翌日。
もちろんあのよくわからない部活に行くわけもない。週末には仕事も控えている。帰って準備しなくては。
ホームルームが終わった瞬間流れる様に荷物を持って外へと向かう。誰の目にも映らない。
「比企谷、何処へ行く?」
と思ったがあれー?平塚先生に廊下で見つかってしまった。
「出て行くところは見えなかったが、ここは通ると思っていたからな。私も急いで出てきたのだよ。」
うぐぐ、ひょっとして同業者かと思うほど素晴らしい対応だった。俺のことをよくわかっていらっしゃる。ちょっと運命とか感じちゃったぜ。ないか、ないな。
「や、やだなあ。帰ろうとしたわけないじゃないですか。ちょっとジュースでも買いに行こうかと…。」
「行く方にもあるだろう?ほら、早くしろ。」
ちっ、しかたがない。ここは従うとしよう。週末の仕事も比較的簡単なものなので、準備にも手間取らないだろう。ターゲットのプロファイルを見るくらいか。
と言うわけで奉仕部である。うーすっと言いながら新入社員の様に恐る恐るドアを開ける。
「あら、サボらず来たのね、感心だわ。」
中に入ると既に、我らが部長、ラジカル美少女雪ノ下がいた。
「…貴方今ふざけたこと考えてない?」
「えぇっ、?まち、まっさかー!」
おいおい、読心術使えるとか聞いてねえぞ。一体ナニカワ潤さんなんだ?
雪ノ下がジト目で此方を見る。やばい、話題を変えなくては。
「あー、ここっていつも何してんだ?」
「…依頼が来るのを待っているわ、後は偶に平塚先生が来るくらいね。」
納得はしてなさそうだが、なんとか気をそらした。
「ふーん、大体どのくらいの頻度で来るんだ、依頼って。」
「…貴方のがはじめてよ。」
…ん?
「いつからやってんだ?これって?」
「…一年の頃からよ。」
…どうやら此処は読書部らしかった。
〜
その後、少しの間沈黙が流れ、雪ノ下が、紅茶を淹れてくれた。これがかなり美味い。此処は紅茶の出る読書部らしい。放課後ティータイム。お礼をいって優雅にいただく。
「…ねえ」
「あん?」
紅茶に舌鼓を打っていると唐突に雪ノ下が声をかけてきた。
「あなたは格闘技とかしているの?」
なんだ一体。藪からスティックなその質問の真意を探る。まあ雪ノ下自身も武道をやっている様なので。(合気道かなんかだろうか。)なんとなく興味があるのかもしれない。
「まあ、多少な。」
「…そう。」
どうしてそんな質問を、と聞こうとしたとき。なんとなくドアの向こうに誰かいる感じがした。それから一瞬たって、ドアが躊躇いがちに開かれる。
「あのー、奉仕部って此処ですか?」
開かれたドアからにゅっと出てきた頭は、ピンクがかった髪をお団子にまとめた女子生徒だった。
「って、なんでヒッキーが此処に!?」
…ん?ヒッキーって俺か?なんだ?見ず知らずの女子にヒッキーって呼ばれる様な生活してなかったと思うんだけど。
「ええ、此処が奉仕部よ?依頼かしら?由比ヶ浜結衣さん?」
なんか部長が、どう?依頼は来たわよ?とでも言いたげに薄い胸を張って、勝ち誇った様に横目で俺を見る。特になんとも思わない。てあれ?知り合い?
「え?何で私の名前…。」
違うのかよ。なんで知ってんの?まさか全校生徒覚えてるとか?にしては俺のこと知らなかったしな…。
「目立つからたまたま覚えてたのよ、深い理由はないわ。」
逆にこえーよ、なんだたまたまって。目ぇつけてたの?ほら、由比ヶ浜?さんも引いてるし。
「とゆうか、貴方こそ知らないの?同じクラスの筈よ?」
言われて、え?まじ?と由比ヶ浜さんを見る。よく見たらかなりの美少女で、雪ノ下とは、とある部分が正反対だ、どことは言わないけど、あと頭が軽そうである。あ、今絶対雪ノ下こっちみてる。めっちゃ睨んでるわ今。
「あははー…、やっぱり覚えてもらえてなかったかー…。」
と、少し残念そうにしている。…なんか悪いことした気分になるな。
「そこのトリ頭谷君は放っておいて、依頼内容は?」
「初っ端からかなり無理あんぞそれ。」
やっぱ怒ってるらしい。俺のA.Tフィールド簡単に突き破って来るなこいつ…。
「ああ、うん。そうなんだけど…、その…。」
と、歯切れ悪く喋りながらチラチラと俺をみる。
ああ、なるほど。
「わり、なんか飲みもん買って来るわ。」
「私はミックスジュースで。あなたは?」
「え、あ、りんごジュースで。」
あれ?奢る流れ?いやまあ、別にいいけどね?働いてるし。お金いっぱいあるし。だがしかし此処は敢えて甘やかさないでおこう。
「いやいや、俺人に奢らないし奢らせないひとだからさ…。」
「後で払うに決まってるでしょう。由比ヶ浜さんの分も私が出すわ。」
またもやしてやったりと雪ノ下が笑う。
なんか負けた気分になる。
奢ってやるよ畜生。
由比ヶ浜さん登場。癒しキャラです。
感想評価ありがとうございます。
いちおお話は決めてるので退屈させずにいれるかわかりませんが、頑張ります。