陸上自衛隊ヘリは一部の部隊を除き、機種によってコールサインが決められています。
アパッチ=AH-64D
アタッカー=AH-1S
オメガ=OH-1
ハンター=UH-1J
ヤマト=第3飛行隊(八尾)
光線による第2中隊、並びに第3中隊の損耗に
斜面や森を薙ぎ払うような光の帯によって、コンクリート製の擁壁がひどく焦げて道路標識を消し飛ばし木々が燃える。
この凄まじい情景に当初考えられていたような発煙弾による光線威力の減衰は望めず、むしろ我が方の観測が阻害されると発煙弾の投射は行われなかった。
眼球のような物もなくどのような手段をもって外界の状況を知覚しているのかも見当がつかない。
ただ分かることは、攻撃されたであろう地点に向かって的確に応射する能力がある事だけだ。
それによって照明弾から榴弾まで多様な弾を発射でき比較的安価な“84㎜無反動砲(84RR)”も、“パンツァーファウスト3”の名で知られる110㎜個人携帯対戦車弾(LAM)も失ったのだ。
「化け物め!」
『目標、重迫の破孔が塞がっていきます!』
「迫でもLAMでもいいから撃ちこめ!」
「……無反動砲射手が先ほどの光線でやられました」
「くっ……誘導弾は!」
「射点に到着しました、遮蔽物の影から射撃します」
岩などで掩蔽された射点に3脚で据え付けられた“中MAT”こと87式対戦車誘導弾、あるいは個人携行型の01式軽対戦車誘導弾、通称“軽MAT”が火を噴く。
これらがすぐ撃たれなかった理由としては1発あたりが1260万円ほどと
特に軽MATは赤外線画像誘導方式であり車両などの高温体に向かってはロックオンおよび射撃ができるが、周囲の地物に比べてあまり熱を発さない陣地などの目標に関しては熱探知ができずシステムが起動しないので射撃できないのだ。
現在であれば、迫撃砲の直撃を受けて熱を持っているはずであり十分に射撃ができる。
「後方の安全確認、目標、“移動体”撃て!」
後方爆風と共に青空にシューンと抜けるようなロケット推進音が響き渡り、青白い煙を曳いてレーザー誘導の目標に飛び込んでゆく。
別方向より発射された対戦車誘導弾は一度大空目掛けて上昇、ロケットモーターを止めて事前に入力された“それ”をシーカーで捜索する。
低く、藪を抜けるように飛ぶ低伸弾道の中MATと目標上面を狙うダイブ・モードの軽MATがほぼ同時に突入した。
中MATが脚の付け根に命中し、きつい放物線を描いてほぼ真上から軽MATの弾体が飛び込んで起爆する。
ただの偶然か、それとも軽MATのシーカーが大きな熱を捉えたのか光らんとするネウロイの赤いパネルに直撃したことによって反撃を阻止したのだ。
「命中、続いて撃て!」
装備の隊員たちはまだ熱い発射筒を交換し、2発目を叩きこむ。
対戦車誘導弾装備の第4中隊の攻撃はネウロイのパネルをある程度まで破損させたななら光線を阻止できるという知恵を授けた。
ただ、誘導弾の単価も高く自己再生する相手に延々と撃ちこみ続けるわけにもいかず、81ミリ軽迫撃砲による間接射撃で時間稼ぎと光線発射を阻止する方針に移行した。
____
河内長野市郊外へ向かって尚樹は走る。
停電と避難指示で街は動きを止めたかのようで、持ち主はどこかに避難しているのか路肩にはキーのささった車が止められており、道路の中央線上をゆく。
カーナビの画面の中のネウロイに次々と迫撃砲が撃ちこまれる。
直枝は的確に屈折パネルを撃ち砕く恐ろしいほどの精度に舌を巻く。
「全弾命中って嘘だろ……」
尚樹は道路前方を塞ぐようにバンタイプのパトカーが停車しているのを見つけた。
後部ドアからコーンと矢印表示板を下ろしていた若い警察官が尚樹のパジェロの前にやって来た。
轢くわけにもいかないので、一時停止してサイドブレーキを引いて窓を開けた。
