暇つぶしに行くD×D世界で祖龍がBalance Break!! 作:ぬくぬく布団
ミラ「ちぃっ!折檻する暇が無い!!」
黒「うわぁああああ!爆死したぁあああん( ノД`)シクシク…」
紅「配布はゲットしなければいけないな!」
ティア「一日に少しずつ進めたら問題ない筈だ。リンゴの節約をしなければ」
ねる「はじまるよ」
~ジャンヌside~
「覚悟は良い?今の私は手加減なんて知らないし、そんな事をしないわ。泣いて喚こうが止まらないんだから!」
ジャンヌが吠えたと同時に、大気が震える。曹操達にビリビリと当たった瞬間、全身に鳥肌が立った
「ぶっ飛べ!!」
四肢から赤い炎を迸らせて加速―――ジャンヌが立っていた場所は爆発して土煙を上げる。曹操の懐に飛び込んだジャンヌは拳を振り抜く。曹操も咄嗟に武器破壊の玉を自身とジャンヌの拳の間に挟む事で防ごうとする。だが、籠手に直撃した玉は砕け散った
「なにっ!?グボッ!」
爆発した様な鈍い音を立て、曹操は吹き飛んだ。木々をなぎ倒す事で減速し、巨大な岩にぶつかる事で止まった。ジャンヌの攻撃はそのままジークフリートへ移行、手から膨大な熱量の炎が伸びて巨大な大剣が握られた。その大剣の名は"炎剣リオレウス"。しかし、この大剣は通常の炎剣リオレウスとは違ってリオレイアの素材も混じっている
ジャンヌはジークフリートを袈裟斬りする様に大剣を振り下ろす。ジークフリートは、ジャンヌが引き抜いた魔剣を回収して全魔剣で受け止める。だが、馬力が違った。受け止めて魔剣が砕ける事はなかったが、そのまま押し切られて肩を少しだけ斬られる
「ぐっ!」
「あんたも邪魔!!」
ジャンヌはそのまま飛び退いてゲオルグへ疾走。大剣が再び炎に包まれ、晴れるとランスを握っていた。"プロミネンスピラー"を地面に突き刺し、空に飛び上がって一回転して叩き付ける。ゲオルグは防御魔法を展開するが、魔法陣とプロミネンスピラーが接触した瞬間、炎が魔法陣を溶かす。咄嗟にゲオルグは神器で転移するが、ジャンヌは野生の直感で槍を投擲。その先にはゲオルグの転移先だった。音速を超えた投擲は凄まじく、目視で回避する事は不可能。そして何より、プロミネンスピラーの炎はゲオルグの魔法陣を溶かす
「ふざけっ―――」
避ける事も出来ず、幾多にも張った防御魔法陣も突き破ってゲオルグの上半身を消し飛ばした
「一人!」
「ゲオルグッ!」
ジャンヌに吹き飛ばされた曹操は戻っておらず、ジークフリートただ一人で迎撃するしかない。だが、どうなるかは分かり切っている
「二人っ!」
プロミネンスピラーが炎に包まれ、新たに現れた武器は大太刀―――飛竜刀【楓】の紅・・・いや、飛竜刀【葵】の緑も合わさっているのでオンリーワンの無名の太刀だ。名付けるなら―――
「【
楓と葵を繋げただけの安直な名前だが、ジャンヌ的には十分な名前だ
「紅蓮に滾れ、身体に印しを残せ、此れは何者も防げぬ一刀」
ジャンヌがジークフリートに近づきながら詠唱・・・いや、イメージを強固にしている。ジークフリートでなくとも、ただの袈裟斬りならば悠々と避ける事が出来る。しかし、ジークフリートは見てしまった。普通の人間の眼―――縦長の瞳孔・・・竜を模した眼と直に合わせ、ジャンヌの殺意と竜の消えぬ意思のそれに体が金縛りにあったかの様に硬直する
(何故だ!何故動かない!?)
