俺たちの世界は間違っている。   作:ゆきわぎ

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にゅうぶ

青春とは嘘であり、悪である。

 

ひとびとは、特に若者は。あらゆる失敗や、嘘や、暴力や、迫害を、「若気の至り」と言って片付ける。

其の一時の快楽の為に犠牲になる人たちの事を気にすることもないのだろう。

その先思い出すこともないのだろう。

そしていつか大人になって、馬鹿をしたなぁと笑い合うのだろう。

ふざけるな。

お前らの青春の一ページの為に生まれてきた人間なんて一人もいない。

へらへら笑って、踏みにじって良いものでもない。

持たざる者を笑うな。

恵まれない人を嘲るな。

人より劣りながら、それでも同じ社会で生きる人たちは、お前らよりずっと強い。

お前らがギャーギャー大人数で過ごした毎日を、彼らは一人で歩いてきた。

ぼっちを侮るなかれ。

結論を言おう。

 

世のリア充よ、砕け散れ。

 

 

「なあ、比企谷。私が授業で出した課題はなんだったかな。」

「はあ、高校生活を振り返って、でしたっけ。」

「そうだな。で、これはなんだ?何で犯行声明だ?割とガチっぽいし。お前はテロリストなのか?それとも馬鹿なのか?」

 

 

我が担任、平塚静先生は、俺を呼び出し、俺の作文を大声で読み上げそう聞いた。

失礼な。テロリストじゃなく傭兵です。とはもちろん言えない。

 

「…すんません、書き直します。」

 

ここは面倒なことになる前に殊勝な態度を見せて行くしかない。

すると平塚先生は、はあとため息をついてこう言った。

 

「こんな考え、子供はなかなかせんだろう。何か悩みでもあるのか君は?」

 

まあ、あるにはある。どうやったらこの世からクソ野郎が消え去るかという悩みだ。

 

「いや、別に悩みとかはないんすけど。先生の年齢からしたら、大体の人が子供でしょうし。」

 

早く終われ、と言う気持ちが滲み出て、失言をしてしまう。しまったと思うより先に、座っていた先生の雰囲気がピリッと変わったかと思うと。俺の腹部に拳が突き刺さった。あれー?まずは、顔の横撃ち抜いたりして脅すもんじゃないのー?と思いながら、膝をつく。

 

「次年齢の話をしたら、ひどいぞ…?」

 

年齢の話はやはりタブーらしい。もちろんパンチは見えていたし、やろうと思えば防げた、今もあまりダメージはない。決して美しい踏み込みとともに揺れた双丘に気をとられたわけではない。ないったらない。

食らった後の演技も忘れない。どおー!?この完璧な演技ー!と某天才殺し屋みたいなことをしながら俺は先生を責める様に見上げる。

 

「一発目は脅しとかにするもんじゃないですかね…。」

「お前は生半可な脅しは通用しそうになかったからな、今のもあまり聞いていないんだろう?見かけによらず鍛えている様だし。」

 

少し驚いた。しっかり見破ってるらしい。傭兵とばれないのは、一重に想像力の問題だろう。

 

「そう言う先生は空手ですか。我流に傾けてるみたいですが。映画とか参考にしました?」

 

言われて先生は口笛をふく。おそらくはジークンドーとかも独学で齧ったのだろう。

 

「やはりか、ふふ今度格闘技について熱く語ろうじゃないか。」

 

まあ、美人と語り合うには色気がないが。悪くない誘いだった。

このまま許してもらえる流れかとおもったが。

 

「それはそれとしてだ、私はお前の心無い発言に深く傷ついた。」

 

人生そう甘くないらしい。

 

「君には奉仕活動を命ずる、罪には罰を与えんとな。」

 

そう言って先生はいたずらっぽく笑った。

 

 

そうしてやってきたのは謎の教室である。なんだ?身体でご奉仕とか言われるのか?訓練の成果を出すときが来たのか?

 

「ここだ。」

 

と、端的に言って先生はドアを開ける。

 

「雪ノ下、依頼を持って来た。」

「平塚先生、ドアを開けるときはノックを、と」

 

中にいたのは、美少女だった。

校内でも有名な優等生、雪ノ下雪乃が、そこには座っていた。

俺が見て来た場所とは別の意味で別世界。近寄り難く。領域を侵すことを許さない。

彼女は孤高に、凛々しく、そこに居た。

 

「入部希望の比企谷だ。ほら、自己紹介を。」

先生のその呼びかけにはっと意識をとりもどす。

 

「えっ?あー、比企谷八幡です。あとは、えー、は?入部ってなんだよ。」

 

途中の話を聞いてなかったので、割とわからない。たぶん聞いててもわかんなかったと思うけど。

 

「お前にはこの部活での奉仕活動を命ずる。よく反省して頭を冷やせ。以上だ。」

 

そして先生は雪ノ下、後は頼むと言ってさっさと帰ってしまう。ちゃっかりレポートの紙も渡された。

 

よくわからないが面倒なことになったのはわかる。しかし部活とは、放課後が拘束されるのは困る。

とりあえず一刻も早くここからでるには、ここの主と敵対するしかない。まずは睨んで威嚇することにした。真の傭兵は目で殺す!

がるるるーっ!

 

「そんなとこで唸ってないで、座ったら?」

「あ、はい。」

 

しかしこうかはなかった。

いやいや、もちろん手加減してやったんですよ。一回失禁させちゃったこともあるし。さすがに女子校生を、ねえ?はい。

俺は居た堪れない気持ちを誤魔化す様に1番の疑問について質問する。

 

「で、ここはなんの部活なんだ?」

 

すると雪ノ下雪乃は、ふむと唸ってこう切り出す。

 

「では、ゲームをしましょう。ここは何部か当てるゲーム。」

 

めんどくさいなぱっとおしえてよ。と言う言葉は飲み込んでおく。話が進まなくなりそうだ。

 

「えー、あ、読書部か?ひとりだし、本読んでるし。」

 

それならすこしぐらいいるのも吝かではない、俺も本はすきだし。

 

「ハズレよ。」

 

何処か勝ち誇った様に雪ノ下は宣告する。

お?ちょっとイラっときちまったぞ☆

少し考えたが何も出てこない。

 

「…降参だ、教えてくれ。」

 

はっきり言ってノーヒントすぎる、一瞬平塚先生の奉仕活動と言う言葉から、奉仕部という名前が浮かんだが、まさかそんなはずはあるまい。

 

「あら、比企谷君は根性なしね?」

 

いちいち一言多いやつだ。

 

「…お前友達いないだろ。」

 

そう言われた雪ノ下は、ピクッと眉を動かす。

 

「まずは何処からが友達かはっきりして欲しいわね。」

「その発言で大体わかった。」

 

まあ、イメージ通りだ。多少溜飲は下がった。答えを催促する。

雪ノ下は対照的に、少しむくれたようにしながら。

 

「 持つものが持たざるものをに手を差し伸べる。私たちが行うのはボランティア。奉仕部へようこそ。歓迎するわ?」

 

あっとるんかーい。




ゆきのんさん登場。これからどんどんでてきます。
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