暇つぶしに行くD×D世界で祖龍がBalance Break!!   作:ぬくぬく布団

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ミラ「・・・投稿速度」
黒「遅い」
紅「早く」
ティオ「書け」
布団「・・・スイマセン」











ねる「はじまる」














第69話 殴り込みするんだぞ♪

~一誠side~

 

「くっ!硬い上に素早い!」

 

「あの巨体であの動き・・・想定していた以上だよい!」

 

「あぁ・・・剣が砕かれてしまった・・・・・」OTL

 

「だったらサポートにまわれ!」

 

「来るぞ!」

 

ズッドオオオオオオオオオオオオン!

 

砂地から突き上がる衝撃。砂柱が舞い散って視界を遮り、身構えた五人の一人。ヴァーリに向かって敵が突進、ギリギリで回避したのだが、鎧の一部が甲殻に引っ掛かって突き上げが直撃となった

 

「グッハアアアアアアアア!」

 

「「ヴァーリ!」」

 

『ぐぅっ!強い!一撃がとてつもなく重い!』

 

空に突き上げられたヴァーリを追撃せんと、頭を大きく下げて大ぶりの突き上げをしようとしていた

 

「させっかよおおお!」

 

大剣を重りとして、空中で数回転。勢いをつけて振り下ろした大剣と敵の巨大な角が激突して、お互いが仰け反った。がら空きとなっている腹部に向けて一誠の魔力砲――――ドラゴンショットが放たれるが、敵は器用に両足で地面を踏みしめて跳躍して回避。再び仕切り直しとなった

 

「グフッ!ゴホッゴホッ!強烈な一撃だ・・・枷が無い状態で直撃しても被害は甚大だな。全身装甲では何かと危険だ」

 

ヴァーリは回復薬を飲み、一誠と同じ様に一部分だけを展開する事にした

 

「気をつけろよ!怒ったら全てのスピードが倍になると想定するんだ!」

 

「倍ってマジかよ!?」

 

「今でも十分早いぞ・・・」

 

彼らが相対する敵の名前は"ディアブロス"

怒ってからが超危険のモンスターの代表格である

 

「無駄話もそこまでだよい」

 

「クソッ!剣はもう使い物にならないし、僕自身も戦力にならない。フォローに回らせてもらう!」

 

「四人か・・・」

 

「とにかくやるぞ!」

 

一誠達の戦いは続く・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~塔城side~

 

場面を切り替えて、リアス達の面々はどうなっているかというと―――――――――かつてないピンチだった

 

「くっ!あの青い竜・・・ゲリョスだけなら良かったのに」

 

「・・・不気味ですわ」

 

「うっ・・・あの竜無理・・・きもちわるい」

 

「ブヨブヨとトゲトゲ」

 

「ひぃー!もう嫌ですー!」

 

「音も無く忍び寄って超うるさい声とか勘弁してくれ。どちらも厄介だぞ!」

 

「これは・・・流石に見ているだけじゃ駄目ね」

 

最初はゲリョスと戦っていたリアス達。だが、予想外な事にフルフルとイャンガルルガが乱入してきたのだ。春を含めて八対三の戦いが始まった

 

「今回は私もやるわ!私と姫島さんとアザゼルのおじさんの三人で一番厄介なイャンガルルガを対処するから他は任せたわよ!」

 

「子猫と裕斗は青い竜を迅速に倒して!私とアーシアとギャスパーは・・・きもちわるいあれの相手をするわ!」

 

「「了解!」」

 

「念の為に保険を掛けておくわ」

 

春は、美羅から事前に渡された発煙筒を焚いて保険を用意する事に。保険とは、黒か紅のどちらかが来て危険と判断した時に手を貸すという超便利アイテムである

 

「保険を何故最初から使わなかったの!?」

 

「いや・・・白野さんから前もって『状況が悪い時だけ使いなさい』って言われてたのよ」

 

「・・・そう」

 

何かを察したリアスは、それ以上の追及をせずに目先の敵へと集中して戦いが始まった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やぁっ!」

 

ズッドン!