腕だけ何とか動かせたジークフリートは、五本の魔剣を盾にする。そんな事は知った事では止まらないジャンヌはジークフリートの前に踏み込んで袈裟斬りを繰り出す
「飛竜―――――大紅蓮ッ!!」
振るう刀身は炎に包まれ、盾の魔剣諸共ジークフリートの身体を断った。その一撃は正に魂諸共燃やし斬る攻撃だ
「グッ、ジークフリートまでもか!」
吹き飛ばされた曹操が戻り、ゲオルグとジークフリートの死体を見て苦虫を嚙み潰した様な顔をしている。ジャンヌは飛竜刀を大剣に戻して曹操の声の方に振り返る
「最後はあんたよ。死にさらせ!!」
「俺は英雄だ!そう簡単に死ねるか!!」
「英雄だろうが何だろうが、無差別な虐殺をするあんたはテロリストなのよ!英雄なんて言葉を発するな!」
ジャンヌに襲い来る玉は、炎剣で叩き切る。その中には武器を破壊する玉も含まれており、曹操はそれを破壊された事に驚愕する
「なっ!?」
「これは二頭の意思!まだ死んでない、あんたをぶっ殺すまで死なないのよ!」
そして、ここでジャンヌの手から黒い炎がユラリと出現した。いきなり黒炎が出た事にジャンヌが驚くが、それは些末事なので使える程度で過信せずに戦う。曹操の様子を見れば、光っていた玉の輝きが弱くなっており、突いたり消えたりしていた
「そういう事ね。時間制限ならこっちも遠慮なく使わせてもらうわ!」
「させるわけがないだろう!」
曹操が急接近して神器で攻撃して来る。並の武器なら当たった時点で終了、並の防具なら貫通と酷い結果になるだろう。だが、リオ夫婦の意思が宿る武器と防具は上位神滅具と遜色ない性能なので破壊される事はない。炎剣で一度防ぐが、相手の武器がランスで手数が多い。一撃一撃が重い炎剣とは相性が悪いと感じたジャンヌは、飛竜刀に切り替えて逸らして攻撃する手段にした
「鋭いだけの攻撃なんて逸らして下さいって言っている様なもんでしょ!」
「チッ!」
攻撃し、逸らし、攻撃し、逸らしと何回も攻撃を交えるにつれてジャンヌの太刀の鋭さが増し、曹操に傷付け始める。これは流石にマズいと感じたのか曹操が後退したのだ。しかし、それは叶わない
「逃がすかっての!!」
ジャンヌが腕を一振りしただけで、二人を中心に炎の槍が地面から斜めに伸びて円錐状になった。これで空に逃げる事は出来ない。抜け出す事が出来るのはジャンヌを倒す事だけだ
「これではっ!」
「そう、あんたは私を倒さない限り出る事は出来ないわ。そして何より、周囲は炎―――酸素が無くなっては生きれないでしょう?タイムリミットはおよそ五分。全てに決着を付けるわ」
ジャンヌは、残り五分で曹操を倒すと宣言した。曹操は、「大きく出たな」と口漏らしたが途中で口を閉じた。何故なら、ジャンヌから迸る熱量が急激に増加したからだ。まるでマグマの火口に居るかの様な熱気に景色が歪む
「我は
ジャンヌの背に竜翼が生え、爪や歯が竜の様な鋭い物に変わった。人と竜が交わり、限界を超えた姿―――半人半竜だ
「本当に人間を辞めたか・・・化け物め人間の本当の強さを見せてやろう!」
「あっそ。じゃあ―――死ね」
その言葉と同時に、ジャンヌの竜翼から黒い炎が溢れて姿がブレた。曹操は咄嗟に両腕をクロスしてガードするが、左腕に掛かる圧力によって骨が粉砕された。いや、ジャンヌが曹操の左腕を掴んで握り潰したのだ。ジャンヌは、そのまま全力で腕一振りして曹操を吹き飛ばす
「ぐ、がぁああああああああ!?」
ジャンヌに掴まれていた曹操の腕は千切れていた。これは爪が竜の様に反り伸びた状態で握られていた事で、肉が避けていた事も相まって千切られたのだ。曹操が襲い来る痛みに耐えつつ顔を上げると、ジャンヌは両手に赤と黒の炎を融合させていた
「させるか!」
ジャンヌ目掛けて槍を投擲して融合された炎を消そうとするが、不自然な動きで槍が逸れたのだ。何が起こったのか直ぐに理解出来なかったが、直ぐに原因が分かった。離れているのにも関わらず、顔の表面をチリチリと焦がす様な熱量、ジャンヌが融合した炎の温度は凄まく、それだけで攻撃を捻じ曲げる程の熱量が暴れているという事だ
「これで終わりよ―――――
かめ〇め波の様に両腕を突き出した瞬間、赤黒い東洋龍が曹操へと突撃する
(何故だ、何故―――)
曹操が何処で間違えたのか、英雄はこの程度では死なないと思考がせめぎ合いながら龍の口に飲み込まれ、竜は地面をガラスに変えながら天へと昇る
ドォオオオオオオオオン!
