(完結)閃の軌跡0   作:アルカンシェル

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36話 再会

「リーン……リーン……」

 

 その夜、リィンはアルティナに身体を揺すられて目を覚ました。

 

「どうしたアルティナ、眠れないのか?」

 

 いつもの無表情だが、どこか不安と恐れを感じさせる目にリィンはまどろみの意識をすぐに切り替える。

 

「何があった?」

 

 短く尋ねると同時に時間を確認する。

 時刻は草木も眠る丑三つ時。

 約束の日までまだ日数はあるが、それは元々フェイクで今夜の襲撃が本命だったのかとリィンは考え、アルティナが指差した窓の外を見る。

 

「っ……!?」

 

 そこには煙のような白影が宙に浮いていた。

 部屋は三階。

 あり得ない存在に素早くリィンは窓を開け放ち、太刀を手に一切の躊躇いなく跳んだ。

 白い影に肉薄すると、それはどこかで見覚えのあるような姿をしていたが、リィンは構わず太刀を抜き放つ。

 居合一閃。

 しかし、手応えはなくリィンは重力に引かれて落ちていく。

 

「ちっ……」

 

 危なげなくリィンは地面に着地して、白い影を見上げる。

 ソレは楽し気に音もなく笑い、ぐるぐると回り、リィンに向かって一礼すると空の彼方へと飛んで行った。

 

「…………何だったんだ?」

 

 刺客ではなかったようだが、意味不明なその存在にリィンはただ困惑して立ち尽くした。

 

 

 

 

「それは幽霊だよ」

 

 翌朝、クローゼとの朝稽古を終わらせてギルドに出向いて夜の出来事を報告したリィンにジャンは深刻な表情を浮かべて語り出した。

 ジャンの堂に入った語りにアルティナは身を竦ませてリィンの背中に隠れる。

 

「幽霊って……そんなものが本当にいるんですか?」

 

「うん、数日前からルーアンの各地でリィン君達が見た白い影と同じものが目撃されているんだ……

 エア・レッテンの関所、ルーアン市北街区のホテル上空に倉庫街、それからマーシア孤児院からも同じような目撃報告が来たね」

 

「新種の魔獣の可能性はないんですか?」

 

「絶対にないとは言い切れないけど、基本的に人の生活圏内には魔獣除けのオーブメントとがあるからその可能性は低いと思うよ……

 だいたいリィン君は斬ってみたんだろ? エア・レッテンの関所の兵士も撃ったけど意味はなかったようだけど無茶をするね」

 

「あ……あはは……」

 

 リィンは笑って誤魔化す。

 

「気になるかい?」

 

「ええ、あれを見てからずっとアルティナがこんな調子ですし」

 

 服にしがみつき震えるアルティナの頭を撫でてリィンは苦笑する。

 

「でもリィン君にはこの幽霊の調査は任せることはできないよ」

 

「そうなんですか?」

 

「この目撃報告が街道なら魔獣として調査してもらうこともできたけど街や関所だからね……

 調査をするなら必然的に聞き込みが中心になる。それは臨時遊撃士の仕事の範疇から外れてしまうよ」

 

「確かにそうですね」

 

「それに安心していい。もうすぐ正遊撃士の援軍が来るから調査はその人にやってもらうとして……

 リィン君は今日も魔獣の調査を――と言いたいところだけど、そろそろ紺碧の塔への下見に行った方がいいんじゃないかい?」

 

「あ……」

 

 初日こそ意気込んでいたが、焦らないようにと言い聞かせてこの数日は仕事の魔獣の調査に集中していた。

 しかし、約束の日まであと四日。

 確かにジャンの言う通り、そろそろ塔の下見に行った方がいいだろう。

 

「そうですね……そうさせてもらいます」

 

 リィンは今日の方針を決めると、背中にしがみついているアルティナに声を掛ける。

 

「ほら、アルティナ。幽霊は昼間に出ないから大丈夫だよ」

 