 

塔城のパンチが、ゲリョスの腹部に直撃。だが、ゴムの様な皮をしているので、どうしても決定打にはならない。追撃で木場の攻撃が加えられるが、大きく暴れる事で皮に薄傷が付く程度・・・

 

「倒れる様子がないね」

 

「・・・ゴムみたいな皮が厄介です」

 

ですが、最初の戦闘で発光器官を潰しておいただけマシですね。最初の被害者は姫島先輩でした。・・・あれは酷かったです。だって、毒の液体を頭からぶっかけられたのです。回復薬と解毒薬を使って回復した姫島先輩が額に青筋を立ててドッカンドッカンと雷を浴びせても・・・はい。・・・ほとんど効果はありませんでした

 

「子猫ちゃん!」

 

「ッ!」

 

ゲリョスの尻尾が塔城を襲い、大きく吹き飛ばした

 

ゴム板で叩かれた様な痛さですね・・・打撃が禄に通じない。なら関節部を狙―――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

は?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ブッチッン!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

へぇ~、援護に来たのは黒先輩ですか~。傍にいるのは黒歌姉さまですよね?どうして居るんですか?私を心配して見に来たと思いますが、どうして黒先輩と必要以上にくっついて桃色な空気を作っているんですか?

 

ゲリョスの後方に目に入った二人の人影は、黒と黒歌の二人だった。だが、タイミングがいけなかった・・・いや・・・何も言うまい

塔城が吹き飛ばされた事に不安そうにする黒歌の手を、黒が両手で握り返して励ましている光景だったのだ。誰がどう見ても、戦場でイチャついているリア充である

 

「ふっ、ふはっ・・・ハハハハハハハハハハ!    

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ふざけるなああああああああ!

 

途端に塔城のオーラが爆発的に膨れ上がり、周囲に居た全ての生物の眼が向けられた

 

「イチャイチャイチャイチャと所かまわず桃色空間を作って!私は・・・私は!完全に怒りました!!」

 

オーラが更に輝いて金色へと変化し、髪が逆立ち金色へと染まった。・・・見た目が伝説の某野菜人そのまんまである。―――――――ドラグソボール?そんな子は知りません

 

「こ、子猫!?」

 

「い、一体何が・・・」

 

「子猫ちゃん・・・君は一体・・・」

 

「聖なるオーラ・・・ではないですけど、熱い激流の様な感じがします」

 

「うぇっ!?金色の戦士!?」

 

「おいおいおい!?どうなってやがんだこれは!」

 

うわぁ~、まるで伝説の超サ〇ヤ人みたい。・・・怒りから覚醒とかまんまそれじゃない

 

ズンッ、ズンッ、ゲリョスに向かって一歩一歩近づく"超"塔城。ゲリョスは今までとは違う相手の様子に警戒をしたが、今までの攻撃はほとんど効かなかった事から迎え撃つ選択をしてしまった。塔城に向かってとっし――――――

 

ズッドンッ!

 

目の前にいた筈の敵は何時の間にか胸元に立っていた。だが、敵の右腕は自分の胸部に深々と突き刺さっている。胸元から抜かれた腕を認識した瞬間に襲い掛かった激痛に、ゲリョスはのたうち回った

 

「うっとうしい」

 

塔城はゲリョスの顎をかち上げ、再び胸部へと無慈悲な追撃を加えて尻尾を掴んでジャイアントスイングか~ら~の、地面に叩きつけで終了。最早オーバーキルのその攻撃は、他のモンスター達の戦意を根こそぎへし折るには十分すぎる光景だった。フルフルとイャンガルルガは空へ羽ばたいてその場から離脱し、残ったのは唖然としている者達だけ

塔城は、倒したゲリョスを放置して、怒りの矛先をイチャイチャ二人組に向けた

 

「「ヒィッ!?」」

 

拳をポキポキと鳴らしながら歩いて近づく塔城に、小さな悲鳴を漏らしたイチャイチャ二人組

 

「修行の邪魔です。リア充はとっとと愛の巣へ戻ってください」

 

「「はい」」

 

「ですが、ただでは帰しません。二人には一発だけぶち込みます」

 

メキメキメキィと音を立てて拳を握り込み、準備万端のご様子。黒歌は顔を青ざめてガクガクと体を震わせる

 

「・・・よし、子猫ちゃん。俺が黒歌の分も引き受ける。二発来い!」

 

手を後ろで組んで黒歌の壁となる様に立った

 

「・・・そうですか。では、黒先輩ですので全力でぶち込みますが、覚悟は良いですか?」

 

「お腹だけは勘弁な?」

 

「大丈夫です。顔面にぶち込みますので」

 

「ふぅ・・・・・よっしゃあ来い!耐えてみせよう!!」

 

「野郎オブクラッシャー!」グォッ

 

ドッゴーーーーーーーーーンッ!