竜は昇り、黒炎の槍と衝突して大きく爆発した。煙からは何も落ちず、晴れた先も何も残らない。ジャンヌは曹操を肉片一つ残らず消し去った
「ぐっ、ゴボッ」
一方、ジャンヌの方も技の反動か、血反吐を吐きながら倒れ伏す
「ジャンヌ!」
俊屋が雌煌の後ろから飛び出してジャンヌに駆け寄ると、小さいが胸部に小さな穴が開いていた。この穴を見て、曹操が決死の一撃を最後に放ったと理解した。槍を大型ではなく、限界まで圧縮して一点を指す事に尖らせた攻撃が炎の龍の中を突き進んだのだろう
俊屋がジャンヌを仰向けにして様子を見ても酷いの一言。心臓部に穴が開いており、そこから大量の血が溢れ出ているのだ。回復薬グレートを傷にかけても直る様子もなく、八方塞がりに近い。手持ちの素材はありふれた物ばかりで、「このまま死を眺めるしかないのか」と諦めかけた時、最後の手を思い付いた。何時か挑戦してみようと用意していた素材―――マンドラゴラと栄養剤グレートと増強剤。モンハン知識があったからというのもあるし、美羅から渡された調合の為の道具。しかも、頑丈と時短を兼ね備えた逸品。初めて作る+調合成功率が低いのも合わさり、限りなく0に等しい可能性だが試す価値はある
「俊屋!」
春も合流してジャンヌの手当てを開始する。回復はしないが、延命措置の為に残しておいた回復薬グレートを途切れない様に張るがジャンヌにかけ、俊屋は急いで調合を開始する。材料はやり直しの利かない一度きり分の量しかない。栄養剤グレートとマンドラゴラを調合・・・成功、秘薬の完成。これだけでも成功率は限りなく低いが当たりを引けた。次は増強剤とマンドラゴラの調合・・・成功、活力剤の完成。立て続けに成功した事に安堵しつつ、春に回復薬グレートに秘薬を混ぜてかけるようにと指示を出して最難関の調合を開始する。一方、秘薬を混ぜた回復薬グレートで治療するも、傷が治る事はなかった。残された可能性はいにしえの秘薬ただ一つ。以前一誠と狩ったケルビの角と活力剤の調合
(クソッ!震えるなよ俺の腕!手の空いてる中で一番調合成功率が高いのは俺しか居ねえんだ!失敗は出来ないんだ!!)
震える手に喝を入れて調合を開始―――
あれ?私はどうして此処に居るの?
ジャンヌの目の前に広がる光景は、以前見た煉獄だった。いきなりの事に戸惑いつつ、一本道の様に開いた場所を進む。時々足が重たくなるが、前に進む。すると、ゴウッと境界線の様な炎がジャンヌの行く手を阻む様に立ち塞がる。しかし、この程度の炎はジャンヌにとっては生温い。炎を超えた先に居たのは、以前見た女性―――黒のドレス甲冑に黒い旗を黒い剣と携え、ニヒルな笑みを浮かべている
『あら、もういいのかしら?復讐は済んだ?』
復讐は・・・一通り終わったわ
『そう。だったら、"それ"は要らないわね』
目の前の女性がジャンヌの後ろに指して釣られる様に振り向くと、二頭の竜―――レウ?とレア?が居た。だが、何処かおかしい。その身体は傷だらけで、ジャンヌに何かを訴えるかの様子だが、何も聞こえない。女性は、ジャンヌと同じく黒炎を操って燃やそうとする
待って!
