その日はいつも通りの朝だった。
春斗はスマホのアラームを止めてベッドから出る。
洗面所で寝癖をなおして歯を磨く。
朝食はいつも通りのトースト。
制服に着替えて戸締りをしっかりと確認し靴を履く。
一人暮らしも一年以上経てば「行ってきます」を言う習慣はなくなってしまった。
ここまでは一年以上繰り返してきた当たり前の朝。
家を出てドアに鍵をかける。
「また一週間が始まるのかぁ…」
などとため息混じりにつぶやくきながら階段の方へ歩いているとふと、少女が階段の近くでウロウロしている。
「(中学生くらいか?でもあんな子見かけたことないけどな…)」
と考えていると少女と目が合ってしまう。
「あ、あの!」
と、こちらへ近づき、緊張混じりに声をかけてきた。
「は、はい!」
と春斗もつられて緊張混じりに返事をする。
「え、えっと…」
と、何かを言いたいことがあるのだろうか。
「そ、その!な、なにか食べさせていただけないでしょうか…?」
「………は?」
キュルルルル…と少女のお腹が可愛らしい音を鳴らしたのと春斗の返事は同時だった。
「昨日から…何も食べて…ないので…」
少女は顔を赤くしながらこう言った。
たしかにそれは大変だ、と春斗は思った。
春斗も一人暮らしを始めたばかりの頃は冷蔵庫がすっからかんになり食事は水かお茶だけというプチ断食中のJKもビックリな時期があった。
空腹状態の辛さをよくわかっている春斗はひとまず部屋へ案内した。春斗はいつも早めに学校へ行くので時間には余裕がある。
そして少女を部屋に案内すると簡単な野菜炒めを作った。
そして少女はよほどお腹がすいていたのだろう。
目の前に野菜炒めの入った皿を置いたと同時にそれはもう、ものすごい勢いでペロリと完食した。
すると、
「お、おかわりをいただけますか…?」
と、照れながら少女が言う。
多めに作っていたのでお代わりをすぐに出した。
するとまたもや置いたと同時に以下略である。
少女もは口に野菜をギュウギュウに詰め込み、ほっぺたを膨らませて食べていた。
その姿を見て春斗はハムスターみたいだなと思ってしまった。
笑ってしまいそうになったが、春斗は必死に笑いをこらえた。
「ありがとうございます。お代わりまでもらっちゃって…」
「俺も似たような経験あるからね。でも、なんで昨日から何も食べてなかったの?」
笑いそうになるのを必死に我慢しつつ尋ねた。
少女は、げふっ、とゲップをしてからこう答える。
「ずっと…追いかけられていたので。それにお金も持ってないですし、知り合いもわからないのです」
不良とかそんな連中かな?などと想像しながら、
「どんな人に?」
と、尋ねる。
すると少女は
「超能力者です」
と、予想のはるか上の回答をした。
日常系の前作(駄作ともいう)がグダグダだったにも関わらずSFにチャレンジした最強の無能力者です。一人暮らしの高校生の主人公と腹ぺこの中学生ぐらいの少女は禁書を参考にしました。(わかる人にはわかると思います)
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