【短編】英霊剣豪七番勝負。勝負二番目、アーチャー・インフェルノ 一切焼却 巴御前。いざ、尋常に 勝負!! 作:名無し烏
奴の
「アキレウスゥゥッ!!!!!」
「グルァァァァッ!!!」
憎きあいつの名前を叫ぶ。私の狂化は眼前の敵を”アキレウス”と誤認することで発動する。他の条件がトリガーとなり、勝手に発動するときもあるが。......それよりも先ほどから気になることがある。奴と
「コロス!!!!!」
「ガルァァァァァァァッ!!!!」
夢のような感覚。
幼き記憶、涙を流す自分。
―――同じだ。同じだ同じだ同じだ。あの時の私と同じだ。
己の尊き国を奪われ、己の愛しき家族を失い、己の猛き誇りを踏みにじられた。あの
この女は辛い過去を背負っているのだろう。
この女は耐えがたき運命を宿しているのだろう。
この女は失いたくなかった何かを持っていたのだろう。
それら全てが枷となり、重荷となり、呪いとなり奴を苦しめるのだろう。
今の私は己が意志で狂うことができるが、今の奴は違う。......ただ逃げているだけなのだ、過去から。運命から。何かから。
―――――それではダメなのだ―――――
「ウグルァァァァァァァァ!!!!!!!」
夢から醒める。どうやら狂化に陥ってた私の戦闘本能は上手く戦いを切り抜けられたらしい。改めて奴を見澄ます。
――――それではダメなのだ――――――
肩の力を抜き、一つ大きく深呼吸を挟む。視界は先ほどより良好となり、意識もはっきりとする。つまり私の意志で私の狂化を解除した。正式なマスター、そして魔力回路を得ることによってどうやら安定して制御できるようになったようだ。これでいい、恐らく狂化していない状態で奴と戦えば勝率は大きく下がるだろう。最悪手も足も出ないかもしれない。
「ペンテシレイア!!どうして!?」
「やかましい、これではダメだと判断しただけだ」
「ガルァァァァァァァァッ!!!!!!!」
奴は哀しくも吠える。
やるせない、今までの私ではおおよそ抱くはずのないそんな想いを抱いたまま、
「危ないッ!!!!!」