「…………ん」

 

 小さく頷くも、アルティナは服の裾を放してくれなかった。

 仕方がないと思いながら、リィンはそのまま紺碧の塔へ出発した。

 そして――

 

「あ……」

 

「え……?」

 

 紺碧の塔へ続くアイナ街道に出ようとしたところで、ばったりと見覚えのある少女と出くわした。

 

「君は……この前の」

 

 数日前にぶつかった少女についあの時のことを思い出してしまう。

 

「あはは、奇遇ですね……この前はすいませんでした。ちゃんと謝らないで」

 

「いえ、こっちの方こそすいませんでした」

 

 先に頭を下げられてリィンも慌てて頭を下げる。

 そんな様子にどちらともなく苦笑して顔を上げる。

 

「私はリーシャ・マオといいます。カルバード共和国から来ました、写真家です」

 

「写真家?」

 

「ええ、いろいろな場所に行って撮った写真を雑誌社に買ってもらう仕事です」

 

「へー……俺と同じくらいの年なのに凄いですね」

 

「そうでしょうか。でも、あなたも遊撃士じゃないんですか?」

 

 リーシャはリィンが胸に付けているバッジに視線を向ける。

 

「俺は見習いのようなものです……

 すいません。名乗るのが遅れました、俺はリィン・シュバルツァー。たぶん気付いていると思うけど帝国人です」

 

 リィンの出身のエレボニア帝国とリーシャの出身であるカルバード共和国はゼムリア大陸西部の二大国であり、その覇権を争っている。

 リィンも一応は貴族の身であるが、個人的な知人にカルバードの出身者がすでにおり、特に隔意を感じることはなかった。

 それは彼女の方も同じで特に嫌な顔をすることもなく、リィンが帝国人だということを受け入れた。

 

「帝国人が太刀を持っているなんて珍しいですね」

 

「たまたま旅をしていた老師に弟子入りすることになったんです。八葉一刀流という剣術なんですが」

 

「え、あの有名なっ!?」

 

 流派の名前を聞いてリーシャは驚く、やはり帝国よりも共和国の方が有名なのだろうか。

 

「と言っても、俺は《初伝》の未熟者ですよ……

 ところでリーシャさんは街道に出るみたいですけど、何処へ?」

 

「実は紺碧の塔からの写真を撮ろうかと思っていたんです」

 

「街道もそうだけど、塔には魔獣が住み着いていて危険ですよ」

 

「大丈夫です。これでも武術をかじっていますから」

 

 そういってリーシャは細い腕で拳を作って見せる。

 

「実は俺も用があって紺碧の塔に登るんですけど、もしリーシャさんが嫌じゃなかったら一緒に行ってもいいですか?」

 

 いくら腕に自信があるからと言われても、民間人を一人で行かせるのはまずいだろう。

 それにこの手の類には遊撃士の護衛を雇うことを勧めても効果がないと教えられている。

 幸いなことに目的地は同じなのだから自分が護衛すればいいと提案する。

 

「ええ構いませんよ。えっと……」

 

 リィンの提案にリーシャは頷くと、視線を下に移してアルティナを見る。

 

「この子はアルティナと言います。人見知りする子ですけど、よろしくお願いします」

 

「そうなんだ。よろしくねアルティナちゃん」

 

「……ん」

 

 道中の話題は帝国人と共和国人という関係にも関わらず意外にも弾んだ。

 リィンは積極的に人に自分のことを話すようなタイプではなかったのだが、気が付けばリーシャの話術に乗せられて色々と話していた。

 帝国のユミルの出身であること。

 八葉一刀流との出会い。

 リベールに来た切っ掛け。

 臨時の遊撃士となって、各地の魔獣の調査を行っていること。

 当然、隠すべきことの話はしなかった。

 

「リィン君、お強いんですね」

 

 道中に現れた魔獣をリィンは難なく蹴散らすと、身構えただけで終わってしまったリーシャは感嘆の言葉を漏らした。

 