もちろん動き出さない程度に軽くアクセルを踏むことも忘れない。
「住民の方ですか?ここから先は危険です!」
「わかってるよ、だから行くんだ」
尚樹は警察官がドア側に寄ってきたところでサイドブレーキを放し急発進した。
避難指示をして、民間人を入れるなと指示を受けていた交通課の巡査はあっけにとられ、叫んだ。
「こら!待って!待てや!おい!」
パトカーと矢印表示板の間を抜けて、右折すると追ってきていた警察官の姿は見えなくなった。
だがすぐに、赤色灯を回して避難を呼びかける消防車とすれ違う。
避難地域の至る所に警察官や消防官が出動しており、火事場泥棒などの警戒と共に、危険地域に野次馬やマスコミを入れないよう警備に当たっているのだ。
特に接近経路と思われる山道へ通ずる道路には重点的警備態勢が敷かれ、機動隊が動員されていた。
青と白色の2色で塗装された“機動隊バス”こと大型輸送車2台が道路を塞ぎ、大型輸送車の間には可搬式の車止めが置かれており、さらに戦闘態勢にある機動隊員が固めていた。
地域の警察官だけでは強行突破されるおそれがあったためで、今も尚樹の視認情報は報告されていた。
『市内にて制止を振り切って走る民間車輌あり、車種はパジェロ、色はシルバー』
機動隊員たちは何処の馬鹿だと思いながらも、道路の向こうを見る。
戦闘態勢ともあってジェットヘルメットにポリカーボネート製の大楯、ドイツ製のMP5J機関拳銃こそ装備しているが謎の移動体にとっては何の役にも立たないだろう。
しかし、この緊急事態において指示を無視し住民を危険に晒すものに対しては十分だ。
武装していることによる示威効果から大人しく避難してくれればそれでいいし、最悪その場で拘束すればいいと彼らは考える。
現に一部マスコミの車両や左派系市民団体の車両が自衛隊の車列に異常接近し、道路交通法違反の現行犯という事で拘束されている。
大阪15区で当選した国民進歩党のある衆議院議員は、日ごろから戦闘服で「町中を行進するな!」というキャンペーンを行っていた。
少し前の豪雨災害の被災地でも彼らはトラブルを起こしており、自衛隊の出動が決まってから“警備情報”に上がってきたのだ。
前回の大阪上空戦についても自衛隊による自作自演説を唱えており、停電ニュースの後で国進党大阪支部から選挙カーが出て行ったという情報も入って来ている。
突入してくるのが左派団体であったなら活動妨害くらいで済めばまだマシ、過激派が有事の混乱に乗じて武器弾薬を狙っていたとしたならば……。
沖縄の“米軍基地闘争”に応援として派遣されていたある警察官は思う。
「人間の敵はやはり同じ人間」なのではないかと。
機動隊員たちが左派団体や過激派の襲撃に身構えている頃、尚樹たちは機動隊による封鎖ラインの手前で停車していた。
ひかりは機関拳銃を持った警察官を見るが、少なくとも15人はいる。
抜けるには速度を落とし蛇行して行かざるを得ないバスの位置に、鉄骨をX字状に組んだ車止めが車による強行突破を妨げている。
尚樹は車止めの効果をよく知っている。手で簡単に移動できるようキャスターとハンドルが付いていて腰ほどの高さしかないが、こと車の突入に対しては威力を発揮する。
突入車両の接触に半回転して倒れ、そのままラジエターやエンジン下部に刺さった後ボデー下部に潜り込んで路面との間に挟まることによって停止させるのだ。
「あれは抜けられんな」
「尚樹さん、どうしましょう」
「どけって言ってもどかねえんだろうなアイツら」
直枝はウィッチが認知されている世界でないことに、歯がゆく思う
向こうであれば魔法力に目覚めた民間人のウィッチが現地協力者として飛び入り参戦することもごく少数だが起こる。