『死した者に縋るつもり?』
死んでない!二頭は未だ生きている!!
『はぁ・・・あんたは未だ分かっていない様ね。二頭は死人、死体、何時までも引っ付けんじゃないわよ。それに、そいつ等は違うわよ』
ジャンヌは嫌だ嫌だと叫び、二頭の元へ近づく。女性が止めようとするが、無視して近づく。そして、安堵する手前で気付いた違和感。何処か違う、知らない、おかしい―――ジャンヌが一歩後退ろうとしたが、遅かった。二頭の体から生えた触手の様な何かに引き摺られる
なっ!?何よコレ!
四肢をがっしりと拘束され、徐々に引き寄せられる
『ジャンヌを名乗るとは・・・この匹婦めがァァァ!!』
『頑張りなさいよ?それは物凄くしつこいわ。まるでストーカーね』
『ン"ン"ンンンン!ジャンヌに罵られるとは・・・良いものですねぇ』
『私の前から消えろ』
『ええ、消えますとも。ですが、この匹婦めを処罰するのが先で御座います』
竜だと思ったそれが崩れ、ヒトデの様な何かに変わった。正直、グロく、R-18案件に直行しそうな姿形である
クソッ!放せ!放せえええええええ!!
ギリギリと締められ、徐々に意識が朦朧する。もう駄目だと思った時、煉獄に光が射してジャンヌを包んでヒトデ擬きを溶かし、光の先から二つの影が舞い降りる。ズンと音を立てて足を着いたのはリオレウスとリオレイア―――本当のレウとレアの二頭だ。二頭の連続火球が青髭を襲い、ヒトデ諸共爆砕する
『この竜風情があああああああ!』
最後に恨み声を上げながら燃やされてあっという間にケリがついた。二頭はそのまま女性の方を睨むが、殺気も殺意も・・・悪の感情が何も無かったので無視する。そして、レウが伏せをしてジャンヌを背中へ登るように誘導する
そっか、迎えに来てくれたのね。ありがとう!
レウの背に乗ったジャンヌは、女性を見つつ光の先へと飛び去って行った
『行ったわね。もう此処には来ないから黒炎は返してもらうわ。後は自分ともう一人で頑張んなさいよ』
女性はそのまま煉獄の中でのびのびとしていた
眩しい・・・それに騒がしい・・・
「・・・うっさ「よかった!」―――うぇ?」
ジャンヌが目を覚まして上体を起こそうとした瞬間、抱き締められた。いきなりの出来事に雌煌が追い付かず、?が頭を埋め尽くして冷静になる時間が掛かる
「よかった!ジャンヌが生きてる!」
取り敢えず、抱き締めているのは俊屋だと分かった瞬間、ぶん殴ろうとした。だが、横からの衝撃で中断される
「ジャンヌちゃんが目を覚ました!俊屋よくやったわ!」
舞樹姉弟にぎゅうぎゅうと押されている事にイライラしていると、ふと思い出した。龍を放った後、胸を貫通する何かを貰って血反吐を吐いた事。体が徐々に冷える感覚
「あぁそっか、私死にかけたのね」
ようやく何があったのか追い付いたジャンヌは、二人を見て、「心配し過ぎでしょ」とつい口漏らす
「心配するに決まってるだろ!―――「そうよそうよ!ジャンヌは私と友達なん」好きなんだよ!「・・・・・えっ?俊屋マジ?」・・・・・」
「は、はぁ!?あんたと知り合ってから数ヵ月よ!?す、す、好きになるなんてありえないでしょ!!」
俊屋のいきなりの告白に、春は真顔になり、ジャンヌは顔を真っ赤にしながらツッコミを入れる
「・・・あれ?どうしてジャンヌの顔が赤いんだ?」
俊屋の方は、自分が言った事を覚えていないのかキョトンとした顔でジャンヌの顔を覗いている。真っ直ぐに、下心なく心配する俊屋に、ジャンヌは顔を逸らす
「お、おい・・・何処か痛かったりするのか?」
