

 

 

 

 

 

「・・・さてと・・・後はルミアの救出だったか?じゃあ急ぐとしますかね・・・」

 

ノラは【力の支配】で筋力と持久力、走力を強化。

そして【円】を維持しつつ、走り出した。

 

 

 

 

 

 

□□□□

 

 

 

 

 

 

 

ここは転送塔に続いている並木道。

そこには石を積み上げたようなガーディアン・ゴーレムが無数に徘徊し、白亜の塔に近づけさせまいとしていた。

 

そう、数分前は(・・・・)

 

 

 

 

 

 

□□□□

 

 

それはノラは並木道に辿り着いたとき。

ノラの眼前にはガーディアン・ゴーレムが無数に徘徊していた。

 

 

「・・・はぁ・・・面倒な事は嫌なんだよねぇ~。しゃーない、ちょっと改変するか・・・」

 

 

ノラはおもむろに右手を突き出し、ゆっくりと呪文を唱え始める。

 

 

 

「《炎獅子は(いかづち)を纏い・風と共に嵐となりて駆け抜ける・狩る者を狩り・堅き者を砕き・己が爪痕を刻め》」

 

 

紅蓮の獅子に霆が迸り、周りを風が渦巻いている。

ノラは黒魔【ブレイズ・バースト】、【ライトニング・ピアス】、【ゲイル・ブロウ】を混ぜ合わせ、改変させたのだ。

 

 

名付けるなら黒魔改【テンペスト・エレメンタル】

 

そして【力の支配】で威力を底上げする。

 

 

 

「・・・そら行け!!」

 

 

ノラが言った瞬間、獅子はゴーレム達めがけて飛びかかる。

瞬く間に獅子はゴーレム達を飲み込み、一体残らず灰燼にした。

 

 

「・・・よし・・・じゃあ最後の仕上げと行くか」

 

ノラはそのまま白亜の塔を駆け上った。

 

 

 

 

 

 

□□□□

 

 

 

 

 

 

 

ノラは階段を凄まじい速さで駆け上がる。

よそ者が見たら強風が吹いているのではと思うレベルだ。

 

その速度もあってか、僅かな時間で最上階────転送法陣のある部屋にたどり着いた。

 

 

 

「・・・・・・ふっ!!」

 

 

跳躍して扉を蹴破り、そのまま突入する。

 

 

 

「・・・さてと・・・任務(ミッション)もこれで終わりにするぞ?」

 

「・・・・・・その声は、ノラ君!?」

 

 

見ると起動済みの転送法陣の上にルミアがうずくまっている。

その様子から魔術は封じられているらしい。

 

 

 

「・・・よう、ルミア。数十分ぶりくらい?」

 

 

軽くルミアにそう返し、もう一人の人物に語りかける。

 

 

 

 

「・・・単刀直入に聞くが・・・あんたが黒幕か?────ヒューイ=ルイセン先生?」

 

 

「ほう、私の名前を知っているとは・・・君は編入生ではなかったかい?」

 

 

 

そう冷静に返すヒューイの足元にも法陣が展開されている。

しかし、ルミアのような転送法陣ではなく、なぜかルミアの法陣と連結している。

ヒューイの法陣の術式を読み取ったノラは呆れた顔をする。

 

 

 

 

「・・・白魔儀【サクリファイス】、換魂(かんこん)の儀式ねぇ・・・・・・」

 

「はい」

 

ヒューイは穏やかに微笑んだ。

 

「・・・お前も相当狂ってるな。どーせこの学院を爆破しようとでもしてんだろ?

 

 

 

                ───────自分を爆弾にして」

 

 

それを聞いたルミアは信じられないと言った顔になる。

 

 

「お願いですヒューイ先生!もうこんなことはやめてください!」

 

「・・・無駄だルミア。こいつは変なとこで覚悟を決めてやがる」

 

 

 

「お察しの通り・・・ですがノラ君、もう二分ほどでルミアさんは転送され、同時に僕を中心に大爆発が起こります。逃げるなら今のうちですが・・・」

 

ヒューイがノラに語りかけた瞬間。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・逃げる?俺が?」

 

ノラは獰猛な笑みを浮かべた。

 

 

 

一瞬、ルミアもヒューイも怯んだ。

 

 

ノラは構わず続ける。

 

 

 

「・・・こんな法陣、三十秒あれば十分だ。これ解いたら一発殴ってやるから覚悟しとけよ?」

 

 

「・・・わかりました。覚悟しておきます」

 

 

それを聞いたノラはルミアの下へと歩み寄った。

 

 

 

 

「ノ、ノラ君!あなただけでもいいから逃げて!私は大丈夫だから!」

 

ルミアが泣きながら訴えてくるが、ノラは一切耳を貸そうとしない。

 

 

「・・・大丈夫なわけないだろう?そんな泣き顔で言われても説得力無い」

 

