ロクでなし魔術講師と二人の叛逆者   作:影龍 零

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どうも。影龍 零です。

今回はかなり短めです。
なにせエピローグみたいなものなので。


ではどうぞ。


事件後

アルザーノ帝国魔術学院自爆テロ未遂事件。

 

二人の非常勤講師と二人の生徒の活躍によって最悪の結末を回避したこの事件は、敵組織のこともあり、社会的不安が考慮され内密に処理された。

徹底した情報統制の結果、事件の本当の顛末を知る者はごく一部の講師・教授陣と当事者である生徒のみとなった。

 

だが、出所不明な噂が囁かれたことも事実。

 

かつて女王陛下の懐刀として暗躍していた伝説の魔術師殺しと、その相棒の風使いや、かつて存在を抹消された廃棄王女、今もなお暗躍する凄腕魔術師の二人組が関わっている・・・・・・といったもの。

 

 

しかし人は飽きる生き物、1ヶ月もすればそんな噂は誰も話さなくなった。

 

 

 

□□□□□

 

 

 

 

 

 

1ヶ月経ったある日の午後。

 

 

 

 

「しっかし、まあ、ルミアが三年前病死したはずの、エルミアナ王女とはね・・・・・・」

 

「しかも異能者という筋書き持ち」

 

「・・・そりゃ王家も追放せざるを得ない訳だな」

 

「でも可哀想だよね・・・実の母親に捨てられるなんて・・・・・・」

 

 

上からグレン、タクス、ノラ、セラの順で事件を振り返っていた。

 

事件後、グレン、セラ、ノラ、タクス、システィーナの五人は、事件解決の功労者として帝国政府の上層部からルミアの素性を聞かされた。

 

異能者だったルミアが様々な政治的理由によって、帝国王室から放逐されたということ。

帝国の未来のため、ルミアの素性を隠し通さなければならないということ。

そして、グレン、セラ、ノラ、タクス、システィーナの五人は、事情を知る者としてルミアの秘密を守るために協力することを要請された。

 

 

「全く、まーた面倒な事を押し付けられたもんだ」

 

「でもシスティーナちゃんもルミアちゃんに対する態度は変わってないよ?」

 

「まあ、それが親友ってやつなんじゃねーの?」

 

「・・・それに全部前のように戻ったしな」

 

グレン、セラ、タクス、ノラの順でそんな会話をしていた、その時。

 

 

「しかし、意外だな」

 

不意に背後から声がかかる。

四人が振り返るとどこか上機嫌なセリカがいた。

 

 

「セラはともかく、お前が本当に講師になるなんて言い出すなんてな。一体どうゆう風の吹き回しだ?」

 

 

 

グレンは少し照れくさそうに頬をかく。

 

 

「あ~、その、なんだ。もう自分の人生の失敗を魔術のせいにするのはやめたんだよ。もう少し前向きに生きていくのもいいだろってさ」

 

「・・・・・・ふうん?」

 

「それに・・・・・・」

 

グレンが何か言いかけたその時。

 

 

「あっ!先生!」

 

「・・・・・・先生ってば!」

 

 

見慣れた女子生徒二人がこちらに走ってくるのが見えた。

 

 

「・・・・・・見てみたくなったんだよ。あいつらが将来、何をやってくれるのか。講師続けるには充分な理由さ。暇つぶしにはちょうど良いだろ?」

 

それを聞いてセリカは子供を見守る母親のような微笑を浮かべた。

 

セラはそんなグレンを見て目尻に涙を浮かべていたが、それを知っているのは近くにいたノラとタクスだけ。

 

 

「・・・そうか。頑張れよ?」

 

「・・・まあ、それなりにな?」

 

互いに笑みを交わしあう。

 

 

「先生!先ほどの錬金術の授業、あれはなんなんですか!?」

 

「そうだよグレン君!一体何考えてるの!?」

 

 

「えーと?下級元素配列変換法を利用した『金にとてもよく似た別の何かを錬成する方法』か?何か手順に不備でもあったか?」

 

「グレン兄、『錬成したその金モドキをアホな悪徳商人を騙くらかして売りつける方法』のことじゃないか?」

 

「あー、あれか?別にあの手順も間違ってねぇぞ?実際、俺とノラはそれで小遣い稼ぎを────」

 

「・・・うんうん、あれ結構良い小遣い稼ぎになるんだぜ?」

 

「間 違 っ て ま す !大問題ですよ!だってそれ、犯罪じゃないですか!?」

 

「馬鹿め。道端の石ころが金に変わる・・・そして一枚の金貨に変わった。これこそ『錬金術』の神髄だろ?」

 

「屁理屈並べても犯罪は犯罪だからね!ていうかノラ君もやっちゃ駄目だよ!?」

 

「・・・えー。だって結構儲かるんだよ?こんな良い小遣い稼ぎ他にないだろ?」

 

「お金はちゃんと働いて稼いで!」

 

そこにルミアが割って入ってくる。

 

「まぁまぁ、システィにセラ先生。きっとグレン先生は皆を楽しませるためにあんな冗談を言ったんだよ・・・・・・そうでしょ?先生」

 

そこにタクスも割って入ってくる。

 

「グレン兄、後で俺にも教えてくんない?」

 

「ちょっとタクス!どさくさに紛れてなに言ってるの!?」

 

「何って小遣い稼ぎの方法を───」

 

「「だからそれ犯罪だって言ってるでしょう!?」」

 

「おいおい白猫に白犬。こんな言葉知らないのか?」

 

 

 

「「「バレなきゃ犯罪じゃないんだよ!」」」

 

 

 

ぷちん。

三人の言い草にシスティーナとセラがキレた。

 

 

「話が変わりますけど先生。私の父って魔導省の官僚なんです。ここフェジテ支部で魔術関連品の流通を取り仕切る魔導監察官をやっています」

 

「は?何だ突然?」

 

「ところで、金取引に関する書類って十年くらい残るんですけど、知ってました?」

 

「・・・・・・え?そうなの?」

 

「ちょっと、お父様に、この町で起こった、とある条件に引っかかる金取引をここ十年分くらい徹底的に調べ直すように進言しておきますね?」

 

 

朗らかに笑うシスティーナを前にグレンは脂汗を浮かべる。

 

 

「え?いや、あの・・・・その・・・ちょ・・・・・ごめんなさい、許してください・・・」

 

「あ、ノラ君とタクス君?ど こ に 行 く の か な ?」

 

「・・・いやぁ別に、ちょっと用事を・・・・・・」

 

「そうそう!早く行かないと・・・・・・」

 

「後でセリカさんにこってり絞られてね?」

 

 

「逃げるぞノラ!タクス!」

 

「「応!」」

 

 

そう言って三人は猛スピードで走り去って行く。

 

 

「あ、こらー!待ちなさーい!!」

 

「三人共ちゃんと反省しなさい!!」

 

システィーナとセラがその後を追っていく。

 

 

 

 

ルミアとセリカはそんな学院の定番になった光景を、笑みを浮かべながら眺めていた。





次回からやっと二巻目突入・・・長かった。
これ書いてるときSAOとオーバーロード、ロクアカの曲をガンガンに聞いてましたね(笑)

アニソンはよく聞きますが、どれもいい曲なのでついつい聴き入っちゃいます。


ではまた。
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