風は微風・・・
距離は800・・・
湿気は高くない
放課後の訓練場で、ライトを灯し、やたらと明るいグラウンドでうつ伏せの状態からL96Aの倍率スコープを覗く
ターゲットの赤い的に的確に当たっ・・・・ていなかった
五発中二発が真ん中
あと三発は真ん中より上
俺は身体を起こすと右肩をぐるぐる回しながらため息をはく
「あ〜、やっぱり本物の銃は反動が半端ないな」
そうーーーー
今撃ったL96Aは正真正銘本物
学園入学から早、二週間ちょっと・・・
IS学園は高校でありながらもIS授業は訓練である
当然、軍に関係する訓練もあるわけである
そこで司はIS学園を通して銃を購入した
お金?
なぜか私服と一緒に銀行の通帳を見れば80万ほど入っている
ちなみに住所を見れば学園からさほど距離がなかったという・・・
まぁ、そんなわけで今、本物の銃で試し撃ちをしてたのだ
「さて、帰ろうかな・・・」
L96Aをケースにしまうとグラウンドの明かりを消し、真っ暗になった訓練場から出る
そのまま食堂に向かおうとしたが、目の前に辺りをキョロキョロしたツインテールの女子がいきなり声をかけてきた
「ねぇ、ちょっとそこのアンタ
総合受付って、どこか知らない?」
(・・・・もう、こんな時期だったか
どうなんだろう、鳳・鈴音イベント)
そうーーーーそこにはボストンバックのような大きなカバンを背負ったツインテールの少女・・・鳳・鈴音がいたのだ
「ああ、案内しようか?」
「頼むわ
にしても・・・アイツ以外にも男子がいるんだ」
マジマジとこちらを観察する鈴に苦笑いで答える
「あまりジロジロ見ないでくれよ
俺は新城司
まぁ、織斑千冬の弟の一夏のほうが世界的にもインパクトあるから俺はそんなに有名じゃないみたいだしな
お前の名前は?」
まぁ、知ってるけどなー
で、上の説明だが女神が記憶操作したため俺もIS操縦者としてそれなりに有名らしい
(クラスの女子に聞いてみた結果)
しかし、やはり一夏のほうが有名らしく俺の名を知ってるのは日本国内だけみたいだ
外国からの生徒は知らなかったからな・・・
「鳳・鈴音よ
アンタは一夏と同じクラスなの?」
「ああ、そうだよ
・・・まぁ、一夏のほうが人気高いからな」
「アイツ、モテるんだ・・・」
「なんか言ったか?」
「あっ!
ううん、なんでもない!
あれが、受け付け?」
慌てて首を振る鈴だが、ちゃっかり聞こえちゃってますよ〜
まぁ、聞こえてないふりはしてるが・・・
(そうなんだよ、一夏は小説通りモテるんだよ
こないだ聞いたが同居してる箒はどう思ってるんだって一夏に聞いたが・・・
幼なじみとしか意識してないという・・・
同じ男として情けないと本気で感じてしまったのだ)
「あってるよ
まだ受付は閉まってないな・・・・
すいませ〜ん!!」
明かりがついてる受付窓口から呼んでみる
すると事務員の女性が受付に出てきた
「中国代表候補生の鳳・鈴音ですけど、寮の部屋番教えてもらっていいですか?」
入れ替わりに鈴が受付人に話しかけ、部屋番を聞いてるみたいだ
「お待たせ
ところでアンタ
一組のクラス代表みたいじゃない?」
「そうだけど・・・」
何です、その好戦的な目
そりゃあ、クラス代表だから戦うなら仕方ないけど鈴さん、まだクラス代表じゃないでしょ・・・
「面白いじゃー「間違ってもクラス代表にならないでくれよ・・・」まだ何も言ってないじゃない!」
鈴の言葉を遮り、先制攻撃
案の定、戦おうとしていたのか・・・・
「戦いをしたいならお前の好きな奴を選んでくれ
只でさえ、代表ってのは面倒くさいからな・・・」
「なっ!
なんで、一夏が出てくるのよ!」
顔を真っ赤にして怒る鈴
小説ではピンと来なかったがこれは中々、面白い反応だった
先ほどまでは話しが面倒くさいと思っていたが、今は興味心が煽られている
「(もうちょい弄ってみるか・・・)
誰も一夏って言ってないけど?
一夏が好きでちょうどIS学園に入学したのを知ったから転校してきたのか?」
ニヤリと嫌らしい笑みを浮かべながら話す
鈴は墓穴を掘ったのに気づき、口をパクパクさせながらプルプルと震え、顔はトマトのように真っ赤
そんな反応につい笑いが堪えきれず、笑ってしまった
「アハハハハ、その反応サイコー!
アハハ、ス・・マン
笑い・・クッ・・すぎだな
クククッ、心配しなくても・・ハハ、一夏はまだ誰も好きな奴はできてないぞ」
腹を抑えながらポンポンと優しく鈴の頭を叩く
まるで子供扱いのように
しかし、それが最後の決壊の留めになったようだ
ブチンっ!!
例えるならこんな音だろう
鈴の堪忍袋が切れたようだ
「もう許さない・・・
クラス代表戦、覚悟してなさい!!
私を弄って、怒らせたことを後悔しなさい!
公衆の前でボコボコにしてあげるわ!」
そう言い放ち、背を向け、スタスタと去って行く鈴
残された自分は・・・
「やべっ、やり過ぎたな・・・」
すでに後悔していた