「で、でも・・・」

 

 

まだ何かを言おうとするルミアを見て、ノラは溜め息をこぼす。

 

 

「・・・ハイハイ、すぐ終わるから安心しろ。それともあれか?もう学院には飽きたのか?」

 

 

「え・・・・・・」

 

「・・・そんじゃ仕方ないな。だってもう皆といる時間に飽き「そんなことない!!」・・・ん?」

 

 

ふとルミアを見ると、ルミアは涙を流しながら怒っている。

 

 

「私だってもっと皆といたいよ!連れて行かれたくないよ!だから!」

 

 

 

「・・・だから?」

 

 

 

 

「助けて・・・!」

 

 

「・・・了解した」

 

 

ルミアの答えに満足したのか、ノラは笑みを浮かべ、法陣に向き直る。

そしてしゃがみ込んで親指を器用に使い、人差し指に傷を付ける。

 

「《原初の力よ・我が血潮に通いて・道を為せ》」

 

黒魔【ブラッド・キャタライズ】を唱え、自身の血を簡単な魔力触媒とする。

そして法陣に直接血文字を書き込んでいく。

 

 

「《終えよ天鎖・静寂の基底・理の頸木は此処に解放すべし》・・・」

 

書き終わったと同時に、黒魔儀【イレイズ】───解呪の呪文を唱える。

すると、金属音と共に法陣の全ての層(・・・・)が砕け散った。

 

 

「え・・・な、なんで・・・・・・?」

 

ルミアはわからないと言った様子だ。

 

 

普通、【イレイズ】で解呪できるのは一回につき一つ。

しかし、ノラはたった一回で全ての層を解呪してしまった。

 

 

ヒューイも疑問に思ったのか、ノラに話しかける。

 

 

「・・・どうやったんですか?」

 

 

「・・・俺の固有魔術【力の支配】、これで俺はあらゆる力を操作できる。それを使って法陣の維持力と抵抗力を下げ、【イレイズ】の効力を五倍ぐらいに引き上げたんだ」

 

 

ヒューイもルミアも唖然とする。

魔術の常識を覆せる、規格外の固有魔術。

最早ただの学生ではないことは明白だった。

 

 

「なるほど、僕の完敗ですね・・・・・・ですが、最後に一つだけよろしいでしょうか?」

 

 

「・・・なんだ」

 

「僕はどうすれば良かったんでしょうか?組織の言いなりになって死ぬべきだったのか・・・・・それとも組織に逆らって死ぬべきだったのか。こうなった今でも僕にはわからないんです」

 

 

「・・・んなこと知るか。そもそもの話、お前が組織に流されてる時点でダメだったんだよ」

 

「・・・確かにそうですね。自分で道を選ばなかった自分が少しばかり恨めしい」

 

 

「・・・そうかい。じゃ、歯ぁ食いしばれよ」

 

そしてノラはヒューイの頬を思いっきり殴った。

その威力でヒューイは吹き飛ばされ、床を派手に転がって動かなくなった。

 

 

 

「・・・ふぅ、疲れた。今日は早く帰りたい、こっから授業とかはマジで嫌だぞ・・・」

 

 

どこまでも自分のペースを崩さないノラを見て、ルミアはたまらず笑みをこぼす。

 

「・・・ん?どうしたルミア?」

 

「ううん、気にしないで」

 

「・・・あ、そう?じゃあさっさと帰るぞ。早くしないと何言われるかわかったもんじゃない」

 

 

そう言ってノラはさっさと来た道を戻っていった。

 

 

 

 

 

 

 

□□□□

 

 

 

 

 

 

 

「ノラ君、あなたは本当は優しいんだよね?」

 

 

ルミアは一人歩きながら呟く。

 

 

「私が諦めそうな時に言った言葉。それって諦めるなって意味だよね?」

 

 

どこか嬉しそうなその口調。

 

 

「あなたは素っ気なく言ったのかもしれない。でも、私は嬉しかった。ここにいたいよって、言いたいことが言えたことに、あなたにその勇気を貰えたことに」

 

 

どこか懐かしそうに言う言葉。

 

 

「今はまだ無理かもしれないけど・・・・・・いつかちゃんと、お礼が言いたい。だから、私も頑張るね?」

 

 

 

誰の耳にも届かない、しかし確かな少女の思い。

ルミアはその思いを心にしまい、皆が待っているであろう教室へと向かった。

 

その足は、どこか軽やかだった。




ノラが使っていたのはヒソカのトランプでした!

次回はエピローグみたいなものですね。


SAO三期10月放送だ!ヤッター!ヾ(o´∀`o)ノ
ユージオとアリスの動く姿を見れるとは感無量!

特にユージオは最高のキャラだと思います!
・・・今のうちにタオルでも準備しておこう。

ではまた。
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