 

「バンナソカナァァァァァァ!」

 

左頬にすさまじい衝撃を受けた黒は、錐もみ回転しながら空を舞い上がった。塔城は、黒が吹き飛んでいる間に態勢を整える。足を大きく開いて上体を屈ませて、右拳に気を爆発的に集約する

 

「最初は、グー。・・・・・じゃんけん―――――――グー!」

 

自由落下で落ちてくる黒が、地面に激突する寸前で上体を起こして右拳を振り上げて振り抜いた。顔面の・・・真正面から受けた黒は、体を回転させて木々をなぎ倒しながら吹っ飛んだ。巨木すらもなぎ倒し、車線上に居たランポスの群れの殆どが轢かれて肉片となり、塔城の覚醒に逃走し、地面に降り立っていたイャンガルルガに直撃。砲弾よりもすさまじい衝撃を受けて、内臓の殆どが破裂して絶命。黒はイャンガルルガがクッションとなって、ようやく止まったのだった

 

「く、黒は大丈夫なのかにゃ!?」

 

「大丈夫ですよ黒歌姉さま。黒先輩はゴキブリ以上の生命力で、白野先輩の攻撃を受けても数日で回復しますから」

 

イッテェエエエエエエエエエ!

 

遠くから黒の正直な叫びが響き渡った事で、黒歌はホッと胸を撫で下ろした

リアス達は塔城の覚醒によって危機を脱した事で被害は最小限に留まった。自業自得な者も居たが、それはそれだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~美羅side~

 

私は今何をしているかって?ふっふ~ん♪なんだと思う?あ、分かんないよね。サクッと正解を発表しましょう!

 

「邪ンヌちゃんの体をキレイキレイしましょうね~♪」

 

「一人でも洗えるわよ!?」

 

「何事も効率効率♪特に背中は一人だと奇麗に洗えないでしょ?」

 

「ぬぐぐぐぐぐ!」

 

「レオもいっしょにはいる」

 

「うぇえええええ!?」

 

現在この浴場には、美羅とネルとジャンヌとレオナルドの四人が入っている。ん?レオナルドは男だからアウト?子供だから細かい事は気にするな!(※作者はレオナルドの年齢を6~7歳として設定しています)

 

「それにしても・・・青に緑に紫にピンク・・・いろんな色の浴槽があるわね。しかも浴場が広い」

 

「源泉を引っ張ってきたかいがあったというものよ!」

 

「・・・ほんっとうに何でもありなのね」

 

ネルに連れられてお風呂へと強制連行されるレオナルド。ジャンヌは土汚れが酷く、頭から洗い流す。シャンプーやリンスを使い奇麗にして、スポンジの様なふわふわした物で体全体の汚れを落としていく

 

「このスポンジって凄く柔らかいわね。一体何処で買ったの?」

 

「買ってないわよ。拝借しただけよ」

 

「拝借って・・・盗んだの?」

 

浴槽からジーっとジャンヌの持つスポンジ?を見つめるネルは一つだけ心当たりがあった

 

「あれおいしくない」

 

「は?」

 

「あれを食べたの?」

 

「まわりのふわふわがおいしそうだったから」

 

「えっと・・・ネルちゃんが食べたのはモンスター?」

 

「ネルはロアルドロスを食べたのね」

 

「ちょっと待ちなさいよ!これって生き物の一部なの!?」

 

あまりにもビックリしたのか、戸惑っているジャンヌ。美羅は「まぁまぁ」と落ち着かせて体を洗い流して、浴槽へと誘導する。ジャンヌは、これ以上追及しても答えないだろうと諦めておとなしく湯船に浸かり体を温める

 