「俺なんてまだまだですよ」

 

 謙遜のつもりはなくリィンは本心からそう言う。

 王都で戦ったレオンハルトに紅蓮の塔で戦ったヴァルター。

 彼らの存在にリィンは改めて世界の広さを思い知らされ、だからこそ紺碧の塔で戦う刺客に不安を抱く。

 

「そんなことないですよ。私と同い年くらいなのに……もしかして《殺し》の経験もあるんですか?」

 

「随分と踏み込んだことを聞いてきますね」

 

 不躾な質問にリィンは呆れる。この場合の質問は当然魔獣を指すものではなく、《人》についてのことだろう。

 少なくとも初対面の人間に聞くことではないが、もしかして一般人から見た自分の実力というのはそれほど恐ろしく目に映るものなのかもしれない。

 

「俺はまだ一度も人を《殺した》ことはないですよ」

 

「そうですか……すいません。変なことを聞いてしまって」

 

 頭を下げるリーシャの謝罪を受け入れて一同は歩みを再開するが、それまであった会話がなくなっていた。

 最低限の受け答えはするが、会話は弾まず気まずい沈黙が支配している。

 結局、そのまま一同は紺碧の塔へ辿り着き、街道と同じようにリィンが襲ってきた魔獣を蹴散らして屋上に辿り着いた。

 

「わあ……」

 

 リーシャはその光景に心を奪われたように駆け出した。

 

「気をつけてくださいよ」

 

「大丈夫ですよ」

 

 リーシャはリィンの注意に明るい言葉を返すとオーバルカメラを取り出して撮影を始める。

 リィンも屋上の様子を見回して、その配置を覚える。

 造りは紅蓮の塔と同じ。色違いなだけで特に違いは見当たらない。

 

「リーン……」

 

「どうしたアルティナ?」

 

「リーンは写真を取らないのですか?」

 

 アルティナはカメラを構えるリーシャを指差して首を傾げる。

 

「そういえば……」

 

 すっかり戦場を見極めることに思考を集中していたリィンはアルティナの言葉に自分のカメラの存在を思い出す。

 

「そうだな……少しくらいいいか」

 

 心に余裕を持たせるためにもリィンもこの絶景を堪能しようと決める。

 紺碧の塔から見える景色は紅蓮の塔とは違った絶景が広がっていた。

 海に面したルーアンだからこその見渡す限りの水平線。

 リィンは何気なくカメラを構える。と、その先で景色を撮ることに集中していたはずのリーシャが勢いよく振り返った。

 

「どうかしましたか?」

 

「いえ、リィン君もオーバルカメラを持っていたんですね」

 

「ええ、仕事に使ったり、家族に送るために。もしかして邪魔をしてしまいましたか?」

 

「そういうわけではないですけど……ちょっと写真を撮られるのが苦手で驚いちゃいました」

 

「そう……ですか……」

 

 写真家なのに自分の写真を撮られるのが嫌というのはどうなのだろうか。

 疑問に感じるも人それぞれだと割り切ってリィンは納得する。

 

「もしよかったら、お二人の写真を私が撮りましょうか?」

 

「どうするアルティナ?」

 

「ん」

 

 リーシャの申し出にリィンはアルティナに促し、彼女は小さく頷く。

 カメラをリーシャに預け、水平線を背景に一枚撮ってもらうと。アルティナはじーと返されたカメラを見ていた。

 

「どうしたアルティナ?」

 

「……ん」

 

「もしかしてアルティナも撮ってみたいのか?」

 

「ん」

 

 リィンの言葉にアルティナは頷く。

 音楽もそうだが、こういったことに興味を持つアルティナにリィンは微笑みを浮かべる。

 

「それじゃあ、感光クォーツを使い切るまで好きに撮っていいぞ」

 

 オーバルカメラをそのままアルティナに預けると、彼女は大事そうにそれを持ち駆け出した。

 