「・・・うっさい」
取り敢えず、俊屋のあの告白は無かった事にしようとジャンヌは黙る。だが、その空気をぶち壊すのが姉である
「ちょっとちょっと!俊屋の告白の返事は!?」
「は?」
「掘り返すな!」
俊屋がジャンヌの反応を見て固まった。自分で気付いていない本音の暴露に加え、姉による追及に頭を抱える
「さぁ、さあ!返事は?私の事を義姉ちゃんって呼んで!」
「呼ぶかあああああ!!」
ジャンヌのグーパンチが春の顔に直撃
「ぶぁあああああああああああああ!?」
「春ねぇええええええ!?」
綺麗な錐揉み回転で空を飛び、ロケット龍のバルファルクに掴まれて流星となった
「いい?忘れなさい!さっきあった事全部忘れなさい!」
「あ、はい」
これ以上は突っ込んだらいけないと本能で理解した俊屋は、素直に従う。まるで妻の尻に敷かれた夫の様だ
「忘れていたけど、美羅の方はどうなったのよ?」
「そういえばそうだった!?」
皆がジャンヌの方に釘付けになっており、慌てて美羅の方を見ると――――
「おらあ!四つん這いになって豚の様に泣き叫びながら後悔しなさいよ!」
パンッ!パンッ!ビシッ!パンッ!バチィッ!
「あひぃ!?神様に対して無礼よ!」
「口答えする暇があるなら懺悔しなさい!」
パンッ!パンッ!パンッ!パンッ!パンッ!
「おひぃいいいい!お尻割けちゃう!?」
「露出多い服を着ている痴女にはボールも追加してあげるわよ!」
「ンフォオオオオオオ!?」
地面に伏したニュクスのお尻を鞭で叩き、R-18でよく見るボールを嚙ませている光景だった。正直言って何がどうなってそうなったとしか言えない光景だ
「さぁ~て、私の初めてを奪うとか言ってたわよね?逆に奪われる可能性を想定していなかったのかしらぁ?」
「ン゛ン゛~~!?」
「これより、痴女のお尻にホットドリンクを突っ込みま~す!」
「あ、これは死んだな」
以前、尻に元気ドリンコをぶち込まれた雌煌がニュクスを見て南無南無と両手を合わせている。さて、このホットドリンクの原料を知らない人に説明しよう!トウガラシとにが虫で調合されるドリンク―――後は分かるだろう
「せぇいっ!」
ズムッ!
「~〇♯♪$&%▽!?」
尻からホットドリンクを投入される事自体歴史上初めてだろう。飲んだら、極寒地域でも体が温まるバランスブレイカーアイテム・・・どうなるかは目に見えており、ニュクスはのたうち回る
「いやぁ~、一仕事した!」
これぞ鬼畜の所業。そして、ぶちのめされたのはニュクスだけでなく、ハーデス、タルタロス、エレボスの三神に標的が変わる
「男のあれは見たくないけど、面白おかしくしてからぶっ殺すのは確定しているからやっちゃうよ~?」
美羅が取り出したのは赤いキノコと魚。その名をニトロダケ―――取り扱いを間違えると爆発する超危険なキノコと、カクサンデメキン―――死んだ瞬間に爆発する魚と危険一色だ
「カクサンデメキン以外を粉末にして~、ハバネロ、ブートジョロキア、キャロナイラリーパーを混ぜ合わせたデス粉末の完成~♪」
赤、赤、赤、赤―――この最悪のドロッとした調味料を、三神の口に投入する前に忠告する
「噛んだら爆発、「爆発オチなんてサイテー☆」って言ってあげるわ♪」
四肢を砕かれ、どうする事も出来ない状態の三神の口の中にデス粉末をべっとりと塗りたくったカクサンデメキンをシュートッ!とてつもない痛みが口内を暴れまわり、案の定力強く噛んだ。その瞬間、カクサンデメキンが死亡して破裂―――
ドガァアアアアアアアアアアアン!!