「はぁ~・・・生き返るわ~。今までの疲れが吹っ飛ぶ様だわ」

 

「あ"あ"あ"あああああ~。五臓六腑に染み渡るわ」

 

「おっさんの様な叫びね。まぁ・・・この湯に浸かればそんな声を上げたくもなるわよね」

 

「こちとら雌豚のストレスが激しいのよ。しかも、他からもちょっかいが掛かってるのよ。誰だったかな~・・・?あっ、思い出した。ハゲーズとタルタルソースとエレボスとソックスの四人ね」

 

冥府の神ハーデスとギリシャの原初の神、タルタロス、エレボス、ニュクスが最近美羅を覗いているのだが、そのことごとくを邪魔して見れない様にしているのは美羅ならではだ。自称神(笑)はどうして覗けたのかというと、美羅が直接ボコるからせいぜい恐怖して待つがいいと宣戦布告を兼ねているのだ。一方で、自称神(笑)は美羅が転生者だと思い込んでいるのでボタンでどうにでも出来ると慢心しまくっている

話は戻って、美羅の予想だともうそろそろ直接干渉して来る可能性があるとの事。もしもそうなれば、ボコって調教し終えた後で馬車馬の如くパシリにする予定である。懸念としては、雌煌が真っ先に飛び出して殺さないかどうかの心配だけである

 

「そっちも大変なのね。まぁ、私は復讐の対象である悪魔と天使を殺すだけよ」

 

「関係者はリストアップ済みよ」

 

「仕事早いわね・・・」

 

「ささっと復讐を済ませて、青春を再び謳歌したいでしょ?」

 

「そうね・・・よくよく考えれば、テロ行為ばかりしていたわ。秘境でのんびり過ごすのも悪くないかもしれないわ」

 

ジャンヌの行動をリストアップして、一緒に楽しく過ごそうと計画を立てる美羅

 

「それじゃあ、お風呂を出たら行く?まずは天使の方を消し飛ばすのはどう?」

 

「行動早いわね。でも、嫌いじゃないわ!とっとと復讐してのんびりと過ごすわ!」

 

だが、今はゆっくりと体の底から癒すのが先決だ

体全体が温まった美羅達は湯船から上がり、タオルで体を拭いてバスローブを着て出る。そして、風呂上がりの水分補給として"ボコボコーラ"を右手に持って、左手は腰に当ててゴックゴックと飲む。シュワっと口の中で炭酸が弾け、スーッと鼻を通る独特な匂いと風味

 

「ぷはぁ~。お風呂上がりにはやっぱりこれが良いわね」

 

「お風呂上りのコーラって美味しいわね」

 

お風呂上がりのドリンクも飲み終え、衣服と鎧も身に着けたジャンヌは、気持ちを切り替えて心の底から湧き上がる憎悪を押さえつける。美羅の方は、冥界と天界のトップ達に一方的に要求を言い放っている模様。何やら反対の声が上がったりするが、『全て消すよ?』の一言で何も言わなくなったので通信を切った

 

「怒涛の勢いだけどとっとと終わらせるわよ。先ずは天界から!畜生は消毒に限るよね♪」

 

「天界・・・あのクソッたれな自己中心達には情け容赦無く燃やし尽くしてあげるわ!」

 

「ん~。色々と面倒になる前に直通で行っちゃおうか」

 

美羅は少し考えて、リストアップ達の場所へ直接転移する事に決めた。ジャンヌの片手を掴んで、天界へと転移して行った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~ジャンヌside~

 

あいつ・・・美羅に連れられる様に転移した私。目の前には煌びやかな光景、・・・教会とかそういった綺麗なやつよ。いきなり現れた私達を見て呆然としているけれど、その集団の中に見た事のある天使が数人居たわ。そう、あいつらが私を・・・村の皆を洗脳して私を捕まえようとした奴等だ

 

ジャンヌは、少しだけ俯いて胸の内に復讐の炎を滾らせる

天使達は、いきなり現れた美羅達に驚いたものの直ぐに落ち着きを取り戻す。そして、悪魔や天使や堕天使の様なオーラが感じられない事から、人間と判断して見る目を変える。その眼は、まるで道具の様な・・・使い勝手の良い駒としか考えていないものだった