そうした時に避難誘導の警察官はウィッチだと名乗ると大人しく道を開けてくれるのだが、ネウロイの居なかったこの世界には魔法力もウィッチもない。
このとき警察本部では陸戦ネウロイの能力についての聞き取りが行われており、航空・陸戦ウィッチと呼ばれる魔女の存在も同時に伝わっているが最前線にいる警察官たちに伝えられることはなかったのである。
「警官も仕事だからね……迂回する道路も無し、監視の緩い森の中を歩いていくしかないか」
「そんなちんたらしてたらアイツが来ちまう」
「そうですね!でも、機銃が重いなあ」
「魔法力節約だったらさすがに重いよな」
かつて戦車に乗っていた尚樹でさえ重量38㎏、運搬時の銃身外した状態で28㎏のM2重機関銃を持って5キロの山野を歩けと言われたら厳しいものがある。
レンジャー課程修了の偵察隊員ならいざ知らず、何の補助もない小柄な女子高校生には不可能ではないだろうか。
直枝の発言に尚樹はどう突破するかではなく、どこで待ち伏せるかという事に考えが至った。
「逆に、ここまでネウロイが来るのを待つか?」
「尚樹さん、それじゃ街に被害が出ちゃいますよ!」
「ひかりの言う通りだ、でも、あいつらをどうにかしねえと中に入る事すら出来ねえ」
日本の警察の士気は高く、ネウロイが接近しているにもかかわらず忠実に任務を遂行しようとしている。
それが至る所で戦っていた直枝には“無知から来る呑気さ”と映っていた。
事実、機動隊員にとってネウロイは未知の相手で自衛隊の出動でも倒せるかどうかわからないが、火力を有する自衛隊が何とかするだろうし突破されたらその時はおしまいだというある種の諦観、楽天的ムードが流れていた。
むしろ過激派団体の襲撃やら動画投稿のネタ探しにやって来る市民の警戒にピリピリしていた。
撮影を試みようとしたマスコミのドローンが消し飛ばされたことからもそうした敵性体を刺激するような行動をとられるのは不味いのだ。
警察の封鎖線で尚樹たちが足止めを食っているところに、遠くから爆発音が聞こえる。
谷に当たって反響しドン、ドドン、ドンドンと花火大会でもやっているかのようなくぐもった音だ。
そこに空気を激しく叩くローター音が響き渡る。それも1機や2機ではなく14機のヘリコプターが飛来した。
「尚樹、何か来たぞ!」
「ヘリコプターです!」
「対戦車ヘリか!」
見上げると機首下の20㎜機関砲や迷彩塗装の施された胴体に描かれた日の丸、前席のガンナーのヘルメットまでよく見えた。
細身のAH-1SやOH-1に交じってわずか13機しかいない戦闘ヘリAH-64D、ロングボウ・アパッチも2機やって来た。
いずれもかなり低く、尚樹たちの頭上をかすめるように編隊は飛び去って行く。
万が一ネウロイからの射撃があったとしても谷が遮蔽物となるため、編隊は
『オメガ1、位置に着いた。指示を乞う』
『こちらオメガ2、目標を捉えた』
『オメガ、周辺警戒と目標の監視を行え』
『ラジャー』
森の中から黒い煙が上がっていて、線状に森林火災が発生していることに乗員は気づいた。
撃破された3トン半トラックや燃えている木々が一直線になっていて事前情報の光線がいかに高い威力を持つかを証明しているのだ。
赤外線センサーでざっと捜索したが燃えている車両の近くに人影は見当たらず、破片のような物しか映らない。
このショッキングな映像は官邸の安芸首相を中心とした内閣、市ヶ谷の陸上幕僚監部、千僧の中部方面総監部に居た人々が息を飲んだ。
『ヤマト21、燃料補給に一度戻る、あとを頼む』
『了解、我々に任せろ』
観測ヘリの到着に、命がけで画像を送っていたUH-1が引き継ぐように八尾駐屯地へと帰投する。
対戦車ヘリAH-1Sは2機ずつに分かれ、その後ろにAH-64Dが待機し戦闘団長からの射撃指示を待つ。