ニトロダケの粉末に反応して爆発した
「爆発オチなんてサイテー☆」
オオタル爆弾G並みの爆発が口内を襲った=神は死ぬ。頭部が無くなり南無阿弥陀仏!
あっという間の殺戮クッキングに皆の頬が引き攣る一方で、雌煌も美羅と同じく腹を抱えて笑っていた
「ブギャハハハハwあいつらの顔見たか?辛さのあまり自決を選びやがったぜ!美羅に喧嘩を売るからだ!ざまぁねえぜ!!」
「さて、残りはそこでお尻を押さえて悶絶している痴女だけね」
美羅はニュクスの手足を縛り、装着していたボールを外す
「ねぇ痒いの!熱いの!痒いの!手の拘束だけでいいから外して!!」
「捕虜に人権なんて無いわよ♪」
「鬼ィ!悪魔ァ!鬼畜ゥ!ドS!」
「しょうがないなぁ、冷ましてあげるわ」
美羅は呆れた表情をしつつ、アイテムポーチから白い液体の入った瓶を取り出す。皆は、「治すのね」と思っているが、美羅の事をよく知っている黒と紅と雌煌は全て察した。人間見下す神を美羅が早々に助けるとでもお思いだろうか?答えは決まっている
「クーラードリンク、レッツゴー♪」
ズムッ!
「んほぉおおおお!?」
ニュクスのお尻を再び開通させる。流れ込む液体はとても冷たい
さて、ここで話を変えよう。激辛を食べている最中に冷たい水を飲むとどうなるか読者の皆は知っているだろうか?答えは―――
「いぎぃいいいいいいいい!?おちりいっだぁあああああい!?冷たい!痛い!何こりぇええええええええ!?」
皆が美羅の顔を見ると、とてもいい笑顔でのたうち回るニュクスを見ていたのだ。これでようやく理解した。確かに間違った事は言っていないが、それに伴う痛みは無いとは言っていない
「ねぇどんな気持ち?見下していた奴に見下されてどんな気持ち?虐められてどんな気持ち?」
「リアクション芸神だぜ! m9(^Д^)プギャー」
「これで十字架に磔ちゃおっと♪」
神であるニュクスを磔にする事は罰当たりな行為だろう。だが、どんな世界であろうと、弱者は強者に虐げらる
「出来た!あんまり暴れるから、つい当身で黙らしちゃった♪」
「この三つの死体はどうすんだ?」
「この痴女と一緒に北欧に送り届けるわ。だって、その方が面白そうだから♪という訳で、ティア行くわよ~」
「い、今からか!?」
「善は急げ!ってね」
『あきらメロン。美羅の理不尽な強さを知ろうともしなかった神の末路を語る程度でいい』
ティアは美羅に腕を掴まれ、北欧へと転移した
~美羅side~
北欧のオーディンの住む城―――オーディンが若い女の子と楽しくウフフな事をではなく、仕事をしているとても珍しい事だった。そこにはオーディンだけでなく、オーディンの息子のヴィーザルとロスヴァイセの祖母にあたるゲンドゥル、ブリュンヒルデやヴァルキリーのメンバー等、重要人物達が集まって会議をしていた
「うぅむ・・・。これどうしようかの?」
「白野美羅はもちろんの事、その眷属?であろう龍達はバランスを崩壊させている。・・・しかし、それを我らが相手をするとなると勝目はありません」
オーディン達が会議している内容とは、自称神からの戦闘命令が下ったから。自称神は最古の神の一柱であり、その命令となると無視するわけにはいかない。ぶっちゃけた話、パワハラを受けているという事だ
「ロキを消す程の雷を見ましたが、魔術の痕跡すら見つけられませんでした」
「魔術に長けたゲンドゥルでも分らんかったか・・・この命令撤廃してくれんかのう」
皆が頭を悩ませていると、オーディン達が会議をしている部屋にいきなり重圧が圧し掛かる。以前にも体験した重圧―――美羅のものであると理解したオーディンは、冷や汗を大量に流した
(この会話を聞いておったのか!?や、ヤバイ・・・どうしようもなくヤバイのぅ!北欧消されちゃうぅううう!)