美羅は、そんな事知らんぷりで手に持っている資料を見て数を数えている

 

「え~っと・・・あれと、あれと、あれと・・・それね。合計四人―――――今からジャンヌちゃんにぬっ殺される鳥です。私が指差した者は分かるよね?人を、人間を使い勝手の良い道具として手に入れようと画策した愚か者」

 

冷めた目で彼等を見る美羅。しかし、天使達は自分たちが偉く、人間が手を出す事はありえないと思い込んでいる様子だった

 

「人間が何故この天界に居るのかは分かりませんが、不敬ですよ。この場所は神聖な場所―――――資格すら持たない貴女達は禁を犯しているにも等しいのです」

 

「天界の裁きにてそれ相応の対応を取らせて頂きますよ?」

 

「ふむ、一人は聖剣の担い手になれそうですね。どうですか?もう一人の人間の罪を無くす代わりに、貴女が戦士となるならば神は不敬を許される事でしょう」

 

酷い言葉ばかりである。特に最後、聖書の神は居ない事を知っているのにそれを言い出すのはおかしすぎる。その言葉に美羅はつい本音が漏れる

 

「いやいや、聖書の神って死んでるのに不敬を許されるとか―――――ブフッ!」

 

神を笑う―――――不敬を通り越して許される事では無い。天使達は殺気立たせて美羅を睨み付けるが、本人は飄々としている。何故なら、これから始めるのは蹂躙だから。俯いていたジャンヌは途方もない殺意を周囲にまき散らせて天使達を睨み付ける

 

「私が天界の戦士?ハッ、笑わせんじゃないわよ!お前達が私に・・・私の村の人達を洗脳した事は決して赦さない!聖剣を創る神器を持っているから保護が必要?ふざけるな!人間を道具としか思っていないお前達がそんな気遣い等出来得る筈が無い!優しかった村の皆が一夜もせずに私を憎んだ!何よりも、そこで薄ら笑いをするお前達が村の皆の頭に手を置いて豹変させた現場を私は見た!赦さない。赦さない赦さない赦さない赦さない赦さない赦さない赦さない赦さない赦さない赦さない赦さない赦さない赦さない赦さない赦さない!お前達は殺す!今ここで!!バランスブレイクッ!!」

 

漆黒の鎧と黒炎のバトルドレスを纏い、一振りの簡素な剣を持って相対する。天使達から見れば醜い物だが、美羅はパシャッパシャッとス〇ホのカメラでその雄姿を撮影している。・・・ハッキリ言って美羅の行動が全てを台無しにしているが、ジャンヌの視線の方向は唯一つだ

 

「醜いですね。やはり、人間とは愚かしい」

 

「全くもってその通りですね」

 

「姿形が変わったとはいえ人間。人間では天使に太刀打ちは出来ませんよ」

 

目の前に居る天使達は口々に、"人間は~"等と言う。ジャンヌは無視して、対象の天使を一人に手を向けて憎悪を向ける

 

「我が憎悪は消えず、全てを焼き尽くす。    消えろッ!」

 

開いていた手を握り込むと、向けられた先に居た天使に大きな黒炎が飲み込んだ。声を発する間も無く炭となった天使。同胞が消え失せた事に呆気にとられた一同に向けて、ジャンヌは手を上げる

 

「黒炎よ、槍の処刑台となり降り注げ。     貫けッ!」

 

もう一人の天使の頭上に黒炎の槍が数本顕現、ジャンヌの手を振り下ろしを合図に一斉に降りそそぎもう一人を貫いて燃やし尽くす。ようやく己達の状況を理解した天使達はジャンヌを危険視して空に飛び立ち、光の槍を投擲して攻撃する。しかし、憎悪の炎で包まれたバトルドレスと聖剣で創られた鎧を纏っているジャンヌの前では無力だった。触れた瞬間、光の槍は弾かれて黒炎が燃やし尽くしたからだ

ジャンヌは標的を指差して、対象外の天使達に警告の言葉を発する

 

「私の標的はあれと、それの二つよ。これ以上邪魔をしなければ殺す事はしないわ。だけど、これから一度でも攻撃してきたのであれば――――殺すわ」

 