「ふふ、元気な子ですね? 妹さんですか?」

 

「似たようなものですね」

 

 塔の端に寄って海を撮ったかと思うと、また駆け出して怪しげな光を宿す台座を、海とは対面の山に向けてアルティナはカメラを構えてシャッターを押していく。

 

「本当に……何処にでもいる子供ですね」

 

「リーシャさん?」

 

 雰囲気が変化した。そう感じたリィンは思わず手が太刀に伸びる。

 

「どうかしましたか?」

 

 にこやかな笑みをリーシャは会った時と変わらないのに途轍もない不快感に襲われる。

 似たようなものをどこかで経験している気がする。

 表側では友好的な態度を取りつつも、その目の奥ではこちらのことを品定めてしているような《蛇》のような眼差しを思い出さずにはいられない。

 

「リーシャさん……貴女は……」

 

「何ですか?」

 

 穏やかな返事。

 リィンの警戒に気付いた様子のないリーシャに、やはり勘違いなのではと考えながらも警戒心を解くことができない。

 

「…………不埒な気配がします」

 

 と、第三者からは見つめ合っているようにしか見えなかった二人にジト目をしたアルティナの声がかけられた。

 

「「えっ?」」

 

 二人は声を揃えてアルティナに向き直ると、そこにシャッターの音が響いた。

 

「ん?」

 

 そんな二人にアルティナは不思議そうに首を傾げる。

 そんな姿にリィンは毒気を抜かれて頭を掻く。

 

 ――ダメだな……

 

 数日後の戦場に来て昂ったのか、疑心暗鬼になっている思考を無理やり冷ます。

 

「すいませんでした、リーシャさん」

 

「えっと……何のことか分かりませんが、分かりました」

 

 リィンの謝罪を困惑しながらも受け取るリーシャはやはり何処にでもいる普通の少女にしか見えなかった。

 

 

 

 

 

 紺碧の塔を降り、ルーアン市とエア・レッテン関所の分かれ道まで戻るとリーシャがお別れを切り出した。

 

「私はこのままエア・レッテンの滝を見に行きますのでここでお別れですね」

 

「そうですか……俺たちはまだ数日ルーアンに滞在していますから、機会があればまた」

 

「ええ、それでは失礼します」

 

 流石にそちらの方に用のないリィンはこれ以上の同行はお節介だと判断して彼女を見送った。

 街道から外れる紺碧の塔ならともかく魔獣除けのある街道なら危険も少ないだろう。

 そのままリィンはリーシャの遠くなっていく背中を見送り、ルーアン市に戻るとその事件は起きた。

 リィンにとって決して見逃すことができないその事件、それは……

 

「フッ……みんな感じてくれたようだね。ただ一つの真実……

 それは愛は永遠ということを。今風に言えば、ラブ・イズ・エターナル」

 

 ラングラント大橋に観客を集め、自身は小舟に乗って気持ち良さそうに歌の余韻に浸る同郷人、その名はオリビエ・レンハイム。

 

「あんたって人は! 何をやっているんだっ!?」

 

「ぐはっ!」

 

 思わず、後先考えずに飛び出して飛び蹴りを入れて、リィンは彼もろとも海に落ちたが一片の後悔もそこにはなかった。

 

「おお! いい表情でしたよ~! とてもキュートです~」

 

 後に悔やむことになる決定的瞬間を撮られていたことも知らずにリィンは今一時の安堵に身を委ねた。

 

 ………………

 

 …………

 

 ……

 

「何やってんのよあんた達は……」

 

 呆れたエステルの眼差しにリィンは恐縮して身を小さくしながらも弁明する。

 

「言わないでください。エステルさん、俺だって馬鹿なことをしてしまったって自覚はあるんです……

 だけど、あそこでこの馬鹿者を放置するのは同じ帝国人として見過ごすことはできなかったんです」

 

「いや、リィン君の気持ちは分からなくはないんだけど……

 何でオリビエがルーアンにいるのよ。確かエルモ温泉に逗留しているってミュラーさんから聞いたけど」

 