『アタッカー1よりキクスイ、配置についた、目標は移動体の赤い部分だな?』
『その通りだ、自己修復を始めているので奴に光線を撃たせるな』
『ラジャー、アタッカー3・4は目標上面を狙え』
『アパッチ1、射撃準備完了、いつでもどうぞ』
『こちら重迫、あと40秒で射撃終了』
120㎜迫撃砲の最終弾がネウロイを打ちのめした時、航空部隊に射撃指示が下った。
『射撃開始、繰り返す射撃開始』
『了解、各機、任意のタイミングで撃て』
射撃指示にまずは20㎜からだとばかりに機首下の三銃身20㎜機関砲が火を噴いた。
大阪空襲ではF-15戦闘機の
続いてアパッチの30㎜チェーンガンが火を噴く。
こちらは20㎜機関砲に比べて初速も連射速度も遅いが打撃力があり、ある資料では2500mの距離から50㎜の装甲板を撃ち抜ける威力を持っているという。
アパッチから放たれたM789多目的榴弾は塞がろうとしていた赤いパネルに突入して爆ぜ、ネウロイの白い破片を飛び散らせる。
それと同時にコブラの20㎜徹甲焼い弾が高初速による運動エネルギーと衝撃で目標の脚の付け根を砕き、ドスンという音と共に胴の部分から崩れ落ちた。
『目標、
「やったか?」
「さすがにああまで撃たれたら無事では済まないはずだ」
もしここに対ネウロイ戦に慣熟した者が居たらすぐに指摘したはずだ。
ネウロイはどういうわけか“遺骸を残さない”のだ。
つまり、原形があるうちはまだコアが機能している。
指揮所内の誰かが言った。
「嫌なこと言うなよ、怪獣映画じゃこういう時に……」
彼が言い終わるかどうかというタイミングでそれは起こった。
崩れ落ちたネウロイが再び、起き上がったのだ。
赤外線センサーの画像を見るとグレーの胴体の中に白く光るものを見つけた。ネウロイ中央部に高い熱源を感知したのである。
『目標に高熱源反応!』
『こちらオメガ2、目標下部に小型種確認10、20、なおも増加中!』
地上に居た偵察隊員からも同様の報告が入る。
目標はポトリ、ポトリと胴体下から切り離すようにして小型種を生産し始めたのだ。
カニや蜘蛛の子を思わせるような黒々とした四脚のそれらは、ガシャガシャと音を立てながら散らばって行こうとする。
セアカコケグモのような黒と赤の毒々しい色合いの小型種は、今まで静観を決め込んでいた大型のものと異なり、観測ヘリを見るやいなや上面の赤いパネルをキラキラと発光させた。
ネウロイの光線は光よりは遅いため見てからでも避けられ、1.3秒後の本照射が来るまでなら被害は少ないことが救いだった。
『撃って来たぞ、回避!回避!』
機体を傾けて斜面に逃げ込んで回避するものの数方向からの光線を避けきれず、OH-1観測ヘリの一機が垂直尾翼に被弾した。
機体の回転を押さえるフェネストロン型テールローターが半分溶け落ち、ローターの回転トルクによってぐるぐると旋回しながら林へと落ちてゆく。
『オメガ2被弾、操舵困難、落ちるぞ!』
『上げろ、上げろ、スティック!』
『あかん!効かへん!』
機首を上げて少しでも緩い角度で降りようと試みているのだろう。
警報音と共にパイロットの悲痛な声が無線越しに響く。
辺りに衝撃音が響きわたり、複合素材のローターブレードを撒き散らしながらOH-1は林の中に横倒しになるような形で停止した。
『オメガ2墜落、小型目標増加中、一部の集団がオメガ2の方向に変針』
『了解、……アタッカー各機は全武装の使用を許可、何としてもここで食い止めろ』
『了解!』
対戦車ヘリコプター隊は回避機動を取りながら、機関砲を撃つ。
大型目標と違うのは数発撃ちこむと光となって消える事であり、数こそ居るもののまだマシだった。