途端、バトルドレスの炎が激しさを増して周囲を威圧する。黒く、熱く――――燃え散る火の粉ですら危機感を感じた天使達。関係ない者達は、無意識に標的となっている天使達から離れた。当人は、ジャンヌの眼光に貫かれて動けずに震えている

 

「そう、ならば見ているがいい。この炎は狼煙だ!村の皆を洗脳した罪をその身で贖え!――――憤怒の柱(ジ・ザイル・ディスカルズ)!!」

 

ジャンヌの号令と共に、地面から天に昇る黒炎の柱が噴き上がって対象の天使を飲み込んだ。この炎柱こそ、復讐の狼煙の合図だ。天界で唐突に発生した炎柱を見た天使達は、その場へと集う。本当は対象だけを殺して大事にはしない目的だったのだが、ぶっちゃけて言うならば一ヵ所に集めて当人を処刑する方が断然早い。美羅はジャンヌを見ているだけで、何も言わないし行動にも移さない。いや・・・行動はしているのだが・・・・・写真の次は動画を撮っている

沢山の天使達が空を飛んで二人を包囲。それと・・・騎士だろうか?整った装備を身に着けた者達は地上を包囲している。すると、奥から一人のお偉い天使――――ミカエルがやって来た。だが、空を飛んでのご登場・・・

 

「さて、白野さん。事前に連絡を入れられたとはいえ、これはいささかやり過ぎでは無いでしょうか?それに、そちらの女性は・・・」

 

「空から見下ろしながらの対応ねぇ・・・。どうしよっかな~、ジャンヌちゃんがピックアップ対象者を燃やしたら"ここ(天界)"を消そうかな~?」

 

片手に小さな赤雷を発しながらミカエルの方を見ると、冷や汗を垂れ流しているご様子。美羅に睨まれた事で、一旦地面へと降り立ったミカエル。しかし、美羅達の態度に納得していない騎士達がちゃちゃを入れる

 

「おい貴様!ミカエル様が地面へと降り立たれたのだ。地に膝を付いて頭を垂れろ!」

 

「あ、こいつあの天使達と一緒に従事していた奴」

 

「燃やしちゃえ♪」

 

美羅の返事を待たずに即座に実行するジャンヌ。騎士?の悲鳴を上げる間も無く燃え尽きた光景を見て、怒り心頭な者達が殆どだった

 

「白野さん。貴女達は何をしたのかご理解していますか?」

 

「理解してるけど、何か問題でもあった?」

 

「殺された者達は天界所属の者達―――――つまりは、宣戦布告という事です。三勢力全てを敵に回す事と同義ですよ?」

 

だがここで、ジャンヌが声を張り上げて異を唱える

 

「だったら、お前達は人間全てを敵に回しているも同じじゃない!」

 

天使に運命を弄られ、悪魔に蹂躙された者の叫びだ。だが、この場に居る者の殆どが神様至上主義

 

「不敬な!貴方達人間は、神に奉仕する事が使命なのだ!」

 

「神に選ばれなかった者達が悪いのだ!」

 

騎士?となった人間達が神様神様と吠える。しかし、美羅は気になる点が一つだけありつい口漏らす

 

「えっ?神様って誰の事?」

 

『聖書の神様だ』

 

「痛い、こいつら痛すぎる!死んでいる存在をずっと信仰しているなんて・・・」

 

『主が死んだと?冗談でも不敬であるぞ!』

 

「いや、烏の総督とシスコン赤髪の魔王達が口を揃えて死んでいるって言ってたわよ。しかも、神話勢のトップ達も聖書の神死んだーって言ってたし・・・何?もしかして、真実教えずに運営しているの?うわぁ~、天界って鬼畜集団なのね。詐欺に人権侵害なんて堪ったものじゃないわ」

 

「私は"元"禍の団の構成員だから、聖書の神が死んでいる事はいろんな奴から聞かされているわよ」

 

騎士達は驚愕の表情をしながらミカエルを見る。彼等は直接答えを聞きたいのだろう。ミカエルは普段通りの表情で、真実を告げた

 

「白野さん達の言う通り聖書の神は死にました」

 