皆が圧の中心地である部屋の中央を見ながら臨戦態勢に入る。だが、力の差が歴然としているのか、武器を持つ手が少し震えている
「いやっほ~♪宅配便で~す!」
「主よ、敵陣のど真ん中だぞ・・・」
「べっつにいいじゃんか~。要件を直ぐに伝えれるし、ちゃんと理解も出来る!一石二鳥なの!!」
棺が三つある時点で、オーディンは綺麗な土下座で命乞いをする
「すまんかった!上の命令とはいえ敵対する事を相談しておった!!」
美羅がオーディンの声に気付き、―――一言
「どういうことだってばよ?」
「この謝罪はどういう意味だ?」
『え?』
美羅としては攻めてきたクソ野郎達の見せしめで、ティアはその報告で、オーディン達は美羅と敵対する会議についてと考えが食い違っていた。そこでこの場にいる全員で何が起こったのか、何をしていたのかをすべてぶっちゃける事にした
「ほっほ~ん。なるほどなるほど、パワハラって酷いよね~」
「正直死ぬかと思ったぞ?」
「余程の事がない限りは敵対しないわよ」
「心が広いのぉ。そして、お嬢さんに喧嘩を売った馬鹿な主神の末路がこれか・・・ワシ等は本当に運が良かった」
ブリュンヒルデやヴァルキリーの面々も首を縦に振る。それは、美羅による処刑方法が"女の尊厳ぶち破る!"という例が目の前にあるからだ。アヘ顔+汗と涙と涎+お漏らしというトリプルコンボなのだ。これを見たら、ほとんどの男性はドン引きだろう
「それじゃあ、全勢力に注意喚起しておいてね♪そ・れ・と・!上司の神だっけ?あれは私の獲物だからね?」
「・・・ホント?」
「マジもマジ。私の所に色々と送り込んだお礼参りするのよ」
「神話勢力全体に喧嘩を売るようなもんじゃぞ?」
「ふ~ん、惑星が生まれた直ぐに居なかった神達がどうこう言っても何も感じないわ。それに、今の私は枷を付けているのよ?地球で戦ったら・・・・・更地になっちゃうかもね♪」
美羅が笑いながら、人間の眼から龍特有の物に変えてオーディンを一睨みする。その瞬間、オーディン達は心臓を鷲掴みされたと錯覚した
「本当に人間か?」
「私が何時人間と言った?」
オーディンはこの時アザゼルから聞いた情報と、外見だけで完全に騙されていた。アザゼルから聞いた嬢ちゃん呼び+外見が人間そのものである事から勝手に決めつけていたのだ
「本当の姿って何じゃ?」
「ひ・み・つ・♪」
美羅は、クスクスと笑いながらティアを連れて転移した。その瞬間、部屋を支配していた圧から解放された者達は椅子に深く座った
「近々とんでもない戦争が起きそうじゃのう」
「私はあれと敵対するなら、敵前逃亡する」
「そう・・・ですね・・・。私達程度は羽虫位の脅威と捉えているでしょう」
「各神話勢力に注意喚起してくる」
オーディンは深い深い溜息を吐きながら、三つの棺と磔にされたニュクスを連れて上司以外の神話勢力へ注意喚起を行ったのだった
フフフ、いやぁ~爆死する姿を見ていると楽しいね。それにしても、こちらの聖女はどんどん強くなっている。最上位神滅具を持った彼を倒すとは・・・
もうそろそろ最後が見えてきた事だし、僕のお役目はあと少しだろうね。それでは、僕はここら辺でお暇をするよ!