かといって小型の掃討に掛かりきりになっていれば、大型の方の赤いパネルが自己修復を始めるので両方に攻撃をしなければならない。
「塞がって来たか、喰らえ!」
あるコブラが機体中央より突き出すスタブウィングにぶら下がっていた70㎜ロケット弾を発射した。
10発のハイドラロケット弾は塞がらんとしていた赤いパネルを吹き飛ばし、小型種の掃討に機関砲を使っていたアパッチが小型種にもロケット弾を発射した。
これが功を奏し、小型ネウロイ第一波はあらかた掃討できた。
生産されたばかりで密集していたことから戦闘ヘリ3機による70㎜ロケット弾の投網をすっぽりと被るような形になり、コアを粉砕されて消滅したのだ。
だが燃料弾薬共に消耗が激しく、いつまでも戦闘ヘリが居続けることはできない。
航空優勢が保たれている間に墜落機の乗員の救出と決定打となる攻撃をしなければならない。
大型目標撃破の決定打は74式戦車の
現在、最も威力がある攻撃手段が重迫撃砲並びに各種誘導弾、ロケット弾であり戦車及び特科群は現在移動中だ、そこで第3戦闘団長の
__37普通科連隊の残存人員をもって墜落機乗員2名の救出及び、攻撃ヘリの補給終了・機甲科の到着まで時間稼ぎを行う。
重迫や対戦車ヘリコプターによる対地攻撃のために後退していた晴樹たちは各中隊混成で墜落機の救出に向かうことになった。
「OHが撃ち落とされて20分以上経ってるがまだ望みはある、我々は仲間を見捨てない。行くぞ!」
「応!」
みな怖かったが士気を鼓舞し、救出部隊は山道を行く。
高機動車3台、装輪装甲車2台と本部管理中隊の救急車2台からなり、車を失った晴樹は1中隊の高機動車に乗っていた。
シートどころか床に座らないといけないようなすし詰め状態で、携行武器も小銃1丁と心もとないが無いよりはマシだ。
右へ左へと車が揺れ、車内の蒸し暑さ、幌や汗の匂いも相まって気分が悪くなる。
「武内士長、緊張で吐くなよ」
「うるせえ、だったらもっと丁寧に運転しろや」
「定員オーバーで安定感悪いんや、これ以上は無理」
通常10人で乗るところをフル武装の15人で乗っているのだから、重量からコイルスプリングもよくたわみ揺れるのだ。
装輪装甲車は火力支援として随伴しており、車載40㎜てき弾銃と軽MATが4発積まれているため、人員輸送はもっぱら過積載の高機動車しかいないのだ。
自隊車両の3トン半やLAVを人員もろとも後退中の攻撃で失った中隊もあり、このような特殊な乗車方法となっていた。
「うおっ!撃ちやがった!」
救出部隊の頭上をコブラが飛び、翼下のTOW対戦車誘導弾を発射していた。
響き渡るロケットの轟音に、誰かが言った。
ローターが巻き起こすダウンウォッシュで幌がバタつき、窓ガラスがビリビリと震える。
晴樹はいつだかに見たベトナム戦争ものの戦争映画を思い出した。
車長が地図と無線で現在地を確認して叫ぶ。
「もうすぐで墜落場所だ、下車用意!」
「下車用意!」
低空を飛ぶヘリコプターの凄まじい音の中、叫ぶように復命復唱をする。
「下車!」
「下車!」
後部ドアが開くと、自分の小銃を引っ掴み下車して車両後方に集まる。
救出隊は43人うち衛生隊員は5名の編成で林の向こう側へと前進するのだ。
ここから800m先では第2波の小型目標が生産・放出されており、小銃手が遭遇すれば命はない。
それでも、仲間のために彼らはガードレールを超えて林の中へと歩き出した。
お待たせしました。
気付けば縁のあった第14旅団が大きく改編されており驚きました。
前々から機動旅団化とは言われていたけれど、いつの間にか14戦や15普連が無くなり新しい部隊になっていたでござる……
なお、ついに3戦車も廃止される模様。さよなら74式。
ご感想・ご意見の方お待ちしております。