ミカエルの言葉を聞いて、騎士達は絶望して地に膝を付いて「嘘だ・・・嘘だ・・・」「主が死んでいる?そんな・・・」等と絶望をしている。だが、ミカエルは新たに告げる

 

「しかし、その身をシステムとして捧げられ天界が存続出来ているのはその為です」

 

騎士達はハッと顔を一斉に上げてミカエルを見つめる

 

「主は貴方達の心に居るのです。信仰は裏切る事はありません―――――神は何時までも貴方達を見守っています」

 

要は、自分の信仰心が重要だとミカエルは宣言した。騎士達は「そうだ・・・この信仰は偽りでは無い」「主を信じる心こそ大切なのだ」と言い出す始末。美羅は溜息を吐き、ジャンヌは標的の天使と騎士を見つける

騎士達も回復したところでミカエルは美羅の方に振り返ると、ジャンヌに邪な目を向けている美羅の姿を無視して最重要――――何故殺したのかを再度問いただす

 

「さて・・・宣戦布告等と言いましたが、これだけは素直に答えて下さい。何故、天使と騎士を殺したのかを」

 

「私のジャンヌちゃんは、天使達に運命を狂わされて悪魔に蹂躙された村の生き残り。要件とはお礼参りって事よ。まさか、大多数の村の人間を洗脳した事を問題視しない様なら―――――そのお顔を凹ませちゃうぞ♪」

 

「・・・証拠はありますか?」

 

「あるよ~♪あ、証拠を見せても良いけど殺しを撤回するつもりは無いから。どうせ、天界の法をもって罰するとかだと死なないじゃん?大多数の人を死の運命へと誘ったんだから」

 

美羅は、ジャンヌの頭に手を置いて記憶映像を頭上に映す。周りの騎士や天使達もその映像を見ると、ジャンヌが見てきた物が全て流れる。無論、音声もばっちりで、当事者達は顔を青ざめさせているが否定の声を上げる

 

「ミカエル様、あの映像は偽装されています!我々はこの様な下劣な行為など断じてしておりません!」

 

「騎士である我らもあの様な行為は絶対に致しません!」

 

ミカエルとしても、他人の記憶から映像化等という行為など見た事も無いので直ぐに判断出来ない。もう少し情報を精査して結論を出そうと決めるが、美羅がもう一手切り出す

 

「早くしてくれない?前例が無いって言うなら、シスコン赤髪にでも連絡を取れば・・・いや、それじゃあ遅い。その間に逃げる可能性もあるし、追いかけるのもめんどくさい。だがしかし!こういう時に役立つのがアザゼル印の魔力遠隔通信機~♪便利そうだったから貰っちゃったの(貰う=奪った)。しかも、相手先はよく連絡を取る赤髪のメイド!てなわけで、プルプルプル~っと連絡」

 

会話を全員に聞こえる様にスピーカーモードにする美羅。連絡から数秒してグレイフィアが出た

 

『あの・・・白野様、念話でもよろしいのではないでしょうか?今現在、黒歌様の一件について事後処理で忙しいのですが』

 

すると、グレイフィアの声に被る様にサーゼクスの忙しそうな声が響いていた

 

『グレイフィア・・・彼女と仲が良いのは良い事なのだが、こちらを手伝ってくれないかい?ホント・・・手伝ってくれ。リーアたんから報告された過去の記憶を追体験、映像化する事のとんでもなさも説明するのが難しいんだ。・・・助けて』

 

この様子から、叩けば叩く程悪事が出てきているのだろう。そして、美羅の規格外っぷりを説明する事が難しいとの事だ。だが、スピーカーモードだった為ミカエルにその声が聞こえている。ミカエルはこちらからの声が聞こえるのかを美羅に尋ねると

 

「あ、そっちもスピーカーモードにして。シスコン赤髪と話したい奴が居るのよ」

 

『この側面にあるスイッチでしょうか?』

 

「そそ」

 

カチッと音が響いた事でスピーカーモードとなったのだろう。これで当事者達の逃げ場は完全に消え失せた事に他ならない。処刑までもう少し・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




布団「スランプが襲い来る。ある程度の展開は考えたけど、そこに行くまでの道のりが真っ暗闇です・・・。きちゅい・・・ゴールしたいよぉ」※マジでこう思っています






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