「そのミュラーから紅葉亭に連絡があってね、これは挨拶せねばと飛んできたわけさ」

 

「それはありがたいんだけど、素直に喜べないのよね……

 でも、久しぶりねリィン君、オリビエ。それにアルティナちゃんも。女王生誕祭の時はちゃんと挨拶できなかったけどまた会えて嬉しいわ」

 

「それはこっちのセリフですよ」

 

 以前のような笑顔を浮かべるエステルにリィンは安堵する。

 ヨシュアがいなくなり、その時の取り乱した姿を見ただけにずっと心配だった。

 外国の訓練所に行く時には持ち直していたように見えたが、それもやはり無理をしているように見えた。

 しかし、服装も改めて心機一転したのか彼女の笑顔にあの時の陰りはなかった。

 強いて言うならば、もっとましな場面で再会したかったのがリィンとしての感想だったが。

 

「話には聞いていたけど、その姿を見て安心したよ……」

 

 オリビエもまたリィンと同じように心配していたのか、真面目な顔で安堵する。

 

「君が前向きな気持ちで旅立てたことが――その挑発的な衣装からもむんむん伝わってくるからね」

 

「なっ!?」

 

 オリビエの邪な眼差しにエステルは思わずスカートを押さえて後ずさる。

 その反応にオリビエは気をよくして続ける。

 

「いいねえ ほころぶことさえ知らずにいた蕾がついに己の恋心に目覚め、こうして大輪の花を咲かせようとするまでになるとは……

 ふふふ、以前のスパッツ姿も健康美を見せつけられて魅力的だったけど、今のスカート姿にボクは悩殺されそうだよ。ね、リィン君」

 

「ちょ、そこで俺に振らないでください!」

 

 リィンの抗議を無視してオリビエの口上は止まらない。

 

「新しい服に変えたのもそんな乙女の決意の現れなのだろう?

 愛しいあの人よ、この姿を見――」

 

「わあぁ!」

 

 エステルは顔を赤くして繰り出した棒の一突きがオリビエを黙らせる。

 

「ははは恥ずかしいこと言わないでよ! っていうか本当に相変わらずね」

 

「とてもよく似合っているよ」

 

「オリビエに言われたって嬉しくないんだからっ!」

 

「然らばこの上は一刻も早くヨシュア君に戻ってもらわなければね」

 

「言われるまでもないわよ。あ……私、ギルドに報告があるから先に行くわね。二人ともちゃんと着替えて風邪ひかないようにしなさいよ」

 

 これ以上からかわれるのを嫌がってエステルはその場から足早に去っていく。

 そんな背中をリィンは言葉を返すことができずに見送った。

 

「おや、どうしたのかなリィン君?」

 

「何でもないです」

 

 そんな態度を不信に思ったオリビエが声をかけてくるがリィンは素っ気なく返す。

 母に言われてもしかしたらと思っていた恋心。

 それが確かなものなのかリィンが理解するよりも早く、彼女の気持ちがどこに向かっているのか分かってしまった。

 少し前まではエステルがヨシュアに向ける感情は家族としてのものだと思っていた。

 だが、今のやり取りでエステルがヨシュアに向ける感情はそうじゃないのだと分かってしまった。

 

「ふ……エステル君も罪な女の子だね」

 

「オリビエさん? どうして肩を叩くんですか?」

 

「だが、まだ諦めるのは早い。リィン君、この世には略奪愛というものがある」

 

「いや訳が分からないんですけど」

 

「このままヨシュア君が戻ってこなければ君にだってチャンスはまだあるさ」

 

「縁起でもないこと言わないでくださいっ!」

 

「リーン」

 

 オリビエに抗議すると今度はアルティナに服を引っ張られる。

 

「アルティナ?」

 

「ん……」

 

 アルティナはリィンを屈ませるとその頭を撫でるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 


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